魔法少女まどか☆マギカ 交わる世界   作:レイブラスト

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前半は戦闘で後半は話し合いになっていますが、その後半部で様々な謎が明らかになります。


第12話 Sの絶望/明かされる真実

王蛇

「……何だアレは? 何であのガキが消えて魔女が出たんだ?」

 

ゾルダ

(いや、さっきのは明らかにソウルジェムがグリーフシードに変質していた。ということは……)

 

刹那

「……どういうことだ?」

 

その時、刹那の乗ったダブルオーライザーが現れた。デビルガンダム捜索の傍ら、さやかを探していたのだ。

 

刹那

「巴マミから美樹さやかの居場所をGPSで教えてもらったが、何故魔女がいる?」

 

ティエリア

『……刹那……信じられないかもしれんが、あの魔女から、美樹さやかの生体反応が出ている』

 

刹那

「何? ではまさか、あの魔女は美樹さやかが変質したもの!?」

 

ほむら

「これは……」

 

更にそこへほむらが現れ、ダブルオーライザーに攻撃を仕掛け始めたオクタヴィアを呆然と見ていた。

 

ほむら

「一体どうして……」

 

杏子

「そりゃこっちが聞きたい台詞だ! 何でさやかが魔女になってんだ!?」

 

ほむら

「それは、ソウルジェムが濁りきり、美樹さやかが深く絶望した為よ」

 

杏子

「っ!? 何だって……ていうかお前、そのこと知ってたのか!? 何で早く言わなかった! もっと早く言ってれば、さやかは―――」

 

ほむら

「こんなことになるなんて思ってなかったのよ! 貴女も知ってるでしょう!? 今回のさやかは、絶望する状況じゃなかった!」

 

掴みかかる杏子に、ほむらは混乱した様子で叫ぶ。

 

マミ

「確かに美樹さんは、失恋を悲しみながらも受け入れていた……」

 

杏子

「ならどうして……」

 

WFJ

「僕の見立てでは、彼女の中に入っているガイアメモリが見せた悪夢が、彼女を強制的に絶望に追い込んだと思う」

 

顎に手を当て、極めて冷静に自分の考えを述べる。

 

まどか

「そんなことが可能なんですか?」

 

WFJ

「ああ。以前、同じメモリを使って他人を永遠の眠りに誘った者がいたからね。本人にとってトラウマレベル……多分、友人や家族に拒絶される夢を見させられたのだろう。しかしながら、つくづく凶悪なメモリだと認識させられるよ」

 

WFJ

『ナイトメアメモリ……もう一度出会うとは思ってなかったぜ』

 

ゾルダ

「メモリがどんなものかはわかったが、どうすりゃいいんだ?」

 

WFJ

「簡単なことさ。今の彼女はメモリの力で無理矢理魔女化している状態だ。メモリブレイクでガイアメモリを破壊すれば、元の姿に戻るだろう。ただし、それには誰かが説得して美樹さやかの意識を表面化させないといけない。今の彼女は、メモリによって偽りの意識を上書きされているからだ」

 

マミ

「説得って、普通に呼びかければいいのかしら?」

 

王蛇

「アイツに耳があるのか? あったとしても聞くとは限らんが」

 

刹那

「心配は無用だ」

 

オクタヴィアの剣をGNソードⅢで防ぎながら、刹那が言う。

 

刹那

「ダブルオーのトランザムバーストで意識を繋げる。そうしたら、思いの限りをぶつけろ。全力で求めれば、きっと応えてくれる筈だ」

 

ティエリア

『だがトランザムバーストを使用する際は一時的に無防備になる。すまないが、足止めをしてもらえないだろうか?』

 

ゾルダ

「上等だ。その可能性に掛けてみようじゃないか!」

 

王蛇

「面倒だが、やるしかないみたいだな」

 

WFJ

『やるぜ、フィリップ。さやかを絶対に助ける!』

 

WFJ

「もちろんだよ、翔太郞」

 

