偽書・銀河英雄伝説   作:隠居おっさん

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宇宙はそらと読む。古事記にも書かれている。

徳間書店新書版2巻
24文字×19行×2段×本文248ページ×0.8(平均空白率20%とする)=180941文字
本作品第二章(原作2巻相当)
No.23~42 合計文字数=189930文字

あるぇ????? 同盟側丸ごと残ってるのになぁ?????


No.43 宇宙に救国はあらず

 

「各星域の軍最高位者、出撃中の艦隊の司令官は直ちにその立場を明確にせよ」

 

 

 七九七年四月一四日 イゼルローン要塞

 

「これでほぼ全域の制宙権は得られるはずだ」

 

 ウランフが司令官席に腰かけて呟く。周囲では幕僚達が出撃準備に大忙しとなっている。拠点防衛ではない外地への全力出撃は用意する物資の量が違うのでどう急いでも一週間近い準備が必要となる。そこまでは情報の収集に努めるしかない。

 

 

「ランテマリオ軍管理区はウランフ大将の行動を支持し、その指揮下に入る事を承認する」

「第二艦隊はイゼルローン駐留艦隊と行動を共にする」

「第四艦隊はクーデター勢力に与せず」

「エル・ファシル政府は……」

「…………」

 

 

 それは"雪崩打つ"という言葉が相応しい支持声明の競争であった。軍に対する確認のはずだったがとある星域の行政府が支持声明を出した事を契機として国中の各星域政府も支持声明を発表。自由惑星同盟は"首都星ハイネセン+叛乱四惑星vsその他全部"という比重著しい真っ二つという判り易い構図となった。そしてその形勢を確認するとウランフは先手を打って"提案"を行う。

 

「救国軍事会議を自称する勢力はハイネセン住民の生活を守る為に、外星域からの貿易輸送船受け入れを承認せよ。該当輸送船は事前申請を行った最低限の警備艦艇が同行する。当方の工作員侵入を疑うのなら輸送船への検閲を実施せよ、但し物資流通の妨げや供給を盾にした住民への協力強制は行ってはならない」

 

 首都星ハイネセンは生産消費でいえば消費側となる星である。ありえない話にはなるが制宙権を確保し囲み続けていればいつかは生活の崩壊により陥落する。そういう意味ではハイネセン外で制宙権確保を行える宇宙艦隊及び星域警備隊などの支持を得られなかった時点で彼らは既に敗北しているのである。しかしウランフとしてはそのような悲劇を生むつもりはさらさらないし救国軍事会議側がそれを交渉の駒にしてしまうと困る。故に先にこれを解決してしまおうという判断であった。ハイネセン住民に対しては先に提案した事も、それ(物資)を保障しているのもこちら側であるというアピールにもなるし救国軍事会議側としてはそれを拒否する事やそれを餌に何か条件を吊り上げる行為は行えない。ウランフがオープンで語りかけてきた事はなんらかの形でハイネセン住民の耳にも入ってしまう以上、生活(生命)を駒にした交渉は住民感情に致命的な影響を与える。

 救国軍事会議は本音を言えば仕方なくではあるが表面上は"人道的見地に基づき、住民生活を守るための物資流通はこれを承認する"とし、その提案を受け入れる。ハイネセンの外に味方はほぼいない。ハイネセンの中にも多くはいない。ハイネセンにいるはずの艦隊司令官達も姿を見せない(=不支持)。国家行政の中枢のみを綺麗に占領した救国軍事会議はそれ以外の全てから支持を得ていない。人口一三〇億人の中の0.01%にも満たない勢力。それがクーデターから一週間も経過してない救国軍事会議の実情であった。

 

 

 

「右も左も敵だらけ。ここまで最低限の兵力で国の中枢を完璧に抑えたクーデターというのも見事と言うほかないな」

 

「……嫌味ですか、それは?」

 

 救国軍事会議、最高議会室。少し前までは自由惑星同盟最高評議会会議室と呼ばれていたその部屋に二人の高級将官が佇んでいる。中央の大型スクリーンには全土の星域図が映し出され、救国軍事会議の勢力が極めて寂しい範囲でマークされている。最盛期で五つの点だったその勢力圏はシャンプールの陥落によって四つの点に減っている。残りの点も第四艦隊の攻撃でパルメレンドとの通信が先日途絶し、カッファーは臨時編成されたランテマリオ星域方面軍(グリーンヒル大将)が迫っており交渉と言う名の時間稼ぎを行う予定になっている。ネプティスのみが健在であるがこれは健在というよりも相手にされていない位置と戦力なだけである。

 

「もう少し戦力が集まると思っていた、というのは事実です。ここまで集まらない、いえ、集めなかったのは不満のある所ですが」

 

「集めるはずなかろう。ここに座っている事自体がせめてもの情け。鎖をかけられなかったら座ってもいないわ」

 

