「準備、すべて整いました」
幕僚の報告に彼は頷き、指示を出す。
「全艦発進。わが艦隊はこれよりマクシミリアン・カストロプの討伐に向かう」
二七〇〇隻、司令部に依頼し小規模の独立部隊をいくつか借り受けて編成された艦隊が動き出し、ワープポイントへの移動が開始される。ふぅ~~~っと大きく息を吐くとフレーゲルは指揮官席に座り込んだ。後は現地まで、幕僚たちが何とかするのでやる事はない。
「あぁ、キルヒアイス中佐、貴官の要求したリストはそのまま幕僚に渡して集めさせた。既に用意されているはずなので確認しておいてくれ」
「かしこまりました」
そういうとキルヒアイスはフレーゲルの元を離れていく。これで彼の近くにいるのはこの口やかましい男だけである。
「いやぁ、丸くなられましたなぁ」
その男、フェルナーの小言を睨むものの言い返しはせずフレーゲルはスルーを決め込む。本来傍らに立つべき副官は司令官としてやらねばならぬ雑務を全部押し付けているのでここにはいない。どうせ叔父の用意したお目付けである。最近のこいつ(フェルナー)との小言合戦を聞かせたくはないというのが本音であった。
「丸く、か」
フレーゲルが首を傾げる。実の所彼自身にも何がどう変わっているかが判っていない。
「一昔前の閣下は相手の事を考えずふんぞり返っていれば小物貴族や平民どもなどは首を垂れて付いて来る。それが当たり前、という態度でした。しかし今は、むやみやたらと威張り倒そうとするそぶりが全く見えない」
その"一昔前のフレーゲル"だったら一発アウトな事もずけずけと言ってくる。大丈夫だから言うのではなく、こういうことを言わずにはいられない性格なのかもしれない。
「身分の上下関係なく軍内部に幅広く"支持層"を増やせ、それが叔父上のオーダーだからな。そう演じるしかあるまい」
フレーゲルがつまらなそうに答える。
「それはそれは。しかしながら社交界で得意げにふんぞり返っていた男爵様と今こうして苦虫潰してふんぞり返っている少将閣下、どちらが演技でどちらが素なのでしょうか?」
「そんなもの……俺にもわからん」
フレーゲルの社交界デビューからの道のりは全て叔父であるブラウンシュヴァイク公の用意したレールの上を歩くだけ、であった。その時のブラウンシュヴァイクは人生の絶頂期であったと言える。皇太子ルードヴィヒの死によりその系統が絶えたと思われていた時でもあった。己の娘であり皇帝フリードリヒ四世の初孫であるエリザベートが継承最有力の立場となり、慌てずにじっくりと根回しさえすれば(フリードリヒ四世に新しい子種が出来なければ)帝位に付けるのも可能となった時、フレーゲルはその根回しの中で次世代貴族の中心となるべくブラウンシュヴァイクの用意したレールを歩かされようとしていた。しかし、ルードヴィヒに忘れ形見がいる(正しくは腹の中にいる)事が発表され、計画に狂いが生じる。生まれたのは男子であった。たとえ母が名もなき小貴族の娘であっても正真正銘の直系男系男子である。無事に育てば皇太子になってもおかしくはない。母の血統についての認識が甘い国民達の中には亡き皇太子の息子なのだから継いで当然という考えに至る者も多かった。
ブラウンシュヴァイクが表裏なりふり構わず勢力拡大、世論構成に走り始めたのはこの時からであった。皇帝のもう一人の孫娘を擁するリッテンハイム家もその気になって動き始めた事で引っ込みのつかない競争となる。その中でブラウンシュヴァイクに日単位の行動すら制御され社交界で次世代貴族の顔を演じ続けたのがフレーゲルの日々であった。
そして「そっち(社交界)での顔売りはもう十分だ」と送り込まれた次の世界が軍部であり、その結果が死と隣り合わせの現場でやりたくもない指揮官席に座る事なのである。
「差し出がましい事ですが、もう少し自分自身を出して、やりたい事をやってみたらいかがでしょうか?」
「本当に差し出がましいな。それが出来たら苦労せんわ」
心底つまらなそうにフレーゲルが答える。しかし、こんな会話ですらガス抜きになるくらいに自分の中では何かが溜まっている。フレーゲルはそれだけは判っていた。
出発して数日、航路としてはなるべく目に付くところを避けてカストロプ家本拠に一直線の予定であった。だが、
