『カランコロン』
「マスター来たぜぇ」
「マサか、助かる直ぐに裏に回ってくれ皿が貯まってる」
「あいよ!!」
マスターに指示されたようにカウンターの裏に回る。
「うおっ!? マジで貯まってやがんなオイ」
そこにはマスターの言った通り、どっちゃり積まれた皿の山。
いやぁ洗いがいがありそうだわい。
っと、一応は状況説明な?
前回、掛かってきた電話は知り合いん喫茶店やってるマスター。
大手のファミレスみたくデカクはねぇたぁいえ、それなりに客も来るこの店。
本来なら三人くれぇのバイト君がいるんだが今日に限っては三人が三人とも休みらしく、困ったマスターが目を付けたんが俺ってワケ。
はい状況説明終わり。
と状況説明してる間にエプロン着用。
さて、ちゃっちゃっと洗うべ。
積み上げられた皿を割らなんようにしながらもハイスピードで洗う。
『ガチャン!!』
あっ今のは皿を割った音じゃねぇぞ?
乾燥機にかけた音。
で乾燥機から溢れた皿やらコップやらは手動で拭く。
溢れた方が多いんだがそこは長年培ってきたハンドスピードでサクッと終わせます。
で拭いた皿やらコップやらを種別ごとにしまい皿洗い終了。
「つか本気でギリギリだったんでやんの」
棚に残ってた皿、残り数枚だったし。
さて次は・・・。
『ガチャ』
冷蔵庫を開けて仕込みがされてる食材の確認。
ふむ・・・。
「マスター、トマトとレタスやっとくか?」
「たのむ、コッチも手が離せん」
「あいよ」
マスターに確認取った上でサクサク仕込み。
あっ一応言っとくが手はキッチリ消毒用ので洗らってっからな。
っと仕込み、仕込み。
「終わったら表に回ってくれ」
「あいよ」
こんな感じで忙しくランチタイムを乗り越え、お客さんが疎らになったくらいでようやく一息。
「悪いなマサ急に」
「よかよか、ヒマだったしな」
つか仲間外れにされてたしな。
「そうか、で悪いついででなんなんだが・・・」
「ン?」
「暫く店任せて良いか?」
ふむ・・・マジで言ってんのかこのヒゲは?
あっマスターはマンガとか映画とかでよく見る喫茶店のマスターよろしく口ヒゲなのだ。
「この後どうしても外せん用事があってな、本来なら店を閉めるんだがオマエがいるから良いだろうとな?」
「用事なぁ、つか良いんか? 店の名前が変わっちまうぜ?」
『カフェ・スプーキーズ』2号店に。
ちなみに本来の名前は彩南の彩の部分を取って『彩(いろどり)』な。
ン?在り来たりとか言うなっ!!
いっぱいいっぱいだから、もうホントそこは温い目でお願いします。
マサさんからのお願い。
「・・・って聞いてるかマサ」
「あン? すまんマスター聞いてなかった」
「やっぱりか、名前を変えるのは勘弁してくれと言ったんだ」
でしょうね。
つか、そらそうだわ。
「とにかく頼む」
「まぁ良いけどよ何時頃に帰ってくるんんさ?」
夜までは手伝う予定だったけど、そりゃマスターが居る前提だしな。
「そうだな・・・日付が回るまでには帰って来る」
「ちょいと待ったれや、つうこたぁこっから先は完全に俺任せかい?」
いやさ、そりゃ学校とかで喫茶店のマネ事みてぇなんしてっけど。
「まぁオマエなら大丈夫だろ客によっちゃオマエのコーヒーのが好みの人だって居るくらいだしな」
今更だが俺ココで手伝いすんなぁ初めてじゃないッス。
つかそれなりの回数やってます。
「ってわけで頼んだぞマサ、俺はそろそろ出ないといかん、あっ閉店した後の戸締まりはヨロシクな」
「しょーんなか、わぁったよ、カギはどうする?」
「スペア渡しとくから次来た時に返してくれ」