 救国軍事会議議長ブロンズ中将の愚痴を副議長ダニエルズ大将が一蹴する。決起から今日に至るまでダニエルズは何もしていない、何をするつもりもない。ただ、妻のいる実家と大尉である息子に"情報部が厳選した護衛"が付いている間は何もせずここに座っているだけだ。

 

「貴様であれば俺の唱えていた"軍拡"が何であったかなど知らぬ訳がない。どうせ下の者達が目玉欲しさに勝手に動いたという所だろう?」

 

 ダニエルズの問いにブロンズは答えない。その沈黙が答えであるといえる。

 

 

 二〇年程前、ダニエルズ少将(当時)が提唱した軍拡案は十分な計算をしたうえで行ったものであった。当時の同盟軍はイゼルローン要塞の完成(七六七年)を契機とした帝国の攻勢に対応する為に一個艦隊(第一二艦隊)の新設及び各艦隊の定数増を目的とした戦力増強計画のまっ最中であった。この増強計画は正規艦隊の総定数を二五%増加させるものであり、計画完了後は安定した防衛が可能であると試算されていた(※1)。しかし、更なる増強を望む軍拡派の中でダニエルズは当時同じく少将で後方勤務本部の精鋭と言われたロックウェルと共に同志を集め、精密な計算の元に第二次戦力増強計画を打ち立てた。期間は一〇年とし、前期五年で第一次と同量の総定数増を行い三個艦隊を新設、後期五年でその増強戦力を使用した攻勢を行い"多少の被害に目をつむり数の暴力でイゼルローン要塞を陥落させる"。陥落後は新設三個艦隊は解散、イゼルローン防衛に十分な計算が出来るのであれば更なる削減も行い、国力の回復を行う。というものであった。つまりこれは軍拡というよりも戦略的優位を得る為の一時的増強と呼べるものであった。

 しかしこの計画は頓挫する。"一〇年限定の数値"として見れば経済的には可能と見れるものであった。しかし"人"として見ればその計画は国民の合意を得られるものではなく(※2)、その人的消費を表立って主張できない弱みなどもあり国防委員会の主流派(後のトリューニヒト派母体)は建前上は"経済的負担に関する国民の合意が取れない"としてその計画を却下する。ダニエルズは尚も主張を続けるが有力な同志であり"計算"の総元締めだったロックウェルが当時国防委員の秘書であったヨブ・トリューニヒトという青年の説得に応じて旗を降ろすに至りいわゆるダニエルズ派は瓦解した。そして七八〇年、ダニエルズ本人が地方基地司令官として遠方に赴任(左遷)となり全てが終わった。

 今回のクーデター、救国軍事会議において中核となっている佐官級人材はこの軍拡派における最後の世代でありその残光と呼ぶべき者達であった。しかし、いわゆるダニエルズ派に属していた"計算する"軍拡派ではなく"ただの"軍拡派と呼ぶべき者達である。彼らは担ぎ上げる神輿として"最後まで軍拡を主張していた高級将官"であるダニエルズを選んだ。ダニエルズの元盟友であり現職の後方勤務本部長であるロックウェル大将は軍拡の旗を降ろしただけでなく、腑抜けた再建案の舵取りを推進する裏切り者であり神輿としては考えられていなかった(※3)。彼らは全ての準備が終了した後で満を持してダニエルズに接触、旗頭(議長)としての決起同意を求めたがダニエルズは拒絶(※4)。念の為に用意していた"護衛"の事をちらつかせる事で(何もしないぞ、とは宣言したが)首を縦に振らせた。それは同意したわけでも威に屈したわけでもなく(恐らく多くの支持を得られないであろう)この危険な決起軍を内側から見ておく人が必要だろうという判断からであった。

 

 

「艦隊の準備が整った。指示があり次第、出撃する」

 

「出撃のタイミングは任せます」

 

 議会室に入る連絡にブロンズが答える。

 

「アラルコンか。あれくらいしか部隊を任せる人材がいないとはな。数もたかだか三〇〇〇程度、一〇倍の敵に逃げずに向かう所だけは立派だがな」

 

 艦隊とは名ばかりの三一九七隻の部隊、これが救国軍事会議艦隊の全兵力である。部隊単位で参加したものは一つもない、単艦単位での参加者の集合体。だがある意味それだけの覚悟を決めた志願者達なので結束力はある。ただ、数と指揮能力がないだけである。

 

「それこそあなたが説得して頂ければ一個艦隊が味方になるかもしれなかったというのに……」

 

「説得できるわけなかろう。あれ(ルグランジュ)はわしの最高の弟子だ。わしの軍拡論も完全に理解していたし将の器はあきらかに上。どうせわしが直接行かんものだからわしの名前を使って説得でもしたのであろう。それこそ逆に説得力を失うというものだ」

