「・・ろ・~~~~~~~~~・カ・リ~~~」
なにやら声が聞こえる・・・。
聞き覚えのあるような、懐かしい声・・・。
「起きろバカナリーーー!! 起っきっろ! 起っきっろ!! そして私にご飯を作れ!!」
この理不尽な物言いといい・・・やはり聞き覚えのある声だ・・・。
「起きないな・・・起きないと撃つぞ、ハイ、3・2・1!!」
『ダキュン!!』
『バッ!!』
「うおっ!?」
「チッ・・・避けられた」
こっこのアマは・・・。
「人が気持ちよく寝てたつうのに、いきなり、何しやがるパー子!!」
「アンタが早く起きないからじゃん、私、お腹減ってるんだから、私ご飯作れ~~」
何? 何なのコイツ? ホントなんだろうコイツ?
「久々にアンタの肉じゃがが食べたいの!! はい、にっくじゃが、にっくじゃが!!」
俺の沸き上がる怒りを無視して、肉じゃがコールをしだすパー子、ホント・・・コイツは、どうにか、ならんのだろうか?
「ハァ~~~チッ、しゃ~ねぇな、ちぃと待ってろ」
「ヤッホーイ!! だからマサナリ君、好き愛してる!!」
「オマエの愛はいらん」
「なんだとーーー!!」
喧しいパー子をあしらいつつ、肉じゃがを作る。
「ハグハグ・・・美味ぇ~~~~やっぱバカナリの肉じゃが美味ぇ~~~~!!」
「はいはい」
ったく・・・美味そう食ってからに。
それにしても・・・。
「久々だな、パー子」
「ハグハグ・・・ほうだね~~~ンッン・・・えっと、私が死んだ時、以来だから・・・約二年くらい?」
もう、そんくらい経つか・・・。
「アンタも一回死んだみたいだけどね」
「まぁな、つっても直ぐに生き返らせてもらったけどな?」
「みたいだね~、で別世界へポーン!! いやホント、バカナリ愉快な人生歩んでるね~」
「バラエティー豊富だからな」
うむ、実に豊富ですわ。
「それに、アンタ前より笑えてるじゃん」
「そっか?」
「うん、私が死ぬ前は、ちょっとはマシになったなぁ~って思ってたけど、今はそれよか、ず~~~っとマシ」
「そんなに酷かったか俺?」
なんか若干凹むんですけど。
「結構ね、まっコレも今やアノ世のアイドル・スター、葉子ちゃんのおかげだね!!」
キラッと白い歯を輝かして笑うパー子。
うむ・・・。
「年を考えろ三十路前」
「それを言うなァァァ!! ホント、射殺するよ!!」
されてたまるかっつうの。
っと、そうだった、そうだった、パー子に会ったら聞きたかったことがあったんだよな~。
「・・・何、バカナリ、そのイラッてする笑いかた」
むっ、顔に出てたか。
あっ、何を聞きたかったかって? そりゃもう、お察しの通り。
「結婚できたか~?」
「はぅっ!?」
胸を押さえてのたうちまわるパー子。
「ククッ・・・だろうと思った」
「クッ・・・だろうと思ったってアンタ・・・わかってて聞いたってこと!?」
「まぁよ!! ププ~~~」
「チックショ~~~~何よ、その笑い!! いい、アレよ、そう、アレだから、私くらいにイイ女に釣り合う男がいないだけだから!! もうアレね~~~ホント、イイ女も罪よね~~~」
ププ・・・スッゲェ必死だし。
あぁ~面白え。
つか・・・。
「オマエの無茶苦茶っぷりについてこれるヤツがいねぇだけじゃねぇの?」
「おふっ!! 言っちゃう? それ言っちゃう? ねぇ、そのこと言っちゃうんだ、チクショー、合コンの第一印象は、それなりにいいのに、少し素をだしたら、サーッて離れていきやがって~~~~チクショーー!! 私の何が悪いんだーーー!!」
「それがわからんうちは、結婚は無理だなダッハハ」
うんうん、つうかわかる日が来るとも思えんが。
「そうだ、バカナリ!! やっぱアンタが私を貰えばいいじゃん、アンタだったら私の性格わかってるし!!」
