大洗学園会議室
一同「世界戦車道連盟の食事会ぃ〜!!?」
みほ「そ…そんな大袈裟なモノじゃ無いんだよ(汗)、昼食会だし…」
杏「いや、噂に聞いた事がある…お世辞にも仲良しとは言えない連盟の連中がお互いの威信を賭けて自慢の料理を出し合うとか」
優花里「別名冷戦食事会って呼ばれてるらしいです…」
沙織「何それ超怖いんだけど!」
麻子「要はお偉いさん達の面子立てだろ、それで西住さんのお母さんは西住さんに何をしろと?」
みほ「それが…私とお姉ちゃんでそのメニューを考えろと…」
一同「はぁっ!!?」
みほ「料理だってそんな得意じゃ無いのにそんな食事会のメニュー作りなんて無理だよ〜」
華「大丈夫ですみほさん、こちらには士郎兄様がいます。兄様の調理の腕はプロ以上ですし調理師免許もあります」
山岡「おいおい華ちゃん勝手に…」
華「兄様は私の親友のピンチを見捨てるというのですか?」
山岡「…わかったよ、やりゃ〜良いんでしょ(泣)」
沙織「華ってば凄い、山岡さんを完全に尻に敷いてる…何という恋愛上級者!!!」メモメモ
麻子「変な事メモするな」
優花里「でも山岡殿のお力が借りられれば安心ですな、西住殿」
みほ「うん、ありがとう皆!早速お姉ちゃんに連絡を…」
?「ちょっと待ったぁぁぁ」
一同「!!?」
優花里「外から聞こえます」
華「取り敢えず看板にでましょう!」
学園艦看板
麻子「上…黒森峰のヘリだっ!」
まほ「緊急事態だみほっ!」
みほ「お姉ちゃん!!?」
再び会議室
一同「菜食主義者ぁ〜!!?」
まほ「ああ、今年から連盟に加入したインドの理事の宗教がそうらしくてな、それに…」
みほ「それに?」
まほ「知恵を借りる位なら良いが基本調理は私達姉妹及び二人が所属する黒森峰と大洗の戦車道履修者のみでやる事だそうだ」
一同「はぁっ!!?」
沙織「私や前会長が料理得意でも流石にプロ級とまではいかないよ〜」
杏「それに調理はこの二校だけだから山岡の旦那やチョビ子の力も借りられないしね…黒森峰は?」
エリカ「我々は戦車道の名門であって料理学校では無いわ」
杏「だよね〜、となると実質女子高生のお料理大会だねこりゃ」
まほ「お母様は一体何の為に…」
みほ(もしかしてお母さんは私とお姉ちゃんを試してる?なら他にも何かある…?)
華「では献立はどうしましょうか?」
麻子「条件が条件だ、ココは一か八か一品料理で勝負した方が良いと思う」
優花里「成る程、一撃で理事達を満足させる料理ですな」
沙織「それでいて女子高生でも作れる物だね」
山岡「簡単に言ってくれるね…」
みほ(何故私達…もしかしてお母さんは…)
まほ「どうしたみほ、何かあるなら言ってみろ」
みほ「うん、あのね…」
優花里「大いに有り得ますな」
杏「でもそうだとしたら家元も不器用だね〜(笑)」
山岡「それにしてもまた課題が増えたよ」(;´д`)トホホ…
まほ「ところでみほ、こちらの方は?」
エリカ「どう見ても教員には見えないわね(笑)」
山岡「厶ッ、失礼な!」
みほ「お姉ちゃんとエリカさんは初対面だよね、こちら東西新聞の…!、山岡さんっ!!!」
山岡「ど、どうしたのさ突然!!?」
みほ「こんな料理って出来ますか?」
説明後
エリカ「はぁ?何その子供騙し(笑)」
まほ「いや…面白い!!!」
エリカ「隊長!!?」
麻子「これなら菜食主義でも大丈夫だし…」
沙織「素人でも作れて…」
優花里「裏テーマもクリアしてる、流石西住殿であります!!!」
みほ「えへへ」
華「兄様、どうですか」
山岡「うん、改良を重ねれば面白い品が出来ると思うが…材料が」
杏「心配ご無用、聞いてるんだろダージリン?ちょっと皆に協力して貰えるかな〜」
