ポケモンに翻弄される現代社会、あるいはのうてんきミュウツー 作:ミュー(なきごえ)
どーも、ミュウツーです。
ポリゴンとの7年後の再会を待ちわびるA国航空宇宙局から、とんでもない爆弾を渡された。
物自体は単なる衛星写真なのだが、写っているものが問題である。
高速で飛翔していた上に拡大に拡大を重ねたため大まかな形しかわからないが……緑色の細長いフォルム、推定10m近い大きさで高度20km以上を飛んでいた謎の物体。
心当たりがありすぎるのがつらい……完全にレックウザです本当にありがとうございました。
いや、現実逃避している場合じゃない。逆に考えるんだ、まずほとんど地上に干渉してこない相手でよかったと考えるんだ……!
とりあえず概要としてオゾン層を生息域としている”伝説のポケモン”の1匹であること、ドラゴンタイプの中でも非常に強力であること、空気中のチリや水分、隕石を食料としていて滅多なことでは地上に降りてこないことを伝えた。
薄々ポケモンではないかと考えていたあちら様も、そんな危険生物とは思っていなかったようで本国に緊急連絡して大騒ぎである。
不幸中の幸い、と言っていいのかわからないが、レックウザは既存のレーダーに検出されないようで、対空ミサイルの誤作動による被害(地上側)は無かった。
……逆に言えば、オゾン層よりさらに上の衛星からの撮影でしか動向も掴めないのだが。
A国とは『ミュウツーさんなんとかできたりしない? ダメ? そっかぁ……』みたいなやり取りを経て、不干渉が一番賢いという結論に至った。
すみませんね、勝算が怪しいのもあるけど人のためにポケモン相手に戦うっていう構図はちょっと……
”れいとうビーム”があれば4倍弱点だし同じくらいの実力なら勝てなくもないと思うんだけどね、わざマシンないから覚えてないけど。
食性的にも他の生き物を襲うようなポケモンじゃないし、間違えて先制攻撃でもしない限り安全じゃないかな。*1
まあ隕石を食べるという習性があるので、もしかしたら弾道弾みたいな高高度に侵入して高速落下する物は狙われるかもしれない。
宇宙への行き来、特に帰りの安全のためにはレックウザにテレパシーするエスパーポケモンが同伴する必要があるかもしれないな。
一番良いのはテレポートで行って帰れる事なんだけどね。
▼▲▼
《原理的にはこれで問題ないはず……》
「でも、本当にこれでいいんでしょうか?」
クラフトを手伝ってくれた研究員さんもさすがに疑問の声を出す。
いろいろクラフトでヒスイ地方のレシピを再現してきたが、非常に物議をかもす物が出来上がってしまった。
『スーパーボール』、モンスターボールよりも捕獲率を上昇させたボールだ。
金属製の部品で開閉機構に補強が入っており、一度閉じると開きにくくなっている。
……そう、ポケモンが入ってボールが閉じると物理的に開きにくいことで捕獲率を上昇させるスーパーストロングスタイルだ。脳筋ともいう。
物件の内覧に来たら不動産屋に部屋の外から鍵をかけられて一晩過ごすことで”この部屋でもいいかな……”という妥協をさせるような、ちょっと道徳的にどうかと思う仕様である。
代わりにその捕獲率は脅威の5割増し、非力なポケモンほど捕獲率が高まるオマケ付きだ。
あまり金属部分を大きくすると金属臭でぼんぐりの捕獲作用が弱まるので、結構繊細な作りになって量産性が下がったのが欠点と言えば欠点か。
少なくともぼんぐりをくりぬいてちょちょいと作ったモンスターボールと比べると倍以上の製作費が掛かっている。
これでもパワーの強いポケモンには力不足だし、あまり多用するにはコスパが悪いのが実情かな。
正直この方向性で『ハイパーボール』に強化するのは難しそうだ。
いろんな鉱石系アイテムは見つかってるけど、まだ『たまいし』は見つかってないんだよねぇ……
鉱山とか採石場じゃなく別の場所を探さなきゃいけないのかな?
一応『スーパーボール(仮)』はレシピとともに提出したが、捕まえたポケモンとは遊んだりコミュニケーションを多くとるよう推奨しておいた。