 

 再びブロンズが苦虫を噛み潰したような顔になる。しかし一度副議長として迎えてしまった以上は無下には出来ない。動こうが動くまいがそこに座っているから参加している者も沢山いるのだ。そして当然ながらそれを理解しているからのダニエルズの態度である。恐らく参加そのものも加勢ではなく暴走の抑止といった所であろう。そしてそれが救国の理想に合致する以上、その点については手を組まなくてはいけない。カリスマを持つ指導者を擁立出来なかったからには最高幹部の威と姿勢で統率するしかないのだ。

 

「どれだけ嫌味を言われようが打てる手がある限り打ち続けます。諦めたらそこで理想の革命は終了なので」

 

「世の中にはごめんなさいをした方がいい"無駄な努力"もあるものだ。もう少し年寄りの声に耳を傾けた方がいいぞ。わしは何もするつもりはないが終わらせる事くらいは手伝ってやる。その気があるのならいつでも言う事だ」

 

「覚えておきましょう」

 

 それだけ言うとブロンズが場を後にする。熱が入りやすい若手が行き過ぎた行動を起こさないように絶え間なく目を光らせ続けなくてはいけない。その議長の背中をダニエルズがつまらなそうな瞳で見つめていた。

 

 

「この状況でいくか? 真面目な事だ」

 

「他になり手がいない以上、仕方あるまい。そういう意味ではあなたも立派な候補のはずでは?」

 

「俺はもう一〇年近く現場を離れていたロートルだ。そういう席は譲るさ」

 

 艦艇駐留施設へのターミナルでアラルコン少将を出迎えたリンチ少将が真面目とも不真面目とも言えない口調で応える。如何せん現場(艦艇任務)将官の参加者が少なく、参加艦艇を部隊としてまとめるだけでも一苦労である。それこそこの一〇年現場を離れていたリンチが編成を取り仕切らないといけないレベルの人材不足である。

 

「パルメレンドはもう落ちる。となると残るはカッファーとネプティスのみだ。相手は三個艦隊(イゼルローン駐留艦隊・第二艦隊・第四艦隊)、こちらは三〇〇〇。出来る事は後方遊撃によるかく乱のみと言った所。それも戦況の改善の見込みのない時間稼ぎにすぎん」

 

「そんなことは判っている。時間稼ぎ、上等ではないか。すればするほどに敵がハイネセンに進める兵力が減る。減れば減る程に首飾りの優位は揺るぎないものとなる。時はまだどちらの味方にもなっていない。延びれば延びる程にどう転ぶかは予測できないものになる」

 

「要はそこまでしないと"運任せ"にもできない、と言う事だろう」

 

「そうだ。それの何が悪い。最初から全てが上手くいくなどと思ってはいない。……流石にここまでとは思わなかったがな。周囲は全て敵だ、宇宙を股にかけた追いかけっこだ」

 

「そこまで覚悟をしているのなら好きにするといい」

 

「そうだ。好きにさせてもらおう」

 

 そういうとアラルコンは兵員輸送用シャトルに乗り込む。この艦隊の参加者には先日、最後の志願確認を行った。この時に辞退さえすればその旨を認めた証明書を作り、事が終了するまで自宅謹慎というものだ。そしてそれでも残った者達をこれから率いる。これだけ言っても残った者達である。如何なる道であろうとも精神的に負ける事などは無い。それだけがこの部隊の強みなのだ。

 

 四月二三日 アラルコン率いる救国軍事会議艦隊はハイネセンを出発した。目標はカッファー。敵艦隊の後方に回り込むと共に数少ない同志を糾合、それを牽制しているであろうランテマリオ星域方面軍などを撃破し敵主力艦隊の後方で"存在し続ける"事である。

 

 

 だが現実は非常であった。

 

「敵分艦隊らしきものが出撃したという情報が入った。数にして約三〇〇〇、敵であるとしたら正面から戦える数ではない。となれば正面でない所で戦う為の出撃になるだろう。何を行うにしても我々の裏に回らなければ何もできない」

 

 イゼルローン艦隊はシャンプールの攻略を完了した第二艦隊と合流、ネプティスにはイゼルローン予備分艦隊(二四〇〇隻)を派遣し牽制。そして合流した二個艦隊による更なる前進中にその情報はやってきた。全土に対する指揮権と支持を得たウランフは各警備隊基地に対し物流安定の為の護衛を命じ、特に戦力としての合流は求めなかった。しかし、ハイネセンに隣接する地域に対しては敵艦隊の出撃が無いかの見張りを命じていた。周囲は全て敵となっている救国軍事会議としては何をどうしてもその目から逃れるのは無理なのだ。両艦隊の幹部を旗艦に集合させ、今後の方針が指示される。

 

