怪力残念美少女とアホ(天才)美少女発明家に挟まれた男の話   作:不知火勇翔

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文化祭編
9話 文化祭の案出しとは大喜利大会である


 特に目立った容姿ではなく、髪も大人しめなショートカット。背は低い方。没個性というか、まぁ街中を歩いていたら気づかれないくらい地味な女。それが私こと『音雪 絆』(おとゆき きずな)だ。皆からはキズナって呼ばれている。

 粒子能力はFAで『解析』。名前の通り見た対象を調べることができる能力だ。F番台だから結構レアな能力なんだけど、いかんせん私が陰キャすぎて見た情報を上手く伝えられないため、まぁ在って無いようなものだ。

 小学校の頃は方々から期待されてたけど、陰キャ×口下手×『解析』の相性はすこぶる悪く、使えないと烙印を押されて今に至っている。

 朝から上司のチクチクをくらって気分は最悪。陰キャな私が100%悪いため平謝りしたから、体力的にもシンドイ。・・・まぁいつものことなんだけど。

 とにかく気分は下降気味。学校爆発しないかなと思っていたら、担任の先生が開口一番、「転入生を紹介する」と言った。転入生?と首を傾げていると、制服の上着の袖を輪っかにして頭に被った3人組が教室に入ってきた。あ、昨日の人・・・・・ん?

「はじめまして!『辻 優奈』(つじ ゆな)です!気軽に優奈ちゃんって呼んでください!あ、呼び捨ては止めてくださいね。夫が怒るので」

「・・・はい。『杉木 蓮』(すぎき れん)です!特技は喧嘩!嫌いなものは喧嘩したい奴です!よろしくお願いします!」

「・・・えっと、『中城 灯香』(なかじょう とうか)です。よろしくお願いします・・・」

 ・・・何をツッコめば良いのだろうか。頭に制服を巻いている所なのか、夫発言なのか、喧嘩が好きだけど喧嘩屋が嫌いという発言なのか。何だろうか、なんだか私たちが試されている気がした。

「・・・あー、よろしく」

 最前列に座っている長身の生徒『澄鳴 カナウ』さんがクラスを代表して挨拶した。陰キャ、引き籠もり、一匹狼、存在が謎な人、ハグレモノが掃き溜めのように集められたクラスの中では一番コミュ力がある人だ。あとメガネである。←ここ重要。

「よろしくお願いします!」

「・・・えっと、その、国の文化とかは分からないから、失礼だったら謝るんだけどさ、その、」

 最大限配慮したカナウさんは、まず頭のやつから切り込んだ。

「その、頭のやつって、」

「頭のやつって何ですか?」

 白髪の人が、不思議そうな顔をして聞いた。

「いや、頭のやつがさ、」

「?別に普通ですけど?」

「あー、そうか。分かった。俺が悪かった」

 カナウさんがそう言うと、白髪の人と男の人が吹き出した。「ちょっ、笑ったら悪いよ・・・」と黒髪の女の子が控えめに止めに入った。笑われたカナウさんはなにがなんだか分からず固まっている。

「はははは。はい、ごめんなさい。冗談ですよ、冗談」

 そう言った白髪の人は頭の上着をとると、そのまま普通に制服を羽織った。男の人と黒髪の女の子もそれに続く。

「は?冗談?」

「冗談だ。国の文化って言ったらワンチャン押し通せるかなって思ってさ」

 男の人がしてやったりと自慢気に話したため、最大限配慮していたカナウさんのこめかみに青筋が入った。

「バカはその辺にして席につけ」

 両手を叩いて先生が終わりを宣言したので、編入生3人は大人しく席についた。・・・えっ!?普通に、というか満足気に座ったんだけど!?先生も普通に続けるの!?

「キズナ。コイツらはこういう奴だ。覚えておけ」

 どうやら顔に出ていたらしい。先生が言ってきた。・・・はぁ。そういう人達なんですね・・・。えぇ・・・(汗)

「さて。今日の1限目だが、文化祭で何をやるかの案を募るぞ。何かやりたいやつはあるか?」

 文化祭・・・。私の上司がいらないことをしそうだな・・・。

「つまり大喜利大会ですか。腕が鳴りますね」

 辻 優奈、だっけ?白髪の編入生がボソッと呟いた。そしてピシッと右手を挙げ、高らかに言い放った。

「ロケラン大会!ロケランの検品会!」

「武器商人に成るつもりか?却下だ」

 先生がバッサリと切り捨てた。すると今度は男の編入生、杉木 蓮だっけ?が勢い良く手を挙げた。

「輪投げならぬ、制服投げ捨て大会!」

「制服を大事にしろ。却下だ」

 今度は優奈ちゃん。

「エロ漫画喫茶!」

「帰れ」

 次は蓮さん。

「炭酸1L飲むまで帰らせない店!」

「ただの迷惑店だろ、それ」

 優奈ちゃん。

「爆竹ショップ!」

「火薬好きだな、お前」

 突然のラリーに置いてかれた私は、軽くあしらっている先生をただただ尊敬した。

「先生、なかなかやりますね。お義父さんならこの辺りでノックアウトしてましたよ」

 優奈ちゃんが不敵に言った。お父さん大事にしなよ・・・。

 頭を抱えているもう1人の編入生、中城灯香さん、だっけ。は苦労してそうだ・・・。

「もう案は出尽くしたか?」

 え、2人しか喋ってないんだけど!っと思ってクラスを見回したが、私を含めて非協力的な人達ばかりだったので順当かと思ってしまった。

「・・・順当に作品作りで良くないか?俺らのクラスが出した店に客なんて来ないだろ」

 カナウさん!そうだ!まだこの人がいた!

「作品、とは具体的にどんなのだ?」

 先生が食いついてきた。

「爆弾のサンプルとかですか?」

「お前はもう捕まっていろ」

 優奈ちゃんの割り込みが入った。ん?先生、疲れてる?

「じゃあ漆黒のコートとかどうっすか?中二病ホイホイ」

 蓮さんが言った。なんて恐ろしいことを・・・。

「却下だ。あと2回で教室から出すぞ・・・」

 あ、マズい。先生、頑張って!

「やはり落とし穴ですか!」

「却下。それは作品か・・・?」

「ワイヤー「退場だ、お前ら」」

 先生が蓮さんと優奈ちゃんを教室から追い出すと、文化祭は千羽鶴で決まった。誰が見ても癒されるからだそうだ。

 

 

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