偽書・銀河英雄伝説   作:隠居おっさん

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※※※:本作品の医学的内容につきましては現実に即したものではありません:※※※


第三章
No.47 [タイトルは本文内でご確認ください]


 

 クーデターの後処理も進み市民生活が平常を取り戻した頃、政府・軍としてやらねばならぬ事は多々あれどひとまず一段落という事もあり軍に対する論功行賞が行われた。そして首都星ハイネセン内の活動においてはこの青年が文字通りの一番手柄となった。

 

「おめでとうございます」

 

「ありがとうございます」

 

 人事部から戻って来たラインハルトが歓迎を受ける。のだがやはり緊張の糸が残っているのかいつもより動きがぎこちない。スタジアムの歓喜を悲劇にしなかった事、首飾り消滅直後の反救国軍事同盟一斉蜂起を事前調整した事。この二つの出来事は精神的な致命傷だったと救国軍事同盟幹部も(事情聴取中に)漏らしている。それ故にこの昇進自体は予想されていた事なのだが気になったキャゼルヌが少し調べた所

 

「二一歳以下での中佐というのはかのダゴン星域会戦直前の臨時昇進で何人かいたらしいが後世に残る功績記録はないから数合わせの臨時昇進だろう。そしてその後の記録はゼロ。つまりは最年少ではないもののきちんと勲功を上げての任官となると史上初といえる。ん? そういえば二〇歳の少佐ってのも記録だと……」

 

「すいません。胃に穴が開きそうなのでそこで止めてください」

 

 という事がありカチンコチンになって人事部に行ってのお帰りである。

 

「お疲れ様です」

 

 席に座った所でユリアンがコーヒーを持ってくる。彼もまた昇進組の一人である。しかも兵長(待遇)から伍長を飛ばして軍曹(待遇)への二階級特進である。といってもこれはただ単に任期一年による昇進と勲功による昇進をまとめて行っただけである。

 

「また慣れないうちにあがっちゃったよ。でもいらないですとも言えないしね」

 

 "トホホ"という言葉がぴったりな表情で呟く。

 

(確かに頑張れば士官学校出るよりも一歩くらい前に行けるとは思っていたけどこう早いと落ち着いて学ぶ時がない)

 

 通常は二一歳となると士官学校を出て一年で中尉になって本格的な仕事が開始される頃合いだが一つどころか三つ進んでしまっている。そこにいる室長さんも二一歳で中尉から少佐になってしまったがそこからはしばらくの間、昇進無しで落ち着いたらしい(※1)。そう考えると自分はあの室長よりも先にいる、という事になってしまうのだが恐ろしいというのが率直な感想だ。

 

 

「しかしこうも(階級が)上がってしまうと今までとは違う働き方を学ばせないといけないな」

 

 昇進しても今はとりあえず元々持っていた仕事を片付けないといけない。その働きを見つつ大人の二人が会話を交わす。

 

「ですね。(将官の)下で働くのは十分に見ましたから次は(小チームの)上で、ですね」

 

「といっても今の所才能に欠点は見つからない。一〇年経ったらどこまで最年少記録を更新していることやら」

 

「そうなりますかねぇ」

 

「なんだ? 何か問題でもあるのか?」

 

「才能については問題はないでしょう。しかし彼は"真面目"で"働き者"で"極めて優れてる"んです。多分、苦労をすると思います」

 

「…………なるほど。真面目、か。お前とは真逆だな」

 

「はい。真逆です」

 

「確かに、苦労するかもしれんな」

 

 そう話しているとそのラインハルトが立ち上がり、そそくさとその場を片付けている。そして、

 

「室長。申し訳ありませんが人事部からもう一度来てくれと、忘れ物があったようです」

 

 そう言うと"ではいってきます"と言って部屋を出る。

 

「………………」

 

「………………」

 

 それを二人が見つめる。

 

「なぁ」

 

「はい」

 

「軍の不祥事、市民危機の回避、視線を逸らす為の若き英雄…………。似てないか?」

 

「似てますね」

 

「でもそこまでするかな?」

 

「少なくとも私の時よりは不祥事の規模は大きいです」

 

「だよな」

 

「ですね」

 

「戻ってきた時の顔を見ればわかるだろう」

 

「さっきの時点で少し引き攣ってましたからね」

 

 二人は"はぁ"っと溜息をつく。あの時のどたばたを身をもって知っているからだ。こればっかりは上がどう考えてるか次第だ。

 

 

 戻って来た彼は"鳩が豆鉄砲を食った顔"をしていた。そして機械仕掛けのように自分の席に座り、定時まで機能を停止していた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 No.47 新米大佐の憂鬱もしくは愚痴

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はぁ……」

 

 年末年始休暇も終わり、七九八年に突入してしばらく経過したこの日。自由惑星同盟軍史上最年少大佐、ラインハルト・フォン・ミューゼルは、

 

 

 

 とても凹んでいた。

 

 

 

「また、やってしまいました」

 

「また、ですか」

 

