下書きはやっとこさ寮の紹介まで漕ぎ着けました
坑道を奥へ奥へと進んでいく。一瞬だけ見えた光の方へ、足早に。
「急ぐんだゾ~!」
「わかってる…あったぞ!」
「これは…とても綺麗な石ですね。原石でこの状態とは…」
「ザワルナ゛アアアアアアアア!!!」
尋常じゃない声が響き渡る。おいおい地獄耳か?…入り口の向こう、遠目に見えるその姿は今にも起き上がりそうだ。えっさっき電撃浴びせたのに!?
「やっっば!アイツもう重しを押し退けそうじゃん!」
「おいデュース、もっとなんか乗せるんだゾ!」
「ええっと、重たいもの?出でよ大釜!!」
ゴァン!!
「あとは、えーとえーっと、大釜!!」
ゴァン!!
「それから、大釜!!」
ゴァン!!
…わー。きれいに積み上がっていらっしゃる。
「いやお前大釜以外に召喚レパートリーないわけ!?」
「他にあるでしょう岩とか鉄球とか!?」
「う、うるせぇなテンパってんだよ俺だって!!」
「とにかく、魔法石はゲットしたからずらかるんだゾ!」
「「了解!!」」
「オ゛レ゛ノ゛…ダアアアアア!!」
倒れた怪物の横を足早に通り過ぎ、数メートルほど離れたところで雄叫びが届いた。
「イジ…ガエゼエエエエエ!!」
「ウッソだろ!?あれだけの重しを押し退けて追っかけてきた!!」
「このままじゃ追い付かれちまうんだゾ~!」
「っ…やるしかありませんね、もう一度!」
「あーもぉ!やったろうじゃん!チビんじゃねーぞ真面目クン!」
「お前こそ!」
「オレ様の真の力、見せてやるんだゾ!」
「そぉらっ!!」
「ふな゛~~~~~っ!!」
「出でよ大釜!!」
…怪物はすっかり沈黙した。大釜の下でピクリとも動かない。
「…やっ…た?」
「…か、勝った、オレ達が勝ったんだゾ~!」
「よっしゃあ!!」
「やったぁ!!」
「お疲れ様でした…」
「勝利のハイタッチなんだゾ~~~!「「イェーーーイ!!」」」
うわすご…男子高校生の熱量やばいな。まあ一匹魔獣だけど。
「皆さんすっかり仲良しですね」
「………あ、ち、違う。これはそういうんじゃない!」
「そ、そーそー!変なこと言わないでくんない??」
「おおオレ様が大天才だから勝てたんだゾ!」
指摘したらめっちゃ言い訳が来た。やばい、内心ニヤニヤが止まらない。たぶん表には出てな
「ニ、ニヤニヤすんじゃねーっ!!」
「…あっ、顔に出てましたか?すみません」
「…言い訳すんのもダセーか。悔しいけどユウの作戦勝ちだな」
「そうだな。ユウが冷静に指示を出してくれたからこうして魔法石を手に入れられた。これで退学させられずに済む…本当によかった……」
「…それじゃ、帰りますか」
「へーい。もうマジでクッタクタのボロッボロ。早く帰ろうぜ~」
「いっぱい魔法を使ったら腹が減ったんだゾ…」
「…ウウウ……」
電磁波のセンサーが感じ取ったわずかな変化。それにハッと振り向くと、怪物の指がゆっくりと、しかし確かに動いている。
「げぇっ!?嘘だろ!?」
…どうする?みんなもうくたくただ。
「アイツまだ動くのか!?」
…魔力とやらが無関係な分、私にはまだ余裕がある。それなら…
「だがだいぶ弱ってる、もうさっさと逃げちま
―――ズドオオォォォォォン!!!
怪物めがけて落ちた雷が、地面を揺らした。
「……………び………っくりしたぁ~~~~~!!」
「…心臓が…止まったかと思った…」
「まだくらくらするんだゾ……子分?大丈夫か?」
「えっ……ああ、うん。大丈夫……こんなこと、あるんだね…」
…私は呆然とした。いや、だって。
「(…まさか私の力、
このあと、グリムが真っ黒な石を食べる騒ぎがあったらしいけど、上の空だった私はよく覚えてない。
・ユウ
時おり表情筋がちゃんと仕事する参謀。
ここに来てはじめて本気を出した結果、衝撃の事実に内心ビクビク。肉体だけじゃない…だと……!?
・グリム
安定の炎担当。
がっはっは!美味美味!それにしても子分、やけにぼんやりしてるんだゾ。
・エース
風担当。やっぱ魔獣の味覚って人間と違うのか?
・デュース
心臓が止まったかと思った、安定の大釜担当。
拾ったものを口に入れること自体、普通の人間はしないぞ…