「まずは資料No.7を軽く目を通してください」
この言葉を受けて各自が自分のディスプレイで資料を確認する
(これはこれは)(多いとは思っていましたが)(桁を間違えてるなんて事は)
言葉がいくつも漏れる。
「御覧の通り亡命者からの亡命受領金、いわゆる"亡命税"ですが現時点で徴収済みが四六三七億ディナール。未確定分を追加すると五〇〇〇億ディナール程度になると見積もられています。本来、この"亡命税"は人的資源委員会が亡命者支援政策に使用するものとされていますが規模の桁が桁なので一旦議長預かりとして頂いたうえで運用法について定めて頂ければと思います」
人的資源委員長ホワン・ルイの言葉を受けてその会議の場、自由惑星同盟最高評議会の面々は押し黙る。それもそうだ、国家予算の一割を超えるあぶく銭がいきなり湧いて出てきたのだ。
そもそもこの"亡命税"とは何ぞや? という話になる。これは一言で言えば亡命者の持ち込み資産から徴収される税である。亡命者からいきなり税を取り立てるのか! と抗議する者もいそうだがこれも立派な国防政策の一つである。事の始まりはかのダゴン星域会戦による帝国臣民から見た叛徒(自由惑星同盟)という国家的組織の認知となる。その認知を機に大量の亡命者が訪れた。大半は迫害を受けていた臣民、人としてカウントすらさせてもらえない棄民達であったが政争や思想、立身の野望などを理由とした富裕層も少なからず存在した。そして意図的・計画的に亡命してきたそれら富裕層はまだ基盤が出来始めたばかりの自由惑星同盟にとって無視できない"富"を持ち込み、勝手の知らない資本主義経済にて多数の混乱を巻き起こした。政争に敗れ、一族総出で逃げ出してきたとある貴族など持ち込み資産のみでいくつかの有人惑星を支配可能な程であった(実際に自領が欲しくてやりかけた)。これらの混乱が起きるや否や政府は亡命者の資産を一時的に凍結。亡命受領金法案を作成し、その資産を徴収。当人たちには大きな反発を呼んだのだがその運用を"亡命者支援事業"に特化させる事で人数的大多数の一般亡命者や(自分達の税を使われずに済む)同盟国市民の支持を集め、この亡命受領金法は運用を開始した。
これで一安心、と思いきや次なる問題が発覚する。フェザーン自治領の成立、である。この自治領は成立直後から(むしろ成立前から計画的に)帝国・同盟両国の経済的ハブとして機能し始めた。その一つが両国有力者向けの秘匿口座、本人以外にはその中身どころか口座保有者の名義すら秘めるという完全な秘匿口座であった。その口座はまず両国政府の有力者を中心に個別口利きで開設し、段々とその対象者を広げていった。そして秘匿すぎる事が色々と政治的に不都合になる頃には政府そのものが有力者達の口座という情報を元に首根っこを掴まれた状態となり誰もその運用に表立って文句が言えなくなっていた。のだがそれでも文句を言わねばならない状況となる。同盟への亡命者はこの秘匿口座によって財産を守り、また両国が送り込むスパイや偽装亡命者などはこの口座に活動資金を隠す。流石にそれはなんとかならないかと両国政府による(裏からの)苦情を受けフェザーンが一定の譲歩をする事で手打ちとした。それは"口座は対象者の国籍保有国からしかアクセスできない" "亡命者の口座は本人と亡命先政府の共同要請があれば通常口座として開放する"というものであった。これにより秘匿口座が国を跨げないようになる事でスパイなどの運用ができなくなり、同盟政府は亡命者の秘匿口座分も(通常口座として情報を得られるので)亡命税の対象とする事が出来るようになった。尚、亡命者の口座はあくまでも"通常口座として所持していたものである"という建前であり秘匿口座の秘の字も出てこない。亡命者本人も秘匿口座開設時に亡命した時の運用法を説明し一切の苦情(秘密をばらす事)を禁止する旨を制約させられているので何も言う事は出来ない。
そして大量亡命も止み。人の流れも静かになった事で半分忘れ去られていたこれらの事柄が今回の旧盟約派貴族の流入で再び日の目を見る事となったのである。
「一番確実なのはクーデターの後処理で使った費用の穴埋めとする事だと思うが……」
意見と言うべきよりも呟きに近いレベロの言葉に何人かが"仕方ない"といった感じで頷く。
「金額が大きくても所詮はあぶく銭。いっその事ぱっと使ってしまえばいい。各委員会内部でももう少しお金があればやってみたい景気策なりがあるのではないですかな?」
トリューニヒトの煽りに近い発言に少なからずの者達の顔が明るくなる。
財務出身のレベロ議長は確かに優れた政治家であるがそれ故に過度な負債を嫌い効率の良い予算分配を好み、結果として対費用効率では優れた政策を示せるのだが人気取りといった事に手が回らない。そういう意味合いを持つ景気対策は苦手な為、仕事の内容をなかなか評価してもらえない損な役回りとなっている。今、議長として認められているのは第一候補だったトリューニヒトが辞退し、最も求められているのは経済の専門家であると彼をプッシュしたからである。つまりは彼自身の人気ではない。
