仮面ライダーデモンズ Re:Make   作:SoDate

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第11話, 祝祭記録J-祭りの準備-(A)

 あの戦いから数週間、島は平和そのもので俺もゆっくりと身体の療養に励むことが出来た。まぁ右腕は他よりも圧倒的に傷が酷かったからまだ包帯を巻いてアームホルダーで吊るしている訳だが……まぁ仕事をするのに支障はない、というかそもそもウチは所長以外で書類仕事をすることがないわけだからマジで問題はない

 

「おはよーございます」

「あっ先輩。おはようございます」

「おはよう、門原くん……それで早速だけど、ベルト出して」

「へっ?」

 

 久々の出勤早々、所長から言われたのはベルトを出せ発言……えっ? もしかしてクビですか? 

 

 

 

 

 

 とりあえず俺が首になるという誤解は解けた……というか所長からどうしてベルトを渡さなければいけないのかを教えてもらった。どうにも俺があの事件で無茶して変身してぶっ倒れたのが原因らしい、そもそもあの抜け出しが無ければもっと早く退院出来たとか担当の医者から聞いた時はやっぱり気まずくなった

 

「門原くんは仮面ライダーへの変身禁止です」

「えーっと、変身しないからベルトだけ持っとくってのは──」

「持たせてたら絶対に変身するじゃん」

「うっ……」

「というかわかってる? 門原くんただでさえベイルとの契約不安定になってる所為で変身する度に身体に負荷がかかってる状態なんだよ?」

「えっ? 私それ初耳なんですけど……っていうかその反応、ヒロト先輩絶対知ってましたよね?」

 

 遂に八乙女にもバレた、というか病院抜け出す時だって身体に負荷かかること言ってたら絶対に抜け出しに手を貸すなんてことしないだろうしなぁ

 

「……すまん」

「はぁ、ほら先輩。さっさと所長にベルト渡してください」

「い、いや──」

「拒否権はないよ?」

 

 正直、逃げられる気がしない……仕方ない。俺は手に持ってたカバンからデモンズドライバーを取り出して狩谷に渡す

 

「はい、確かに受け取ったよ」

「……っていうか一つ聞いて良いか?」

「なに?」

「仕事って基本的に俺と八乙女のコンビで受けてるよな」

「そうだね」

「じゃあベルトを持ってないと悪魔に対応できないんだが」

「あぁ、それなら大丈夫。しばらくは私も一緒にきた依頼をこなしていくから」

 

 成る程、こうなると本当に俺は現在進行形で仮面ライダーへの変身が禁止された訳か……いや確かに狩谷の事を信用してない訳じゃないんだがそれはそれとしてやっぱりベルトを持ってた方が安心するというか──

 

「やっぱりベルトを返してもらうことは──「くどいよ、門原くん」すみません」

 

 駄目だな、アレと長く付き合い過ぎたというか既に何年も手元にあった所為で近くにないと落ち着かない。なんて考えていると事務所の扉が叩かれる……久々の依頼人か

 

「あっ、私行ってきますよ」

 

 八乙女がそう言うと事務所の扉まで行って開けるとそこにいたのはツナギを着た一人の男性。その人は開け放たれた扉の前に突っ立ったまま微動だにしない

 

「えーっと……」

「所長、今うちの電化製品ぶっ壊れてたっけ?」

「壊れてないと思うよ?」

 

「失礼、ここが狩谷相談所で合ってるだろうか」

 

 どうやら依頼人らしい

 

 

 

 

 今回依頼にやってきた人物は睦葉島中央に聳え立つ管理施設”セントラルタワー”の管理会社に勤めているらしい川瀬宏伸さん。でも管理会社の人間ならセントラルタワー関係の依頼だよな? 言いたかないがその手のデカい依頼はウチみたいな弱小じゃなくて高梨警備保障とか点在しているもう少し規模の大きい会社に頼んだ方がいい気もするんだよな

 

「それで、依頼内容の方は──」

「近々睦葉島で行われる記念式典はご存じですよね?」

「はい、島の運営開始日を記念して行われる祭事の事ですよね……島全体を使った大きいお祭りになる」

「えぇ、実はその記念式典関連で準備を進めていた我々の元にこんなものが届いたんです」

 

 そう言って川瀬さんが見せてきたのはガンデフォンの画面。そこに表示されていたのは、犯行予告か? 

 

 ──記念式典当日、セントラルタワーは我々のものとなるだろう

 

「これを、私たちが解決しろと?」

「はい」

 

 川瀬さんのその言葉を聞いた所長は俺の方を見てくる。そうだな……正直俺たちには少し荷が重い気もするが──所長は狩谷な訳だしそっちの一存で決めて貰って構わないとの意思を目線で伝える

 

「……わかりました、お引き受けします」

 

 少し悩んだ様子ではあったが所長が依頼を了承すると、川瀬さんは安心したように胸を下ろした……とりあえずここら辺で気になったことを聞いておくか

 

「あの、川瀬さん」

「はい、何でしょう」

「睦葉島ってウチ以外にも……それこそ大手だと高梨警備保障とかありますよね? なのに何でウチ依頼を……言っちゃなんですけどウチ警備会社って言うか何でも屋って感じですけど」

「……他の警備会社にも話を持って行ったのですが、どこも記念式典の警備で手一杯と言われてしまって」

 

 そう言葉を発した川瀬さんの表情を確認すると、何かを隠しているようには見える……というよりもさっきの発言に嘘が混じってる──個人的に探りを入れるのは全然構わないんだが相手は依頼人だ。これ以上踏み込んで依頼がお釈迦になるのは会社としても、俺としても困る