「裏には通さずに追い詰める。部隊は四つ、第二艦隊、第四艦隊、そしてこの艦隊を二つに分ける。三〇〇〇という数が士気旺盛であっても半個艦隊であれば抑え込める。半分に分けた艦隊は……アッテンボロー、お前が指揮を取れ」

 

「副司令がやるべきでしょ!!」

 

 突然の指名でアッテンボローが抗議の声を上げる。

 

「お前は"逃げる事ならまかせてください"という事じゃないか。それならば自分が逃げるならと逆に考えれば追いかけるのも大丈夫なんじゃないか?」

 

 フランフがにやつきながら語り、チェン参謀長や各分艦隊司令(艦隊副司令含む)も静かに頷いたり含み笑いを浮かべて彼を見つめる。どうやら根回しは済んでいるらしい。(艦隊内最年少分艦隊司令だからってこき使いやがって)という気持ちもあるがウランフがお遊びでそのような役を任せる訳などなく真面目な期待の表れである。それが判っているので口では色々と言うが結局は引き受ける。

 

「後はこの四つの駒で行うチェックメイトまでの詰め手順だ。適切な航路指示と機動運用が必要となる。フィッシャー少将、私の半個艦隊を含めた四部隊、統率指示をお願いしたいのだが宜しいだろうか?」

 

 皆の視線が第二艦隊司令官エドウィン・フィッシャー少将に集まる。艦隊運用というがそれは戦場での細かい機動だけではない。戦場までの移動などを含めたもの、それが艦隊運用である。その道の達人と目されるフィッシャーは鷹揚と頷く。

 

「引き受けましょう。丁度、宇宙艦隊司令部からハイネセン~イゼルローン間の艦隊移動経路再編成を依頼されている所でして。新しい航路なども使えば優位に立てるでしょう」

 

 周囲から"おぉ"と感嘆の息が漏れる。達人とその達人が作った新ルート有り。万余の艦に勝る一人の頭脳である。

 

「では、お願いする。第四艦隊にも優先して指示に従うように伝えておく。準備・航路選定が完了次第出発とする。準備を開始せよ」

 

 ウランフの号令で皆立ち上がり、各々の仕事場に戻る。

 

 "獅子搏兎"

 

 ウランフが小さな声で呟く。

 

(すまんが小さなミスも許されないのでな。とことん全力で追い込ませてもらうぞ。出来るものならそれで心が折れてくれれば良いのだがな)

 

 そう考え終わると頭を切り替え、ウランフもまた"四つのうちの一つの部隊長"としての準備を開始した。

 

 

「これが現実と言うものなのか!!」

 

 アラルコンが思わずデスクに拳を叩きつける。順調に移動できたのは行程の半分にも満たなかった。いや、警備隊に見つかる事も駄目となると最初から順調などではない。彼も彼なりに考え分艦隊規模(二四〇〇隻)を上限としているルートを無理矢理突っ切るなりして想定される敵艦隊規模では捕まりにくい動きをしているはずだった。しかしポイントポイントで計ったかのように正規艦隊所属と思われる偵察部隊に捕まる。その偵察部隊は接触するや否や全力で逃亡するのだがその逃亡先は半個艦隊以上が移動可能なルートなので待ち受けられる可能性がある。そうなるとそのポイント周辺はどのような待ち伏せがあるか判らない。なので次の道筋を使う、でも見つかる。三歩進んで二歩下がるか二歩進んで三歩下がる。だんだんと絞られていき三歩進める時がなくなる。思い切ってネプティスとは別方向であるランテマリオ方面を突っ切ってカッファーに向かおうとするがお見通しとばかりに別動隊(第四艦隊)による封鎖に遭遇して慌ててUターンする。その間にネプティス方面からの本隊らしきものも前進しており更に行動範囲が縮まる。そしていつの間にかハイネセンへの退路すら塞がれており(※5)全方向からの追い込みが開始される。あとはもうただ逃げるのみ。アラルコン率いる救国軍事会議艦隊は計算されたかのようにドーリア星域にて完全包囲された。

 

「四方向よりそれぞれ半個艦隊規模。意図的に発している識別信号の照合結果ですがイゼルローン、第二、第四艦隊となります。総数三〇〇〇〇弱です」

 

「そんなことは判っている」

 

 任務に忠実なオペレーターによる報告がアラルコンを余計に苛立たせる。

 

「旗艦反応はどこだ?」

 

「正面イゼルローン艦隊、右第四艦隊、後方第二艦隊」

 

「欲をかいて二部隊の中間を狙っても双方から圧殺されるだけだ。引き付けて左方部隊側面を走り抜ける」

 

 正面のウランフは当然ながら第四艦隊のモートン少将も自分より優れている事は認めている。後方のフィッシャー少将は(運用ではなく戦闘指揮であれば)同等以上だと思う。しかし、ハイネセン方面に走ってもどうにもならない。となると左側のイゼルローン艦隊のもう半分を率いる人材がウランフやモートンよりもマシである事を祈るしかない。