「今必要なのは下を向きかけている市民の心を上向きにする事、これは効率とかそういうもので推し量れるものではありませんよ」
他の委員長の発言を機に場の流れはトリューニヒト案に傾く。なんてことはない、予算が欲しいのである。人気も欲しいのである。今この時期に予算の一割近い(全量は一割以上であるが本来の亡命者支援政策費用を差っ引けば流石に一割以下になる)自由(=レベロの効率チェックを受けない)なお金が手に入る機会など二度と来ないだろう。この苦しい時期に委員長などという棘の椅子に座っているのだ、それくらいは見栄えのいいことをやらせてくれ。
「…………人的資源委員長、亡命者支援政策に必要な額の概算算出を。他の委員長はそれぞれ抱えている腹案から良い景気策を。次回の会議で大まかな予算配分を行いましょう」
レベロのその一言で方向性は固まった。
「すまない。君が財務委員長であればそちらの預かりという流れにもできたんだが……」
「いや、気にしなくていい。頭のどこかでは理解しているんだ。あれはあれで適切な使い方の一つなんだ、と」
会議後、ルイの言葉にレベロが応える。レベロが財務委員長であれば"お金の事なのだから財務に"と投げる事も出来たが議長となるとそうはいかない。議長は委員長たちの会議の長であって専制独裁者ではなく実際には調停者に過ぎない。それでも一旦レベロ(議長)に預けたのはトリューニヒトに直接渡したくないという気持ちだけである。
「君は、長い間債務圧縮と予算膨張防止一筋だったからどうしても内向きになる」
「あぁ、あくまでも景気策としての出費はそういう余計な所を潰したうえで効率よく行うものだと考えている。今でもそう思っている。しかし……」
「トリューニヒトはそうは見ない。日の目を見ない土台作りよりも見栄えの良い張りぼてを立てる事を優先する」
「財務委員会のなじみから聞いている。私の方向性に反対であった積極財政派がトリューニヒトに取り込まれている、と」
「人気取りの天才と積極財政派、相性としてぴったりだな。なまじ財務委員会の手が加わるとなると一定の効果を得られる策になる可能性は高い」
二人が押し黙る。
「いつかはあの男に政権を取られるのは覚悟している。それまでに専守防衛・景気対策が最も支持を得られる都合がいい政策であるという状況にするのが私の責務だ。その為の土台作りだ」
「それまで黙らなくてもいいから控えめにしてもらいたいものだ」
ある意味、彼らは最高評議会内では少数与党になり始めている。しかしまだ、同盟経済は下げ止まり始めたという程度の段階でどう転ぶか判らないアジテーターに政権は渡せない。それだけは確かな事であった。
「それで、そのあぶく銭でやりたい事はあるかと聞かれたんだってな。どう答えたんだ?」
「いらないって回答しちゃいました」
あっけらかんと応えるヤンに周囲は目を丸くする。
「去年はあれでも被害想定は下回っていますし、今年も確実に下回るでしょうから。ちょっとやりたい事はありますがそれで浮いた分で足りますので追加は必要ないかな、と」
「あ~~、確かにそうだな。確か去年は……」
対策室が把握すべき数値は全部頭に入っているキャゼルヌがそらんじる。
長期的戦力回復において計算の両軸となるのが増える値と減る値、である。そして減る値、つまりは被害想定であるが去年(七九七年)の計算の際には当然ながら帝国内の内乱は計算に入れていない。やや過剰となるが今までの帝国のパターンでもある年に二~三回の侵攻、それがイゼルローンに対して行われるという仮定で計算がなされた。そしてその都度イゼルローン駐留艦隊(一五〇〇〇隻)が一~二割失われると考え年間の被害範囲は三〇〇〇~九〇〇〇隻、平均で六〇〇〇隻。これに対して実際は対救国軍事同盟の戦闘と亡命受け入れの際の混戦で約五〇〇〇隻の損失であり、人的損耗は旧盟約軍将兵の取り込みである程度補えた。更に今年(七九八年)となると帝国の内乱に関する情報等もそれなりに集まってきており程度は判らないがどう考えてもこちらへの積極攻勢は無い。あっても(イゼルローンを長期放置できないので)体面的な侵攻があるかどうかだろう、という予想になっている。
「もしかしたら去年と今年で一年分程度は前倒しには出来るかもしれませんね。維持費という意味では必要予算が増える事になるけど失う事で払わないといけない予算(戦傷手当や遺族年金等)は減るから影響は少ないだろうし」
「それで浮いたお金で何するんだっけか? 確か交通整備と荷物整理がなんたらとか言っていたな?」
「はい。でもそれは帝国の現状を見る限り数年かけてやっていけばいいものですから焦る必要はありません」