 対策室近くの休憩所、真面目(すぎる)という評価のラインハルトにしては頻繁に出没するようになった昨今。コーヒー片手に呟くボヤキを聞くのはフョードル・パトリチェフ准将の役目になっている感がある。実の所、最近までラインハルトのパトリチェフへの評価はあまり高くなかった。良かれ悪かれ天才二人(室長&副室長)と各チームリーダーに対する中間管理職でありメッセンジャー、その程度の認識であった。ラインハルト本人がほぼヤン直属として直接のやりとりで完結してしまっていた関係でパトリチェフとの絡みはほぼ0だった事がこの認識の元と言えた。その認識が大きく改まるのは大佐になった(なってしまった)彼が独立したチームの長として動き始めた頃である。これは部下を持つ経験が極めて少ない、というかまったくなかったラインハルトにその経験を積ませようとする上司の希望であり一旦はパトリチェフを介さない直属チームという形で開始された。そもそも大佐となると軍艦乗りだと大型艦の艦長として数百人の乗組員を預かり中小艦であれば数百隻の部隊長として万規模の兵員の命を預かる。陸戦でいうのならこれまた数千人規模である連隊の長である。それなのにラインハルトは過去において正規編成で部下を持った事が無い。これは将官手前である事を考えれば色々とヤバい状態なのである。かくして少数ながら部下を持ち、仕事を開始したのであるがその部下からの印象はというと…………

 

「説明が足りない。のに"なんでこれが判ってないの? "という顔をされる」

「作業の過程で"こうした方がいい"と言ってくれるのは有難いが頻度が多すぎて落ち着けない」

「アウトプットへの期待値が高すぎる。今までならOKだったのにも過剰な出戻りが発生している」

「室長&副室長が期待するレベルと大佐が期待するレベルに統一性を持たせてほしい」

 

 etcetc、要するに「俺達は貴方ほど賢くないのだ」の大合唱である。そしていたたまれない雰囲気に負けて休憩所に出向く回数が増えた中でそれを色々とフォローして回ったのがパトリチェフであった。そのフォローを受けてみて、彼の働き方、他のチームリーダーへの受け答えを見聞きして少しずつ判ってきた気がする。まずこの人(パトリチェフ)は物事の伝達がものすごく"上手い"。語っている分量は自分と大して変わってない気がするのだが判り易さが段違いである。それに対して自分は相手の能力に合わせて話すという事が行えてない。口に出しては言わないが心のどこかで理解力の無い者を嫌っているのだろう。だから"この程度の事は判る・出来るだろう"の"この程度"が相手にとっては"高い"ものとなる。それを無意識で行っているから相手(部下)からすると自分は上から目線というかそう見えるのだろう。よくよく考えてみると今まで自分が込み入って話をした上官は皆優秀乃至天才といっていい人達だった。同年齢とかになるとグリーンヒル大尉は士官学校次席卒業だしユリアンの利発さは言わずもがな。うん、平均かそれ以下の人達とのコミュニケーション機会の方が少ないし無意識にあの人たちと話すくらいの気持ちになっていた。となれば下手でもいいからもっと噛み砕いた説明を出来るようなるしかない、コツはパトリチェフ准将から習う。それでいけるはずだ……と思ったのだが

 

「今度は何を?」

 

 パトリチェフが尋ねる。

 

「どうしても納得しない成果物を手直ししたのですが…………」

 

 ラインハルト基準のノルマをやめてパトリチェフから教えてもらった「室長&副室長がだいたいOKを出すライン」でやってくれれば我慢する事にした。それでも気になるものがあったら一人につき一箇所、一番対労力成果率の良いポイントを「すいませんがここだけこういう風に修正してください」とお願いしていたのだがどうしてもうまく仕上げてくれない人が一人いた。何回かお願いしても十分な成果が得られなかったのでその人だけはお願いするのを止めてしまった。しかし元々OKラインにはなっていたのでそこでストップすればよかったのだがどうも気に食わなくて自身で修正をしてしまった。し始めたら元来の生真面目が祟って「ならこっちも」「そういえばそっちも」と手を加え続けたらその人の成果物を完全に上書きしてしまった。作ってしまったからには使わないと勿体ない、とそれを最終成果物として使ったのだが後になってそれを知った当の本人がブチ切れてしまった

 

「なら全部あんたがやりゃあいいだろ」

 

 と。今まで色々我慢していたりしていたストレスがそこでふわっと出てきてしまったのかそもそもこれが元来の性格なのか

 

「わかりました。ならそうしましょう」

 

 と言い返してしまった。結果論としては完全な売り言葉に買い言葉である。その人はそれを聞くや否や室長の元に歩を進め

 

「~~~という事で私はあのチームに不要となりましたので他のチームに配属を変更してください」

 

 と直訴してしまった。丁度他のチームで仕事内容と得意分野が噛み合ってない人がいたのでその人と交換する事で一旦事を治めたのだがその直後にきっちりと室長&副室長から事情聴取という名のお叱りを受けてしまった。それが終わって自分の席に戻る気力も湧かず頭を冷やしてきます、とここまで逃げてきたのだ。

 

「なかなか、元からの性格というのは我慢できないものなのだな。しかしそれ(わかりました。ならそうしましょう)は駄目ですな。それを諭すか受け流すのが望ましい」

 