 

「俺は諦めんぞ。例え半分になろうとも走り回れば妨害になるのだ潜り抜けれればそれでいい」

 

 無駄な努力と言われようと一度振り上げた拳を簡単に下ろす訳にはいかない。

 

 

「ま、この四択ならこっちに来ますわな」

 

 艦首をこちらに向けて前進を開始した敵艦隊を眺めてイゼルローン艦隊の半分(三個分艦隊二四〇〇隻×3)を率いる(はめになった)アッテンボローが司令官席で頭をかきつつマイクを手にする。

 

「こちらアッテンボロー、両分艦隊は予定通りの行動を。位置的に右側面を抜けるように"誘い"はしているがどちらに来ても動けるように心掛けておいてくれ」

 

 それだけ言うとマイクを切る。

 

「これでスカされたら俺が甘かったって事だ。悪いのはそんな俺を任命した大将とそれを認めた皆々様だ。うん。そう思おう」

 

 アッテンボローは何でも前向きにとらえる事が出来る。本人は無責任なだけだ、と嘯いているつもりだがその姿勢(結局引き受ける、そして投げ出さずやるべき事はやる)を周囲は買っているのだが"それは言わない方がいい"というのも周囲の一致したアッテンボロー評である。

 

「よし、このままの線で走り抜けろ。多少は撃たれるが許容範囲だ」

 

 最大戦速で突進するアラルコンが吠える。相手は中央突破を恐れたのであろう、三つあるであろう分艦隊を中左右とせずに横に広く広がらずに奥深く構えている。正面の部隊しか見えないが後ろの二つも同じように構えていて恐らくは ≡ の形で正面から受け止めようとしているはずだ。それを確認すると敵後方の逃走路に入りやすい左側面を走り抜ける事を決断。ぎりぎりではあるが相手の横移動より早く軸をずらす事に成功しお互いに射程に入っている艦が乱打する中で救国軍事会議艦隊が突き進み、もはや正面からの受け止めが不可能な所までの突入に成功する。

 

「予定通りだ! このまま行け!」

 

「予定通りだ。このまま行ってくれ」

 

 奇しくも両指揮官の言葉は同じであった。

 

「敵、正面進行方向に展開中。避けきれません」

 

「どういう事だ!! …………構わん、突き破れ!!」

 

 突然現れた、と言いたい速度で展開される部隊移動に慄きながらもアラルコンが命令する。

 

「本隊の旋回急げ。敵が正面を突き破る前にケリをつける」

 

 アッテンボロー隊の編成はアラルコンが予想した ≡ の形ではなった。強いていえば 丌 の形、といえよう。自分の本隊(-)のみが通常の構えで待ち受ける。だが残りの二つ(||)はそれぞれお互いが戦うかのような向き合った構えで艦配置を行い、配置後に艦首を正面に向けた。そして敵が右側面すり抜けの動き出ある事を確認すると同時に位置を変えずに艦首を右に向ける。右の分艦隊は前進しつつ右旋回(完了後艦首を正面に向ける)、左の分艦隊はその移動で空いた所に前進、最後に本隊が突入する敵艦隊に対応しつつ右旋回。あれよあれよのうちに救国軍事会議艦隊はL字になった二個分艦隊のクロスファイアに出迎えられて艦足を落とし、旋回した本隊により匚型の半包囲となった所で勝負はついた。救国軍事会議艦隊はまんまと用意された(倍の敵による)半包囲網に飛び込んだのだ。行き脚を失い袋叩きになった救国軍事会議艦隊は塞がれていない方向からの脱出を試みるが時すでに遅し、駆けつけた第二艦隊による強引な穴埋めからの半包囲陣形成により全方位が塞がった救国軍事会議艦隊はその動きを止めた。

 

「状況は見ての通りだ。お前たちにはお前たちの思想があるかもしれんがそれはこの国では許されざる事だ。生きていれば己を振り返る事も出来るだろう。……降伏を勧告する」

 

 五〇倍の数に囲まれた救国軍事会議艦隊にウランフからの降伏勧告が行われる。

 

「大義と国是を失った政府に国家を代表する資格はない。それに迎合し軍の本分を捨て去る貴様らもまた同じ。一度戦に負けようとも我らの理想は負けぬ。軍事革命万歳」

 

 敵旗艦らしきものから返信が届くと共に"一部"の艦艇が突撃を開始する。その突撃が粉砕されるとさらに通信が入る。

 

「どうやら私が残兵の最先任らしいです。降伏勧告を受け入れます」

 

 この瞬間、救国軍事会議艦隊は消滅し。救国軍事会議は直属の外宙作戦能力を失った。

 

 

「アラルコン艦隊消滅。少将の生死は不明」

 