「俺としてはあぶく銭なら少しはもらって楽をしたいという気持ちもあるがな。まぁ、クーデター連中(軍拡硬派)が消えたおかげで予定の計画さえ狂わなければ文句を言ってくる層もいなくなった。きつきつなのは仕方ないが我慢するしかあるまい。……それで、だ」
キャゼルヌがテーブルを取り囲む一角を見つめる。
「この始業時間からガス欠みたいな状態になっている青年はいったいなんなんだ?」
「昨日、あの亡命者の方々との交流会といいますか晩餐会といいますか、それに招かれてしまいまして…………」
「あー」「あー」
今にも口から煙が出そうな状態で呟く部下を見て上司二人が遠い目になる。噂には聞いているがこの青年(+姉)はこの度大量にやってきた亡命貴族の方々にえらく目を付けられてしまったらしい。
彼ら亡命貴族の方々は(早くもであるが)大きく分けて二つの派閥が形成されている。この度の亡命をその理由を含め受け止めなくてはいけない現実であり、新たな環境で合法的に自分達の居場所を作らねばならないと理解している層と不当な弾圧が元で叛徒領に身を寄せなくてはいけなくなったのだが伝統ある貴族としての矜持を失ってはならないし叛徒共がそれを穢すなど論外であると考えている層である。ただ、貴族&軍人として亡命してきた最有力者(エリザベート・フォン・ブラウンシュヴァイクとフェルテン・フォン・アイゼンフート)が前者としての立場を明確にしている関係で勢力的にいえばほぼほぼ前者(空気を読んで嫌々を含む)とあぶれた後者となっている。そしてその前者達(の中の真面目な層)が本当の善意でこちらの世界を理解しようと亡命の先輩達や後援者を招いての交流会を積極的に行っており本当に善意で一生懸命溶け込もうとしているのが判るので断る事も出来ず招かれれば参加してその風貌もあってかなんともいえない人気者になってしまっているのである。
「そりゃあこっちで生きていくと覚悟を決めた方々にとってはお家の存続を考えればこの姉弟はまぁ、極上の獲物だよなぁ」
「あ”~~」
煙ではなく意味不明のうめきを発するあたり、正解らしい。どれだけ溶け込もうと努力しても根っこにある貴族の風習を考えればこれだけの美貌を誇る妙齢で独身の姉弟はそういう目で見られる。弟はそういう経験がなさそうだし姉は不明だがこの弟のブロックがある限り余程の者でない限り手を付けられない。しかしそういう相手を口説き落として身内にする、それはあの世界における最大の仕事の一つである。気合も入る事だろう。
「それでプリンセスにも懐かれて、象徴としてくっつけようとする取り巻きもいるとかいないとか」
「○▼※△☆▲※◎★●……………………!?」
なんだかもう泣きそうな顔になってしまい、流石に可哀想なのでいじりは止まる。
「一応彼女は、今回の亡命者たちの最大のキーマンなので何があっても機嫌を損ねてはいけないと厳命されていまして……」
ため息交じりに話すその言葉に苦労の跡が滲みだす。
エリザベート・フォン・ブラウンシュヴァイクは亡命者たちの名目上の盟主であり、プリンセスであり、最大の亡命税納税者でもあった。いつ見切りをつけたかは判らない、勝てば元に戻せるからいいとでも思ったのかもしれない。彼女の父、オットー・フォン・ブラウンシュヴァイクは制御できるすべての資金をいつの間にか彼女の秘匿口座に移していた(らしい)。側近であったシュトライト大佐(元准将・亡命後処理にて一階級ダウン)の話によると個人資産どころか領内行政機関のお金も少なからず移したらしいという。二五〇億と言われる帝国人口のコンマを使わずに済むパーセンテージで表す事の出来る自領人口を治める者の資産とその行政機関の資産である。累進課税限度額で徴収してもおぞましい額が残る。そして彼女はその残った資産の大半を"亡命者支援の為に"と寄付してしまった。これが予想以上に亡命税総額が膨れ上がった理由の一つである。その結果、彼女は確かに元の世界でプリンセスであったが別の意味で同盟政府や関係者からこちらの世界でもプリンセスのように恭しく扱われる存在になってしまったのである。へそを曲げられたら冗談抜きで佐官程度の首は飛ぶ。
「しかしだな。お陰で次の兼任職場のキーマンにも接触出来たんだろ?」
「……確かにその通りです」
スイッチを切り替えたのがいつもの口調に戻る。
「アルツール・フォン・シュトライト大佐、貴族の側近が軍人をしているのではなく軍人が貴族の側近をしていたという印象です。軍務をこなしている姿はまだ見てないので得意分野はわかりませんが出来る人である事は確かです。今は軍属希望者の取りまとめをしているらしく、実務面交渉のトップと言っていいでしょう。そしてフェルテン・フォン・アイゼンフート少将ですが」
その名前が出るや否やラインハルトの目がこれ以上になく真剣になり聞き手にも緊張が走る。のだがスイッチがまた変な方向に入る。
「姉上に馴れ馴れしすぎます!!!! なんですかあれは!! 二回会っただけでディナーに誘おうとしたんですよ!!! 許せません!!!」
ゴフッ!!
