仮面ライダーデモンズ Re:Make   作:SoDate

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第10話, 配信記録B-無茶と欲望と仮面ライダー-(A)

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『仮面ライダーO.V.E.R(オーバー)DEMONS(デモンズ)

 

「行くよ、絶対に……あなたの好きにはさせない!」

 

 オーバーデモンズに変身した私を見て、目の前にいる化け物は少しの困惑と苛立ちを感じさせながら言葉を発する

 

「最悪、まさかもう一人いるとは思わなかった──なぁッ!」

 

 私に向かって放たれた風の斬撃、少しも見えずらいけどオーバーデモンズなら避けられる。バックステップから高跳びのようにジャンプをして風の斬撃を避ける──そして着地と同時に背中についてるアームを展開して化け物を掴む

 

「なにこれッ!?」

「はぁッ!」

 

 そのままこちらに引き寄せて思い切り、拳を叩き込むと同時に拘束していたアームを解除。そのまま落下させる

 

「っ!?」

「もう一撃ッ!」

 

 そして落ちてきたところに蹴りを入れる

 

「ぐぁっ──」

「このまま攻めきるッ!」

「そんなこと、許すわけないじゃんッ!」

「えっ──ぐ、うぁぁッ!」

 

 流石に連続で反撃をすることが出来ず、もう一撃喰らわせる前に光の粉のようなものが私の周りにまき散らされ、爆発を起こす。何とか防御の姿勢はとれたけどアレをもろに喰らってたらマズかった気がする

 

「まったく……あんまりここにいるのも都合が悪いね。目的を達成できないのは惜しいけど──ここは退かせて貰おうかな」

 

 そう言うと彼女は地面にスタンプを押すと地面から大量の蝶が溢れ出し、あの化け物はそれに紛れて完全に姿を消す

 

「逃げた──ってそれよりも」

 

 今は逃げた化け物の事よりも倒れたまま動かなくなってる門原くん達だ。倒れている人たちの息を確認しながら、私は病院に連絡をした

 

 

 

 

 

 あれから少しして、病院に搬送されるのを見送ったけど……その中でも一番重傷だったのが門原くんだとお医者さんから聞いた。D.D.C.Uの隊員やフタバ先輩も意識は失ってたけどあくまでも強い衝撃を受けたことによって意識を失っただけ、怪我自体は一番重いものでフタバ先輩の負っていた打撲

 

「所長、門原先輩……大丈夫ですよね?」

「それは……まだ、わかんない」

 

 門原くんは未だに意識を取り戻さない。彼の負った傷で最もひどかったのが右腕の裂傷、外部からかなりの圧力を受けたみたいで意識を取り戻したにしてもしばらくの間は今まで通り動かすのも難しいって先生は言ってた

 

「そう言えば八乙女さん、今回の悪魔との契約者の子は?」

「後から来た新見さんがどうしてスタンプを使ったのか事情を聞いてます」

「そっか……よしっ、八乙女さん! 今は私たちが出来ることをしよう」

「そうですね、それじゃあ私も……怪物の心当たりがないかを探してみます!」

「お願い」

 

 やらなければならない事はかなりあるけれど、今優先すべきはあの化け物が何を狙っているのか……今回の契約者に一体何をさせようとしているのか

 

「それを聞くためにも、話を聞きに行かなきゃ」

 

 新見さんが事情を聞いているのは確か病院のロビーだって言ってたっけ。まだ話していると良いななんて考えながらロビーまで向かうと幸いなことに新見さんと話している男の子の姿はあった……高校生くらいの子を男の子って言っていいのかわからないけど、今はそんな事おいておく

 

「新見さん、少しだけ彼から話を聞いてもいいですか?」

「あぁ、大丈夫だよ」

 

 新見さんの許可を取って私も椅子に座って男の子に話しかける

 

「初めまして、私は狩谷ミサキ。君の名前は?」

「……日暮マドカ」

「日暮くんね……何でスタンプをとかはそこの刑事さんに話したと思うから、省かせて貰うけど良い?」

「……良いよ」

「ありがとう。それでなんだけどあの化け物が君を狙った理由とかに心当たりはある?」

「ない、正直なんで話しかけてきたのかも理解できないのに……理由なんてわかるはずない」

 

 やっぱりなんであの化け物は彼を狙ったのかはわからないか、それじゃあ切り口を少し変えてみよう

 

