来る世界(とこ)間違えてね?   作:元・配達人

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第五十九話っぽい感じ!

 

 

~里沙 視点~

 

「なぁ、いいだろーーちょっと付き合ってよ」

 

そう私に声を掛ける見るからに軽薄そうな男。

 

 

「うるさいなァ、アンタみたいなチャラい男にキョーミないんだって」

 

ったく、さっきからこのナンパ男、しつこいったらない。

 

折角、気分よく歩いてたっていうのにコイツのせいで台なし。

 

「そんなコト言わずにさァ~~~」

 

あ~~~~、もうホントにウザイ、アレだけキョーミがないって言ってるのに、なんでわかんないかね~~~。

 

ン? おやおや、向こう見えるのは・・・我らがクラスのマサマサじゃん。

 

珍しく一人なんだ?

 

トボトボ歩いちゃって・・・なんかあったのかな?

 

まっいいや、とにかく今は、このナンパ男を振り切る為に。

 

「あぁん、ダーリン♪ もう遅いよぉーーっ!!」

 

そう言いながらマサマサに駆け寄る、飛び付いても避けられそうだし、それにしても、うぅ~ん、ちょっとアホっぽかたっかも?

 

「ン~~~って、およ里沙かよ、どった?つかダーリンって何? なんかアホっぽいぞ」

 

さっ流石マサマサ、自分でもちょっと、そう思ってたけど、ハッキリ言うね。

 

まっいいや。

 

(マサマサ、ちょっと助けて、さっきからしつこいナンパにあっちゃってさお願い!!)

 

ナンパ男に聞こえないように小声でマサマサに頼んでみる。

 

(ふ~ん、直訳するとあのアゴヒゲを血ダルマにすればいいんだな、まかせろ)

 

(いやいやいや、過激すぎるってば、ちょっとだけ彼氏のフリをして欲しいのっ!)

 

(ぶっ飛ばしたほうが早くね?)

 

(マサマサ、コレも人生経験、我慢も覚えよう、ほらお願い)

 

(むっ・・・しょーんなかねっ、ソレっぽい感じを出せばいいんか?)

 

(そっそ)

 

ふぅ~~~交渉成立っと。

 

一時はバイオレンスな流れになったけど。

 

 

「よぉ兄さんよ、コイツは俺ン大事な大事なヤツでな、悪いがそういうこったからカンベンしろや」

 

ッ!!

 

大事な大事なって・・・いや~~~アレだね、自分で頼んだコトとは言え、そう真顔で言われると照れる。

 

「そっ・・・そうか・・・彼氏持ちだったのかよ」

 

私がちょっと照れる間にナンパ男はそう言って去っていった。

 

ふぅ~~~。

 

「ありがとマサマサ助かったよ、にしてもマサマサ大事な大事なって、思わず照れちゃったじゃん」

 

「あン? 嘘は言ってねぇぞ? 俺ぁ里沙ンコトぁ大事なヤツだと思ってっしな」

 

「ってちょっ!!」

 

いやいやいや、マサマサ!?

 

待て私、落ち着け私!!

 

まさかマサマサの口から、そんな言葉が出てくるとか・・・しかも私にっ!!

 

そっ・・・そう言えば、前にマサマサの好みの女の子の話をした時、私が近いって言ってたような・・・。

 

って待てって私、里沙さんともあろうものが中学生じゃあるまいし。

 

動揺しすぎっしょ。

 

 

 

それに・・・ララちぃを始め数々の女の子からのアプローチに全く気付かない鉄壁という呪いが掛かってるマサマサが・・・。

 

「あン? どった里沙、赤くなったり唸ったり・・・ってアレ、な~んか似たような反応を見たコトがあるような・・・まっいいさね、里沙は大事なダチだからよ」

 

「ダ・・・チ?」

 

「おうっ!!」

 

ダチ・・・かぁ~~、やっぱりねぇ~、ちょっとガッカリ・・・なんかおかしいとは思ったけど。

 

マサマサだしねぇ~。

 

全くドキドキしちゃったじゃん。

 

この里沙さんをドキドキさせるとは。

 

「やるねっマサマサ!!」

 

グッと親指を立てサムズアップ、よくマサマサがやる行動。

 

まっ私もたまにやってたけど、マサマサがクラスに来てからは、頻度が多くなってる気がする。

 

「なんかわからんが褒められたっぽい?」

 

いや、まぁ褒めらてるワケじゃないけど。

それにしても、なんで私、ガッカリした?