上司の片方が飲みかけていた紅茶を盛大にむせる。
「そっちかよ!!」
もう一人の上司は思わず素になって後輩に突っ込むような言葉になる。
「なのでじっくりきっちり人物鑑定をさせて頂きます。お任せください」
「ま、まぁ、一応目的は達成できるからそれでいいんじゃないかな。ある意味怪しまれないし」
ちょっと噴き出た飲み物を丁寧に拭きながらヤンが話を流す。彼がその目的を忘れる事は無いだろうという信頼と踏んだらめんどくさくなる地雷への警戒故である。
「さて、話を戻そうか」
ヤンが佇まいを正し、皆も習う。
「長期的な事だから頭の隅にでも入れてもらえばそれでいいんだけど……交通整備と荷物整理の話だね」
その考えを披露する。
現在、自由惑星同盟領内における航路の動脈といえるラインは二つ、バーラト星域からイゼルローン要塞までのライン、そして同じくバーラト星域からランテマリオ星域を経由してフェザーンまでのライン。基本的に軍が使用する主要航路もこの二つのラインと同じであり、その他のラインは使用頻度的に重要視されておらず効率云々というよりも開拓済み民間・商用路を使わせてもらっているという感じである。
「以前から計画していたイゼルローン支援の後方駐留施設群がやっと形になって来た。位置的にはバーラト~イゼルローンのルート上にあってイゼルローンの少し後方の旧交戦区域とその後方基地群が基盤になる分散配置だ。この後方駐留施設群からフェザーンを含めたランテマリオ方面への効率の良い航路を整備する。多分、このような形になると思う」
適当な用紙に書き込まれ、皆が覗き込む。
バーラト──後方駐留施設群──イゼルローン
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| マル・アデッタ───┐
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└────ランテマリオ──ポレヴィト──フェザーン
「名目としては"イゼルローン確保によって非戦地域になった星域と経済的に貧弱な遠方地の景気対策としての航路整備"として計上して軍の航路開拓部隊(※1)がこれを担当する、という形にしてもらう予定で物流の効率化、フェザーンへの貿易などの為にというのが表面的目的。けど本命は……」
「全軍が何処に対しても効率よく集結できるようにする為ですね」
「そういう事。まぁ民間・商用路になるから一般公開される関係で最終的には帝国にも知られる事になるけど"考えてるんだぞ"って牽制にはなる」
「技術維持の為に存在している航路開拓部隊の本業だしその地方の警備隊にも手伝わせれば予算的にも追加が必要ない低コスト。無理せず複数年かけていいよといえばまぁ順調に事は進むだろうな」
「はい。ですのでこれはこれで良しとして上層部には許可をもらって一寸追加作業をしてもらいます」
というとヤンは先程の用紙にさらにルートを書き込む。
バーラト──後方駐留施設群──イゼルローン
| |
| マルアデッタ────┬──────┐
| | | |
└────ランテマリオ──ポレヴィト──シュパーラ──フェザーン
「ん? わざわざフェザーンへのルートを二つ作ってどうする?」
キャゼルヌの疑問にヤンは答えず、弟子二人を見つめる。先生みたいな視線で"さぁ、解いてみなさい"と促された弟子二人がそれをじーっと見つめて考え始める。少し経つと弟子一号は"ふぅ~~~"っと溜息をついて用紙から目を逸らす。ギブアップという事だ。そして弟子二号は同じくらい考えると何か浮かんだのかぶつぶつと何かを呟き始め、最後に"これはひどい"とぼやくとヤンの方を見つめる。
「このルート、軍の最高機密扱いにして徹底的に伏せるという認識で宜しいでしょうか?」
「うん、秘めてもらう。どうやら分かったようだね。答え合わせをどうぞ」
ヤンが喜び、弟子二号ラインハルトに視線が集まる。
「万が一、フェザーン経由で帝国軍の大軍が押し寄せた場合、高確率でその軍はポレヴィトで一旦停止します。フェザーンからポレヴィトまでは無人地域でランテマリオ星域から有人地域なので距離的(※2)にも戦略的にも我が軍はランテマリオ~ポレヴィト間で迎撃する必要があり敵もまたそう判断するでしょう。ポレヴィトを押さえて一旦停止すれば表面上後方(フェザーン方面)に回り込まれる可能性は極めて低くなりそこで部隊を集結させ迎撃側の展開・確認を待って進む、そこがいわゆる"決戦場"です。けれどその過程でこの秘匿ルートを使えれば敵軍の後方、フェザーンへのルートを断てます。ここ(フェザーン~ポレヴィト)は二八〇〇光年もの距離がある無人エリアなんです。一個艦隊でも入り込んで通信妨害装置でもばら撒けば…………」
ラインハルトの説明に他の者が唖然とし、ヤンは極上の意地悪を思いついた子供のような笑みを浮かべる。
「それからどうするかはその時の状況にならないとわからないけど。大変だろうねぇ」
大変どころじゃない。帝国本土からしたら決戦の大軍が未開の地に二八〇〇光年突っ込んだ挙句に丸ごと音信不通になるのだ。狂気に近いパニックになる。現場にしたってこの裏に入り込んだ一個艦隊を探し出して潰さなければ安心して前進が出来ない。それどころか正面の迎撃軍を撃破しても(略奪でもしない限り)物資が尽きて宇宙の藻屑となる。それが嫌だから後方に回られない(と思ってる)ポレヴィトで止まって確認してたというのに!!