「敵艦隊は補給と整備の後、進軍を行う模様。内一個艦隊はカッファー乃至ネプティスの向かうという噂もあります」

 

「カッファーより包囲軍(=ランテマリオ星域方面軍)への対処が外部より行われない場合、疑似交渉を本交渉にせざるを得ないとの連絡あり」

 

 それらの連絡がもたらされると救国軍事会議は重苦しい空気に包まれた。彼らは軍事・政治など各方面を統率しようと試みるがどれもこれも不発に終わっている。軍においては各管制センターなどを押さえ、その脳髄と神経は統率下に置いたといえる。しかし肝心の肉体(軍兵力)そのものにそっぽを向かれた。威圧して支配下におさめようとした所で出撃していない三個艦隊(首都防衛・第一・第三)だけで四〇〇万人でありその時点で救国軍事会議の総数を軽く上回っている。直接敵に回っていないのは彼らが艦艇要員であり陸戦が専門外である事とそれこそ脳髄と神経を人質に出来ているからである。

 政治についても恐ろしいぐらいに掌握が行えていない。最高評議会メンバーや有力議員・委員会メンバーはあらかた拘束したが特に重要でない議員などは多数が所在不明となっている。そして行政システムそのものは大半の機能が今もそのまま動き続けていた。救国軍事会議は行政システムを分解し必要不必要をふるい分けしたかったが複雑に入れ込んだ行政システムはとてもではないが彼らの様な軍人が弄れるようなものではない。なんせ"今、実際に運営している行政官僚達ですらシステムの全容を把握できていない"のだ。他人が出来るはずがない。民主共和制の行政組織と言うものはその制度の熟成(腐敗含む)が進むにつれて複雑化し、強固な(利権)構造になり行政官僚達でしか扱えない代物になる。悲しいかなそれ故に現状通りで良いのなら政治と言う上位組織がいなくとも彼ら(官僚)達だけで国家運営は出来てしまう。厳戒令に伴う制限で国民との交流が途絶えると上(政治)と下(国民)から遮断された行政システムは余計な時間取りがいなくなって寧ろ効率よく動いてしまう所もある程だ。救国軍事会議も仕方なく「厳戒令に伴う制限は守れ、露骨なボイコットや敵対行動はするな」と口酸っぱく言い聞かせて行政システムの運営を行わせるしかない。彼らを本気で怒らせるとそれこそ明日から情報もインフラも全部なくなってしまうのだ。

 

 ハイネセン外に対しての影響力は消失した。約束してしまったので民間生活必需品需要供給に対しての行動(=一般民によるそれらの買い出し)を厳戒令による行動制限に取り込めなかった。哨戒兵は用意しているので余計な寄り道等は出来ないが一般民はお買い物を行う、行政システムに関する官僚や職員は普通に職場に行ったり帰ったりする。そもそも人口一〇億を誇る首都星ハイネセン全域を支配する兵力が無く、ハイネセンポリスを中心とした行政・軍事の中核に必要な数を置くとほぼ手詰まりとなる。それこそ救国軍事会議が頭を抱えるそのビルを挟んだ星の裏側は交通などが不便になった事を除いて生活が出来てしまっている。管制システムの掌握と首飾りだけが内外を隔たる壁となっているがある意味一般民は救国軍事会議の存在を無視し始めている。救国軍事会議の会議室では連日顔を突き合わせて今後の展開を話し合うが何一つ実の入った結果は出てこない。彼らに協力を申し出る存在は限りなく少ない。これでも0ではない。トリューニヒト派との関係が宜しくない一部軍需産業が擦り寄ってくるが彼らを稼働させる資金も資源もない。彼らに協力を申し出る政治団体もいることにはいるが……

 

「あれは駄目だ。あれを招いてはいけない」

 

 と救国軍事会議側からNOを叩きつける。その政治団体の旗頭である元情報交通委員長コーネリア・ウィンザーは堂々と支持活動を行い、国民からの白目を集める始末。"無能な働き者"とはまさにこの事だろう。もはや何をやっているか判らない存在になりつつあった救国軍事会議が再び注目を集め、そして破局へのカウントダウンが始まる。後世に言う「スタジアムの歓喜」がそれである。

 

 

 六月二二日、ハイネセン記念スタジアムに集まった市民の数は推定一四万人。先日、コーネリア・ウィンザーが行った支持活動に集った人数より四桁多いその集団が開催した「暴力による支配に反対し、平和と自由を回復させる市民集会」の存在を確認した救国軍事会議の驚きが恐怖・怒りに変わるのは瞬時であった。

 

「直ちに集会を解散させねばならん。交渉を名目に代表を表に出してすぐさま拘束させるぞ」

 

 その掛け声と共に救国軍事会議でも最大のタカ派であるクリスチアン大佐から議長に出動の許可が求められる。しかし、

 