「マリーンドルフ領から全方位向けで救援要請が発せられています。カストロプ家の私兵艦隊に襲われている模様です」
この通報で予定変更を余儀なくされる。マリーンドルフ家はカストロプ家と縁戚であり隣接した星域に領土がある。マリーンドルフ伯はマクシミリアン・カストロプを説得する為に会いに行ったが拘束され、そのまま侵略対象となっていたのである。
「よし、急行して敵艦隊を叩こう。マリーンドルフ家と共同戦線を張れれば楽に戦えるはずだ」
フレーゲルが即決し、幕僚たちもさも当然と準備をし始める。しかし、この男が止めた。
「いえ、予定のルートは変更しますが直接行かないルートがよろしいかと思われます」
その男、キルヒアイスがいつもの会話のようにさらりと言う。
「マリーンドルフ家を助けないというのか?」
批難じみた視線が集まる中、フェルナーだけが真意を悟る。
「なるほど、敵軍に攻撃を切り上げてお帰り頂く、と。ならばルートとしてはこうなりますな」
そういうとフェルナーはディスプレイの予定航路を変更し新しい線を描く。それはカストロプ領からマリーンドルフ領へのメインルートに入り、カストロプ領へ逆走するものであった。
「はい、そうなります。カストロプ家の私兵艦隊としては主人の居城が襲われそうになっているのを認識したのに放置するという事は出来ません」
「メインルートであれば何かしらの監視機器はあるでしょうから何処かしらには引っかかるでしょうな」
キルヒアイスとフェルナーだけで話が進む。非公式アドバイサーと艦隊勤務専門外の二人である。司令官と実際に運用を任された幕僚たちが蚊帳の外になっている。
「と、とりあえずこのルートで進めばいいのだな」
最初に気を取り戻したフレーゲルがやっと確認する。
「私としてはこのルートで進むことを進言いたします」
決定権はこちらにある、という事だ。
「判った、進路変更だ。このルートで行くぞ。他にやる事はあるか?」
都度聞きが面倒になったのか暗にまとめて話せとフレーゲルが急かす。
「では、先導の斥候隊を別途。途中の監視衛星の位置などを確認しつつ進ませます。破壊は本隊が感知された後で。壊した所には戻ってくる敵を感知する為の自軍の監視網を構成してください」
「判った。編成は任せる。それでいけ」
フレーゲルが幕僚に作業を全振りする。予定より早いカストロプ討伐作戦がスタートした。
「この辺りで出迎えるのが良いと思われます」
そうキルヒアイスが言ったのはそれから数日後の事だった。フレーゲル艦隊はカストロプ~マリーンドルフラインに既に入り、カストロプ本拠へ突き進んでいる。それを追いかけるカストロプ艦隊も既に設置した監査網に引っかかりその位置・距離は完全に把握されていた。
「出迎える? …………伏兵か?」
さしものフレーゲルでもそれくらいは判る。そう思ってから見渡すと周囲は丁度良い隠れ家になる小惑星帯があるポイントである。
「はい、そうなります。そのまま戻られて軍事衛星と連携されるのもやっかいです。なるべく数は減らしておきましょう」
フレーゲル艦隊は二手に分かれ、ルートを挟み込むような位置にある小惑星帯に隠れる。軽く妨害レーダーを発していればそれだけで隠蔽完了である。
「撃て!」
移動の為に縦長となっていたカストロプ艦隊をフレーゲル艦隊が容赦なく叩く。小惑星帯という地形効果、挟撃、奇襲という精神的ダメージ。無視して突き進むか、応戦するか、するとしたら左右にどう対処するか。そもそもこれは本隊なのか足止めの伏兵なのか。カストロプ艦隊の指揮官にそれを適切に判断する能力は無かった(そもそもこの状況で伏兵に備えてなかった時点で終わっている)。文字通り、ズタボロになったカストロプ艦隊残党は逃げるように本拠地を目指すしかなかった。
「はい、お疲れ様です。これで少なくとも他領への侵略は不可能になったでしょう」
キルヒアイスがさも当然というか"お掃除終わりました"くらいの気軽さで戦闘終了を宣言する。そもそもなるべく数を減らしておきましょうと言っておきながらほぼほぼ壊滅させている。
「う、うむ。では、敵本拠へ進軍再開だ」
にこやかに対応するキルヒアイスにうすら寒い恐怖すら抱いてフレーゲルが進軍を指示する。しかしこのキルヒアイスという男、年齢的に士官学校を出ていない。いったいどうやってこういうことを学んだのだろうか?