「その為に同時に荷物整理もする。各地の備蓄物資などの再点検を行って必要な時に必要な場所に素早く送り込めるように事前計画を立てておく。この場合、フェザーン占領という一大事が発生した時に号令をかければ軍が集結する頃にはランテマリオ星域の基地には必要な物資が十分に集まっているはずだ。それこそ通信妨害装置とかね」
ヤンのにこやかな言葉にまずキャゼルヌが頭を抱える。
「さっきの交通整備といい、この荷物整理といい、予算がかからない。ほぼほぼ通常業務の予算内で準備は出来る……。何よりも最悪の状況にならなくともやっている事自体には損が無い!!」
そして弟子二号も頭を抱える。
「でも万が一が発生してその事前準備が全部動けば意気揚々とやってきた帝国軍はそれこそあのダゴン星域会戦も真っ青の周囲完全封鎖を受ける事になる。それも予算をかけずにちょっと準備をして当日動き回りましたってだけで!!」
この人(ヤン・ウェンリー)にこの地位を用意したのはこの脳味噌をとことんこき使う為だと聞いた。それ以外何の役にも立たないから、というがこの人に年単位で自由発想で準備手配させるというのはこういう事なのかとラインハルトは恐怖すら覚える。表面上やってる事はただの交通整理と荷物整理だけだというのに!!! 裏でたった一本の秘匿移動ルートを作るってだけで!!!
「双方に内乱が起きたけどこちらの損耗は当面予想より少なかった、でも相手の損耗は思った以上に大きかった。お金のかからない準備は出来るだけやるとして順調に事が進んで大事にならずに済むのならそれが一番なんだけどねぇ」
悪魔を見るような視線を受けつつ、ヤンは軽い作業をしただけという風貌で優雅に紅茶をすする。そう、この男がこの椅子に座って行う仕事はこれ、"こんなこといいなできたらいいな"と、とにかく考え続ける事なのである。
「あぶく銭はそれでいいとして、ならこれは追加無しでこのままでいいという事かな?」
小休憩後、キャゼルヌが一同の目の前に広げるのは"七九八年第一補正予算[軍事費]"と銘打たれた資料。年が明けて大して時は経過してないが既に補正予算である。といってもこれは七九八年予算が確定したうえで追加される補正予算ではない、これもまた七九八年予算なのである。簡単に言うと内乱の影響で七九八年予算を七九七年中に可決させる事が不可能と判断した政府が全額ではない暫定予算を一旦可決し、この第一補正予算で完全な形にする事にした結果というものである。なので総額としてはこの第一補正予算までで通常の一年分の予算になる。
「要塞費をどうしようかという問題もありましたが流用元が出来てしまいましたし、他のものについては当初通りで影響なしでしたからね」
ヤンがのんびりと応える。問題となっていた要塞費、それはイゼルローン要塞の"維持費"であった。イゼルローンは軍民合わせて五〇〇万人の人口を誇る(※3)一大都市である。同盟側出口付近(旧帝国軍侵攻エリア)に一つの星でこれだけの人口を持つものは極めて少ない。それだけの規模の都市とそれを可能とする直径六〇kmの人工建造物、存在するだけでとんでもない予算と後方支援施設が必要になるのである。本体だけで事足りるというものではない。外壁を覆う流体金属、その海を泳ぐ浮遊砲台。これらの消耗品を用意する費用だって必要だ。しかも都市としての予算があるので軍事費と非軍事費の境目が難しくて予算の押し付け合いも発生する。トータルするとこの維持費(軍事費部分)、厳命されているコストダウンから考えると非常に大きな負担になる。七九七年分は初動調査を含め、ある程度お金がかかってしまう事は承認されていたが今年からは恒久的維持費として考る必要があり大きな悩みの種となっていた。のだがこれを内乱がかなり解決させてしまった。
「壊したもんなぁ、大小さまざまな要塞なり衛星を…………」
代表的なのがアルテミスの首飾り。この一二個の巨大軍事衛星は最小規模の軍事要塞と言える代物であり一二個を合計した攻撃力(砲やミサイル発射器の総数)は主砲を除いたイゼルローン要塞と大して変わらない規模。これが全部なくなった。的にする為に各地から引っ張り出した主要な軍事衛星も大半が壊れた。これらの所業により軍事衛星関係予算がほぼほぼ宙に浮いたのだがこれ幸いにと技術維持に必要な最低限を確保して残りは全てイゼルローン関係に回してしまったのだ。同時にイゼルローン要塞運営要員もこれらの軍事衛星要員を転用する事で雇用人数削減に貢献した。彼らがいなければ要塞要員は新規雇用や他専科からの転用を必要としてしまい、特に要塞火砲統制要員はアルテミスの首飾りの管制要員の転用が出来なかったら著しく能力を低下させていただろう。