まほ「ふふ、頼もしいな…では我々は早速試作しようか、山岡さん、ご指導ご鞭撻の程宜しくお願いします」ペコリ
山岡「合点承知…君は礼儀正しいな」チラッ
エリカ「な…何で私を見るのよ!悪かったわよ!」
一同「ワハハ」
当日、熊本西住流戦車道会館
しほ「ようこそお越し下さいました京極さん、それに…海原先生」
京極「ご無沙汰やな西住はん」
海原「久しぶりですな家元、前回お会いしたのは…」
しほ「この戦車の屏風を先生に描いて頂いた時なので三年前ですね、我が家の家宝です」
海原「はは、光栄ですな。して、今回のお料理は…」
しほ「はい、不肖、この私の娘達とその友人が調理しました」
京極「海原はんに味をみて貰えるなんて贅沢なお嬢さん方やな〜」
海原「いやいや、料理に大事なのは真心ですからな…おや、次のお客が来た様だ。家元、ではまた」
しほ「ええ、また会場の方で」
フランス理事「オホホ、ごきげんよう西住さん」
イギリス理事「相変わらずのド田舎ね…おっと失礼」
ロシア理事「今回担当になるなんてアンタもついてないわねwww」
イタリア理事「どんな料理が出るか楽しみだぞwww」
一同「わっはっは」
しほ(さて…あの子達は何を出してくるか…)
菊代「皆様、料理の準備が整いましたのでお座敷の方へどうぞ」
座敷
フランス理事「これは…」
ドイツ理事「馬鹿にしているの?」
京極「まあまあ、他にも何かあるんやろ?」
まほ「いいえ、本日の献立はこれで全てです」
みほ「コレが本日のメニュー、“豆と豆腐ハンバーグの親子カレー”です」
しほ(ほぅ…)
イタリア理事「幾ら何でもカレーライスはないだろ!」
イギリス理事「馬鹿馬鹿しい、帰らせて貰う…」
海原「お持ちなさい、ふぅむ…カレー粉ではあるが中々このカレーに合う様に調合してある」
まほ「えぇ、聖グロの友人に特注のモノを用意して貰いました」
聖グロ
ダージリン「私達に出来るのはここまで、健闘を祈るわみほさん、まほさん」
再び会館座敷
ロシア理事「あら、このカレーソース美味しいじゃない!」
イタリア理事「ああ、無水調理したんだろうがそれにしても良いトマトを使っている」
フランス理事「そのカレーを何かのフォンで溶いてあるわね、この味は…」
京極「冬菇に昆布の出汁やな、それも一級品や」
アンチョビ「アンツィオの朝採れトマトは格別だぞ!」
西「知波単の山で採れた椎茸で作った冬菇、活用して下さい!」
カチューシャ「わざわざ北海道まで採りに行ったんだから感謝しなさいよね!」
インド理事「具材も私達の事を気に掛けてくれてるのね、嬉しいわ!!!」
まほ「根菜や玉葱は大丈夫な宗派と伺ったので」
中国理事「無問題ネ!」
アメリカ理事「おほ、このおジャガがゴロっとしてて良いわ!」
児玉「この人参も甘い事…京人参か!」
フランス理事「何より玉ねぎが甘くて香ばしい香りよ!」
ケイ「サンダースのポテイト、豪快に使っちゃって!!!」
ミカ「これで借りてた食費チャラ…にはならないか(泣)」
マリー「玉葱は敵に食わさない…でも友にはご馳走しますわ」
海原「さて、メインの豆腐ハンバーグだが…ほう、一度素揚げしてあるな」
みほ「流石海原先生、折角の美味しいスープを含める様に軽く植物油で素揚げしました」
海原「外はザクザク、中は汁が溢れる食感の違いが心地良いな」
京極「具材はヒジキと…枝豆やなく銀杏やな、きっちり筋の通った銀杏のほろ苦さに地味ながらハンバーグ全体を支えるヒジキもええ仕事しとるで」
児玉「このピリッとした生姜汁の風味がハンバーグ全体を引き締めとる…対してハンバーグ全体を優しく纏める隠し味のマヨネーズはこのハンバーグのお袋さんだね」
しほ(成る程…コレは4号…あんこうチームだったかしら?そのチームを表現してるのね)