ン~~~~。

 

チラッとマサマサを見る。

 

う~ん、やっぱり目つき悪い、でも、それなりには・・・カッコよく見えなくもないかな?

 

好みが別れそうだけど。

 

実際、マサマサって、一部の女子には怖がられたり、敵視されたりしてるし。

 

主にテニス部の一件とか、後、野球部の・・・誰だったかな~~コレミツ? 違う気がする、何とかってヤツのファンの子から。

 

 

「人のツラをジーーっと見てからに、今更、珍しいモンでもねぇーだろ?」

 

「悪い!! ちょっとね? って、そういえばマサマサ一人って珍しいじゃん、どうしたの?」

 

慌てて話題転換、まっ別に慌てる必要もないけど。

 

「珍しい・・・って程じゃねぇけどな、たまには、そういうコトもある」

 

「私からしたら珍しいって、何時も誰かといるじゃん」

 

多いのがララちぃにヤミヤミに結城かな?まっ私や未央もクラスの中じゃ多い方に入るけど。

「そう言われりゃ、そうだわなぁ」

 

そうなんだって。

 

「っと、でマサマサは何してたワケ?」

 

まだこのコトを聞いてる途中だったわ。

 

って、おや、マサマサ・・・どうしたんだろ? なんか微妙に・・・しかめっつら、目つきの悪さが更に極まってる。

 

近くを通った気の弱そうなリーマンとか、ヒィって悲鳴上げてるし。

 

「こらこら、マサマサ、顔が怖いぞ~~~何があったんだ~? お姉さんに話しみなさい」

 

「ン・・・実はな・・・」

 

神妙な口調のマサマサ、少しくらいの悩みだったら、里沙お姉さんが解決してあげるからねマサマサ。

 

「実は・・・」

 

「うんうん」

 

ほらほら早く。

 

「実は・・・」

 

「引きが長いっつーの!!」

 

「いやぁスマンなついつい」

 

全く、まっ流れ的にやっとかないといけない気持ちは解るけど。

 

 

「では改めて・・・えぇ、本日、私、鬼島 政成・・・家出して来ましたーーーッ!!」

 

 

ビシッと敬礼するマサマサ。

 

ふむふむ、そっか、そっか・・・って。

 

「家出ッ!?」

 

「うむ家出だッ!!」

 

家出ってマサマサ・・・。

 

「マサマサって結城の家に居候してるでしょ? なんで家出?」

 

「うむ・・・それが、やんごとなき事情によりな」

 

「それも話してみなって、ココまで言ったんだし、ほらほら」

 

「むっ・・・仕方あるめー、ならば話そう何故、俺が家出をしたのか、その真相をっ!!」

 

カッと目を見開きくマサマサ、うん、正直、絶対に下らない理由だろうとは思ってるけど。

 

 

「マサマサ・・・なんていうか・・・うん、くっ・・・下らねーーー!! そんな理由で家出って子供かいっ!!」

 

マサマサが話した理由は、思ってた以上に下らない理由だった。

 

その理由っていうのが。

 

マサマサがゲームでヤミヤミと勝負をしてたらしい、コレは何時ものコトみたいなんだけど。

 

『ドーーンッ!!』

 

「フフ・・・コレで354勝300敗520引き分けですね、勝ち星に50以上の差が出てきましたか・・・もうマサナリでは相手になりません」

 

この一言でマサマサ激怒!!