そんなこんなでこのあぶく銭は軍事費には投入されず、各委員会から持ち寄った景気対策に費やされた。スピード勝負と判断された為、効果については若干の疑問符がつくような対策にも費やされたが各地にはおおむね好評をもって消費される事になる。自由惑星同盟はゆっくりとだが確実に再建の道を歩み始めていた。
「これが最終版となります」
人数分用意した資料の束を各自が手に取る。電子データを各自のハンディ端末で、とならずに紙の資料になっているのはヤンが部下たちにお願い(半強要)している数少ないわがままである。尚、キャゼルヌもどちらかというと紙の方が好みらしい(その場でメモを書き込めるので)。
「損失艦艇、推定で一三~十五万。そして一四〇〇~一六〇〇万の人命。結果として七九六、七九七年の損失は少なく見積もっても我々より帝国軍の方が多い、となる訳だな」
キャゼルヌが素早くめくりながら要点となる数値を呟く。恐ろしい事だがこの"めくり"が終わると重要な数値は全てその頭に格納される。
「…………敵、としなくてはいけないけどこれだけの人命が失われたと思うと苦しいものがありますね」
七九七年帝国の内乱、後にリップシュタット戦役と呼ばれる戦いにおけるバトルレポート。期間中にイゼルローンが受信した通信、フェザーン経由で得られた情報、亡命艦艇のデータ、そして亡命者達個々の記憶。それら莫大なデータを統合作戦本部を中心としたプロジェクトチームが丁寧に丁寧に整理してまとめ上げた数値である。編集に協力した実際にその戦いに身を投じた将官たちからも大筋間違えていないだろうとお墨付きを貰っている。このバトルレポートと現在もなお収集中の帝国の政治・人物などの生のデータ、これらが大量亡命によってもたらされた情報という贈り物である。
「しかし単純計算で倍の人口を持つ帝国は回復もまた倍はあるという事だ。我々は経済上の理由で以前より建造ペースを落としての再建となる。帝国にまだ余力があって一時的にペースを上げれるのであれば……」
「今後の為に帝国軍の再建ペースは把握したいですね。亡命貴族の中には軍事産業に利権を持ってた人もいるはずです。どういう情報が欲しいか、纏める所から始めましょう。君のチームに"聞きたい事"を纏めてもらいたいけど出来るかな?」
ヤンがラインハルトを見つめる。最近、兼務予定先(独立分艦隊)の準備がありチームに全ての時間を割けなくなっている。なので良い意味で"部下にぶん投げる"事を覚えてきている。
「やらせていただきます」
そう言って彼は(一生懸命相手のレベルを考えて彼基準では深く噛み砕いて説明して)チームに作業を振り分ける。ついでに独立分艦隊関係の仕事中に知ってそうな人がいるかとカマをかけてみたのだが…………思いもよらない"物知りさん"が現れる事になる。
「わざわざお越し頂いてありがとうございます」
「いえ、お気になさらず。むしろ機を見てこちらから挨拶に伺わねばならないと思っていた所です」
そのお客さん、フェルテン・フォン・アイゼンフート少将がアルツール・フォン・シュトライト大佐を伴って対策室に訪れたのがそれから数日後。
「しかし、貴方がその手の情報をお持ちとは。伯爵家として関わっておられたのですか?」
「いえ、強いて言えば……趣味です」
「趣味……、ですか」
その回答に流石のヤンも応答に戸惑う。そしてアイゼンフートが己の身の上を大まかながら説明する(※4)。
「軍事に関わらずその手のマニアというもは、まぁ、そういう数値が"大好物"なのでね」
事情を知るシュトライト以外が"あ~~"といった反応を示す。(元)伯爵家当主が何をしているんだ? という事は置いておいて趣味として興味を持ってしまった対象に関してその手のスペックなり数値なりは確かに"大好物"である。
「という事で大佐、あれを」
話を振られたシュトライトが一枚のディスクと人数分の紙を取り出す。
「ひとまず記憶している限りの情報とデータを。また、別途シュトライト大佐がブラウンシュヴァイク家の付き合いなどから判る範囲で情報を知っていそうな家を有力亡命者一覧からリストアップしています。完成次第届けさせましょう」
「本当に、ありがとうございます」
ヤンが恭しくそれを受取り、受け取った紙を各自が眺める。