(本来、それが出来る経験を経て得る階級なのだが。流石に若すぎる)

 

「それが出来れば……という奴です」

 

「今後の事を考えるとデスクワークのうちに改善しておく必要があるな」

 

「……理解はしています」

 

 前線でそのような内輪揉めなど起こそうものならそれこそ命にかかわる。

 

「それにしても」

 

 パトリチェフがぼそっと呟く。

 

「ミューゼル大佐。君はなんというか趣味は、軍事に関わらない趣味、元薔薇の騎士だからそういう肉体系も除いて、何か趣味はないのかね?」

 

「趣味、ですか?」

 

 きょとんと応えてそのまま考え込む。

 

「その条件であるかないかと言われると……無いですね」

 

「そうか」

 

 その答えを聞いてパトリチェフも考えこむ。

 

「何か仕事を完全に忘れられる趣味を持った方がいい。出来れば人と多く関われるものであれば尚更だ。今の君に必要なのは老若男女混ざった色々なコミュニケーションを取る事だ。人とは色々なものなのだという経験だ」

 

「趣味、ですか…………」

 

 んー、と考える顔になる。

 

「そういえば亡命者団体との交流でプリンセス、じゃないな元プリンセスのお相手をしたそうじゃないか。沢山の亡命者が来たから馴染む為に色々と交流会がこれからも開かれるというしそういう場所で色々な人と交わるというのもいい経験だと思うぞ」

 

 ほぼ奇襲となったその言葉にラインハルトの顔が心底疲れ切ったそれになる。

 

「あれは、はい、経験という事であれば確かに経験になるのですが……疲れます。翌日の仕事に影響が出る程に疲れます」

 

「はっはっは!! そういうものか! まぁ、色々なものに手を出して考えてみる事だ。その年で仕事一筋というのももったいないぞ」

 

 最後は豪快に笑いつつパトリチェフが職場に戻っていく。

 

「………………趣味かぁ」

 

 そう呟くと残りのコーヒーを飲み干し。ラインハルトもまた職場に戻る事にした。

 

 

 その少し前

 

 

「"真面目"で"働き者"で"極めて優れてる"だったかな。なるほどね」

 

 凹んだ青年が出て行った扉を眺める上司二人。

 

「これが帝国なら権力者の度合いが高い国ですので程度の差はあれ上官の命令は絶対で云々で済む可能性はありますがこちらではそうはいきません。どこかで妥協が必要になります」

 

「お前さんもどちらかというとそっちの類だがな。しかし怠け者である分、ぶん投げれるものはぶん投げてしまうし必要以上に頑張ることも無い」

 

 少し間を取ってから同じ扉に向かっていく大柄の男を眺めつつ"(仕事は)真面目"で"極めて優れてる"先輩が語る。

 

「私は"不真面目"で"怠け者"ですから今もこうしてフォローを人任せにするのです」

 

「ま、上司としての義務からは逃げられんがな」

 

「本当はもっとゆっくりと判ってもらえればいいのですが今後の事を考えますと駆け足にならざるを得ません」

 

「内示が来た兼務派遣先、か」

 

「亡命系人材でこの対策室から出せる実力を持っているのは彼だけなので」

 

「俺に丸ごと投げたとはいえNo1と2からの"説教"だからな」

 

「人を責めるのは苦手なのでそこは先輩にお任せするしかありません」

 

 ヤン・ウェンリーという男は人を怒鳴ったり露骨に怒りを表したりはしない。そういう感情が無いという訳ではないが"そのような事をしなくてはいけない人を相手にするのがめんどくさい"というのが本音である。この辺り、根本的な所で彼もラインハルトと同じで"理解力のない人は嫌"なのだ。しかし、上官として年長者として指導なり説教をしなくてはいけない時もある。この時が正しくその時であった。ラインハルトはその性格からして急造チームリーダーなどやらせたら多少の衝突はあるだろうと思っていたし後の事を考えれば目の届く範囲にいる時にそれは経験させておいた方がいい。それ故に"多分いつかは衝突するだろうな"と判っている者を下に付けたし実際に衝突した。

 

「今後の予定もあるからな。あっち行ってから衝突してしまったらあちこちが困る。そんな人事するなよ、とは言いたいがな」

 

「あそこは特別ですから前長官系ではない人材を、出来ればこちらの息のかかった人材を幹部として入れたい。そう言われますと、彼しかいませんから。それにもうそろそろ艦隊現場の仕事もさせてあげたいという気持ちもあります」

 

「余程のことが無い限り前線に行く事はないだろうがな」

 

「それ故に安全にキャリアを積める、という見方もありますよ。今の地位から昇進は当分先でしょうからじっくりと経験を積めばいいんです」

 

「ユリアンは例外だとしてもお前らしくもない熱心な教育じゃあないか」

 

「はい。彼がその実力に合った地位になればなるほど私の退役は早まりますから」

 

「自分が楽になる為の努力は怠らない、か」

 

「はい。そうです」

 

