来る世界(とこ)間違えてね?   作:元・配達人

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第四十一話っぽい感じ!!

 

 

美柑 視点

 

学校が終わって帰り際に。

 

「美柑ーーー!!」

 

呼び止められた、振り返ったら私と仲良くしてる友達の二人。

 

「今日 これからどっか遊びにいかない?」

遊びの誘いか~~~何時もなら行くんだけど。

 

「あ~ごめん! 今日 私 家庭訪問の日なんだよね?」

 

そっ今日は家庭訪問の日なんだよね、だから今日は無理なんだ。

 

「そっか~美柑ちゃん今日なんだ~残念!」

 

「ごめんね! そういうわけだからまたね? たえちゃん やえちゃん!」

 

「「うん!!」

 

二人に謝って家へと帰る、父さんもう帰ってきてるかな~。

 

 

『ガチャ』

 

「ただいま~」

 

「おっお帰り美柑!」

 

あっマサさんもう帰ってきてたんだ、ってアレ? マサさんだけ? ちょっと珍しいかも。

 

「今日はみ~んなそれぞれ用事があんだと」

 

なるほどね~やっぱり珍しいな~ あっと・・・。

 

「父さんは・・・まだ・・・か?」

 

「才倍のおっちゃんか って何故に今日帰ってくるん?」

 

「ううん今日は私 家庭訪問だから」

 

「ぬっ! なんと家庭訪問か・・・美柑ん担任が来るんだろ紋付で出迎えたほうがいいか?」

 

紋付って・・・。

 

「普通でいいよ普通で っていうかマサさんも参加する気?」

 

「うむ 美柑が世話ンなってんだここはビッとアイサツをせねば!!」

 

アハハ・・・嬉しいようなそうじゃないような・・・でも・・・どっちかっていうと嬉しいほうかな。

 

『プルル・・・』

 

あっ電話!!

 

『ガチャ』

 

電話に出たら父さんだった・・・なんかイヤな予感・・・。

 

『すまねー漫画の締め切りがやばくて帰れなくなった!?』

 

ああ・・・やっぱり・・・なんかそんな気がしたんだよね・・・。

 

「もう何日も日にち変えてもらってるんだよ?」

 

『すまねー!! そだ美柑、今家には誰がいる?』

 

「えっとマサさんだけだけど・・・」

 

『変われ!!』

 

父さんに言われるままにマサさんと電話を変わる。

 

「なんぞ 才倍んおっちゃん・・・あっ?・・・マジか・・・まっ別にいいけどよ・・・おっちゃん次はこうなる前に呼べよ・・・ああまかせろ! じゃな?」

 

『ガチャ』

 

あっ切っちゃった・・・もうどうしよ・・・仕方ないな~先生に日付変えてもらうよう電話しないと。

 

そう考えてもう一度受話器を手にしようとしたら。

 

「つうわけで俺が代理だ!!」

 

ピタリと手が止まる・・・えっと・・・。

「マジ?」

 

「うむ 才倍のおっちゃんに頼まれた! 任せろ!」

 

う・・・・う~む・・・・たっ確かにマサさん もう一人の大黒柱って感じだけど・・・。

 

「いいのかな~?」

 

「まかせろォォォ! 今から紋付造ってくるわ!!」

 

「紋付はいいから普通でいいって普通で!!」

 

「むっ・・・残念」

 

ふ・・・不安だな~~ それにしても父さんリトがいたらリトに頼んだのかな? う~ん・・・リトはリトでテンパって大変なことになりそう・・・まっとにかく。

 

「お願いねマサさん」

 

「おうッ!」

 

変なことしなければ堂々としてるマサさんのが確かに適任かも。

ただ・・・マサさんだからな~。

 

 

晴子 視点

 

「ここが結城さんの家・・・」

 

玄関先で住所が書いてあるメモをもう一度確認する。

 

いよいよ私の大好きな漫画『英雄学園』の作者 結城 才培先生にお会いできるのね!!

 

っていけない、目的が少し変わってきちゃってる。

 

えっ 目的? それはもちろん才培先生のサインを・・・じゃなくて家庭訪問!! しっかりしなきゃ。

 

グッと気持ちを引き締めて玄関先の扉を開き家の敷地内に入る。

 

チラッと庭の方を見ると・・・家よりも大きい植物が目に入った。

 

「何かしら・・・変わった植物が・・・さすが漫画家の家って感じね・・・」

 

見たことない植物だわ・・・おっ・・・襲ってきたりしないわよね・・・。

 

少しだけ不安になりながらも、玄関の呼び鈴を押す。

 

『ピンポーン!!』

 

どきどきするわ・・・才培先生どういう方かしら・・・って違うってば、もうしっかりなさい晴子!!