「それに書きましたが正規軍向け主要艦艇は国営大工廠による定量計画生産。この国と違い、帝国は国家予算にしろ何にしろ一般臣民への情報公開は無しに等しいのでそれなりの地位にいないと知る事は無いでしょう。私はまぁ、元門閥貴族の権力というもので。バレずに調べるのは苦労しましたが」
流石は"マニア"の収集物、国営工廠の規模や主要要塞の基本スペックなど情報部が涎を流しそうな数値が目白押しである。情報公開が広く行われている同盟ですら軍がどれくらいの艦艇を毎年建造しているか、アルテミスの首飾りのスベックがどうであるかなど知っている国民は少ない。ましてや非公開専制国家ならば、だ。
「それにしてもこうなるのなら私用端末そのものも持ってくるべきだった。手あたり次第ローカルにストックしてたんだがなぁ……」
アイゼンフートが肩を落とす。よもやここまで自分の"マニア知識"が必要になるとは思わなかったのだろう。しかしそもそも亡命など考えていなかったのだから仕方がない。
「これだけでも十分です。よね?」
ヤンが傍らの先輩に目を向け、頷くのを確認する。
「前に聞かれた事はあの戦いでの戦力とその損耗がメイン、現有戦力の把握が目的でしょう。そして今、帝国の回復力を知ろうとしている。把握してこちらへの攻勢再開時期の推測を立てると共にこちらの戦力回復が間に合うかを考える、と言った所でしょうか?」
「その通りです。それで一つご存じなら確認したいのですが……帝国にはこの"回復"をペースアップする余力はあると思いますか?」
ヤンの問いにアイゼンフートが考え込む。
「……士官・将官以外は十分にある。予算は恐らく我々盟約諸侯の資産を没収すれば十分。艦艇建造資材は金があれば集められる。一般兵は徴兵すればいい。しかし人材は、失われた士官・将官は短期では育たない。大半は我々側でしたが元々我々諸侯の私兵は領内治安維持部隊でもあるから正規軍一辺倒で補充する訳にもいかない。士官・将官の回復規模に合わせて艦艇建造数を調整するか質の低下を覚悟して階級を上げてしまうか、ですな」
「ありがとうございます」
「しかし損失規模で言えば帝国の歴史上最大である事は確かですし、こちらとしても同様の状況。そんな中で勝算なくイゼルローンに殴りかかるなんて考えられないですから当分の間は静かになるのではないのですかな?」
「そうなれば良いのですが万が一を考えないといけないのが私の仕事なので」
「まぁ、そうですな。しばらく静かなのは残念な事ですが…………」
その言葉をヤンがじーっと見つめる。
「やはり貴方は帝国に対して直接やり返したい、というお気持ちで? 元々伯爵家当主でしたら無理に軍人である事を続ける必要もないと思いますが?」
予想外の突っ込んだ問いに周囲が静かになる。
「やり返したいという気持ちは、あるに決まっている。しかし今は巻き込んでしまった者達がこの国に馴染む事の方が重要。ある程度静かになった後にそれでも帝国と戦うという者達がいるのならその者達の為に戦いたいですな。私もまだ四〇には届いてないので許しさえ頂ければ二〇年程度は軍籍を持つ事が出来る。それが終わるまでには一度や二度くらい、帝国に"ぎゃふん"と言わせてみたいものです」
「そうですか」
「それに…………エリザベート嬢を、盟主殿、ブラウンシュヴァイク公より託されてしまった。今、この亡命者達に騒動が起きるとしたら本人の意思に関係なく嫌でもその中心に置かれてしまうでしょう。それだけは許してはならない。軍人であれば軍とそれ以外に目を向けられるが軍を退いたら軍に首を突っ込めない。我々の仲間が軍に残って悪さをしてしまわないか見続けなければならない」
この言葉を聞いてヤンとラインハルトが難しい顔つきになってしまう。この人が目的としているそれは政府や軍がラインハルトを送り込んでやりたい事と被っている。その表情を意に介さず言葉は続く、
「その為でもありますが身寄りのいなくなったエリザベート嬢の正式な保護者になれるよう申請しています。形としては養女になるでしょう。お互いの立場的に難しいかと思ったが一箇所に纏めてしまった方が監視が楽なのかあっさりと通る見通しです。私にそれなりの"目"が付く事は百も承知、痛くない腹を探られるのも気分が良くないので申し上げておくが」
そう言ってラインハルトの方をちらっと覗き込む。
「エリザベート嬢。いや、娘の平穏を得る為であれば如何なる扱いにも応えましょう。と上層部なり政府なりに伝えて頂ければ有難い。ただ、辺境に埋もれさせるのだけはごめん被りたい」
