「マーマーマー♪。お前達、気をつけていってくるのだ。Mr.2とは会ったこと無いが、白鳥のおかまだと聞く。おかまだが、実力は確かだ。十分注意するのだぞ。」
Mr.2に顔が割れている可能性があるイガラムは、船で待機してもらうことになった。
イガラムは、甲板から大きく手を振って、見送ってくれている。
「相変わらずマーマーマーうるさいよし。」
「ルルー悪口を言うもんじゃないれす。イガラムは国を愛し国のために勇敢に戦える戦士れすよ。」
イガラムの喉の調子を整える癖が、ルルーにはひどく耐えがたい音に聞こえるようだ。
うっそうと茂るジャングルの奥へと入っていく。
「本当にこんなところに人がいるのかよ。」
「まずは、人の気配がしていそうな方向に行ってみるれすよ。」
「“行ってみるれすよ“ってどっちの方角が人の気配がしていそうな方向だよし。」
「ルルー。馬鹿にするんじゃ無いれす。こっちの方に人がいそうな気がするんれす。」
「ジョージジジ。ルルー。俺はお前の嗅覚より、リーダーの野生の勘を信じるぜ。」
「うるさいよし。俺も分かっているよし。」
レミの野生の勘はすさまじい精度を誇っている。
身体能力が人族より優れている魚人の血が混じっているルルーの嗅覚や視力をもってしても、レミの方が早く島を発見したり人を見つけたりできる。
理屈がわからない野生の勘に負けるのが癪に障るルルーは、いつもレミのカンに疑ってかかるが、ジョージは過去の経験から従順に従うようになった。
「レミ。こんなジャングルの奥地に人がいるわけ無いよし。」
レミが、歩き始めてから数十分。
ルルーが、しびれを切らして言い出した。
「大丈夫れす。あと5分も歩いたらきっと会えるれすよ。」
「どこからその自信がわいてくるんだよし。ジョージ本当にまだ行くよし?」
「ルルー。いい加減諦めな。リーダーが言うんだがらそろそろ誰かに会えるだろう。」
「誰かがいることは信じてやるよし。だが、こんなジャングルの奥地、原住民にみたいないよし。おかまがいるわけ無いよし。」
ぶつくさ文句を言いながら付いてくるルルー。
「静かにするれす。」
ゆっくりと手を上げて静止を合図するレミ。
耳を澄ませるとジャングルの奥の方から微かに声が聞こえる。
アン♪ドゥ♪オラァー♪
アン♪ドゥ♪クラァー♪
「・・・。」
「やっぱり、原住民だよし。きっと民族の儀式をしているよし。」
「こっちにいると思ったんですけどね。ここまで来たんれす。確認だけして帰りましょう。」
「でも、本当に人がいるんだから、リーダーのカンは大したもんだぜ。この茂みの奥から声が聞こえてくるな。」
ジョージが、大きな茂みを蒸気で吹き飛ばすとそこには、ダンスをしている変態集団がいた。
アン♪ドゥ♪オラァー♪
アン♪ドゥ♪クラァー♪
「所詮この世は男と~女~♪しかし~おかまは男で~女~♪」
「「「おかまがいたぁぁぁぁ!!!」」」
3人は、想像の斜め上を行くおかま集団の出現に、両手を挙げて驚く。
「あぁぁぁぁ。あんた達。ゼロちゃんが言っていたあちしのパートナーねーい。」
おかまが、ウィンクをしてくる。
「なんでしょう。すごく帰りたいれす。」
「レミ。頑張るよし。プクク。」
「任務は2人一組で遂行するといっていたな。リーダー。頑張れ。」
ルルーとジョージが背中を押して前に押し出す。
「お前達、報酬は多くもらうれすからね。」
「なぁに、こそこそ話しているよーん。あちしは、Mr.2・ボン・クレーよん。」
Mr.2が腰をくねくね動かし、両手を頭の上でハートマークを作りながら近づいてくる。
「わっちはミス・ニューイヤー。よろしくれす。」
レミが、観念したように小声で返事をし握手を交わす。
「こんなところで立ち話もナッシング。あっちに、Mr.3の隠れ家があったのよーん。そこで、お話しようじゃなーい。あんた達、隠れ家までダンスで行くわよーん。」
アン♪ドゥ♪オラァー♪
アン♪ドゥ♪クラァー♪
「リ、リーダー。ついて行きやすぜ。」
おかま集団が先ほどのステップを踏みながらジャングルの中を進んでいく。
レミは唖然と見送りそうになるが、ジョージの声に従い、後ろをついて行く。
おかま達の体力は無尽蔵にあり、ジャングルという悪路の中スピードを落とさずに突き進んでいく。
「あんたたち、もうすこしよーん。」
「はい。Mr.2・ボンクレー様。」
「はぁ、はぁ。こいつらどんだけ体力あるんだよし。」
おかま集団が行き着いた先には、ロウソクで出来た家があった。
ジャングルの中に、ロウソクで出来た家、本当に隠れ家だったのれしょうか?