 大佐という地位に見合った仕事をさせないといけない。上司二人はその事については十分に承知していた。だが"真面目"で"働き者"で"極めて優れてる"という人材は一人の作業者として部下に持つのなら万々歳であるが人に仕事を振るという上司としてはマイナスになる物も多々ある。大きな仕事になればなるほど一人で完結させる為に必要な時間は長くなる。それは人数=平行可能タスク数なのだから当然である。なので部下に仕事を振って複数平行タスクを実行させる事により完成まで時間を縮める。これをどう効率よく行うかが本来のリーダー各の腕の見せ所といえる。だがそうやって完成させた成果物は(必要期間を考えなければ)一人の天才が全部やってしまった成果物に劣る。といっても劣る度合いは大抵の場合質の差と所要時間の差を計って後者をすぐに選ぶ程度の差である。しかし稀代の天才の場合、その質の差が大きく異なってしまう。怠け者ならそれでも出来れば良いという事で進めてしまうが真面目すぎるとそれが我慢できない。働き者すぎると出来る限り手を付けたくなってしまう。極めて優れてると結果として元作業者の面子を潰してしまう。実際に潰した。さらに上の者がフォローして半年一年やらせて慣らせて経験させて、でじっくり育成したいというのが上司の本音であるが時はあまり待ってくれそうにない。

 

「なんせ短期急速育成だ。粗も色々あるさ。対策室はそこまで大きくないから一番上の俺達からでも見ようと思えば全てを見渡せる。衝突やぎぐしゃくが発生したらその都度きっちり話せば判ってくれるさ。その程度の手間はお前もやるんだぞ」

 

「わかってますよ。結構な間、傍で使ってきたのですからそれくらいの責任は持ちます」

 

 扉が開き大柄の男、パトリチェフ准将が戻って来た。となると彼ももうそろそろ戻ってくるだろう。

 

「さて、少しは上司らしく仕事をしますかね」

 

 そう言うとヤンは傍らにある資料を取出し黙々とチェックを開始したのであった。

 

 

 

「どうかね? ミューゼル大佐の働きぶりは?」

 

「能力的には何一つ問題はありません。しかし人間関係となると……なんとか間に合わせたいとは思います」

 

 クブルスリーからの問いにヤンが応える。統合作戦本部の一室、クブルスリーとヤン、そしてビュコックが顔を並べる。議題は春~夏を目途に編成される独立分艦隊について。

 

「何度かヤン君の付き添いで会議に出てもらった時の感触では問題は感じられんかったが? 何か問題でもあるのかのぅ?」

 

 ヤンの答えを聞いてビュコックが首を傾げる。隣でクブルスリーも同じような仕草をするに至りヤンは今後の事も考えて彼の性格について説明する。そして

 

「それは……」

 

「やっかいだの」

 

 案の定の反応を得る。

 

「第一三艦隊で出会ってからはずっと直属で働いて貰っていたので上に立って部下を持つ機会がなく、完全に私の育成意識不足です」

 

 ヤンが頭を下げる。彼をチームリーダーに置く際に確認したが少尉時代は基本優秀な下士官を付けての現場研修が主であり中尉の時は空母で艦長直属、大尉になってからはずっとヤン直属といっていい配属。それより昔に関しても薔薇の騎士時代は本人曰く「とても良い上官(=ブルームハルト)と同僚(=その直属兵)に恵まれました」といっていた。誰かの直属という立場がほとんどで部下を持った事が無い。

 

「それでも我々の子飼いとまではいかないが信の置ける人材でかの部隊に送り込む者としては出自にしろ階級にしろ他に適任者がいない。彼の今後の為にもなる、是非とも今回の人事を成功させるように教育を頼む」

 

「無論、承知しています」

 

 ヤンが応える。

 

「さて、逸れた話を元にもどするとするかの。部隊の編制予定だが……」

 

 ビュコックが話を続ける。今回の議題の中心、元盟約軍将兵と亡命者系人材を中心とした独立分艦隊についてである。元盟約軍将兵で軍属継続を希望した者と亡命者系将兵からの希望者を集め一個分艦隊(二四〇〇隻・約二六万名)を編成する。但しこれは薔薇の騎士の様に永続を考えておらず、元盟約軍志願兵の任期満了までの一時的措置となる。その間に元盟約軍士官(正規士官学校卒もいれば貴族階級に伴い得られた階級を持つ者もいる)のふるい分けを行う。各地に細かく分散してしまっても良いが元盟約軍兵卒は基本"同盟公用語を話す事が出来ない"という問題がある。両国の士官学校では相手国の公用語も習得しているし同盟では義務教育課程で帝国公用語も学習対象となっているから兵卒でも帝国公用語は扱う事が出来る。しかし帝国一般市民は同盟公用語を学ぶ機会が無い。出来ればそのような兵卒は抱えたくないのだが内乱における損兵の補充的側面もあるしこの度の亡命者全員を独立できる迄ただ養い続けるのも費用がかかる。なので軍属希望の者は軍で抱えて、内地の部隊に置き学ばせながら軍務につかせる事により四〇万人を超える亡命者の同盟社会組み込みを少しでも分散させようという考えだ。

 