 

「そうでしたか」

 

 だからここは同調だけしておいてその場で引き下がる。その後の流れは成功報酬に関する相談だったりを所長と川瀬さんの二人がした後に帰っていった……事務所の扉が閉められ程なくするとビルから外に出て川瀬さんが歩いていく

 

「……良かったな、八乙女。祝日出勤決定だ」

「もう慣れましたよ……というかもう高校中退するんでここで雇ってくださいよ」

「高校中退したら八乙女さんでもクビだよ」

「だそうだ」

「……まぁ進路に悩まなくてよくなっと考えて良しとしましょう」

 

 なんか血迷った事を言っていた八乙女も所長のクビ発言で高校中退は諦めたらしい……それにしても今回の依頼人、どうにも胡散臭いな

 

「ねぇ、二人とも」

「どうした?」

「何ですか?」

「今回の依頼、どう思った?」

 

 どうやら胡散臭いと感じていたのは俺だけではなかったらしい

 

「……正直、胡散臭いかどうかって聞かれたら胡散臭い以外の何物でもないな」

「私も、なんか怪しいなって思いました」

「やっぱり、そうだよね」

 

 正直何の目的があってウチに依頼を持ってきたのかわからない……あの口ぶりを見るに他の会社にも話を持って行ったってのは本当だろう。だが最終的に行きついたのがウチの事務所ってのは少々違和感を覚えざる得ない

 

「そもそも、ウチの島で一番デカい高梨警備保障が人手足りないってのは確実にないだろうしな」

「だよね、万が一の事も考えてフタバ先輩たちも動くだろうし……人手が足りないなんてことあるはずない」

「もしかしたら、あの人にとっては大きいところじゃなくて小さいところの方が都合がいいのかもしれませんね」

「小さい所の方が都合がいい……ねぇ」

 

 正直どんな都合が良いのかわからないが今回の依頼に関してはずっと警戒して当たった方がいいだろうな……っと、そう言えば

 

「ベイル、の人から悪魔の匂いは感じなかったのか?」

『……奴から悪魔の匂いは感じなかった』

「ベイルの悪魔センサーにも以上なし」

「とりあえず、私は高梨警備保障の方に今回の件を確認しに行ってくる」

「じゃあ俺はとりあえずセントラルタワーまで向かってみる、八乙女も来るか?」

「もちろん行きますよ! 流石にここで一人お留守番はってのは嫌ですからね」

 

 とりあえず話がまとまったわけで所長はこれから高梨警備保障に今回の依頼の事を確認しに、俺と八乙女は当日に備えてセントラルタワーの確認に向かうことに決めた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 睦葉島に存在するとあるバー、現在CLAUSEの看板がかかっているその扉の前に立った少女は、躊躇いなくノブを捻って中に入る

 

「やっほー」

「あら、キミちゃん。いらっしゃい」

「アレ? 今日はミツヤさん一人?」

 

 カウンターに立っていたバーテンダー風の男──福沢ミツヤに対して國本は親し気に話しかける

 

「残り二人は奥にいるわ」

「オッケー、じゃあミツヤさんも早く来てね。お話始められないから」

「元々あなたが遅れたからワタシが待ってたんじゃない。まぁいいわ、いきましょ」

 

 その言葉と共にミツヤはグラスを動かして隠されていたスイッチを入れた。すると床の一部が盛り上がり地下に続く階段が現れる。慣れた足取りで二人が地下に降りていくそこにはもう二人。笑みを浮かべている女性、永倉キョウカと彼女の横に座っている男性、大崎レオは降りてきた二人に目を向ける

 

「ごめーん、少し寄り道しちゃって」

「遅い」

「まぁまぁ……それより珍しいね、キミちゃんが寄り道なんて」

 

 キミに対して少し厳しい物言いになっていたレオをキョウカがたしなめ、どうして遅れたのかを問う

 

「んふふー実は面白そうな人がスタンプを買いたいって言ってきてね。それでちょっと遅れちゃった」

「あら、どんな人なの?」

「記念式典を滅茶苦茶にするんだって、面白そうな話でしょ?」

「……世間話はそこまでにしろ」

「はーい」

 

 嗜められてから言葉を発していなかったレオがそう言うとキミとミツヤの二人も席に着くと……レオは話を始める

 

「睦葉島に新たな仮面ライダーが出現した」

「あぁ、オーバーデモンズとか言ったっけ? オーバーって言う割には元のデモンズの方が強そうだったけど」

「戦闘経験の差でしょうね……デモンズの方はもう何年も戦い続けてるわけだし」

「その通りだ……そして我々にとって最大の脅威であったデモンズは國本の手により戦線離脱を余儀なくされている」

 

 レオがそう言うと残りの二人に向かってキミがピースサインを出す

 

「だが油断はできない。我々は我々の目的の為に……行動する」

「当然……わかってるよ」

「えぇ、そうね」

「……はーい」

 

 そう言った四人が目を向けた先に存在するのは悪魔の尻尾を思わせるスタンプと、その後ろに鎮座する棺のような形状の蛹

 

「わかっているな、我らの目的は──」

 

「「「悪魔ディアブロの復活」」」

 

「ディアブロ復活のエネルギーは着実に溜まりつつある……我々も、バイスタンプの売買を続けるぞ」

 

 レオの言葉に頷いたメンバーの手の中にはそれぞれ別々のレリーフが彫られた特殊なスタンプが握られていた

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