「あんた達は、外で待っておきなさい。ニューイヤーちゃん2人で話すわよ。」
Mr.2は、仲間に外で待機命令を出す。
「おい。いきなり2人きりにさせるかよし。俺たちも中に入るよし。」
ルルーが、まだMr.2を警戒している用だ。
建前上これから仲間になる相手だが、犯罪組織の相手だ。
警戒するのもよく分かる。
「あんた、あちしを信用できないって言うの~ん。」
「今日会った秘密結社の変態を信じろって言う方が無理だよし。」
「あっ。それもそうね。」
「「「納得するのかよ!!!」」」
Mr.2は、一瞬機嫌を悪くしたが、ルルーの発言に納得した。
「あんたたち、最近入ったのだから知らないのでしょうけど、ボスは恐ろしい人よ。バロックワークスは秘密結社、情報の漏洩や任務で起こした事件が表の社会に伝わってはいけないの。あちしは、部下にもバロックワークスの任務内容を話していないわよ。任務内容を話していいのはペアであるニューイヤーちゃんのみよ。」
Mr.2が顔を怖がらしながら近づいてくる。
化粧濃いれすねこの人。
レミは、全く関係ないことを考えながら話を聞いていた。
「ちょっと!チャント話聞いているの?もし情報漏洩や任務に失敗した社員がいたら、Mr.5以上のオフィサーエージェントが始末するのよ。そして、今まさに任務に失敗しようとしているのがあちし。相棒となったあなたも他人事じゃないのよん!もし、任務に失敗したらあちし達はMr.1ペアに殺されちゃうわ。」
自分が仲間になる前に失敗した任務で殺されるのはやってられない。
「はぁ!わっちが相棒になる前の任務なんて知らないわよ。」
「そんな。ひどいじゃ無い。あちし達もうダチじゃない。」
「いや、違うれす。」
「ガーン。」
「「「ボンクレー様!!!」」」
平然と否定すると、Mr.2は顎が外れたのかと思うほど口を大きく開け崩れ落ちて悲しみはじめた。
なんだろうこの人、凄く帰りたいれす。
ジョージとルルーが近づいてきて小声で話してくる。
「リーダー。奴と行動を共にしないと、クロコダイルの元までたどり着けないですぜ。」
「そうだよし。ここは割り切っておかまの仲間になるよし。」
「はぁ。仕方ないれすね。あんた達はここで待ってなさい。Mr.2中で話すれすよ。」
そう言うとレミは、ロウソクの家の中に入っていく。
「ニューイヤーちゃん…。」
「Mr.3のやつ食材はおいてないのねーん。なんて使えない奴なのかしら。まぁ、紅茶があるからこれで我慢するしか無いわねーん。あと、あちしのことはボンちゃんと呼んで。」
Mr.2は、家の中に入るなり、家の中を物色しはじめた。
どうやら、この家はMr.3と言う人の家のようだ。
Mr.2は紅茶を入れると話し始めた。
どうやらMr.2は任務に失敗したMr.3の抹殺のために指定されたルートをたどってこの島までやってきたみたいだ。
この島までやってきたのはいいが、肝心のMr.3と出会えなったようだ。
どうやらこの会社は、わっちが思っていたよりずっと物騒な会社だったようれすね。
クロコダイルは仲間にまで全く容赦がないようれす。
Mr.2はこれから大急ぎで、アラバスタに戻りながらMr.3を探すという。
「でも、指定された航路でMr.3に出会えなかったのなら、そう報告したらいいのではないれす?その後、指示を仰いだらいいんじゃないれす。」
「あら、あなたって賢いのね。そう言われるとそれでいいような気がするじゃなーい。じゃぁ、早速報告するわよ~ん。」