賞金稼ぎレミ   作:香芝 緑

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初めまして、香芝緑です。
手に取っていただきありがとうございます。
初めて小説を投稿します。
これからも続けて投稿できればと思います。
よろしくお願いします。


1-1 イーストブルー編

クァークァー

 

カモメが飛ぶ晴れた空の下。

一隻の船が浮かんでいた。

ここは、イーストブルーのとある島の沖合。

 

金儲けのために賞金稼ぎをしている少女、いや、女性と2人の珍妙な仲間がいた。

女性の名前は、レミ。身長130cmの少女いや、18才の女性だ。

鼻は鋭く尖っており、かなりサイズの大きなズボンをはいている。

ちなみに、子供扱いするとものすごく怒る。

 

「ジョージ、水蒸気もっと出して、熱いれす。」

「了解リーダー。」

 

フン!

身長3mほどある、巨漢の野獣のような男が気張ると、プシューと体から蒸気が出てくる。

蒸気はひんやりとしており、心地いいのか、レミは目を細める。

 

巨漢の男はジョージ。

毛深く、もみあ毛はライオンのたてがみのようで、犬歯は鋭い。

ライオンとよく間違われるその姿は、野獣という名が相応しい巨漢の男だ。

悪魔の実を食べて、体から水蒸気を出せる水蒸気人間。

 

 

「ルルー、少しは休憩しても良いのれすよ。」

「分かったよし。」

 

船を牽引していたルルーが乗り込む。

ルルーは、身長150cmほどの18才の青年だ。

魚人と人のハーフで、肌は青白く犬歯はジュゴンのように発達している。

レミ達の船は、帆が無く、いつもルルーが牽引している。

3人は同い年で、同じ孤児院育ちの仲間達だ。

3人は、賞金を捕らえて生計を立てている賞金稼ぎだ。

 

「リーダー、今月に入ってから海賊船は見当たらないですぜ。」

とても18才とは思えない巨漢のジョージが、レミに話しかける。

「・・・」

 

賞金稼を2人にすすめたのはレミであり、誘い文句は金持ちになろうだ。

成り立ての頃の収入は、島で働いていた時と同じくらいだとジョージが言っていたから間違いないだろう。しかし、ここ数ヶ月、めっぽう海賊に出くわさなくなり、出会っても賞金首で無かったりした。そして、今月に入ってからは、海賊にも出くわさない。

 

2人を賞金稼ぎに連れ出したレミは、少し思うところがあるが、都合が悪い話は聞かないことにしている。

 

「ここはイーストブルーよし、海賊船を見つけても高額賞金首はなかなかいないよし。」

「・・・」

無視を決め込むレミの代わりにルルーが返事をして、レミの座っている椅子のすぐ前に寝転ぶ。

小舟の甲板は、狭く3人が寝転ぶのがやっとで、体の大きなジョージの足は海へ出ている。

 

「リーダー、金儲けになると思って賞金稼ぎになるのは賛成したが、この稼ぎじゃ島で働いていた方が良かったぜ。稼ぎが3分の1以下になってる。」

「・・・?」

 

「ジョージよすよし。レミの頭は単細胞レベルだから計算ができないよし。頭に?が浮かんでるよし。」

「ジョージジジ。そうだったな。数も100までしか数えられなかったな。」

「ヨーシシシ。繰り上がりの足し算もできないよし。」

 

腹を抱えて笑うと、船が少し揺れる。

 

「おまえら、黙って聞いていれば何れすか。グランドラインへ入れば、賞金首もたくさんいるれす。そうすれば、島にいたときより稼ぎは良くなるれす。それに計算は、お前らがいるからわっちは出来なくても困らないれす。」

 

レミは、あまり我慢強い方ではない。ここ最近、都合の悪い話は聞かなかったことにしようと、無視を決め込むことが多々あったが、からかわれると我慢できずにすぐに怒り出す。

 

「ジョージジジ。」

「ヨーシシシ。これじゃぁ、いつまでたっても計算出来ないよし。」

 

「あ。」

 

いつもなら、本気で怒りだす頃だが、今日は空を指さして声を上げる。

指さす方を見ると、小さな人影が、空を飛んで来る。

その影は、徐々に大きくなってきて、雄叫びを上げながら飛んできた。

シルエットから、子供が飛んできたようだ。

ぎゃぁぁぁぁぁぁぁ。

 

 

どぼーんと、水しぶきを上げて海に落ちた。

どうやら泳げないらしく、バタバタと手をばたつかせてもがいている。

 

「おい、何がどうなってんだよ。空から子供が降ってきたぞ。」

「ルルー。助けるれす。」

「分かってるよし。」

 

子供は泳げないのかじょじょに海底へ沈んでいき。

泳ぎの得意なルルーが、海へ飛び込み、ルルーは波を立てずにすいすい泳いでいき、手際よく少年を抱えて戻ってきた。

 

げほっげほっ

「大丈夫れすか?」

「あぁ、すまねぇ、助かったぜって、ぎゃーーーー。ライオンに魚人。」

 

船にあげられた赤い鼻の子供は毎水を吐き出して、ジョージとルルーを見ると叫び出す。

 

「こいつは半分魚人だが、俺はライオンじゃねぇ!」

 

船に上がった人の言葉に、ジョージが間髪入れずに突っ込む。

船に上がった人物は、子供では無く背の低いピエロの化粧をした人物だった。

イーストブルーで、ピエロの化粧をしていればすぐに分かる。

道化のバギー、懸賞金1500万ベリーの海賊だ。

ルルーとジョージも気づいているようで、レミの出方をうかがっている。

 

 

「わっちはレミ、ここいらで賞金稼ぎをしていれす。坊やは?」

 

“しょっ償金稼ぎだと!