「次もうまくいってくれるといいのですが……」
そんなフレーゲルの気持ちを知ってか知らずか、キルヒアイスはのんびりと次の予定を考えていた。
カストロプ星系カストロプ公領主星ラパート。
「これが例のアルテミスの首飾りとやらか。言われてたより数が多いな」
主要メンバーが無人偵察機で収集した画像を確認する。現在は衛星軌道上に分散配置されているが合計五基。ハイネセンの約半分であるがすくなくともフレーゲル艦隊の二七〇〇隻が正面から喧嘩できる相手ではない。
「首飾りの後ろに隠れてますが艦隊もそこそこ、逃げ帰った部隊に留守部隊が合流した形ですな。我らより少なくなっているとはいえ無視できる数でもないですな」
フェルナーが画像を確認しつつ呟く。
「で、どうするのだ?色々と物を準備させたようだが」
フレーゲルが早速キルヒアイスに丸投げする。
「はい、到着次第準備はお願いしているのでそれが整ったら手を出す事にします」
「失敗したら?」
「敵艦隊を逃さないように監視して、増援を要請しましょう。首飾り五基の時点でこちらに対して過大戦力なので適切な戦力の要請は恥ではありません。敵艦隊主力は撃破しているので戦果不足という事もないでしょう。しかし、出来れば閣下の部隊だけでなんとかしたいものですね」
そういうとキルヒアイスはフェルナーを呼び寄せる。
「私ですか?……ふむ、ふむ、なるほど。となれば私がやるのが筋ですな」
何かキルヒアイスから策を授かったのかフェルナーが一人艦橋の出口に向かう
「というわけで閣下、これより私は工作隊の指揮を執りに現場に向かいます」
「どういう訳だ?まぁ、そうするには何か訳があるのだろう。行ってこい」
突っ込む気も失せたのか手をひらひらさせてフレーゲルはフェルナーを送り出した。
「では、作戦を開始します」
キルヒアイスの宣言で行動が開始された。用意された小道具の一つ、使い捨てエンジンを取り付けた岩塊集団が行動を開始する。集団は艦隊の支援を受けて前回の討伐失敗データを元に計算した首飾りの攻撃範囲ぎりぎりまでゆっくりと進む。有効射程に近づくと首飾りは相手の脅威度を判定、艦隊の支援によりぼかされた岩塊集団を艦隊だと認識し抵抗する為に集合する。こうして想定射程距離ぎりぎりで首飾り五基と岩塊集団+フレーゲル艦隊がにらめっこ状態となった。それを確認したキルヒアイスが次の行動を指示する。
「工作艦前へ、敵艦隊の位置に注意してください」
後方に控えていた工作艦が前進し、これまた想定射程距離ぎりぎりで停止。何かしらの作業を開始した。
「何だったか、特殊なゼッフル粒子を扱う機器だったかな?」
フレーゲルがキルヒアイスに確認する。
「指向性ゼッフル粒子、といいます。ばら撒くだけしか出来なかったゼッフル粒子を意図的な場所に送り出して溜めこむことが出来ます」
その返答を聞いてフレーゲルは考え、答えを得る。
「首飾りを一箇所にまとめてドン!か。そしてまとめる為の数増しの為の岩塊集団と」
「はい、その通りとなります。あとは指向性ゼッフル粒子が額面通りの働きをしてくれるか、です」
なんとも不安な回答である。
「そこまで不安定なものなのか?それは。そもそも指向性ゼッフル粒子という兵器自体、私は聞いたことが無かったのだが?」
最も重要な疑問を問いかける。
「近年開発された新兵器でして。宇宙艦隊司令部と一部の提督などしかまだ存在を知られていません。私はミュッケンベルガー元帥やメルカッツ提督の元におりましたので存在は知っていました。ちなみに兵器としては初実戦です」
「なるほど。だから失敗した時も考えていたし、大っぴらにせずにいたのか」
「はい。秘めたままで準備していたことはお詫びいたします。後は結果がどうなるか、だけです」
「気にするな。失敗したらしたでデータはきっちり取って技術部に叩きつけてやればいい。点数にはなるだろう」
そういうと二人は準備終了への待ちに入った。ばら撒く範囲が範囲なので流石に時間がかかる。
「準備完了しました」