「司令官にはエリック・ハリス少将。ロボス前長官の直属部隊司令官で今はその残余兵を中心に再編部隊(※2)に属している。独立分艦隊は基本、その前長官直属部隊と亡命者たちの混成部隊になると思って頂ければ良いかと」

 

 ビュコックの説明を聞きつつクブルスリーとヤンが資料をめくる。

 

「亡命軍の総司令官は二階級減の少将待遇ですが副司令官で良いのですか? そもそも元の階級は大将のはずですが?」

 

 ヤンがそれ「副司令官フェルテン・フォン・アイゼンフート少将」という一文を見つけて尋ねる

 

「階級については亡命士官は正規士官学校卒と兵卒下士官上がりが一階級、他の場合は二階級減という形で落ち着いた。"他の"というのは帝国では有力貴族は無条件で一定の階級を希望すれば得られるという事だ。で、彼はそれで得た大将故に二階級減で少将になったのだが本人から申し出があっての」

 

 "小規模とはいえ亡命者がいきなり司令官になる事について懸念が出るでしょうから信を得られるまでは立場を落としていただいて構いません。私は正規の士官学校を出ておりませんのでその間にこの階級に相応しい見識を身に着けようと思います"

 

「という事だ」

 

 ビュコックが応える。

 

「私とビュコック長官は彼を含めた亡命有力者とは顔を合わせている。彼、アイゼンフート少将は元伯爵家当主らしいが私と長官の共通認識としては……」

 

「出来る男だ。知識も十分にありそうだがそれとは別に物事が判る、という意味での"賢さ"も感じた。集約した情報を見る限り帝国と繋がる事は無いだろうがどのあたり(の立場)まで扱っていいのかまだ計りかねぬ。それを知る為にも申し出に乗らせてもらった」

 

 ビュコックの言葉にクブルスリーも頷く。

 

「ではミューゼル大佐の裏向きの任務は」

 

 ヤンの問いに両名が頷く。

 

「彼は亡命系人材の一人という形で次席幕僚(※3)として独立分艦隊司令部に入ってもらう。向こうも判っているだろうがこちらからの"目付"だ。亡命系士官に怪しい者がいないかを監視してもらう事も重要だがアイゼンフート少将の人柄を見極めてもらうという役目もある。少将は近年最大級の亡命軍人となる。無下に扱わないがどこまで信用して使えるかしっかりと見定めるようにというのが国防委員長を通じた最高評議会からの厳命だ」

 

「コミュニケーション能力という視点だと若干(?)の不安はありますが……」

 

「亡命者の基礎修学(※4)が終わって編成が開始されるまで数か月ある、その間での教育を期待する」

 

 要するに変える予定はないという事だ。人の性格を数か月で何とか出来るとはあまり思えないがスキルとしての処世術としてならば少しは学ばせられるだろう。そう考えて頭を切り替える。そして今日の議題も終わり雑談という名の情報交換が開始される。

 

 

「国防委員長(※5)からふと尋ねられたのだが……首飾り破壊に使ったあの手なのだがな」

 

「はい」

 

「イゼルローンにやられたらどうなのか? という事だ。前本部長が行った無人艦作戦でも一定の破壊が行えた事は記録(※6)に残っている。あのサイズを叩きつけられたらたまったものではないだろう」

 

 クブルスリーに尋ねられてヤンが考え込む。

 

「首飾りに使ったサイズでしたら多数用意して加速できる直線があれば、それと理論上どうやって持ってくるかを置いておいて帝国内地にある適度なサイズの要塞なり掘り尽くした資源惑星を持ってこれればその質量そのもので確かにイゼルローンとて破壊は可能だと思います。ただ……」

 

「ただ?」

 

「壊しすぎますと残骸で回廊がより通過しにくくなるのと侵攻拠点が無くなってしまいますので"攻略後に再利用できる程度の破壊"とするならばサイズを縮める必要があります。しかし艦艇よりは大きいとはいえそれくらいのサイズにまで小さくなれば要塞主砲で消し飛ばす事が出来るので…………手頃なサイズと数、運搬方法については研究を行って万が一の対策は考えておくという形で回答しておくという程度でしょうか?」

 

「そうか。どこで行うかは置いておいて議題として残しておく必要はあるな」

 

 

「グリーンヒル大将だが来月(二月)上旬には着任できるとの事だ。次官への復帰となると同時に次官兼情報部長代理となっているドーソン大将は正式な情報部長の専任となられる」

 

 グリーンヒル大将の統合作戦本部次官への復帰、これは軍部における七九八年人事の目玉といえた。元々は帝国領侵攻作戦の失敗における責任人事の一環(表面上)としての遠方赴任であったが一年程度を目途に中央に戻る事は暗黙の了解となっていた。数か月遅れたのは現地におけるクーデターの後処理がどうしても必要だったからである。そして次官の席を空ける為にドーソンが情報部長専任という形で引く事になった。次官の席そのものはドーソンにとって「もう(本部長代理、候補は)こりごり」という心境なので未練も何もないが情報部長着任はクーデターの後処理と徹底した内部調査の必要性から非常に重要かつ重労働となる。元々情報畑の人であり情報部長の経験もあり立場としては次官からの"出戻り"なので表面上は肝入り人事の見栄えになる。専門且つ経験者でありビュコックやヤンからもそれなりの信頼を得た事(※7)、そして要職に就くには少し細かい所を気にしすぎる性格も今必要な内部精査には丁度良いという都合で出戻り決定となった。