ドイツ理事「この付け合せの白いのも美しいわ、その中に刻まれた緑のがピリッとするけど不思議な清涼感があって素敵」
まほ「卯の花ですね、豆腐を作る時に出たおからで作ったモノです、刻んだわさび菜を混ぜております」
京極「この卯の花が絶妙にカレーをアシストしとるんや…兄弟争いの戒めに“豆殻で豆を煮る”というがコレはその逆、兄弟が力を合わせた味や!」
海原「うむ、そこに親である豆も加えて親子という事か…ところで皆さん、何か気づかれた事は無いですか?」
フランス理事「はて…それにしても喉が渇いたわ、イタリア理事、お冷貰える?」
イタリア理事「自分で入れなよ…ほれ」
フランス理事「ん、ありがとう」
アメリカ理事「お替り貰えるかしら?」
みほ「勿論!量はどうします?」
アメリカ理事「勿論大盛りで!!!」
ドイツ理事「こら、胡座をかくな、行儀が悪いぞ」
ロシア理事「うるさいわね…イイじゃない別に」
インド理事「うふふ」
児玉「成る程…皆さんまるで実家や親しい友人の家にいるかの様に寛いでらっしる!」
海原「うむ、これこそがお嬢さん方の狙いでは?」
まほ「流石海原先生は全てお見通しですね」
みほ「このカレーは家族の…それに友達との団欒を表現しました、大洗や黒森峰の皆を始め戦車道で出会った沢山の友達がこのカレーを作るのに協力してくれました!」
京極「うん、うん、エエ話や」
ドイツ理事「戦車道が紡ぐ友情…我々はいつの間にかその精神を忘れていましたな」
ロシア理事「昔お祖母ちゃんちに泊まった感覚を思い出したわ」
アメリカ理事「私はハイスクールの合宿を思い出したわ、合宿所抜け出して買い食いして怒られたっけ」
イギリス理事「解りますわ、買い食いしたアイスの美味しかった事!」
フランス理事「あら、貴女もそんな事やってたのね…実は私も(笑)」
インド理事「いいなぁ〜私もやってみたいですわ」
イタリア理事「いや宗教!」
インド理事「フフ、冗談です(笑)」
児玉「皆さん来た時より仲良くなっておられる、家元、この食事会大成功ですな!」
しほ「私は何も…今回は完全にあの子達の手柄ですわ」
児玉「またまた…でも確かにお嬢様方の頑張りは素晴らしかった、皆様彼女達に盛大な拍手を!!!」
京極「よっ!天晴や!!!」
一同「パチパチパチ」拍手喝采
まほ、みほ、しほ「」ペコリ
京極「素晴らしい会やったで家元」
児玉「でも親子の団欒ですか…家元ももう少し優しくしてあげては」ニヤッ
しほ「ムッ…みほ…正月には帰って来なさい、これは命令です」
みほ「お母さん…ありがとう!!!」
まほ「みほ…良かったな!」
華「素晴らしいですわ、何処かの二人にも見習って欲しいモノです」( ´Д`)=3
海原「むっ…五十鈴のお嬢さん…士郎の奴に今回の場合大豆油を使えと伝えて頂いて宜しいか?」
華「あら?兄様が今回絡んでたのはお見通しだったのですね…ふふっ、畏まりました、でもいつか自分で伝えて下さいね?」
海原「コホン」
京極「ほほほ、海原はん、一本取られましたな」
海原「フッ…では皆さん、ここで失礼する」バタンッ
山岡「いや〜、大成功で良かったね、お礼に何貰えるのかな」グフフ
華「あら?大豆油じゃなく植物油を使う詰めの甘い方には何もあげませんわ♪」
山岡「しまったっ!!!…でも何でそれ気付いたのに教えてくれなかったのさ」プンスカ
華「私じゃなくて親切な方が教えてくれたのですわ」
山岡「ふ〜ん…じゃあその人にお礼言っといてくれよ」
華「お礼…ふふっ、畏まりました」(笑)
山岡「今の笑みは何だ!やっぱ今の無し!!!」
京極「諦めなはれ、山岡はんの負けや」(笑)
山岡「畜生〜!!!」
一同「わっはっは」
第一部 最終話 完