工作艦からの連絡を受けて作戦は最終段階に移行する。
「では、岩塊集団を前進させましょう。首飾りが攻撃を開始したら、それで着火するはずです」
「わかった。岩塊集団前進開始!」
フレーゲルの指示で岩塊集団が五つに分かれそれぞれ首飾りに向けて前進を開始する。前進を確認した首飾りが攻撃の為に砲門やミサイル発射口を開き防御壁に隠れていた内部が露出する。そして攻撃を開始した瞬間、文字通りの大爆発が発生した。
「うおぉ!」
余りの状況にフレーゲルが慄く。盛大な宇宙の花火が収まるとそこには半壊した首飾りが制御を失い漂っている。奇跡的に生きている一部の砲が再び砲撃をする為にエネルギーを溜め始めるが爆発を免れた岩塊集団が質量弾として襲い掛かり、その人工流れ星が通過(きっちりと主星を避けるルートである)するとそこにはもう残骸しか残っていなかった。
「少々粒子を出しすぎてしまったようですね。次があるとしたら更なる調整が必要でしょう」
(なんなんだ、こいつ)
あまりの平然さにフレーゲルが言葉を失う。その様子に気を止める事もなく状況を把握していたキルヒアイスが次の行動を示唆してきた。
「敵艦隊がこちらに向かってきます。叩けと言われたのかやぶれかぶれなのか判りませんがこれを討ち果たせば敵兵力は壊滅です。頑張りましょう」
何か学校の先生のような口調でキルヒアイスが語りかけるのを合図に最後の戦闘が始まった。
「良い機会です。直接指揮をなされてはどうでしょうか?」
迫りくる敵艦隊を見つつ、キルヒアイスが提案する。
「いや、そういう感覚でやっていい事ではない気がするぞ」
「相手はもう統率が取れておりません。大丈夫です。私も支援いたしますので何事も経験です」
何かもう逆らう気力すら湧かず、言われるがままにフレーゲルは初めての直接指示を開始した。
のだがその戦闘は文字通り圧勝であった。キルヒアイスが押す・引く・~~に集中する・主攻撃距離を変えるというタイミングで何故それが必要かを軽く解説しつつアドバイスをする。フレーゲルはそれを聞き、状況を理解したうえで命令する。そして敵が撃破される。それの繰り返しをしていたら敵が壊滅していたのである。最初はただ凄いなと思いつつ命令していたフレーゲルだが徐々にその恐ろしさを理解する。キルヒアイスが言ってフレーゲルが理解して命令して動く。そのはずなのだが動くのタイミングが最適な状況なのである。つまりキルヒアイスは助言してから命令が発せられるまでのタイムラグを把握し、状況を先読みしたうえでアドバイスをしているのだ。フレーゲルはうすら寒さすら感じつつ敵艦隊を壊滅させた。
「お見事でした。直接指示の初陣としてはご立派だと思います」
(いや、やったのはお前だから)とフレーゲルは言いたいのだが言い出せないオーラを既にキルヒアイスから感じている。
「貴官は、その、なんだ、どうやってその技量や知識を身につけたのだ?」
フレーゲル(と幕僚たち)がなんとかかんとか気力を振り絞ってその質問を口にする。それを聞くとキルヒアイスは妙に照れたように頭をかいて答えた。
「その、私は幼年学校卒で前線に出てしまったものでして。これらは独学なのです。どこかに間違えがあるのではと内心怯えながらの行動ばかりとなっています」
ひどい。あまりにもひどいその回答に皆が固まる。士官学校卒の九九%がテーブルをひっくり返したくなる惨状だ。もはや怒りとか笑いとかそういうレベルを超越していたそれがそこに存在する。状況に戸惑っているキルヒアイスが何も言い出せない中でフレーゲルが魂をやっと手元に戻して意識を取り戻した。
「そ、そうだ! 首飾りも艦隊も撃破したのだ。降伏勧告を、通信を、通信を開け!」
フレーゲルがじたばたと指示を出しやっと気を取り戻した幕僚たちが行動を開始する。しかし、通信は向こうからやってきた。
「あー、もしもし、こちらフェルナー、通信届いてますでしょうか?」
何故かフェルナーからの通信が主星ラパートから来た。
「へ?」
もうフレーゲルはそれしか言えない。