「少し頭の回る貴族様というレベルではないな。政府や軍としては無下には出来んし、かと言って要職に付ける訳にもいかない。下手に野に下って自由に動き回られても困る。ひどい話だが今くらいの地位(少将)で縛ってどこまで誤魔化し続けられるか、だな」
キャゼルヌのその言葉が大体の評価となる。そして、
「これからどうやってあっち(独立分艦隊)の仕事をすればいいのか…………」
"お前の役目なんぞ百も承知だ"と言われたラインハルトが凹む。
「私が踏み込んじゃったのが原因だから上には私が謝罪参りしてくるよ。だからむしろ開き直って本音トークで行けばいいと思うよ。多分、それで応えてくれそうな人だ」
ヤンがフォローするが"んな事言ってもなー"という顔を返される。
「それにしても」
ヤンの呟きに視線が集まる。
「数十万人という人達やそこから頂いた亡命税などよりも、あの人一人がこっちに来た、という事が一番大きな貴族からの贈り物なんじゃないかなぁ」
"あれがぁ? "という視線が集まるが本人は意に介さず妙に納得したかのように二度三度頷くのであった。
FGOばっかりで申し訳ないのですがアイゼンフートのイメージはFGOのドゥリーヨダナです。
台詞の口調を考えて常々思うのだがどう見てもキャゼルヌがヤンの上司だよな。
亡命者が沢山いればそりゃあ内乱当時の情報もたくさん集まるよな→でも現場があまり気にしてない情報は集まりにくいよな→マニアがいたわ でこっちに来ても目立ち始めたおじさん。そしてブラウンシュヴァイク公側近って考えてみたら政界なり貴族界なりの生の情報倉庫だよな、シュトライトさん。
備考
原作での門閥貴族没収額10兆帝国マルク
帝国マルクと同盟ディナールの比率は2:1くらい。
アムリッツァの経費として話が出た2000億ディナールが国家予算5.4% 軍事費1割以上
そこから計算される国家予算3兆7037億ディナール、軍事費2兆ディナール以上。軍事費率54%
但し、恐らく連邦国家である自由惑星同盟における政府予算は各自治州(星や星系単位?)に大きく権限が委譲されている"小さな政府"だと思われ、それ故にその中央政府が一括管理する軍の予算は比率的に肥大化してしまうのを勘定に入れるべきである。
日本の2023年度国家予算一般会計総額114兆3812億円、防衛費6兆7880億円、防衛費率6%
※1:航路開拓部隊
未開の地の探索に特化した部隊。国家黎明期や拡大期においては大忙しであったが有人領域が確定してからは航路整備が主となりそれも落ち着いてしまったら特化した技術の維持がメインとなってしまい、日頃は訓練か使用率が低い航路の安全確認くらいしかやる事が無くなっていた。なので作業に引っ張り出しても問題はない。むしろ本業が出来て喜ぶ。
※2:距離
バーラトからランテマリオが二二〇〇光年、フェザーンからポレヴィトまでが二八〇〇光年。万が一フェザーンが占領されたとしても即同盟領突入とはいかず(軍・補給物資の集結やフェザーン統治の準備が必要なので)、素早く対応すればランテマリオ~ポレヴィト間への展開は間に合う。しかし原作のバーラト出発(2/4)→二二〇〇光年→ランテマリオ会戦開始(2/8)の日数については考えてはいけない。まぁ、距離(行軍速度)に関しては原作はかなり適当にさばいているので何を言ってもしゃーない感たっぷりですがw
※3:イゼルローンの五〇〇万人
七九八年年初時点にて軍人家族など民間の引っ越しが絶賛活動中。
占領後に調査を含めた最低限の人員を派遣、侵攻作戦後の艦隊駐留開始と同時に軍・要塞機能に必要な主要人員の引っ越し→民間の引っ越し、と大きく二つに分けて実施予定であったが民間の引っ越しが開始される前に内乱となってしまったので落ち着て民間の引っ越しが開始されたのは七九八年に入ってからである。
いや、民間の数考えるとそれくらいの時間かけないと引っ越しできないでしょ、と。原作どうだったんだろ?なによりも帝国軍使用時代、民間人はいたのだろうか?と。いなかったらその分のスペースをどうしていたのだろうか?と。
※4:アイゼンフートの身の上説明
同盟としても亡命者への聴取は基本内容以外に関しては人数が人数なので細かく行っていない。なのでこれら"趣味"などの関しても特に聞かれていないので答えていなかった。"軍事マニア"だったというのがちょっと恥ずかしく思っていた事もある。だけど戦略的に必要となったからには話さないとなぁ、という気持ち。