やはり美味しんぼの話の一つ、日本の根っこのオマージュですがアンチョビがとんでもない事になります
今回は海原雄山登場です、海原雄山理論は割と上手く出来たと思ってる(笑)
ある昼下り、大洗学園廊下にて
カエサル「全くヒナちゃんたらこの忙しいのに呼び出すとは…一体何の用だ?」
おりょう「とか言いつつ鼻の下が伸びきってるぜよ(笑)」
エルウィン「全くカエサルは表情に出過ぎだ(笑)」
左衛門佐「違うぞエルウィン、今はカエサルではなくタカちゃんだ(笑)」
カエサル「三人共茶化し過ぎだっ!っと応接室はココだったな」
三人からの茶化しを誤魔化す様にカエサルがドアを開けようとすると
カルパッチョ「タカちゃ〜んっ!!!」
ドアが向こうから開いたと思ったら泣き顔のカルパッチョが全力でカエサルの胸に飛び込んで来た
エルウィン「oh、モーレツ(*´ω`*)」
左衛門佐「わ…我々はお邪魔だったな(*´ω`*)」
おりょう「後は若いお二人で〜ぜよ(*´ω`*)」
カエサル「なっ何を誤解してるんだ(汗)、ヒナちゃんも落ち着いて(汗)」
カルパッチョ「ドゥーチェが、ドゥーチェが…」
みほ「アンチョビさんがホームシックぅ~
!!?」
カルパッチョ「はい…ご存知だとは思いますがドゥーチェは愛知からスカウトされたので3年間ずっと寮生活だったのです」
沙織「でもあのアンチョビさんがホームシックって意外…」
杏「いや、チョビ子はああ見えてかなり繊細だぞ、多分根は戦車道界一繊細なんじゃないか?」
カルパッチョ「そうなのです、それなのにチームの指揮をあげる為に気丈に振る舞って…(泣)」
おりょう「泣ける話ぜよ…(泣)、さながらアンチョビさんは現代の新島八重といった所だな」
左衛門佐「いやいやそこは晉の王異だろ」
エルウィン「普通にジャンヌ・ダルクでは?」
歴女「それだ!!!」
桃「五月蝿いぞ!それで我々にどうしろと?」
カルパッチョ「ホームシックのせいでドゥーチェは食欲不振になってしまい…何とかドゥーチェに食欲を取り戻させて欲しいのです」
優花里「中々難問ですね…」
麻子「我々より専門医に診せた方が良いのでは?」
華「いえ、一人適任者がおりますわ」
みほ「それってまさか…」
アンツィオ高校
アンチョビ「良く来たなぁ西住、歓迎するぞ」(フラフラ)
ペパロニ「姐さん、頼むから寝てて下さい(泣)」
カルパッチョ「ドゥーチェ、点滴の時間です(泣)」
アンツィオ一同「ドゥーチェ(泣)、ドゥーチェ〜(泣)」
みほ「そんな…あの快活なアンチョビさんが…」
山岡「これじゃあアンチョビどころか煮干しだよ」
カルパッチョ「ドゥーチェはここ数日点滴以外は水とすまし汁しか接種してなくて…」
山岡「それだけ?まるでキリギリスじゃないか!」
華「それで兄様、アンチョビさんに食べさせる料理は?」
山岡「おう、任せとけ、俺が用意したのは…」
?「フフフ、人の心を理解出来ない貴様の様な出来損ないに安斎さんの心を動かせる料理など作れる訳無かろう」
山岡「雄山!」
華「海原の小父様!何故ここに?」
雄山「おや、五十鈴のお嬢さんが何故士郎如きと?」
沙織「あの恐いおじさん何処かで見た様な…ってあの海原先生!!?」
優花里「本当だ!海原雄山氏であります!」
桃「サカキバラユウゾウ?何だ??有名な人か???」
杏「かーしま…(呆れ)」
柚子「桃ちゃん…海原雄山氏を知らないなんて(呆れ)」
ペパロニ「マジで誰っすか?」
カルパッチョ「ペパロニ…料理を志す人間として海原先生を知らないのはマズいわ(呆れ)」
麻子「海原雄山、料理だけでなく陶芸、絵画、書道、あらゆる芸術分野を代表する総合芸術家だ」
沙織「そして海原先生が運営される美食倶楽部は日本…いや、世界最高の料亭だと言われてるの」
桃「なんだ、つまり料理屋のオヤジか」
柚子「桃ちゃん、恥ずかしいからもう黙って(慌)」
杏「海原先生の料理は単なる料理の域を超えた芸術…いや、それ以上の神々しさがあるんだ」
沙織「私もそこまで本は読まないけど海原先生の著書はゼクシィと同じ位読み込んでるんだ」
山岡「フン、こんな奴料理屋のオヤジどころか高級気取りのペテン師さ!」
優花里「あわわっ!海原先生に何て事を!」
雄山「フン、私の創作人生の唯一の汚点である愚連隊の貴様が何をいう!」
華「小父様!」
みほ(あれ?山岡さんと海原先生ってもしかして…)
アンツィオ校長「海原先生は私がお連れしたんだ、先生が我が校秘蔵の西洋美術史の資料を御覧に来られた際安斎君の事をお話した所先生自ら料理を振る舞って頂く事になったのだ」
アンチョビ「ふぇぇ~、こわいよ〜、けんかしないでよ~」
カルパッチョ「ドゥーチェ…分かりました、海原先生には大変恐縮ですが先ず山岡さんからお料理を出して頂いて宜しいでしょうか?」
雄山「構いませんよお嬢さん、どうせこの男の料理などたかが知れてる」