 

「それは吉報」

 

「あるべき所にあるべき人が戻ったの」

 

 ヤンが笑顔を見せ、ビュコックも頷く。

 

「しかしなぁ……」

 

 クブルスリーが頭をかく。

 

「私が本部長でグリーンヒル大将が次官というのもなんだかこそばゆいものだ。本来の序列的には逆であってしかるべしなのだがな」

 

「そうだの。席次で言えばわしやウランフ君よりも後ろ、だからのぅ」

 

「ただ、再建計画が軌道に乗るまでの間、比較的動きやすい立場である次官にグリーンヒル大将がいるのは非常にありがたい。ひとまずクーデターで狂いが生じた計画の再調査を行ってもらう予定だ。その関係で対策室へのつながりが強くなる。ヤン君が苦手としている対外交渉もグリーンヒル大将を通じて行ってもらえば通りやすくなるだろう。あの方ならどこにでも顔が効く」

 

 ヤンが満面の笑みで頷く。クブルスリーも頼りになったがやはり本部長という仕事があるのでなんでもかんでも頼み込む訳には行かずなんだかんだとヤン本人も色々な所に顔を出さねばならなかった。ヤンとしてそれはかなり苦手な部類になるのでそれを任せられるだけで精神的負担が大きく減る。

 

「最後に」

 

 クブルスリーが閉めに入る。

 

「予算最終案は近々まとまる予定だ。決まったら伝えるので最終確認をよろしくお願いする」

 

 ヤンとビュコックが頷き、この日の会議は終了した。

 

 

「これが素案になります」

 

「はい、ありがとう」

 

 ユリアンから受け取ったコーヒーを手にちょこんと座る姿は先生の添削待ちの生徒と言った所だ。まだ"自分が全力で作った場合"と"部下に任せてそれをまとめた場合"の資料の完成度の差に戸惑いがあるのだろう。これで本当にいいのかなという不安がありありと見える。

 

「警備隊による臨時分艦隊は最終的には六個可能、か。思っていたより多いね」

 

「イゼルローン方面の対帝国消耗が無くなりますのでそれだけで年次損失が大きく減ります。現在の長期計画が終わるまでにはほぼ充足を満たせるという試算が出ています」

 

 ヤンがペラペラとめくるその資料は長期整備計画における地方警備隊&巡視隊の再編計画について、である。配置の見直し等を行いリソースの効率化を図ると共に大型艦の比率が低いとはいえ正規艦隊と同じ艦艇で構成されている地方警備隊を万が一の総動員の際に戦力として使用できるよう地域ごとに分艦隊単位でまとめ、定期的な合同訓練を課す事にする(普段は本業の為の分散配置)。その大まかな再配置の試算がやっと終わったのである。元はグリーンヒル大将がランテマリオ星域方面軍で行っていた整理方法を他の地方軍にも実施してもらってそれを集約させたものになる。

 

「年に一〇〇〇から一五〇〇隻、十数万人を失っていたのが無くなるのか。確かに大きいね」

 

 正規艦隊に劣らず、いや、それ以上の消耗率を警備隊の一部(イゼルローン方面)は受けていた。それもそのはずで帝国が侵攻してくる際に後方遮断や遊撃を行える位置にいる警備隊は同盟軍正規艦隊が到着する前にほぼほぼ薙ぎ払われる。帝国軍としては(過去のエル・ファシル占領のような)特別な理由でもない限り有人惑星への直接侵攻は行わないのだがだからといって警備隊を引き上げて無防備にするわけにはいかない。中央政府(軍)が地方政府を守るのは義務でありその姿勢を崩す事は自由惑星"同盟"の鼎を失う。それ故に帝国の主要侵攻路の有人惑星などには警備隊が常駐しておりその都度大損害を受けていた。帝国の侵攻が年に二・三回、その都度数百隻で編成される警備隊のいくつかが壊滅状態になる。その損害が無くなった。海賊対策も警備隊の任務であるがこれは比較的落ち着いており全体から見れば問題となる損耗ではない(※8)。この警備隊&巡視隊の再編と損耗低下は軍のコストダウンとしては非常に重要な要素となっている。

 

「現在目標としている合計八個艦隊+一定量の独立部隊、これにこの臨時分艦隊を入れれば一〇個艦隊相当の戦力が整えられる(※9)」

 

 ヤンのその言葉を聞いてラインハルトが首を傾げる。

 

「ここでお尋ねしていい話かは分かりませんがイゼルローンを防波堤にした専守防衛。それに一〇個艦隊は必要ですか?」

 

 そう尋ねて来たラインハルトの顔をヤンがじーっと見つめる。

 

「イゼルローンを防波堤にした専守防衛に限定するなら……必要ないね。現状の数を維持できればやっていけるだろう」

 