 

でも、だからってコレが直接の家出の原因じゃないみたい。

 

その後も勝負をして、どうしても勝てなかったマサマサを見兼ねた結城が。

 

「なぁマサ気分転換に俺とやろうぜ」

 

と言ったらしい、結城はマサマサよりゲーム上手いらしいけど、ココで結城が・・・。

 

『ドーーンッ!!』

 

 

「あっやられたか~マサも上手くなってるな~~」

 

 

超棒読みだったらしい、結城なりの優しさなんだろうけど・・・タイミングが悪かった。

 

「うわーーんッ!! わざと負けられても嬉しくないんだよーーー、つーか二度目だろーー!! バーカバーカ、リトのバーカ家出してやるーーー!! うわーーーん!!」

 

 

で、現在に至ると・・・。

 

 

うん・・・やっぱり・・・なんていうか。

 

「下らねーーーっ!!」

 

「下らない言うなーー!! やられた本人にしか解らないんだよあの切なさは!!」

 

 

 

下らないってば・・・まっコレ以上、ツツいても可哀相だし。

 

「で、マサマサどうすんの?」

 

「俺の決意をナメるなよ、帰る気はねぇ!! 明日には帰るけど!!」

 

「明日には帰るんかい!!」

 

ビシッと裏手ツッコミ、今日、私、結構ツッコんでるなぁ。

 

「うむ・・・だって、ほら淋しいし?」

 

淋しいって・・・まっ結城の家って結構、大人数で住んでるみたいだし、それに慣れちゃったら、そう思うのかもね~。

 

でも、まっ一応、言っておこ。

 

「淋しがり屋~」

 

「ウサギか俺かってくらいだからな」

 

ウサギ・・・マサマサとは対極の位置にいる気がするんだけど・・・。

 

こんなガラの悪いウサギってのも、ちょっとな~。

 

「仕方ないな~、そんな淋しがり屋なウサギさんは、里沙さんが面倒を見てあげよう」

 

「おう? マジでか!?」

 

「マジマジ、ほっとけないしね~」

 

なによりマサマサといると面白いコトが多いし。

 

「持つべきモノは頼りになるダチですわ~~」

 

「フフン、もっと褒めたたえ、そして敬いたまえマサマサ君、まっさっきのお礼ってのもあるけどね~」

 

「礼を言われるようなコトした記憶はねぇんだが?」

 

さっきのコトをもう忘れたのかよ!!

 

って違うか? マサマサにとってアレは、お礼を言われるようなコトでもないってコトなのかな?

 

どっちもありえそう。

 

本人は違うって言うけど、コレで結構お人よしだからな~。

 

っとっと・・・考え事はココまでにして。

 

「じゃマサマサ、とりあえず行こっ!!」

 

「どこにさ? 夕日?」

 

「違うって青春ドラマじゃなんだから、まっ着いて来て~」

 

「あいあい」

 

はい、一名様ご案内~~。

 

ってな感じで連れて来た店。

 

『ガチャ』

 

「おかえりなさぁ~い」

 

店のドアを開けるとメイド服を着た未央が出迎えてくれる。

 

 

「ただいま~~って、未央じゃん!! つか何故におかえりなさい?」

 

未央のバイト先の喫茶店、妹CAFEってトコ、ちょっとマニアックだけど。

 

っていうか・・・。

 

「マサマサしっかり、ただいまって言ってるじゃん」

 

「いやさ、おかえりなさい、と言われたら、ただいま、と返すんは常識だろ?」

 

いや、まぁ確かにそう言われれば、そうなんだけど・・・マサマサの口から常識って言葉が出てくると、やっぱり違和感が、そして私も無性に、ただいま、と言わないといけないような気分に・・・。

 

「あれ? 里沙、マサマサと一緒だったんだ~」

 

「まぁね~、あっと、ただいま~っ!!」

 

 

相槌しながら、やっぱり、ただいまと言っておく。

 

って、似たようコトがマサマサが来たての頃にあったな~。

 

あの時は、おはよ~、だったけど。

 

 

プックク・・・あの時の唯にゃんの反応とクラスの皆の反応は面白いかったわ。

 

まっ私も反応したんだけど。

 

 

一人、思い出し笑いをしてる間に。

 

「ほうほう未央のバイト先ってココだったんか?」

 

「そうだよ~お兄ちゃん」

 

「同い年じゃろ?」

 

「もうマサマサ妹CAFEだよ? だから、お兄ちゃんでいいの!!」

 

「そういうモン?」

 

「そうなの、お兄ちゃん!!」

 

ってな感じで、マサマサが未央と話してた。

 