山岡「フン、吠え面かくなよ!俺が用意した料理はこれだ!」
華「まぁ!パスタにワタリガニが丸ごと!豪快ですわ!」
麻子「他にも色々入ってるぞ…ムール貝にアサリに…ぶつ切りに入ってるエビはもしかして伊勢海老か?」
沙織「まるで海鮮の花束に包まれてるみたい!それでいて生臭さは一切無くてそれぞれの旨味がしっかり活きてるの!!!」
杏「これはそれぞれ入念に下拵えした上に白ワインで一度洗ってる、言うのは簡単だけどここまで完璧に仕上げるのは達人級の技術が必要…山岡さんは本当に何者なんだ???」
柚子「それが解る杏も十分凄いけどね…」
桃「うめぇ、うめぇ(ガツガツ)」
山岡「安斎さんは愛知県豊田市出身、車で少し行けば知多半島も近い、だから豊富な伊勢湾の幸を食べればホームシックも吹き飛ぶ筈だ」
カルパッチョ「凄い!これならドゥーチェも…」
アンチョビ「ふぇぇ、知多の海岸が見えるよぉ〜、愛知に帰りたいよぉ〜」
ペパロニ「駄目だ!全然治ってないッス!」
麻子「寧ろちょっと悪化してないか?」
みほ「やっぱり専門医に診てもらった方が…」
山岡「ば…馬鹿な…」
雄山「フハハハ、馬脚を露わしおったな士郎!やはり貴様には人の心というモノが分かっていない事が証明されたわ!」
山岡「う…五月蝿い!貴様はどうだというのだ!」
雄山「では私の用意したモノをここに」
カエサル「これは…」
カルパッチョ「トマトクリームパスタですか?」
沙織「山岡さんのに比べると大分シンプルだね…」
雄山「フフフ、まぁ召し上がれ」
優花里「うぉ!トマトの香りが鮮烈であります」
ペパロニ「これは姐さんの故郷、愛知のファーストトマトッスね」
山岡「くっ…緑健法のトマトか」
杏「おや?この隠し味の渋味は…八丁味噌か」
柚子「これもアンチョビさんと馴染み深いモノだね」
山岡「なんだ、食材の価格帯が違うだけで自分も故郷の味を再現してるだけじゃないか!」
みほ「このクリームが最高!全く臭みが無いの」
カルパッチョ「これは那須にある我が校直営の牧場の生クリームですね」
ペパロニ「朝どれ卵と並ぶ我が校自慢の一つだぞ!」
山岡「…まさか(汗)」
華「スッキリ素直な味わいで何杯でも食べれますわ(5杯目)」
沙織「華…ってアンチョビさんが!!!」
アンチョビ「そうだ…初めてアンツィオに来た時トマトの品種が違うから苦労したっけ…そのうち栃木の食材に出会って新しいレシピを作ったんだ…戦車道もそうだ、最初は何も分からなかったけどここでペパロニに、カルパッチョに、皆に出会ったんだ!ここでメソメソしてたら仲間に…故郷の家族に…何より昔の自分に申し訳無いぞ!ドゥーチェアンチョビ復活だ!!!」
ペパロニ「姐さん!!!(泣)」
カルパッチョ「ドゥーチェ!!!(泣)」
アンツィオ生「ドゥーチェ!!!ドゥーチェ!!!(泣)」
カエサル「(´Д⊂グスン、良かったなぁヒナちゃん(泣)」
校長「流石海原先生です」
雄山「士郎、貴様は安斎さんが愛知出身だからとその故郷への想いだけを考え海の幸パスタを用意した、だが安斎さんに思い出させるのはそこではない、故郷と今を繋ぐあの日の決意を思い出させる事こそが必要なのだ、人間は貴様が思っている程弱くは無い、人の心が分かってない貴様が料理で人の心を動かそうなどと百年早いわこのたわけが!!!」
山岡「俺は安斎さんの故郷への想いしか見ていなかった…完敗だ」
アンチョビ「海原先生!山岡さん!このご恩は一生忘れません、大洗の皆もありがとう!今度新作パスタをご馳走するから是非また来てくれ!」
沙織「ホント?嬉しい!…って華、あんまり嬉しそうじゃないね?」
華(兄様…小父様)
みほ「華さん…山岡さんと海原先生って…」
華「えぇ、お察しの通り二人は実の親子です…事情があって絶縁されてますが」
みほ「そう…(だから私と似た感じがしたんだ…)」
後日アンツィオ学園艦
アンチョビ「という事で大洗の諸君、今日は本舗初公開のアンツィオ新メニューを是非食べていってくれ!」
優花里「ヒャッホー、このベーコンと山菜のパスタ、最高だぜ〜!」
沙織「この干瓢パスタ、低カロリーだから幾らでも食べられちゃう、やだもー」
カルパッチョ「はい、タカちゃん、あ〜んして」
カエサル「ひ…ヒナちゃん、周りの目が…(*´ω`*)」
歴女三人「ニヤニヤ」
アンチョビ「アンツィオと大洗は最早姉妹校同然!海原先生に倣い私も栃木と茨城の名産を組み合わせた新メニューを考案中なんだ」
華「あら、それは素敵なお考えですわ」
みほ「どんなメニューですか?」
アンチョビ「うむ、とちおとめとアンキモを合わせたとちアンパスタだ」
山岡「ぞぞ〜(悪寒)」
アンチョビ「その際は是非山岡さんに試食して欲しいんだ!!!」
山岡「こんな恩返しは勘弁してくれ〜」(フェードアウト)
完