「はいよ」
スペアキーを受け取りつつ返事。
それを聞いたマスターは奥へと引っ込み出掛ける準備。
「じゃ頼んだぞ、客にケンカ吹っ掛けるなよ?」
「約束は出来んと言っておく」
実は二~三回程、あんましにもアレな客が居たもんでやらかしてます。
「ハァ~じゃ店は壊すなよ」
マスターその辺りは諦め気味らしい。
「前向きに検討すると言っておく」
政治家的な発言。
でも壊しても直しますんで勘弁してね。
「やっぱマズったか・・・」
『カランコロン』
若干不安気な声を残して店から出て
『ビィィィィ』
愛車のベスパに股がり去ってくマスターを行ってらっさいと手を振って見送り。
さぁ~て頼まれたからには頑張りますかねぇ。
チラリとお客さんの数を確認。
常連さんが二人だけ。
こりゃ結構のんびり出来そうだな。
そう思いながらもコップを拭いたり手は動かす。
「ごちそうさま」
「はい、どうもありがとうございます」
その常連さんも帰り店には俺だけが残る。
食器を下げて皿洗い。
その後はお客さんが居ない間に軽く床に掃除。
うむ完璧。
『カランコロン』
おっとお客さんだ。
「はい、いらっしゃいませ~」
「あン? マサ、おめぇ何してんだ?」
「マスター代理」
入って来たお客さんはヤマさんでした。
いつぞやの妹カフェだったか?
の時に出て来たダメなオッサン刑事な」
「誰がダメなオッサン刑事だクソガキ」
どうやら声に出てたらしい。
が、しかしそこは。
「今日も今日とて競馬新聞を握りしめて離さんヤマさん」
とハッキリ言っときます。
「あのなクソガキ、それは、おめぇアレだ俺はそうやって常に勝負に身を置くことで刑事としての勘を鈍らせねぇようにだな」
「でコーヒーか? ブラック?」
なんかコチャコチャ言ってた気がせんこともないがスルーしつつ。
ヤマさんを席に誘導カウンターに回り注文を聞く。
「聞けやッ! チッまあいい、ブラックじゃなくて砂糖とミルクはドッサリ入れろ」
はぁ~・・・。
「この前、血糖値がシャレになってねぇ、つってたから気ぃ使ったつうのに」
「良いんだよ、俺ぁ糖と上手に付き合ってくから」
上手に付き合っていけてねぇーから血糖値がシャレになってねぇんだろうに。
「ほらよ」
『カチッ』
そう思いつつコーヒーを出す。
「おう・・・ッ!! にげぇ!! クソガキ、砂糖はどうした砂糖は!!」
「ガマンしろい品切れだ」
ホントはまだあっけど。
ちなみにスプーン一杯分は入れてる。
「チッ・・・おめぇは俺の女房かっつうの」
「ヤマさんみたいなダメなオッサンの女房なんてごめんこうむる」
心の底から。
「チッ本気で口減らねぇな、このガキは、まぁいい俺ぁおめぇみてぇなガキの相手よりも大事なことがあんだ、さて・・・次のレースはっと」
「仕事せいよ」
「っせぇ、コレも人生という名の舞台を彩る為には必要な仕事なんだよ」
壮大なスケールでダメなこと言ってんなこのオッサンは・・・。
「・・・よしっ!! やっぱ大穴2ー5だな、一応保険で1ー4も行っとくか? カッカカ完璧だ」
アレから約三十分、悩みに悩んで結論が出たらしい。
「おらマサ勘定」
「あいよ」
コーヒー代を受け取りヤマさんの見送り。
「さぁ~て、待ってろよ万馬券カッカカ」
『カランコロン』
意気揚々と出て行ったヤマさんの背中を見ながら思うこと。
「まっどうせダメだろうな」
です。
ヤマさんが競馬で当てたって話聞いたことねぇーし。
とりあえず、そっと手を合わせといた。
さて気を取り直して仕事、仕事。
つってもカップ洗うぐれぇだけど。
あっ夜の仕込みもあったか?