 

 

 

「何気に未央の趣味ってコッチ系だからね~」

 

「ほうほう趣味と実益ってヤツですな」

 

「そうだよ~~あっ、そだ、どう、お兄ちゃん可愛い?」

 

クルッと回ってアピールする未央。

 

「おお、可愛いぞ~」

 

「ありがと! お兄ちゃん!!」

 

この辺、マサマサはお世辞でもなく普通に可愛いって言うんだよね~。

 

まっ女の子としては嬉しいけどね。

 

未央も嬉しそうだし。

 

っていうか未央、さっきからマサマサのコトめっちゃ、お兄ちゃんって言ってるな~。

 

 

確かに、そういう、お店だけど。

 

私が、そう言うと。

 

「いや~~、なんていうか、私ってマサマサみたいな、お兄ちゃんが欲しかったんだよね~、何気に頼りになるし?」

 

「よせやい、照れら~」

 

 

未央の言葉に満更でもない感じのマサマサ、う~ん、まっ確かにマサマサ頼りになるっちゃ、なるよね。

 

でも・・・。

 

「ゲームが原因で家出したクセに~」

 

ちょっとイジワルしてみる。

 

「グッサリ刺しやがんなチクソウ・・・」

 

「アハハ、ごめん、ごめん、ついね~」

 

 

うらみがましく言うマサマサに手を合わせて謝る。

 

「って、 何時までもココに突っ立てると邪魔だよね、とりあえず席につこっか?」

 

 

気付いたら立ったままで結構、話しこんでたし。

 

未央もバイト中だしね。

 

「あ~そうだったね~、それじゃ、ゆっくりしてってね、お兄ちゃん、里沙もね~?」

 

「おうっ!!」

 

「未央もバイト頑張れ~」

 

 

バイトに戻る未央にエールを送り、空いてる席へと座る。

 

 

「マサマサ、ここは私の、おごりだからね」

 

「ン、いいんか? マサさん結構稼いでるぜ」

 

「それは知ってるけどね、たまには、おごらせなって、じゃないと、お礼にならないじゃん」

 

それに、いっつも・・・ってワケじゃないけど、結構な頻度で、マサマサの手作り、お菓子とか貰ってるし、おごっても貰ってるしね。

 

 

 

「礼ねぇ~、さっきも言ったけど」

 

「こらっ、あんまり拒否るのも失礼だぞ、遠慮せずにたのみなさい」

 

全くマサマサは。

 

「ふむ、ンじゃそういうコトなら遠慮なく・・・」

 

そうそう、それでいいんだよ。

 

メニューを開き眺めるマサマサ、私は・・・いつも通りにパフェでいっか。

 

あっ、言ってなかったけど私、何回かこのお店に来てるから、未央もいるし。

 

 

「よしゃ! 決まった!!」

 

どっかの誰かに説明してる間にマサマサは何をたのむか決めたみたいだね。

 

それじゃ注文しないとね。

 

未央は・・・あ~~~今は別の客の対応してるか~。

 

仕方ない・・・ってのも、ちょっとアレだけど未央以外の店員の娘に声を掛ける。

 

「はい、ご注文は?」

 

「私はパフェを・・・マサマサは?」

 

「うむ・・・メニューの端っこから端っこまで」

 

「待てぃ!! 遠慮するなって言ったけど、それはしなさ過ぎ!!」

 

「冗談ですがな」

 

「いくらお約束だからって心臓に悪過ぎる」

 

マサマサだったらホントにしそうってトコが特に。

 

「クスクス・・・」

 

って・・・あっ。

 

「ほら、マサマサのせいで笑われちゃったじゃん」

 

 

「ノンノン、笑わせたのだよ里沙君、この違いは大きいぜぇ?」

 

ンな得意気な顔で言わてもな~。

 

「あっ・・・えっとスイマセン!! つい」

 

「よかよか気にしなさんな・・・っと、あんまし引き止めても仕事に差し支えるわなぁ、俺は・・・コーヒーで」

 

「あっハイ、パフェとコーヒーですね」

 

 

「えっ、マサマサそれだけ?」

 

もっとたのんでもいいのに・・・さっきのは行き過ぎだけど。

 

「漢は黙ってブラックのみを飲んでればいいんだって」

 

なんじゃそりゃ?