 

『ガチャ』

 

玄関のドアが開く。

 

「はい」

 

美柑ちゃんね、えっと・・・となりにいる人が才培先生かしら? ちょっと違う感じがするけど・・・あっとアイサツアイサツ。

 

「あ あの! こんちには! 私 美柑ちゃんの担任の新田 晴子です!!」

 

少し詰まっちゃったけど大丈夫よね。

 

「こりゃまたご丁寧に俺は 結城家 居候2号の 鬼島 政成ッス 今日は才培のおっちゃんがどーしても仕事抜けられねェッてことで代理ですわヨロシクお願いします」

 

えっ・・・代理? ってことは・・・。

 

「アハハごめんなさい晴子先生 父さん締め切りがあって・・・それで父さんが代理を大丈夫ですかね?」

 

そっか~才培先生いないんだ・・・仕方ないよね人気漫画だから・・・ションボリ。

 

「なぁ美柑 先生さんなんかションボリしてね?」

 

「うんしてるね やっぱりマズかったかな?」

 

あっいけない!! つい・・・。

 

「えっと大丈夫ですから ただ才培先生にお会いできなくてサインが貰えないのが残念だな~って・・・あっ」

 

アレちょっと余計なこと言ったかも。

 

「才培のおっちゃんのファンらしいな」

 

「みたいだね?」

 

うっ・・・バレちゃった。

 

「はい・・・ファンです」

 

ファンなんです、『英雄学園』大好きです。

 

「それ聞いたら才培のおっちゃんも喜びますわ・・・っと何時までも玄関で話してるわけにもいくめぇ」

 

「そうだね晴子先生 どうぞ中へ」

 

「はい」

 

案内されるままに家の中へと入れてもらう、それにしても あの居候っていってた男の子・・・あの人の声ってどっかで聞いたことあるような・・・。

 

 

 

居間に通されて出してもらったお茶をいただく。

 

「あっ美味しい・・・」

 

それに落ち着く・・・さっきまで少し焦ってたし助かるわ。

 

気持ちを落ち着けることができたので改めて才培先生の代理の居候さんを見てみる、若い・・・まだ十代かしら? 少し目つき悪い・・・街で会ったら目を逸らしそうかも。

 

でも美柑ちゃんは随分と気を許してるみたいだし、さっきの感じはそこまで悪い人じゃないかも。

 

「えっと・・・鬼島さんは居候といいましたけど・・・どういう?」

 

「マサナリでいいッスよ っと居候ってのはそのまんまッス 事情があって今は結城家に世話になってるんですわ」

 

事情・・・気になるけど深く聞いちゃいけないわよね、きっと色々とあるんだわ。

 

「マサさん晴子先生 深読みしてるかも?」

 

「つってもな~話すわけにもな~俺ァ別にいんだけど」

 

「それもそうだね」

 

やっぱり深い事情が・・・そっそうだ話題を変えよう。

 

「あっあのマサナリさんはご職業は?」

 

「学生ッス 高校一年ですわ」

 

こっ高校生だったんだ若いなった思ってたけど。

 

「ただの高校生じゃないけどね色々やってるしマサさん あっ晴子先生 マサさん 父さんの仕事も手伝ったりしてますよ」

 

えっ? スタジオ才培で・・・。

 

「ホッホント? あのだったら才培先生に会った時にサインを・・・あっすすいません!」

 

つい身を乗り出しちゃって反省。

 

「いいッスよ・・・色紙あったっけか? まっあるだろ多分」

 

やった!! サイン貰ってくれるんだ、良い人だこの人。

 

「あっあの出来ればコレに・・・」

 

サッとバックの中から『英雄学園』の最新巻を取り出す。

 

「おっ最新巻か・・・もう出たんだな」

 

「私買ったよマサさんこの前 オマケページ担当したって言ってたし」

 

えっ・・・えっ!? おっオマケページ担当・・・そこまでの地位にいるなんてただの手伝いじゃない、待って・・・まさか・・・。

 

『ペラペラペラ』

 

急いでページをめくる・・・あった!!