「フェルナー中佐、ご苦労様です。どうやら上手くいったようですね」
判ってたかのように対応するキルヒアイス。もはや誰も口出ししない。
「えぇ。首飾りは吹っ飛び、艦隊も突進し、周囲はもぬけの殻。簡単に突入出来ました。降りても相手はパニック状態で悠々と現地までたどり着けましたし、それの結果がこれです」
そういうとフェルナーが傍らを示す。そこには呆然とした顔で拘束されるマクシミリアン・カストロプがいた。
「それとは別に拘束されていたマリーンドルフ伯も救出いたしました。健康状態は良好、怪我などもありません」
「それは良かった。お疲れ様でした。では、私兵達の無力化を引き続き行ってください」
「了解です」
なにか淡々と会話をするキルヒアイスをフレーゲルが「いいから説明しろ」と目線だけで命令する。
「あ、その、これはそれまでの事が上手くいった場合に行けたら行って欲しいとフェルナー中佐にお願いしていた事になります。そこまで上手くいくとは思っていなかったので予備の手段としての準備だったもので。その、説明不足で申し訳ありません」
どうやら説明不足(忘れ)を理解したのかキルヒアイスがもじもじと説明(釈明)する。
「しかし、これでカストロプ討伐はなんとか成功裏に終わりました。勅命を出した側も、閣下も、閣下に期待されているお方も、皆々様満足していただける結果になったのではないでしょうか?」
どさぐさまぎれで締めて事を流しそうとしたキルヒアイスにフレーゲルの堪忍袋の緒が遂に切れた。
「お前は……お前は一体なんなんだ!!!!!!」
フレーゲルのその叫びを幕僚たちはフォローを一切せず、キルヒアイスはにこやかにスルーした。
かくしてカストロプ動乱と呼ばれた一連の騒動は終結した。その功績を元にフレーゲルは中将に昇進、フェルナーも大佐となった。キルヒアイスは当初、アドバイサーですからと自分を秘めた形で出兵報告書を作成したのだが、呆れ果てたフレーゲルがミュッケンベルガーへの報告の際に全てを説明した事でなんとかこちらも大佐に昇進した。尚、その際にキルヒアイスを(幕僚として)欲しい、とミュッケンベルガーに駄目元で願ってみたが0秒で却下された。
にこやか完璧超人キルヒアイス爆誕 本人は親切丁寧にやっているだけのつもりだが周りの誰もが付いてこれない。こちらにはラインハルトとヤンはいないのだ。
報告書はそのままなので実情を知らない人たちの間ではあの一連の戦闘は全てフレーゲルの直接指揮だと思われています(笑) ブラウンシュヴァイク公はさぞかし嬉しそうに宣伝するでしょう。
フレーゲル、君、もうこっち(帝国側)の主人公(という名の道化師)なので頑張ってイキロ。まだまだ試練は続くぞ(ゲス顔)
※:皇太子ルードヴィヒとエルウィン・ヨーゼフ二世
前にも書きましたが原作でのルードヴィヒの死(786前に死去)とエルウィン・ヨーゼフ二世誕生の年(796に五歳)に大きな矛盾が発生しえいるので本作ではエルウィン・ヨーゼフ二世をルードヴィヒの忘れ形見(786生まれ)としています。尚、786の時点で社交界デビューしたてのフレーゲルは一五歳です。ここから一〇年、フレーゲルはブラウンシュヴァイクの道具として使われ続けます。
※:フレーゲルと社交界
ラインハルトに遭遇しない事で最も人生が変わったと言える彼ですがこの物語では社交界デビューのその時から叔父の暴走が原因で原作とは少し違ったラインを歩いています。ぶっちゃけ彼の人生、ここから変わったではなく元から違ってた、になってしまいました。
※:フェルナーとフレーゲル
もしかしたら察しがついている人もいるかもしれませんがフェルナーとシューマッハ、間違えて出してしまったのがスタートです。でも苦労人(笑)なフレーゲルにずけずけと物をいいそうなので良い突っ込み役としてそのまま傍らに居続けています。問題は艦隊勤務は専門外な為、その筋ではほぼ役に立たず(なので仕事もなく傍らに居続けられる)な事です。周囲の幕僚たちからはフレーゲルの話し相手兼避雷針と認識されています。