つってもココ、昼はお客さん入るけど
夜はあんまし入んねぇんだよな。
それもあっからマスターは俺に店任せたんだろうけど。
・
・
・
・
「ヒマだねぇ・・・」
いやホント、ヤマさんが帰ってから暫くたつが来たお客さんは一人だけ。
そのお客さんもコーヒー一杯飲んだら直ぐに帰ってしまい完全に手持ちぶさたな状態です。
一応は掃除とかして時間は使ってんだけど。
誰かお客さん来てくれんもんかねぇ。
知り合いだったら、なお良し。
まっ知り合いじゃなくても全然良いけんど。
『カランコロン』
おっ!?
噂をすればってか?
「いらっしゃいませ~」
「あっ、どう・・・えっ? マサナリさん?」
「およ? 晴先生?」
やって来た、お客さんは見事に知り合い晴先生でした。
あっ一応は晴先生ってなぁ美柑の担任の先生な。
「アレ? 晴子知り合い?」
「えっ、あっ、うん私のクラスの生徒さんの・・・保護者さん?」
晴先生の後ろから聞こえるもう一人の声。
どうやら連れが居るらしい。
つか・・・。
「保護者ってのたぁまた別物のような気がすっけど、っと席にどうぞ」
「あっはい」
カウンター側の方に座る晴先生。
続いてお連れさんも・・・ってお連れさんなんかジーッと俺のツラを見てるんだが・・・はて?
「ん~~~」
ふむ・・・やはりコレはメンツ切られてると判断してしかるべきか?
「あ、秋穂どうしたの? ジーッとマサナリさんの顔見てるけど?」
「ちょっ待って晴子、もう少し、もう少しで思い出しそう、えっとえっと・・・」
思い出す・・・ねえ?
会ったことがあんのか?
ン、そういや・・・アッ!?
「思い出したキミ、あの時の!!」
「豆腐屋の娘さん!!」
・・・。
「うん、とりあえずは言っておくね、豆腐屋の娘じゃないわよ?」
違ったらしい。
「えっと・・・秋穂?」
「あっゴメン晴子、ちょっとした恩人に再会したもんだから」
恩人とな!?
「誰が?」
「キ・ミ」
「ミー?」
「ユー」
ふむ・・・はて?
むむっ・・・どういうこっちゃ?
「ねぇ秋穂、マサナリさんが恩人っどういう?」
ナイス晴先生。
それは俺も知りたいとこだ。
「うん前にちょっとタチの悪いナンパされちゃってね、困ってたら、彼がササーッと来てパパーッと助けてくれたんだけど・・・キミ覚えてなかったの?」
ほうほう、なるほど。
「ちなみに去り際のセリフは、ムシャクシャしてやった!! 反省も後悔もしていない!! だったんだけど?」
ふむ・・・。
覚えてねぇーッス。
日常茶飯事的に似たようなことをしてる気がするし。
「覚えて・・・ないか?」
「いや覚えてますよ? ホント文房具屋の」
「覚えてないよね、それ」
クッ・・・見抜かれた。
中々にやるじゃねぇか。
「まっいいや、とにかくあの時は助かったわ、遅くなったけど、ありがとう」
ペコリと頭を下げられた。
つか頭下げられてもなぁ。
イライラしてて八つ当たりが出来る相手を探してたら偶々って可能性もなきにしもあらずだしな・・・。
つうわけで。
「ムシャクシャしてやった反省も後悔もしていない!!」
と返しといた。
実際多分そんな感じだっただろうし。
「まっ、その話題は一旦、置いといてご注文は?」
「あっ、そうね、私はブレンドと後はチーズケーキね晴子はどうする?」
「えっ、あっ、えっと・・・う~んと、え~と・・・う~んと・・・」
軽くメニューを見てサクッと決めた晴先生の連れさん。
それに対してメニューを開いてにらめっこ状態の晴先生。