 

「こっこのページですか!?」

 

「ああそれそれ」

 

やっぱり!? ってことは。

 

「スタジオ才培の新人君ってアナタだったんですか!?」

 

「ン? ああ 最初に手伝った時に定着したあだ名ですな」

 

凄い!! 今や才培先生の右腕、スタジオ才培の隠し玉と言われる程の人が目の前に・・・。

 

「あっあの私 以前から目をつけてたんです デビューはいつですか! きっと人気になりますよ!」

 

「うわぁ・・・スッゴい食いついてるし・・・」

 

「いやさデビューする気はねえッスよ あくまで俺ァ手伝い」

 

なっ!? もっ勿体ない・・・きっと人気になると思うのに。

 

「まっ俺ァデビューする気はねぇけど・・・ザスティンってヤツがデビュー寸前とか言ってたんでそっち頼んますわ」

 

ザスティン・・・確かスタジオ才培のチーフアシだっかな、そっか・・・デビュー間近なんだ・・・新人君がデビューしないのは残念だけど、応援はしよう。

 

「っとイカンイカン・・・なんか色々と脱線しとる」

 

あっ! そうだった、今日は家庭訪問にきたねよね、つい興奮しちゃった。

 

「学校での美柑はどんな感じッスかね?」

 

「学校での様子ですね 美柑ちゃんは頭もいいし落ち着きのあるいい子ですよ クラスの皆からも とっても信頼されてます!」

 

「そうッスか~ そうッスか~ いやァ流石は美柑!! エライぞ~」

 

「エヘヘ」

 

マサナリさん自分の事みたいに嬉しそう、美柑ちゃんも頭を撫でもらって嬉しそうね、こういう美柑ちゃんの姿は余り学校では見ないかも。

 

お兄さんに甘えてる感じかな? う~ん、なんだろう、ちょっと違うかも。

 

 

 

「才培のおっちゃんも喜ぶわな~ いやホント出来た子で」

 

「そこまで言われると照れるよマサさん」

 

フフ・・・うんやっぱり仲が良いみたいね、そう言えば・・・美柑ちゃん、前と比べて少しだけ明るくなったっていうのとは違うわね・・・物事を積極的に楽しむようになってきたかも・・・。

 

美柑ちゃんこの年では少し大人っぽ過ぎる感じだったけど、ちゃんと年相応になってきたから私としては安心してたけど・・・うん、マサナリさんの影響かしら?

 

なんにせよ私としては良い影響だと思うわ。

 

美柑ちゃんはシッカリしてるけど まだ小学生なんだし、こうやって甘えることも必要だものね。

 

私も先生として頼れるように頑張らなきゃ。

 

フフ・・・家庭訪問に来たのに何か一つ勉強になった気がするわね。

 

それから美柑ちゃんの成績のこととかを詳しく話、その度にマサナリさんが自分の事のように喜んでるのが印象的だった。

 

 

「それじゃ そろそろ」

 

「あ~この後 時間あるッスか? 家で晩メシどうッスか なっ美柑?」

 

「うんいいかも晴子先生どうですか?」

 

うっ・・・ちょっと魅力的・・・う~ん・・・いいのかな~。

 

「今日はすき焼きにすっか?」

 

「そうしよっか?」

 

すっ・・・すき焼きか・・・うむむ・・・。

 

「いいんですか?」

 

「「もちろん!!」」

 

結局 ご馳走になることに・・・でもその前に。

 

「私 一旦 学校に帰らないと」

 

書類とかもあるし。

 

「じゃ途中まで送ってきますわ 俺らも食材調達せなイカンし」

 

「そうだね っとおサイフ取ってくる」

 

そう言って美柑ちゃんは家に入っていき、また直ぐに出てきてカギをかける。

 

「じゃ行くか セリー留守番頼んだぜ」

 

『ギャウ!』

 

・・・あの植物・・・鳴くんだ・・・流石に驚いた。

 

 

美柑 視点

 

晴子先生を途中まで送ってからマサさんと買い物、晴子先生を送ってる時に。

 

「ハッ!! そう言えば私 男の人に食事に誘われたの初めてかも・・・キャーキャー」

 

って言い出した時は色々な意味で冷汗が出たよ。

 

まぁそれは置いておいて・・・。

 

「フフ・・・」

 

「どった美柑?」

 

「なんでもないよマサさん」

 

嘘、なんでもないって言ったけど マサさんと二人っきり、ちょっとだけデート気分。

 

マサさんと二人っきりなることって少ないからな~ マサさん何時も誰かといるし、あっそれがイヤってわけじゃないよ、私も楽しいもん。

 

でもたまには・・・ね?