 

「プククッ・・・」

 

ほら、また笑われてるし、まっマサマサから言わせれば笑わせてるんだろうけど。

 

「まっぶっちゃければさほど食いたいのがなかっただけなんだけどな~」

 

「おいっ!! そういうコトは店員さんがいない時に言えってば」

 

「こりゃ失敬」

 

反省してないね、絶対。

 

「アハハハ!!」

 

まっ店員の娘も笑ってるし大丈夫か。

 

「ンッン・・・えっと、それじゃあ、ゆっくりしていってね、お兄ちゃん、お姉ちゃん!!」

 

この辺は、このお店のテンプレね、女の子の場合は、お姉ちゃんになるんだってさ。

 

 

「初対面で、お兄ちゃんとはコレいかに?」

 

「だから、こういう仕様だっつーのっ!!」

 

「ププッ・・・」

 

マサマサのアレな言葉にやっぱり吹き出しながら、注文を伝えに行く店員の娘。

 

去り際に小声で。

 

「面白い彼氏さんですね? い~な~」

 

って言われた。

 

彼氏じゃないんだけどね~。

 

 

「おまたせしました、パフェとコーヒーになります」

 

「どうも~」

 

「ありがと」

 

 

結構早く出てきたかな?

 

パフェをつつきながら。

 

「マサマサ、ホントに今日は帰らないの?」

 

と聞いてみる、私の質問にマサマサは。

 

「帰らんよ、大丈夫、ちゃんと連絡はしたからな」

 

携帯を私に見せてきた、どれどれ内容は・・・。

 

『明日には帰る、だが今日は帰らん!!』

 

だって・・・っていうか・・・。

 

「コレって家出じゃなくない?」

 

ちゃんと連絡までして、ちなみに宛先は美柑ちゃん、結城の妹ね?

 

「いや~心配させたら悪いかなぁ~と?」

 

「だったら家出しなけゃよかったんじゃん」

 

「フッ・・・鞘から抜いた刀を戻すなんてマネは出来ねぇのよ」

 

いやいやマサマサ。

 

「そんな微妙にカッコつけられても・・・ね~?」

 

 

内容が内部だし。

 

「漢はカッコをつけたがる生き物なのです」

 

「寧ろ面白いけど?」

 

「それはそれでよしっ!!」

 

いいんだ。

まっ、それもマサマサっぽいか。

 

「そう言えばマサマサってさ、付き合った子はいないって言ったじゃん、アレってマジなの?」

 

 

マサマサは私から見たら結構、いい男だし彼氏にしたら絶対面白いし、大事にしてくれそうだから、モテそうな気がするんだけど。

 

実際、モテてるっぽいし。

 

ララちぃとか唯にゃんとかヤミヤミとか。

 

「マジだぞ、ンなコト嘘ついても仕方ねぇーべ?」

 

そりゃそうだけど。

 

「中学の時とかどうだったの? 前にちょっと話してもらったけど」

 

あの話は、ドラマとか映画とか漫画とかの類並にアレだったけど。

 

「中学ねぇ~、それこそ、ありえねぇって、マジに煙たがられてたからよ、ほら、いつぞやのエセ爽やかみたいな目で見られてたし、同い年のダチ、本気でいなかったからな」

 

あぁ~佐清ねぇ~。

 

あんな目で見られたっていうコトか~。

 

「う~ん、あんまり想像つかないな~」

 

「スゲェ仏頂面だったらしいからな」

 

仏頂面・・・ねぇ? マサマサって結構表情豊かな方だと思うけど。

 

 

 

 

「やっぱ想像つかないや」

 

「まっ、若かったてことさね」

 

「いや、まだウチら十代じゃん」

 

「ですよね~」

 

そう言ってカラカラと笑うマサマサ、う~ん、このマサマサが仏頂面で煙たがられてた・・・ね~?

 

そりゃ一部の先生とか女子にはアレだけど。

 

でも男子にはかなり人気あるんだよな~マサマサ。

 

 

コレはクラスの男子に限らずだ。

 

 

私達を除いたら寧ろ男の方にモテてる気がする、バラ的な意味じゃないけど。

 

ってアレ? 『私』達?