「う~んと、コレも美味しそうだし・・・でもコレも気になるし・・・あっす、すいません、私、優柔不断で」
「いやさ別に謝るこっちゃねぇーですけど、何だったら先に飲み物を注文します?」
「あっはい、それじゃあ秋穂と同じブレンドを」
俺の提案にメニューとのにらめっこを一時中断してブレンドを注文する晴先生。
「あいあい」
とりあえずブレンド二つにチーズケーキな。
メニューとのにらめっこを再開した晴先生を横目に見つつサクサクと注文の品を用意します。
ちなみにケーキ系は昼に幾つか作ったのを冷蔵庫に置いてあります。
「あいよブレンドにチーズケーキでござぁす」
『カチャ、カチャ』
用意出来たんをそれぞれ提供。
「ありがとう、って晴子まだ決まらないの?」
「えっ、だって、どれも美味しそうだから・・・あっチーズケーキ美味しそう」
「一口上げるから早く決めちゃいなさい」
「う、うん、えっとそれじゃあ・・・モンブランを」
「あいよ」
晴先生、連れさんに急かされた感じながらも注文はモンブランに決めたようです。
これまたサクッと用意して提供。
その間にコーヒーを一口。
「あっ・・・美味しい」
「ホント・・・」
まぁ伊達にマスター代理じゃねぇですからな。
学校でもやってるし。
「あっ、そういえば自己紹介してなかったわね、ずっと晴子が名前言ってたけど私は秋穂ね」
「秋穂・・・な、って晴先生と同い年だとしたら年上になるんか・・・アキさんが良いかねぇ~」
ずっと晴先生とタメ口だったし、多分同い年だと思う。
違ってての精々一つか二つってとこだろう。
「秋穂で良いわよ、それでキミはマサナリ君で良かった?」
秋穂で良いらしい。
「うい俺もそれで、おけ」
「わかったわ、よろしくね」
「ヨロシクどうぞ」
うむうむ新たな友人ゲットの兆しだな。
「あっ、そういえばマサナリさん、いまさらですけど、この喫茶店ではアルバイトしてるんですか?」
「半分当たりで半分外れにですな、正確には代理マスターです」
マスター代理でも可。
「代理マスター?」
「代理マスター・・・ね、確かにマサナリ君以外に従業員がいないわね、完全に任されてるの?」
「はい秋穂さん正解」
正確には半分くれぇ押し付けられたっぽいけど。
「ほぇ~マサナリさんってマンガ以外にも色々こなすんですね~コーヒーもケーキも美味しいですし」
「一家に一台、鬼島 政成ですからな」
色々とこなしますぜぇ。
ってなんか久々にコレやった気がするような気がする。
「マンガ? えっマサナリ君って漫画家なの?」
「いんえ学生ですマンガは手伝っとるだけッスよ」
「学生・・・大学生?」
「あっマサナリ君は高校生ですよ、今は・・・二年生になったんですよね?」
おっ晴先生覚えてたんだ。
「ギリギリだったッスけどねぇマジで危うく同級生に先輩って言われるとこでしたわ」
いやホント唯先生に感謝。
「高校生!! あっでも確かにそう言われてみれば高校生に見えるかも」
「まだまだティーンでごぜえますからな」
しかも半ばちょい過ぎくらい。
「マサナリ君、それはティーンじゃない私達が若くないってこと?」
「むっ、そうなんですか?」
「ンなこたぁ一言も言っとりゃせんですがな」
つか二人も十分に若えだろうに。
多分まだ二十代前半だろ。
「うんうん、それなら良いけど、もうクビを縦に振ってたらお姉さんショックでフォークを投げつけてしまうとこだったわ」
「怖えなオイ」
まっ避けるし効かんけど。
「あっ私はしませんよ流石に」
「変わりにメガネを飛ばすんですね、わかります」
そぉーい!!