 

まっ相変わらずマサさんその辺は鈍いからわかってないっぽいけど。

 

「っと・・・コレで終わりか?」

 

「うんそうだね」

 

あっ買い物終わっちゃった・・・う~ん。

「マサさん もう少しだけブラブラしない?」

 

もう少しデート気分を味わいたいし。

 

「ン? よかよ っとそだ 美柑はどうやら学校で頑張ってるみてェだかんな・・・どれご褒美じゃ服でも買いに行くか?」

 

「うっ・・・うん!」

 

やった! 散歩くらいのつもりだったけどますますデートっぽくなってきた。

 

買った食材はコインロッカーに預けて、近くのブティックへ。

 

『ウィーン』

 

「いらっしゃいませ~」

 

店員さんに出迎えられて私のサイズに合う服のコーナーへ・・・う~ん・・・。

 

「どうかな?」

 

一着の服を手にとりマサさんに聞いてみる。

 

「おっ可愛いじゃん・・・でも俺的にはコッチのが好き」

 

うん、そっちも可愛い。

 

「ちょっと試着してくる」

 

「おうッ」

 

自分で選んだ服とマサさんが選んだ服の二つを持って試着室へ。

 

まずは私が選んだのから着てみる。

 

『シャッ』

 

「どうかな?」

 

「おっ可愛い可愛い」

 

エヘヘ、嬉しい、次はマサさんの。

 

『シャッ』

 

「よしッ! 二つとも買いだ!」

 

「えっ? 一つに絞るよ?」

 

「マサさんそこそこ稼いでるから大丈夫だっての」

 

悪いな~って思ったけど嬉しかったし、甘えちゃった。

 

「っと・・・流石にそろそろ戻っか?」

 

「うん・・・晴子先生も来てるかもしれないし」

 

ちょっとだけ残念だけど 晴子先生を交えての夕食も楽しみ。

 

ブティックから出てコインロッカーから食材を取り、並んで家へと帰る、食材はマサさんが持ってるけど買ってもらった服は私が持ってる、マサさんが持とうか?って言ってくれたけど自分で持ちたかったしね。

 

家路へと帰る時・・・フと・・・手繋ぎたいな~って思ったから。

 

「マサさん・・・あの・・・手・・・繋いでいい?」

 

「むっ・・・いいぞ別に~ほれ」

 

あっさりOK ただ若干子供扱いっぽかったのがムッとしたけど、この際気にしないで手を繋ぐ。

 

自分で言い出して置いて少しだけ照れる気持ちがあるけど、でも嬉しいし気持ちがホコホコとしてくる。

 

あ~私はホントにマサさんが好きなんだなって思った。

 

 

家に帰りつくと丁度のタイミングで晴子先生が来てから一緒に家の中に入る。

 

「「「「おかえり~」」」」

 

あっ皆帰って来てたんだ、一斉に出迎えられて晴子先生は目をパチクリさせてた。

 

マサさんがそんな晴子先生に。

 

「美柑の兄 姉 居候1号 3号ッス」

 

軽く説明・・・っていうかリコはもう姉ってことになってるんだね・・・まっ確かにそうなんだけど。

 

「あっえと私は美柑ちゃんの担任の新田 晴子です 今日は家庭訪問で来たんですけど その時に夕食に誘われまして お言葉に甘えさせてもらいました」

 

晴子先生も自己紹介と今いる理由を話す、その後はそれぞれ自己紹介をした後に、夕食の準備。

 

「あっ私も手伝い・・・わッ!」

 

『ツルッ』

 

「よッとッ! 晴先生 ドジっ子ッスね?」

 

「うぅ~~どうも鈍くて・・・」

 

多少ハプニングはあったけど準備を終わらして、皆ですき焼き。

 

「美柑・・・それは」

 

「エヘヘ~マサさんに買ってもらっちゃった」

 

「ええ~~~いいな~~~いいな~~~マサ~~~」

 

「はいはい わぁったわぁった」

 

「わぁーいマサ大好き~~~」

 

「リトガード」

 

こんな感じで何時も通りに騒がしく、でも楽しい夕食。

 

やっぱり晴子先生は目をパチクリさしてたけどね。

 

「まっマサ・・・あのさ・・・ほら私も服買わないといけないし」

 

リコ・・・進みすぎ。

 

っていうか・・・。

 

「リトまさか・・・リコ・・・」

 

「あっああ・・・まさかだ・・・今日遅かっただろ リコに相談されてた」

 

ほっ本格的に元・兄がライバルに・・・前代未聞だよ。

 

 

 

でも・・・うん、負けない!!

 

そう決めたある日の夕食だった。

 

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