 

何故? ココはララちぃ達って言うポイントなのに?

 

むむ・・・どうも里沙さんおかしいぞ。

 

 

そりゃマサマサのコトは好きか嫌いかって言われたら好きだけど。

 

 

チラッと顔を上げてマサマサを見てみる。

 

ン? マサマサどうしたんだろ? なんかジーーっと入口のトコ見て。

 

気になったから私も入口の方を見てみる。

そこにはフードをした男の客。

 

このお店は特徴的だから、男の客の方が多い。

 

寧ろ、女の子で入ってくるのは私を始め、ココでバイトしてる子の友達とかぐらい。

 

だから男の客が入って来ても全然珍しくない、と、いうか普通なんだけど・・・。

 

「マサマサどうしたのさ?」

 

結局、なんでマサマサが、あの人を見てるかがわからなかったから、聞いてみた。

 

「いやな・・・な~んか・・・アイツやらかしそうな気が・・・」

 

やらかす? 何を?

 

マサマサの言葉にクビを傾げる。

 

「おかえりなさい、お兄ちゃん!!」

 

その間に、未央が、その男にココでの、お決まりのセリフで対応する。

 

すると、その男。

 

「ウヘヘ・・・可愛いな~~流石はボクと妹だよ~」

 

背筋がゾッとする声。

 

未央もそう感じたのか、小さく悲鳴を漏らすと後退りする。

 

「どうして、お兄ちゃんから逃げるんだい? ほら、お家に帰ろう、なっ?」

 

男はニヤッと気持ちの悪い笑いをしながらポケットに手を入れる、そこから取り出したのはナイフ!?

 

「「「キャーーー!!」」」

 

「「「うわっアイツなんだ!?」

 

悲鳴が上がる。

 

コイツ、ヤバイやつだったんだ、だからマサマサはあんなコト言って・・・。

 

って、そんなコト考えてる場合じゃない!!

 

未央がっ!?

 

 

「マサマサ!!」

 

私がマサマサに声をかけた時、もうマサマサは動いてた。

 

いつの間に移動したのか、未央と男の間に立つと。

 

「テメエ、何してんだ、アッ?」

 

ギロリと鋭く男を睨みつける。

 

男はそんなマサマサに気をされながらも。

 

「邪魔するなッ!! 刺すぞ!!」

 

 

ナイフをマサマサに向けて脅す、そんな脅しに屈するようなマサマサじゃない。

 

 

「やってミソラシド?」

 

めっちゃ余裕な顔のマサマサ。

 

寧ろ挑発してるし。

 

その言葉に、ナイフ男がキレたのか。

 

「どけーーー!! ミオちゃんはボク妹なんだ、ボクの家に連れて行くんだ!!」

 

ナイフを構えてマサマサに突っ込んでいく。

 

『ドウッ!!』

 

そんな音がお店に響く。

 

続いて聞こえたのは。

 

「ホントに刺しに来やがったよコイツ・・・ったく、最近の若いモンはコレだから、つ~かよ・・・アニキを語るなら妹に刃物向けてんじゃねぇ、このクソガキがーーー!!」

 

『ゴシャッ!!』

 

マサマサの怒鳴り声と何かが潰れたような鈍い音。

 

マサマサが、ナイフ男の頭を床にたたき付けたみたい・・・。

 

 

ビクンビクンと痙攣してるから、死んではいないと思うけど・・・。

 

 

まぁこんなヤツに同情するツモりは全然ないけど。

「大丈夫か未央?」

 

それを尻目に、未央に声をかけるマサマサ。

 

 

 

「ふぇ~ん、お兄ちゃん怖かった~~~」

 

未央、よっぽど怖かったのか少し幼児退行してるし。

 

あっ抱き着こうとしてる。

 

『ガッ!!』

 

オデコ押さえられて阻止されてる。

 

なんか未央バタバタしてる、面白い・・・けど。

 

「そこは素直に抱き着かれて上げても、いいんじゃない?」

 

近付いて、そう声をかける。

 

 

 

「いや、なんかつい?」

 

それもマサマサっぽいけど。

 

「うぅ~~~お兄ちゃん酷い・・・」

 

 

未央も未央で、何時までマサマサをお兄ちゃん扱いしてるんだろ?

