ポケモンに翻弄される現代社会、あるいはのうてんきミュウツー   作:ミュー(なきごえ)

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第21話 共存するポケモンの生態

 どーも、今日は戦闘訓練の予定が無いので一日デスクワークのミュウツーです。

 とはいっても、暫定版ポケモン図鑑は既にできているので、各地の生物学者が送ってきたフィールドリサーチのレポートに目を通して私見を添えるくらいのものなんだけどね。

 広い海がある水棲のポケモンは実態がつかみにくいけれど、陸上のポケモンは観察によっていろいろなことが分かってきている。

 普通、動物の縄張りは寝床と食料を得る場所、あとは水飲み場あたりを含めた範囲になるが、ふしぎなふしぎな生き物であるポケモンも一応それに準じたものだ。

 まず一等地はきのみの木の周辺、独占しようという個体もいないわけではないようだが、それをすると結託した他のポケモンたちとの連戦むれバトルになるので独占状態は長くはもたない。

 それにきのみの味も性格による好き嫌いがあるから、案外仲良くシェアしている感じだ。

 それでもきのみは有限、あぶれたポケモンたちがどうしているかというと、クスリソウなどと同様に現れている”ころころマメ”や”ごりごりミネラル”などのポケモンを誘引する”よせだま”の材料になるものがある場所の近くに居を構えている。

 実験レポートではきのみの方がよせだまの材料より誘引力が強いという結果が出ているようなので、やはり味に原因があるのだろうか……

 そんな感じで割と色々なところに生えているきのみの木やよせだまの材料のある場所周辺に大きく分布が偏っているのだが、原生の生物たちとの関係はどうかというと……驚くことに悪くはない。

 原生の生物ではポケモンに敵わないので挑まないというのもあるが、最近のレポートでは一部の動物とポケモンが共生関係を築いているとの報告もある。

 もともとポケモンは群れで戦う場合に、別種のポケモンが救援に駆け付けたりすることもある。

 一部においては動物とポケモンが寄り親・寄り子のような関係を構築しているとみられる群れもあったそうだ。

 もっとも、それはだいぶ希少な例で、ほとんどの場合は相互不干渉、ケンカを売られない限り無視しているような状態のようだ。

 原生の動物たちもそれを上手に利用しているのかもしれないな。寄らば大樹の陰というし。

 

 他にも興味深い報告はある。

 普通の野ネズミを捕まえたとりポケモンが、そのままネズミを放して逃がしたというものだ。

 同じような報告は複数あり、どれもポケモンが動物を捕まえて何もせずに逃がしたというものになる。

 おそらくコラッタなどの小さなポケモンと誤認して動物を捕まえたものの、生命エネルギーを放出して小さくならないから困惑して放した、というところだろうか。

 もしかしたらポケモンの中では肉を実際に食べたことのある者は少数派なのかもしれない。

 いくらゲームの知識があっても、いくらでも未知の部分が出てくる。本当にポケモンは不思議な生き物だ。*1

 

 概ねにおいてポケモンと原生の生物はうまく共生しているようだが、割を食っている者たちはもちろんいる。

 一番ひどい目にあっているのは昆虫をはじめとする虫だろう。

 敵対してこないポケモンをうまく利用するほどの知恵が無く、守ってくれるほど同族意識があって強いむしポケモンが少ない。

 大きな群れを作り、同系種を守り縄張り意識が強いスピアーでさえ普通の蜂を同族とは見なさないのだ。

 それでいて時に迷わずケンカは売ってしまうのだから、割を食ってしまうのも致し方ないと言える。

 不衛生な環境を好むポケモンはある意味で不衛生な環境に住む虫と共生しているといえるかもしれないが、得てしてそういうポケモンはどくタイプであることが多く、その毒性で殺虫してしまうことも少なくない。

 有り余る繁殖力と個体数ゆえに問題にはなっていないが、今まさに虫は不遇の時代を迎えていた。

 

 

 

 

 

 ▼▲▼

 

 

 

 

 

 ……ふぅ、各レポートに私見の意見も添えて、今日の仕事は終わりだ。

 何が悲しいって、どのレポートにも汎用ポケモン忌避剤(ゴールドスプレー)の効果への絶賛とかが添えてあるんだもの。

 たしかにフィールドワークでは必須級の効果があるんだろうけれど……褒められても全く嬉しくないねぇ。

 私の強い羞恥を感じ取ったキルリアくんちゃんはプププと笑いをこらえているし。

 くっそぅ、覚えてろよー……戦闘訓練でキルリアくんちゃんをもっと鍛え上げて、いつか汎用ポケモン忌避剤(中)(シルバースプレー)を作らせちゃうからね! 

 同じ気持ちを味わうがいい!!

*1
なおミュウツーの感想である

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