ポケモンに翻弄される現代社会、あるいはのうてんきミュウツー   作:ミュー(なきごえ)

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読者の方々によって解釈違いになるかとは思いますが、

優しい世界の場合、生命エネルギーが吸えないこっちの人間をポケモンはことさらに狙わないし、ポケモン世界のあの世がこっちに無いので連れ去ろうとしてから困惑します。

厳しい世界の場合、周りのポケモンが止めないと、まあ想像通りになります。


第9話 ミュウツーとエスパータイプ仲間

 どーも、ミュウツーです。

 警察や自衛隊の方々の手持ちのむしポケモンが状態異常の三種の粉わざを使えることで、ポケモンの捕獲難易度はグッと下がった。

 おかげで3匹目に捕獲されるポケモンはバリエーション豊かで、なかなか距離を詰めるのに苦労するという話も聞いている。

 生息域や生態の実地調査はフィールドワーク組が馬車馬のように働いてデータを集めているが、一方でタイプ別のわざについての調査も始まった。

 これに関しては一番話の通じる(ミュウツー)へ来るエスパーわざ解明のための調査協力要請も多く、偉い人たちが断るのも難しくなってきたので一部要請を受けることに。

 おーし、せっかくだからがんばっちゃうぞー☆ と気合を入れて念力で鉄骨ひん曲げたりバリアーで障壁を作り出したりしたんだけど……

 結果、規模が大きすぎて初期研究には不適との烙印を押されてしまった。

 まあね? たしかにちょっと調子に乗ってやり過ぎた所はあったかもしれない。

 ──────嘘です、みらいよちの座標ミスって壁に大穴開けてごめんなさい。

 

 そんなこともあり、新たに捕獲された3匹のエスパータイプポケモンが私の所へ人間との付き合いを学ぶべく送られてきたのだ。

 

 これからのエスパーと科学を繋ぐイカれたメンバーを紹介するぜ! 

 

「…………Zzz」《…………ムニャムニャ》

 

 まずはケーシィ(♂)! 

 テレポートで、捕獲の為に投げられたモンスターボールとポケモンの間に出現して捕獲されてしまったアンラッキーボーイ。

 日に18時間寝るせいか、今のところ起きているのを見たことがない。

 研究能力はテレポート、現在の能力の強さは自分+5kgの荷物を2つ隣の部屋に飛ばす程度だ。

 

「やぁん?」《ほぇ?》

 

 次にピンクの身体がチャーミング、3匹の中の紅一点ヤドン(♀)! 

 水辺でしっぽで釣りしているところを捕獲されるまで一切の反応を示さなかったまぬ……剛の者。

 研究能力は念力、金属のスプーンがほんのり曲がる。

 

「ラル? ラル、ラルラルー!」

 

 今回やってきた3匹の中ではかなり珍しい部類、言ってしまえばSSR枠! ラルトス(♂)! 

 性別ゆえに進化後にキルリアくんちゃんになることが内定している業の深い子でもある。

 野生出身でありながら特性:テレパシーという選ばれし者だ。

 研究能力はもちろんテレパシー、現状ではなんとなく機嫌を伝えられるくらい。

 

《なんですか? ジロジロ見ないでください、ボクはそんな安いオスじゃありませんので!》

 

 ──────思念を読むとこんな感じなので、たぶん性格はなまいき。

 

 

 以上の3匹で初期研究が進められることになった。

 

 人間との付き合いを学ぶので、私の仕事場であるポケモン図鑑(仮)編纂の場にも連れて行くのだけれど、書記官方からの反応はすこぶる良い。

 特に可愛がられているのはラルトスで、可愛いかわいいと褒められてまんざらでもなさそう。

 次に好感度が高いのはヤドン、居るだけで空気が無限にゆるむので休憩中以外は窓際でポケーッとしている。

 ケーシィとは若干ギクシャクしているが……顔合わせるときにだいたい寝てるからね、反応を測りづらいんだと思う。

 

 来て3日ほどで書記官方もラルトスにテレパシーできのみをねだられたりケーシィが突然消えてまた戻ってきたりするのにも慣れたが、ヤドンが書記官のデスクにしっぽを引っかけてもげた時には大騒ぎだったな……

 獣医や生物学者が駆けつけて診察し、本人────本ポケモンも痛がっていない事からトカゲの自切に近いという結論が出たからいいものの、デスクの持ち主は顔面蒼白だったよ。

 まあ2日ぐらいで元通り生えてきたし、10日に3回ぐらいどこかしらに引っかけて取れちゃうのでもう誰も動じないけど。

 取れたしっぽは貴重なサンプルとして研究機関へ、ヤドンもしっぽが取れた日は栄養補給にきのみが多めにもらえるのでむしろ嬉しそうだ……特性:さいせいりょくなんじゃないかという疑惑は残ったが。

 

 3匹はエスパータイプということで私の所へお鉢が回ってきたが、各地の研究所で独自に研究は進んでいる。

 イトマルやビードルなどのむしポケモンの針の毒成分の解明だったり、ガーディなどのほのおポケモンの吐く火の温度と範囲だったり、珍しいところだとミルタンクからとれるモーモーミルクの安全性の検証をしているところもあるとか。

 それらはポケモンを理解しようとする努力の発露だと言えるだろう。

 少しずつだが、ポケモンと人は近づいている。

 

 願わくば、この世界ではミュウツー()が生まれませんように……

 

 

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