 "これだけは必要"と主張して編成目標としているものをあっさりと"必要ない"といったヤンを傍らにいるフレデリカやユリヤンがぎょっとした顔で見つめる。しかしラインハルトの顔は……

 

「やっぱりそうか、って顔をしているね」

 

 それが判ったというのが嬉しいのだろう。ヤンが我が意を得たりといった表情で呟く。

 

「上層部に何処まで話が進んでいるかは判りませんが……どちらかの入り口が万が一開いてしまった時に雪崩れ込まれない為、ですね」

 

「ご明察」

 

 そこまで答えたところで横から「セツメイシテクダサーイ」という視線を二人分感じてしまったのでヤンが軽く咳払いをする。

 

「結果として私はイゼルローンを落とした。一度落ちたものが二度落ちない理由はないし落ちない事を前提としても、再建の手を抜きすぎて第二位と第三位が手を組んでもどう頑張っても駄目となる程に第一位を独走させてしまうわけにはいかない。そうするともう一つの入口が危険になる」

 

 さぁ、わかるかな? という顔でヤンが二人を見つめる。

 

「……えっと、それは二位である同盟軍が弱くなりすぎると帝国は三位であるフェザーンごと纏めて倒してしまえばいいと思ってしまう可能性があるという事ですか?」

 

 聡明なる一番弟子の返答に師匠と二番弟子が満面の笑みを見せる。

 

「そう、その通り。今、入口は塞がっているしそれを有効活用するのは大前提だ。だけど国力の回復と平行できる範囲での戦力回復は考えなくてはいけない。好むところではないけど私が今この席に座っているのはそれを考えろっていうオーダーだからね。後はなんとかかんとか"これでなんとかなるだろう"って状態にもっていって隠居を決め込めれば万事解決というやつさ」

 

 ヤンからしてみればイゼルローンを手に入れた直後からそうあって欲しかったというのが本音だが回り道ながらも自分がそれに近づける為の立場であるならば勝ち逃げの為の努力も少しはやる気になる。なので

 

 "この期に及んで早期隠居(退役)を諦めていないのか"

 

 という三人の視線は見なかった事にする。夢を諦めたらそこで試合終了である。

 

「万が一イゼルローンが奪回されたら、フェザーンが帝国直轄領に戻ったら、国防における"最悪の事態"というのはなかなかこちら(軍)から口に出せませんからね」

 

 その返答にヤンがうんうんと頷く。そうさせない事を考えるのが仕事だろう、そうやって予算を取ろうとするのかなどなどその手の言葉は事欠かない。だから政府側から言ってもらうか裏口合わせて事を進めるしかない。

 

「だから警備隊が思った以上に使えそうという結果は有難いんだ。何かきな臭くなってしまった時のブラフになる。実運用は出来ればしたくないけどね」

 

 そう言うとヤンは美味しそうに紅茶を口にするのであった。

 

 

「ふぅ」

 

 席に座り一息つく。ひとまずは資料に駄目出しが無くて一安心である。

 

(気持ち下向きだったのもチームのドタバタが原因だと思っているだろうし)

 

 他人に任せる事で自分の思い通りの代物にならない事についてはある程度ふんぎりはついている。それに本当にそれ以上必要になるのならあの二人(No1&2)が口に出さないはずがない。なので周りに思われているほどそれに関しては気持ち下向きではない。

 

(問題はこっちだ。安易に相談していいものではないし)

 

 そう思いつつテーブルから取り出したやや分厚い一つの書類を眺める。

 

 "佐官特別診断"

 

 佐官昇進者が受ける事になる特別健康診断の結果である。

 自由惑星同盟軍は佐官・将官に昇進した際、一定期間内に特別健康診断を受ける事が義務付けられている。この時の診断結果次第でその後の職場に制限がかかったり最悪昇進が止まる。ラインハルトもかなり前になってしまうが少佐への昇進時にこの健康診断を受けていた。結果が出るまでに時間がかかりその間にクーデターが発生し受けるはずだった診断のいくつかが中断、解決後にそれを受けたがクーデターで間が開いてしまった一部の診断がやり直しになり、やっと先日全結果が手元に届いた。そして書類がやや分厚くなってしまったのは特別健康診断の必須項目に追加して有料任意項目も沢山受けていたからである。本人としては健康には自身がありそこまでやる必要をあまり感じていなかったのだが

 

「いい機会だからね、やるだけやっておいた方がいいよ。軍の補助付いてすごく安いし」

「いいか、男子としての絶対の鉄則は結婚したなら"家内安全"、それでなくても"健康第一"だ」

 

 と上司二人からプッシュされ特にお金も困ってない(趣味が無いから使っていないし家計は姉任せ)ので気になったものを手当たり次第に受けてみたのだ。その中の一つ、遺伝子検査の結果にどうしても心落ち着かない記録が残されていた。

 

 "遺伝子情報の一部に遺伝子登録情報(データベース)に例のない項目有り。定期的診断の要有り"

 