面倒なところに飛ばしやがって、麦わらのやろう。ただじゃすまさねぇ。賞金首だと知られると、襲われる。海水で濡れてバギー玉も使えないし、体のパーツが足りていないこの体では満足に戦えねぇ。“

 

「坊やじゃない。俺様の名前はマギー。見ての通りピエロをしている。」

 

「ふーん。ピエロれすか。そういうことにしてあげるれす。」

レミは目を細めながらバギーを見つめ、返事をすると、警戒態勢を解いて船の縁に腰掛ける。

 

「おいリーダー気をつけろ。こいつは、道化のバギーだ。懸賞金は1500万ベリーだ。」

 

「道化のバギーは悪魔の実の能力者。海に落ちて弱っている今がチャンスよし。」

 

思わぬ高額賞金首を前に興奮気味に話し出す2人。

 

“やはり、賞金稼ぎなだけあって、俺の名前と顔は把握してるか。こうなりゃ、腹をくくるしかねぇ。”

 

「あぁ。そうさ、俺様は道化のバギー。俺の首を取ろうってんなら、ド派手に暴れてるぜ。」

 

「過去最高金額の懸賞金よし。」

「イーストブルーじゃかなりの大物だぜ。相手は1人だ、3人で囲ってやるぞ。」

 

バギーは、ナイフを構え、ルルー、ジョージも戦闘ポーズをとるが、レミは船の縁に腰掛けたままだ。

 

「取らないれすよ。」

 

「ド派手にやってやろうじゃ・・・え?今何つった?」

 

バギーとルルー、ジョージが戦闘を開始しようとすると、レミが止める。

 

「だから、坊やの首はとならいれすよ。」

 

「だから坊やじゃねぇとって、賞金稼ぎが賞金首を狙わないなんて、いったいどういう風の吹き回しだ?」

 

バギーは内心で、戦闘にならなくて良かったとほっと胸をなで下ろすと、気になったことを聞いた。

 

「リーダーもしかして。」

「ジョージそのまさかだよし。」

 

バギーは、不思議がるが、ルルーとジョージには心当たりがある。

諦めたように、がっくりと肩を落とす。

 

レミは、ちびっ子にとことん弱い。レミの大人と子供の区別は年齢では無く、自分より背が高いか低いかで決まる。自分より小さい人は物の分別がつかない子供だと思っている。そのため、多少悪いことをしても、子供だからしかたがないと笑って許してしまうのだ。レミよりも小さいバギーもレミの考える子供に含まれ、賞金首だろうと許される対象になるのだ。

 

「わっちよりちびな坊やが、悪い奴であるはずがないれす!」

 

「誰がちびで坊やだこのやろー。体を取り戻せれば、お前より背は大きいんだよ。」

 

「いいれす、いいれす。背の低い奴は、なんだかんだ理由をつけようとするものれす。孤児院のちびどもも、みなそうであったれす。」

 

言われなれない。悪口にバギーは、言い返すが、相手にされない。

 

「大体、おめーも、ムームー。」

 

バギーが禁句に触れようとした瞬間に、ジョージとルルーが口を塞ぐ。

 

「シー。それは、言ってはだめだよし。」

 

ミラが、何か言ったかと聞き返すが、どうやら聞こえなかったようだ。

レミに、チビや子供は禁句なのである。レミの中の基準は、自分以上の身長の者は大人で、自分より小さい者はチビで子供なのだ。

しつこく聞かれては、いけないと、ジョージが質問を変える。

 

「それで、バギー。こうなったら、次の島まで、一緒に行っても良いが、一体どうして空を飛んできたんだ?」

 

どうやら、麦わら帽子をかぶった海賊に負けて、ド派手に飛ばされたらしい。

麦わら帽子をかぶった海賊なんて知らないが、懸賞金額1500万のバギーを討伐したのだ、今は賞金首になっていないが、いずれなるだろう。

 

「そいつは、災難だったれすね。こんな小さな者を吹き飛ばすなんて、麦わら帽子の海賊、見つけたらとっ捕まえてやるれす。それで、どこの島まで送っていくれすか?」

 

「乗せてくれるのか。そいつは助かる。そうだな、次の島で下ろしてくれて構わねぇ。そこから先は自分でなんとかするさ。仲間達も探しているだろうし、そう遠くには行きたくはねぇ。」

 

「そうれすか。では、行きますよ。ルルー。」

 

はいはいと返事をしたルルーが海へ入り、船を引き泳ぎ始める。

 

「おいおい。こりゃ、驚いたぜ。帆がない船だからオールでこぐと思っていたが、まさか泳いで牽引するとはな。」

 

ルルーが、船の前に行き牽引ロープを引き始める。

 

「って、遅!!」

 

船は海を漂っているのか進んでいるのか分からないようなスピードで進み始めた。

次の島にたどり着きバギーと別れたのは3日後だった。

 




最後まで読んでいただきありがとうございました。
今後ともよろしくお願いします。
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