少女の視界の先に、ソレはいた。
地球を壊滅させる力を持ち、その名とは相反する最悪の存在。その姿を、少女は悔しさと悲しさが混じった目で見ていた。
少女
「また……ダメだった……今回も……」
呟くと同時に、少女は左腕に装着された盾を展開し、その姿を文字通り消した。
少女の名は―――暁美ほむら。途方もない時間を幾度となく逆行し、未来を変える為に奮闘している。今回の結末は、彼女が望んだものとはなり得なかった。そこで過去に戻ったのだが……彼女は気づいてなかった。
丁度この時、世界の破壊者やそれに続く新たな者達の登場によって次元の壁が一時的に脆くなっていたことを。彼女が持つ時間逆行の力が、自身がいる世界の壁にヒビを入れつつあることを。そして、それがもう壊れる寸前だということを。
ほむら
「なっ……何これ!?」
能力を発動し、過去に戻っている途中のほむらは驚愕の声を上げる。時間を逆行する際に通る空間に、どこかの景色がいくつも、まるで動画の様に映し出されていた。そのどれもが、これまでに見たことのないものばかりであり、かすかに声等が聞こえてくる。
ピシッ……ピシッ……
訂正する。その声達は、空間に入るヒビが広がる度に大きくなっていき彼女の耳にもはっきりと聞こえた。
???
「この勝負……僕らの勝ちだ!」
???
「……俺、リアスのことが……リアスのことを一生守っていきたいです……俺、惚れてます! リアスのことが大好きです!」
???
「イッセー、私、あなたのことを愛している……。誰よりもずっと、あなたのことを───」
???
「俺達の戦いはこれからだ―――なんてな! んじゃあ行くぜぇ! めだかちゃん!!」
???
「ああ善吉! 共に行こう。もう二度と―――さよならは言わない!!」
???
「石!」
???
「破!」
???
「ラァァァァァァブラブゥゥゥッ! 天驚けぇぇぇぇぇぇん!!」
???
「ガンダムエクシア、刹那・F・セイエイ。未来を切り開く!!」
???
「この……人間風情が!!」
???
「『さあ、お前の罪を数えろ!』」
???
「アンクゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ!!」
???
「それにしても……今日は天気が悪いね。吾郎ちゃんの顔が……見えないよ……」
???
「何故だ……何故だ……何故だ……!!」
ほむら
「誰なの、この人達……何が起きるって言うの……!?」
流れ込んでくる情報量に対処しきれず混乱する。その後もヒビは広がり、そして―――
パリィィィン!!
―――ついに、崩壊した。
ほむら
「きゃあああああああああああああああああああ!?」
ほむら
「っ………ここは……」
次に目を覚ました時、彼女はベッドの上だった。しかし、いつもとは様子が違った。
ほむら
「これ、私の家のベッドじゃない!? 何でここで目覚めるの!?」
驚いた彼女は急いで部屋を飛び出して階段を降りていく。
ガチャッ
ほむらの母
「あら、おはようほむら。今日は早いのね」
ほむら
「お、お母さん……!」
何ループぶりに、彼女は母と再会した。が、大事なのはそれだけではない。
ほむらの母
「ほら、早くご飯食べて着替えないと遅刻しちゃうわよ」
ほむら
「お母さん、あの……私の体、病弱じゃ―――」
ほむらの母
「病弱? そんなの、とっくに治したでしょ? あ、ひょっとして夢に出たとか? 私もたまにあるのよねぇ」
ほむら
「え…………」
信じられない言葉にほむらはぽかん、と固まってしまった。自分の体がとっくに治っている? どういうことなのだろうか。
ほむらの母
「って、ボーっとしてないで早く支度済ませて! ホントに遅刻しちゃうわよ?」
ほむら
「…はっ! い、いけない!」
指摘され、大慌てで朝食を取り学校に行く準備をする。
ほむら
「じゃあ……行ってきます(どういうことかはわからないけど、少なくとも何らかのイレギュラーがあるのは違いないわね。早めに調べておかないと)」
頭の中でそう考えながら、彼女は足早に玄関へと向かった。……この時、彼女がリビングのテレビでやってたニュースを見てたら、間違いなく驚いていたであろう。
ニュースキャスター
『では、次のニュースです。昨晩、中国北京に出現したデビルガンダムは、スミルノフ大尉率いるGN-XⅣ部隊とドラゴンガンダムによって撃退されました。尚、戦闘による被害は―――』
今回???となってる人達は参戦する世界の人達ですが、クライマックス時の台詞を使っている都合上、一部名前バレしてしまってますね(使ってなくても、最後の台詞でバレてしまいますが)。