 これだけだと何がどう悪いのかが判らない。しかし幼いながらも帝国で生まれ育った人間として"遺伝子"に関する事には敏感、というか臆病になる。帝国ではそれ一つで人生が全て無に帰すからだ。しかしここは同盟、そのような事は無いというのは判るのだが如何せん流石のラインハルトにも遺伝子学についてはちんぷんかんぷんである。どうやら"直ちに影響はない(と思う)"ものらしいが正直な所"私達にも判らないので変異が発生してないか定期的に診断(DNA採取)させてください"という事だ。そもそも遺伝学そのものが銀河帝国成立までの動乱による損失が多く、劣悪遺伝子排除法による迫害、長征一万光年を経た実質身一つでの自由惑星同盟の建国、そこからの"やり直し"なのである。一説によればもやは"伝記"の世界である宇宙歴発足前の一〇〇〇~一五〇〇年前のレベルにも達してないのでは? と言われている。ここまで判らないものであればもはや悩んでいても馬鹿馬鹿しい。医学の発展の為にも定期的診断は協力するとして彼をここまで気落ちさせているのは彼本人の事ではなく診断書に追記されたこの一文

 

 "更なる詳細審査の為、親族の方の協力(同様の遺伝子検査)をお願いいたします。尚、親族の方における一連の診断は無料となっております"

 

 これだけが彼の心をとても深く沈める原因となっていた。仕事といい自身の事といい家族の事といい、彼にとって七九八年というのは亡命後最大と言える気落ちする年としてのスタートとなっていた。

 

「こういう年もあるのかなぁ」

 

 珍しくも愚痴が素直に出てしまう。憂鬱な新年であった。





 ヤンの二一歳少佐に"史上最年少"という言葉が付いてきてない気がするので二〇歳少佐は何かしらの理由で存在してるんだと思います。


※1:ヤン少佐
 原作においてヤンの階級ごとの任期は少佐の三年一〇ヶ月が一番長い。最短が大尉の六時間五分。この二つを平均すると一年一一ヶ月三時間二分三〇秒だから普通に"早い"だけだな!!!

※2:再編部隊
 帝国領侵攻作戦後の再編にて再編済艦隊に属さなかった余りの部隊。大体が無傷な艦をその再編済艦隊に引っこ抜かれたり、損傷の修理待ちだったりで部隊としての原形を留めていない。というか大丈夫な艦をかき集めて第四艦隊までを再編成した際の残骸。修理・補充の完了した小部隊から順々に訓練&部隊合流を繰り返し分艦隊規模までの再編を目指している、のだが最中にクーデターが起きやがったせいで年内完了予定が消し飛んで継続中。尚、予定が半年吹っ飛んでしまったので七九七年夏:分艦隊規模再編成完了→七九七年中:分艦隊としての訓練完了、艦隊として編成→七九八年前半:艦隊としての訓練完了→七九八年後半:艦隊実戦投入可能、となる予定が半年ずれている。結果として第五艦隊・第六艦隊の実戦投入は七九九年から可能という予定となった。

※3:次席幕僚
 艦隊と違い、分艦隊には司令官はいるが参謀長という役職は無く分艦隊の幕僚という一括りになっている。その幕僚トップ(艦隊における参謀長)が主席幕僚、次(副参謀長)が次席幕僚となる。

※4:基礎修学
 亡命者に対する自由惑星同盟の常識教育

※5:国防委員長
 七九八年年初よりアイランズ氏が就任。

※6:イゼルローンの記録
 イゼルローン獲得後の調査で物理的修復跡と電子的記録の両方が発見された。

※7:ドーソン大将
 クーデターにおける長期の監禁生活で嫌でも毎日顔を合わせる事となり色々な専門的会話などもしているうちに「まぁその性格はやっぱり苦手だが専門分野になるとなんだかんだと認める所はある」という評価になった。なので目に見えない距離で専門の仕事をしてもらう分には十分という認識になっている。というか四〇代中盤で部長職を経て大将で統合作戦本部次官(最先任)なのである、ただの馬鹿なはずがない(その地位に登れるほどの総合的能力があるかというと?だが)。ただ正常に能力が発揮できるライン(非常事態対応力)が低いのは事実。本人はこの一連の騒ぎでそれを十分に自覚して次官の席をあっさりと捨てた。

※8:海賊対策
 帝国においては人口外の棄民や追放民の末裔vs辺境警備隊をメインに海賊になりうる者達が多数いるが同盟においてはその手の大規模集団はいないので負担は少ない。また、領内自己警備義務を持つ貴族領が多々ある帝国と違い同盟は中央政府が組織的軍事力を持ち領内全域の治安維持を行うのが義務となっているので面子(=支持率)の為に手を抜けないという側面もある。

※9:戦力
 イゼルローン駐留艦隊、首都星防衛艦隊、第一~六艦隊で八個艦隊
 一定量の独立分艦隊部隊(三~五個程度が目標)と臨時分艦隊六個を元にすれば五個分艦隊基幹の艦隊を二つ作れる という皮算用
 この臨時分艦隊は原作で言う所の第一四&一五艦隊の編成の為に慌ててかき集められた部隊を本作品ではこの時期より計画的に編成していった代物となる。
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