「イヤだ、オマエはイヤだ、オマエを妻と呼ぶくらいなら俺はヤドカリを妻と呼ぶ」
「チィィクショーー!! ヤドカリに負けたーーー!!」
ヤシガニでも可。
暫くの間のたうちまわるパー子の姿を堪能した。
なんか、すっごく晴れ晴れとした気分になった。
その後は。
「バカナリ、久々にマッサージしてよ、あっ、でも、変なトコ、触っちゃ、や~よ?」
「はっ!!」
「やっぱり鼻で笑われた!!」
とパー子のマッサージをさせられたり。
「イェーイ! 私の勝ち~~~!!」
「ざっけんな! もう一回じゃ!!」
「無駄無駄、アンタ、ゲーム弱いもん」
「弱くねぇつうの!! オマエがちょっとだけ強いだけだから、俺は決して弱くねぇ!!」
「いんえ、弱いです~~~まっ葉子ちゃんがすっごく強いってのも、あるけどね~~」
「絶対泣かす!!」
ゲームで勝負をし・・・。
「さって、じゃ、そろそろ時間だから」
コントローラーを置くパー子。
「時間って・・・もう、ちょい待てって、後ちょいで勝てるから」
「だから無駄だってば」
「無駄じゃねぇってホントに、もう少しで勝てんだよ、だから、もう少しくらい、いいだろうがよっ!!」
「だ・か・ら、時間なの」
俺の頼みに困った顔で、そう言うパー子。
わかってる、ホントはどっかで、わかってる、でも・・・。
「時・・・間って・・・ちょっと・・ぐらい、いいだろ? ぼら、見ろっでグスッ・・・ざっぎの・・ヒッ・・・おじがっだじゃん、なぁ、だのむっで・・・なぁ?」
なんか、喋りにくいな、オイ、なんかパー子の顔が霞んでるしよ。
「もう・・・泣くなって、男だろマサナリ」
「泣いでねぇっで・・・なぁ、もうぢょい」
「わがままいうな、なっ?」
やっぱり困った顔のパー子、少しだけ笑って頭を撫でられた。
「じゃ久々に会えて、よかったよ、肉じゃがも美味しかったしね~」
待てって、肉じゃがなら、今からまた作ってやってもいいから。
ホント、さっきのより美味いの作るし。
そう言いたかったけど、言葉が出ない。
かわりに出てくるのは。
「ヒッグ・・・ウグッ・・・エグッ」
情けない音。
「あ~~~もう、アンタ以外と泣き虫だからな~~~ほらミ○ミ○上げるから泣きやみな、で、笑って見送りなさい、葉子さんは、アンタの笑い顔、結構、気にいってんだから」
そっか・・・そっか。
渡されたミ○ミ○を飲み、グッと目元の水滴を拭う。
そして、なんとか。
「ニッ」
と笑う。
「うんうん、それで、よ~し!! じゃ、あんまし早くコッチ来たらダメだからね? バイバイ」
パー子も笑い、そして手を振る。
それと同時にパー子の体が薄くなっていき俺の意識も薄れていく・・・。
「またな・・・パー子」
いつ会えるかはわからんねぇけど、今度は勝ちてぇな。
最後にそう思いながら意識を落とした。
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「ン・・・? ン?」
気付くと布団の中だった。
どうやら俺、夢を見てたらしい。
随分とまぁハッキリした夢だったような気がする。
最後あたりが情けなかった気もすっけど。
って、フとカレンダーに目をやる。
「12月25日か・・・・」
今日は世間一般でいうクリスマスだった・・・微妙に気が重い。
あんまりクリスマス好きじゃねぇんだよな~。
ロクな思い出ねぇし。
でも・・・今年のクリスマスはそんなに悪い気分じゃねぇかもな~。
そんなクリスマスの朝だった。
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『メリークリスマス、デス、マサさん
アイナより』