ポケモンに翻弄される現代社会、あるいはのうてんきミュウツー 作:ミュー(なきごえ)
感想欄は筆者への要望を書くところではないので、ご協力をお願いします。
ワ──! ウェミだ────!
どーも、ミュウツーです。
今日は海に遊びに来ている…………わけではなく、『水中におけるポケモンの生態と特定進化形体の情報収集』というなんとも御大層な名目でのフィールドワークである。
”海は全ての命のみなもと”という言葉があるように、ポケモンも水辺で生きる者はかなりの数にのぼる。
それゆえにタイプにおいてみずタイプが多いのは自明の理であり、海という広大な生息域がそれを支えているのだ。
しかし、実際のところはどのような生態系になっているのかはよく分からない。ゲームでもあまり直接的に描写されないし。
そこでちょっとばかし釣りあげて、テレパシーでいろいろ聞き取り調査しようという試みである。
潜るのもバリアーとか張ればいけないこともなさそうだけど、やっぱあっちのホームグラウンドに行くのは不利だもんね。
というわけで、偉い人に用意してもらった”そこそこいいつりざお”を使って水面にキャスト!
……お、引いてる引いてる! そしてフィ──ーッシュ!
投げてから喰いつくまでその間、僅か5秒! 釣りってこんなんだっけ……?
まあ、いい。本日の初釣果兼聞き取り対象を用意済みの水槽へ移す。
「コォ……コココッ!」
予想通りというか、予想以下というか。
釣れたのはみずポケモン雑魚代表、コイキング。
戦闘能力のすべてを環境適応に回したような弱さのさかなポケモンである。
《よくぞ俺を釣り上げたな……しかし我らコイキングは釣り四天王の中でも最弱……》
──────みたいな思念がテレパシーで伝わってくるが、今の釣り内容でよくそこまで強がれるな……
なんなら針に餌すらつけてなかったんだが、大丈夫か釣り四天王。
《すまないが、海の中についてと……君たちの進化先について聞きたい》
《……よかろう、敗者は勝者に従う。何でも聞くがいい》
だからなんでそんな強者感出すんだ、その勝負実質10秒かかってないよ?
▼▲▼
謎に強者感を出そうとするコイキングに聞き取り調査を行い、貴重な情報が幾つか得られた。
まず、水中においてポケモンで主に食料とみなされているのはコイキングとヨワシ。
ポケモンの間でも弱肉強食はあるのか……とちょっと悲しくなったが、聞くとそう簡単な話ではないようで。
他のポケモンに捕食されると、残りの体力に関係なく存在を縮小して隠れようとする。
その時に発散される、残っていた体力分の余剰エネルギーを捕食者側は吸収しているらしい。
もちろん捕食されるのは嫌だから逃げるが、自分たちが彼らを支えているのだという誇りのようなものも感じているのだとか。
次にこの世界の元からいる生き物との関係。
ほとんどのポケモンはたとえ自分と似ていても他の生き物に大きく干渉せずに生活しているらしい。
捕食しないのか、という質問には”馴染みが無いから食指が動かない”という身もふたもない回答が得られた。
最後に、一番重要なこと。
野生のコイキングはどれくらいでギャラドスになるのか、という質問。
きょうあくポケモン、破壊の権化として知られるギャラドスだが、ゲームでの進化レベルは20と意外に低い。
その日の気分で街を焼くような危険性の高いポケモンにどの程度で進化するのか、コイキング自身ならば知っているはず。
だが、その回答は拍子抜けなものだった。
いわく、ギャラドスになるにはコイキングが登竜門と呼ばれるような急峻の滝を登りきる必要があるらしい。
体力・力・若さ・元気、あらゆる要素が揃ったコイキングのみが成し遂げられる偉業。
それをなし得なければ、ただコイキングとして齢を重ねるのみなのだと。
……まあゲームでもレベル20以上のコイキングとかもいるしな。
緩やかな川の流れでも流されるとかなんとかいう図鑑説明もされてるくらいなのに、気合の入った事だ。
というか、コイキングはたきのぼり覚えないだろう、と言ったら『はねる』と気合でのぼる、と返された。マジですか。
”人間の助けを得て、修行をしたのなら別だろうが”との言もあったので、トレーナーがレベル上げすればまた別なのだろうけど、バトル制度が整備されてないこの世界でコイキングを育てるのは難しいだろう。
相当な愛があればあるいは……まあその時は懐いているだろうから大丈夫か。
一応、偉い人には急流の滝近くに網とか設置するように進言しよう。
私は
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