「それじゃあ、あの化け物と何を話したかとか覚えてる?」

「それは覚えてるけど……意味わからない事を聞かれただけ」

「意味の分からない事?」

「うん、願望は何とか……力が欲しいかとか」

 

 願望はなにかに、力が欲しいか……もしかしたらそれが何かのヒントになるかも知れない。けどまだ足りない気がする

 

「他には、何か聞かれたことある?」

「……何がしたくてスタンプを買ったのかも聞かれた」

 

 何がしたくてスタンプを買ったのか……駄目だ、まだ何かのピースが足りない気がする。もっとこうガッチリと嵌るようなピースが欲しい、それに彼の口ぶりを見た感じだとやっぱり聞かれたことはそれで最後だと思う

 

「でも、何でスタンプに手を出しちゃったの? スタンプを買えるだけのお金があるならもっと別の事だって──」

「別に金なんてどうでもいいんだよ」

「えっ? ただ有名になりたかっただけ。最初の頃は動画上げれば何十万って視聴回数が付いたけど最近はそれが落ちて来てて……」

「もしかして、それでスタンプに?」

「……今は過激なことをすればするほど視聴数が稼げるんだ。炎上商法とか言ってくる奴もいるけど俺は世界に名前が売れればそれでいいし」

 

 有名になりたい、その気持ちは少しだけわかる……私の場合は自分の事じゃなくて他人(お姉ちゃん)に有名になって欲しかったわけだけど。けどこんな事をして有名になったってきっと意味はないと思う

 

「君は、どうして有名になりたかったの?」

「そりゃ、有名になるってなんかいいじゃん。それに有名になれば楽して生きていけそうだし」

「……楽に生きていける道なんてないよ」

「は? そんなのわかんねぇじゃ──」

「わかるよ、きっとどんな人生だって必ずどこかに困難はある……楽して生きていける人生なんて、絶対にない」

 

 私の場合はお姉ちゃんが行方不明になってから大変だった。それまでは悪魔の事とか何も知らずに生きてきたけど。お姉ちゃんが居なくなって、悪魔の事とかベイルとかデモンズとか……色んな情報が私の所にドバっときて、何回も全部捨てて私には関係ないって思おうかと思った

 

「じゃあ、姉ちゃんはなんか苦労してんのかよ」

「してるよ、一杯……仕事の事とか、家族の事とか、一杯苦労してるし、今だって困難に直面してる所」

 

 改めて考えると、門原くんには助けられてたなぁって思う所はたくさんある、会社の従業員になってくれたのだってそうだし……何よりも仮面ライダーとして戦ってくれたこと。最初は成り行きだったけど、ベイルと契約して高校時代から今まで仮面ライダーとしてずっと頑張ってくれてた。だから私はO.V.E.Rを作る事が出来たし、それ以上にお姉ちゃんの残した研究を進めることが出来た

 

「──そうだ、研究資料」

「えっ?」

「話聞かせてくれてありがとう! 新見さん、後はよろしくお願いします!」

「えっ? わ、わかった」

 

 八乙女さんには正直悪いとおもうけど思いついたらすぐに行動するのが一番いい気がするから、ポケットから車の鍵を取り出しながら駐車場まで戻る……八乙女さんにはとりあえずチャットで連絡だけしておいて車のエンジンをかける。向かう先は我が家の地下研究室──きっとそこに何かの手がかりがあるはず

 

 

 

 

 

 

 

 研究室まで戻って来た私が早速パソコンの電源を入れようとしたタイミングで、ガンデフォンに八乙女さんからの連絡が入る。悠長に耳に当てている時間も惜しいから通話を開始すると同時にスピーカーモードにしてパソコンの操作を始める

 

『所長!? どういう事ですか、行くところが出来たからって!』

「ごめんね、八乙女さん。でも正直今は八乙女さんを呼びに行く時間すら惜しかったから」

『はっきり言いますね、でも一体何をそんなに急いで──』

「わかるかも知れないの、敵が何を狙っているのか」

『──本当ですか?』

「うん、だから今お姉ちゃんの研究室でバイスタンプ関係の資料を探してるところ」

『それなら、私にも何か出来ることはありますか?』

「……八乙女さんは、今は門原くんに付いていてあげて」

『……わかりました、でも無茶はしないでくださいね!』

「うん、わかってる」

 

 そこで通話は終わり、私は再びパソコンと向き合う……きっと、敵の狙いを解明する鍵はバイスタンプの研究資料の中にあるはず

 

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