ポケモンに翻弄される現代社会、あるいはのうてんきミュウツー 作:ミュー(なきごえ)
どーも、ミュウツーです。
夏の盛りも過ぎ、徐々に涼しくなりつつある中で私を加えた政府のポケモン対策班が会議室にて対応策を議論していた。
議論しているのはゴーストポケモン対策。
ゲームのポケモン図鑑ではかなりヤバめな説明の多いタイプのポケモンたちだが、今のところ致命的な大事件には至っていない。
しかし夏の、いわゆる"お盆"の時期に普段は夕方~夜中くらいしか見かけないゴーストポケモンが昼夜問わず目撃される事態を受けて、彼らポケモン対策班は対応に紛糾。
彼らの滅私の努力のおかげもあり、"お盆ゴーストポケモン大量発生事案"は事件性を持つことなく終了した。
……いやー、あれだけのゴーストポケモンが一体どこから現れたのやら。普段は日が暮れてから偶に見かけたり、曰くつきの廃墟で目撃例があるくらいなのに。
まあお盆の時のことはもう過去の事だから、来年にどうするかまではまだ余裕がある。
問題は予想される喫緊に迫ったゴーストポケモンが大量発生するかもしれない日…………そう、ハロウィンである。
お盆にあれだけゴーストポケモンが現れたのだ、この調子だとハロウィンにも彼らは現れかねない。
その対策を話し合うためにポケモン対策班は二名のオブザーバーを加えて対策会議を開いているわけだ。
オブザーバーのうち一名はもちろん私。ゴーストポケモンの習性やわざ傾向、もしもの時の武力行使のための意識合わせも兼ねている。
もう一人は民間から起用された珍しいゴーストタイプポケモンのトレーナー。
霊能力者として仕事をしているわけではないが、寺生まれで自称霊感が強め。ゴーストタイプポケモンを三体も手持ちに加えている実践派としてここに呼ばれている。
ゴーストタイプポケモンの捕獲については許可を与えるかかなり議論があったらしいが、対応できる人材は必要だからと特別に認可が下りたらしい。
悪用・誹謗中傷などを避けるために実名は伏せられていて私も知らないが、とりあえず仮名でTさんと呼んでいる。
もしもの時は自衛隊から選抜されたあくタイプポケモン部隊と私、寺生まれのTさんで対応することになるけど、本当に大丈夫かな……
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ハロウィン当日。
懸念された毒性を持つゴース系統のポケモンたちはあまり目撃されず、どこから来たのかバケッチャたちが圧倒的に多かった。
バケッチャたちは陽気にハロウィンに参加して、人間と諍いを起こすことなく思ったより平穏で肩透かしな感はあったけど、何もないのが一番だよね。
むしろハロウィンで浮かれて大騒ぎを起こそうとした若者たちに特大サイズのバケッチャやパンプジンがこわいかおで凄む場面もあり、平年より穏やかだったのかもしれない。
一度緊急出動した寺生まれのTさんチームに所属していた自衛隊員の方から聞いた話だと、Tさんが隠れたゴーストポケモンをみやぶってきあいだまみたいなので倒したとか……Tさんのポケモンがってことだよね?
まあきっとシャドーボールかなにかを見間違えたんでしょ。それにしても自称霊感強めというだけはあるね、寺生まれってスゴイ……。
事前にあれだけ議論したけど、実際当日になれば気を揉んだほどの事はなかったね。案ずるより産むが易しってことなのかも。
今回のゴーストタイプ案件については各国と情報共有をもって各地のあの世関連のイベントで同じことが起きた時のための対策になるらしい。
この国以外でも応用が利くといいね。
余談だけど、海外のあの世関連のイベントである11月の「死者の日」では、なんか赤いワニ型ポケモンが現れて歌いだし各地で街角セッションが行われたらしい。
ご当地色が強すぎて参考にならなかったかぁ……。