 

 

まっとにかく。

 

「未央が無事でよかった」

 

「ありがと、里沙」

 

うん、ホント無事でよかった、マサマサに感謝。

 

 

私達が話してる間に、他の店員の娘が警察に通報をしてくれて。

 

ナイフ男は警察へと連行。

 

「まぁ~た、オマエ絡みかマサ~、ったく人が折角競馬に打ち込んでたってのに」

 

「仕事しろよヤマさん」

 

「何言ってやがる、俺は競馬場という事件現場で当たりという名の犯人を捜査してただけだ」

 

「本格的にダメなオッサンだな、オイ」

 

「うるせー、クソガキ、おら連れてけ~~~、さぁ~て、次は2ー4か? いや、あえて大穴、1ー5を・・・」

 

 

どうやらマサマサあの刑事と知り合いらしい。

 

「刑事と知り合いって顔広いねマサマサ」

 

「それなりにな?」

 

 

 

わかりやすそうでいて意外と謎が多いよねマサマサって。

 

 

その後は、マサマサは店員の娘達や、客に。

 

 

「体を張って妹を護る、その姿、まさに兄の鏡!!」

 

「アニキと呼ばせて下さい!!」

 

「お兄ちゃ~ん」

 

「ちょっとマサマサは私のお兄ちゃんなんだけど!?」

 

「いいじゃないですか、少しくらい、ね~お兄さん?」

 

ってな感じに大人気。

 

 

っていうか未央・・・私のお兄ちゃんって・・・まっいっか。

 

「ホント話題にコトかかないよねマサマサって」

 

「バラエティー豊かな人生だからね!!」

 

だから一緒にいて面白いんだけど。

 

 

ン、もうちょい? それから後はどうなったかって? はいはい、じゃ続きね。

 

 

あんなコトがあったし、未央の両親、今日はいないらしいから、私の家に未央を泊めるコトにした。

 

まっ私の家も両方とも今日は泊まりって言ってたんだけど。

 

「ほうほう、ココが里沙ん家か」

 

「そうだよ~お兄ちゃん」

 

「未央、何時までマサマサをお兄ちゃんって呼ぶ気?」

 

「少なくとも今日一杯はマサマサは私のお兄ちゃんです」

 

はぁ・・・本格的にマサマサに懐いたのかな?

 

さっきから、スキあればマサマサに抱き着こうとしてるし、全部阻止されてるけど。

 

 

って、今思えば・・・未央はまぁいいとして、マサマサを泊めるって、しかも両親がいないのに。

 

結構大胆なコトしてるな~。

 

まっ面倒を見るって言ったのは私だし。

 

マサマサだからね~、たとえ未央がいなかったとしても、手を出してくるなんてないだろうけど・・・残念だけどね?

 

ン? 『残念』? また?

 

 

ふ~む・・・コレは・・・いよいよ認めるしかない?

 

家に入って晩ゴハンを料理をしてるマサマサを見て、お客さんにさせるコトじゃないかな~と思いながらも。

 

 

ライバルは多い・・・しかも可愛い子揃いで手強い子ばっかり。

 

 

「フフン」

 

「どうしたの里沙?」

 

「本格的に参戦しちゃおっかな~ってね?」

 

「えっ? 何に?」

 

「マサマサ争奪戦に・・・ねっ?」

 

「うそ~~~ん!! 里沙まで!?」

 

驚いてるね未央。

 

まっそりゃそっか。

 

「う~ん、やっぱマサマサ倍率高いよ」

 

「アレお兄ちゃんじゃなかったの?」

 

「『今』はいいの」

 

なんか意味深だけど・・・まさか未央まで・・・とか?

 

 

う~ん・・・こりゃ苦労しそうだわ、マサマサめっちゃ鈍いし。

 

でもマサマサの隣の座は里沙さんのモノだからね。

 

覚悟したまえマサマサ!!

 

そう決意した、ある一日だった。

 

 

 

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