「クリスチアンは駄目だ、絶対に行かせてはならん。あれは確実に"撃つ"ぞ」

 

 普段行動に口を出さないダニエルズが激しい口調でストップをかける。彼の過去の記憶と現状の理解が正しければクリスチアンは最も"いかん"人物である。彼としては救国軍事会議の行動が成功して欲しいとは思っていない。だが最悪の形で"暴発"してしまうのは論外。死ぬのは軍人だけで十分。市民は守るべき存在なのだ(※6)。

 

「しかし、放置するわけにはいきません」

 

「ならばせめて人を変えるんだ。制御の効く、いま"撃って"しまったらどうなるか? それを想像して理解する事の出来る者を行かせるべきだ」

 

「…………わかりました」

 

 ブロンズはダニエルズの諫言をあっさりと受け入れる。陸戦部隊所属でありダニエルズがいうその性格もよく知っているクリスチアンはもし出動許可を出せば子飼いの本職陸戦隊を連れ出して事に当たってしまうだろう。ダニエルズが喚起するその結果も簡単に想像できる。ブロンズは軽く考え、ベイ大佐に出動を命じる。ベイは要人警護や重要施設警備などを行う警備系の人材であり、子飼いの部隊も警備兵として陸戦隊より軽装であり殺傷より無力化を主体としている。当然ながら政府主導の大きな市民集会などの警備経験も豊富であり一〇万を超える市民の相手も慣れている。指示を受けたベイも市民集会相手なら自分達が受け持って然るべきと出動するのだが、

 

(確かに自分にお鉢が回ってくる事は道理に合っている。が、後の事を考えると俺に傷がつかん形で収める必要がある…………)

 

 ベイとしては複雑な心境であった。彼は内通者であった。彼の主人である国防委員会はその機能を停止する直前、彼に「クーデター勢力に参加してその本分である"要人護衛"の任を手中に収めよ」と命令を受けていた。彼はその希望通り、拘束者監視の責任者としてブロンズからの信頼をそれなりに得ている。これは拘束者の逃亡防止の監視というよりも拘束者に対する万が一(暴行・殺害等)を防ぐ役割を期待されて、である。このスパイ行為と実質的な拘束者(=政府関係者)の護衛を功としてもしクーデターが結果として失敗したとしても罪にならない事を約束されている。しかし、目に見える形で市民との衝突をしてしまったら彼らは自分を助けてはくれないだろう。故にベイは政府・救国軍事会議の両方を満足させる結果をここで出さないといけないのだ。

 

「いいか、何があっても撃つな。装備として用意していいのは催涙弾のみ。実弾は装填するのも駄目だ。お前らなら一〇万余の市民に敵意を持たれてしまう事の意味は判っているだろう」

 

 子飼いの部隊を中心とした三〇〇〇人の警備兵を率いてベイ達がスタジアムに到着する。メインゲートを中心とした数カ所に部隊を待機させると最低限の人数のみを率いてスタジアムに入る。交渉として代表者を引きずり出すには過剰な威圧となる数を連れてはいけない。

 集会の首謀者はジェシカ・エドワーズ。当選一回目の議員。そして反戦派の急先鋒であり、救国軍事会議とは確実に衝突する人物ではあるがあくまでも当選一回目の若手議員でありクーデターの際の拘束リストには手が回らず野放しとなっていた。呼びかけにジェシカは堂々と姿を表す。ベイが己のブラスターを兵に預け下がらせる。一対一の交渉を希望するとジェシカも周囲を抑え、一人で前に進む。あとは職務で鍛えた口先三寸でどう黙らせるか、である。役職柄ベイは市民集会などに関わる法律は全て頭の中に収めているしちょっとした悶着を起こしてしまった集会側との交渉も経験がある。一年目のぺーぺー議員を正論で押し込む事などたやすい事だと思っている。それで逆切れするのならそれを理由に即拘束(当然ながら素手での拘束術も達人級である)し解散を迫る。

 しかし、ジェシカ・エドワーズという"一年目のぺーぺー"はベイが思っていた以上に賢く、強い女性であった。背筋を伸ばし、正面からベイを睨むわけでもなく、ただ悠然と見つめる。正論を崩さず、そして袋小路にならないようにあえて堂々巡りになる口論をもって対峙する。

 

「堂々巡りですな」

 

「ですね」

 

 ベイの愚痴を前にジェシカが初めて笑みを見せる。

 

(こいつ、判っていやがる)

 

 ベイの行動や交渉方法を見て"事を起こしたくない"と思っている事を理解したのであろう。とにかくこちらから衝突をしないようにすればいい、とでも思っているのだろう。

 

「だとしたらこちらも考えを改めるしかありません」

 

 口調はそのままに、しかし距離的に彼女だけにしか見えない目線をもって宣言しジェシカもそれを理解する。

 