とメガネを飛ばす晴先生を想像したら結構面白い映像(え)になった。
「ブッ!!」
どうやら秋穂もその映像が浮かんだらしく、思っくそコーヒー吹き出しました。
久々に見たな虹。
「飛ばしませんよ~」
飛ばさないらしい残念。
ちょっと見てみたかったのに。
ゴホゴホしてる秋穂の背中をサスサスしながら苦笑いする晴先生でした。
「はぁ・・・はぁ・・・マサナリ君、油断出来ないわ、まさかほぼ初対面の人の前でコーヒー吹き出すことになるなんて思わなかったわ」
「お褒めにあずかり恐悦至極」
「いや褒めてないと思いますけど」
わぁってますよ。
ジト目で見られとるし。
「うん、とりあえずこの心のキズを癒すには後一つケーキを所望するわ、勿論マサナリ君持ちで」
「何というクレーマー、しかしどこぞの訴訟大国の如く訴訟を起こされて店を潰されては敵わんので涙を飲むしかない」
そうなったらマスターに、あわせる顔がねぇ・・・。
「アレ?何故か私の方が悪い感じに聞こえるわ」
いや、まぁ元を辿れば俺が悪いような気がせんことも・・・ン? 待てよ・・・。
「実の所、悪いのは晴先生では? 正確には晴先生のメガネ」
それ見てつい口走ってもうたワケだし。
「あっ、それじゃ晴子におごってもらおうかな?」
「えっ? ちょっ、なんで!? 完全に飛び火!!」
オロオロする晴先生です。
そのオロオロ姿はかなり様になってます。
年期入ってますねぇ~。
っと、とりあえず晴先生で遊ぶのはコレくらいにして。
「まっ別にケーキの一つや二つくれぇ全然良いけどねぇ~つうわけで追加注文受付中、晴先生も追加良いぜぇ」
意外と稼いでるからね。
ケーキの一つや二つで面白リアクションが見れるんなら安いもんです。
「えっ、ホントに良いの? 冗談のつもりだったんだけど・・・」
「私も良いんですか?」
「要らないんなら要らないで良いけど」
「ン~~~、じゃ折角だしご馳走してもらおう」
「わ、私も」
「あいあい」
ってわけで二人共ケーキ追加。
今度は逆パターンで晴先生がチーズケーキ、秋穂がモンブランでした。
二人にケーキを出した後、他のお客さんも来たんでそちらの応対をしつつ店を回す。
二人は閉店(PM9:00)近くまで粘ったんで晩メシもコッチで食いました。
ちなみに食ったのはパスタ。
コチラも中々に好評だった。
そして店を閉めて帰る途中。
「・・・」
と真っ白に燃え尽きたヤマさんを見掛けたがスルーした。
やっぱりダメだったんだなヤマさん。
・
・
・
・
秋穂 視点
「たっだいま~春菜」
「お姉ちゃんお帰り」
家に入るとカワイイ妹の出迎え。
「食べて来たんだっけ?」
「まぁね、結構美味しかったわ、あの喫茶店」
それに恩人さんにも会えたし。
ププッ結構面白い子だったわ。
「どうしたのお姉ちゃん急に笑い出して」
「うん、ちょっとね~」
「? 変なお姉ちゃん」
失礼ね妹よ。
『グニ~~~!!』
「いひゃい、いひゃい、ふぁなひて~~」
春菜のほっぺはよく伸びるわ~。
あっ、そういえばマサナリ君って春菜と同じで高二って言ってたっけ?
知ってるか春菜に聞いてみようかな?
ン~~~まっいっか。
なんかまた会いそうな気がするし。
今は・・・。
「ほれほれ~」
「いひゃい~いひゃいよ~」
春菜の頬っぺた伸ばしっていう至高の遊びに集中しよっ!!
・
・
・
・
晴子 視点
「美味しかったな~」
今日、秋穂と寄った喫茶店。
そこで出されたコーヒーやケーキ、パスタの事を思い出しながら呟く。
マサナリさんってやっぱり、お料理が上手なのかな?
前にご馳走してもらったすき焼きも手際がよかったし・・・。
ハッ!?
そ、そういえば私、マサナリさんにご馳走してもらったのってコレで二回目だわ!!
正確にはちょっと違うかもしれないけど、でも似たようなモノよね、うん。
愛読してる少女マンガにあったけど。
に、二回目までは偶然だけど三回目があったなら・・・。
「運命?」
キャーーキャーー!!
そうなのかしら?
運命なの?
運命の出会い?
『ボフッ、パタパタパタ』
クッションに顔を埋めて足をパタパタ。
三回目・・・あるのかな?
ちょっと期待してたり・・・って。
「もう!! キャーキャー!!」
『パタパタパタ・・・』
深夜過ぎまでパタパタしてたせいで次の日筋肉痛になった私だった。