「それが正しと思うのであれば行うといいでしょう」

 

(やむなし)とベイが歩を一つ進めるがその時、

 

「誰があれを呼んだのか?」

 

 後ろに控えていたベイの直属兵がスタジアムの一角から入り込んできたその車両を見つめる。ベイとジェシカもその方向を見つめると明らかな軍用車などが複数、それも本職の陸戦隊が所有する兵員輸送車両がスタジアムに堂々と入り込んできた。それを知ったのかベイの後方からは警備兵達も続々と入り込んでくる。そしてスタジアムの一角に停止した車両から彼らが下りてくる。一〇〇人にも満たないその小集団は明らかに"装備"を整えていた。警備兵どころか通常の軽装陸戦隊でもない、正真正銘帝国軍兵と殺し合う為の装甲服。流石に数時間と着ていられない重装甲服ではないが軽装陸戦隊程度の武装では簡単に倒せない軽装甲服を身にまとった彼らは一列となり進む。そして先頭に立つ者がジェスチャーでベイとジェシカに"離れろ"と告げる。ジェシカが目線でベイに「あなたが用意したのですか?」と問いかけ、ベイは思わず軽く首を横に振る事で「俺じゃない」と応えてしまう。仕方なくベイとジェシカは場を空けてそれぞれ後ろに控える集団の元まで下がる。結果としてその謎の小集団は市民と警備兵の間を一列で塞ぐことになる。一四万人の市民と三〇〇〇人の警備兵の間なので全てを塞いている訳ではないが何とも言い難い威圧感が周囲を支配し、静寂が訪れる。そして彼らがベイの方を振り向くと同時にいつの間にかジェシカの傍らに歩み寄っていた金髪の若者が用意していた旗を高々と掲げる。それは警備兵だろうがなんだろうが軍に所属する歩兵であればだれもが知る真紅の薔薇。

 

 

「……何故、何故ここにいるのだ、ローゼンリッター!!!!」

 

 





 集会に集まった人数(一四万人)が原作(二〇万人)より少ないのは厳戒令による制限があるものの一般流通品の入手に現状大きな問題が無い事や原作よりはるかに劣勢な救国軍事会議側が強く出られなかった為、市民の圧迫(ストレス)が原作よりも緩い為である。

※1:安定した防衛
 正規一二個艦隊を三個艦隊基幹の任務群を三つ、首都星防衛艦隊に一個艦隊、予備に二個艦隊とし、三つの任務群のローテーションで対応する事で安定した防衛が可能と試算されていた。増強前は予備が一個艦隊のみ&各艦隊の定数が現在より一割弱少なかった為、迎撃に予備艦隊の一部乃至丸ごとの追加がほぼ常設になっておりまともな予備が無い危険性を常に抱えていた。

※2:人としての計算
 イゼルローン陥落後、新設三個艦隊は解散としているが現実としては"三個艦隊分の損害(人命)を許容した強襲で陥落させる"という代物であった。しかしそれでもイゼルローンを手に入れて専守防衛に努めれば「年数千隻以上の損失を減らせるのだから一〇年もあれば確実にペイできる」と考えられていた。しかし机上で正しい物であっても"数百万人の命が失われる事を前提とした作戦"が受け入れられるはずはなかった。

※3:ロックウェル大将
 現職の後方勤務本部長にしてトリューニヒト派軍制服組の総元締め。現政府の軍再建案において重要な役割である後方系のトップとしてこれを推進し功績を上げる事で実力での派閥精鋭化&本部長の椅子を狙っている。尚、トリューニヒト派はこの再建案を使って軍関係の派閥勢力を適度に整頓再編したいと考えてる関係で内心はともかく軍中央(ヤンも含むグルブズリー&ビュコック勢力)とはとても良好と言える関係になっている。

※4:決起の拒絶
 ダニエルズから見てみれば現状は経済状況などが想定よりも悪化しているが"軍備を絞り、イゼルローンでの専守防衛で国力の回復を図る"という理想に近い状態でありこれを崩す意味は何もなかった。

※5:退路遮断
 イゼルローン艦隊と第四艦隊に指示を飛ばして追い詰め作業を行いつつ自分の第二艦隊を数百隻規模までの小集団に分散してその数でしか通れない通常軍が使わないルートを使い敵とハイネセンの間まで突っ走って集合させるという変態機動をフィッシャーがやった。第三者から見たら完全な変態機動なのだがフィッシャー本人はいつもの静かな表情で「ハイネセンからの(イゼルローンへの)緊急ルートとして考えていた道筋ですが良いテストになりました」と語るのであった。

※6:軍人と市民
 数百万人の戦死者を出す事を前提とした軍拡を主張した事は確かだがあくまでも艦艇要員は志願兵基幹であり、強制である徴兵人員は含まれていない。軍属を望まない国民はあくまでも守るべき存在なのである。
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