ダフルオーライザーが一度後退し、オクタヴィアは今度はライダー達に攻撃するが、散開して躱す。

 

『SHOOT VENT』

 

『ADVENT』

 

『SHOULDER FANG!!』

 

体制を立て直し、ゾルダはギガランチャーを構え、王蛇は召喚したエビルダイバーに飛び乗り、Wは右肩にショルダーセイバーを出現させる。

 

ゾルダ

「ふんっ!」

 

王蛇

「うがぁっ!」

 

WFJ

『「せやっ!」』

 

ギガランチャーの弾丸と接近しながら振りかざすベノサーベルにショルダーセイバーのブーメランが次々に放たれ、オクタヴィアを翻弄する。

 

ティエリア

『今だ、刹那!』

 

刹那

「ああ!」

 

好機と見た刹那がダブルオーライザーの粒子を全開にさせる。エネルギーの問題は、お構いなしだ。

 

刹那

「美樹さやか! お前は心まで魔女になってしまったのか!?」

 

機体が真っ赤に輝き出す。

 

刹那

「ガイアメモリの破壊衝動に身を任せたままでいいのか!?」

 

GN粒子が、美しい渦を描いていく。

 

刹那

「応えろぉぉぉぉぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」

 

周囲の意識が共有され、さやかの意識も流れ込んでくる。

 

さやか?

『破壊する……全てを破壊する!!』

 

刹那

「っ!? さやか!」

 

さやか

「刹那さ……た…け……」

 

さやか?

『破壊する! 破壊する! 破壊する!』

 

本来の意識が助けを求めようとするが、偽りの意識が大きく出ている為すぐに引っ込んでしまう。

 

まどか

「さやかちゃん! しっかり!」

 

杏子

「意識を保て! 自分を見失うな!」

 

マミ

「そんな偽物に負けないで!」

 

さやか

「まど…か……杏子……マミさ………」

 

さやか?

『破壊! 破壊! 破壊だぁぁぁぁぁぁぁああああああああああああああああああ!!』

 

刹那

「っ!? うわあああああああああああああああああああああ!!」

 

ティエリア

『刹那!? くっ、強制停止!!』

 

あまりにも強い破壊衝動のせいで刹那の脳がパンクしそうになるが、ティエリアの手でトランザムバーストが強制的に停止させられ難を逃れた。

 

王蛇

「チッ、失敗か……!」

 

WFJ

「ここは一旦撤退して、作戦を立て直した方がいい。ゾルダ、ファイナルベントで場をかく乱してくれ」

 

ゾルダ

「了解っと!」

 

『FINAL VENT』

 

マグナギガが出現し、背中にマグナバイザーをセットする。

 

ゾルダ

「はっ!」

 

カチッ!

 

山のような弾幕が放たれ、爆風でオクタヴィアの視界を奪う。煙幕が消えた時には、全員が撤退した後だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後、フィリップ達は作戦を立てる為全員に収集をかけ、兵藤家に集まった。

 

フィリップ

「……以上が、僕達に起きた状況だ」

 

詳細かつ簡潔に述べると、あの場にいなかった者達から驚きと悲しみの声が出た。

 

一誠

「魔女になった……? さやかが?」

 

リアス

「何か裏があるとは思ってたけど、こんなことになるなんて……」

 

明久

「そんな……」

 

映司

「どうすればいいんだ……」

 

グラハム

「……否、助かる希望はまだある筈だ。諦めてはならない」

 

皆を奮い立たせようとグラハムが言うが、消沈気味の空気は拭えない。

 

杏子

「なあ」

 

その時、杏子がほむらに対して口を開いた。

 

杏子

「お前、魔法少女と魔女の関連性を知ってたんだろ? 元に戻す方法はもうわかってるけど、他に知ってることはあるのか?」

 

ほむら

「それは……」

 

今この場面で言うべきか言わざるべきか判断しかねていると、「やれやれ」と言った感じで雄二が言った。

 

雄二

「そろそろ、隠し事はなしにしようぜ。暁美ほむら」

 

ほむら

「!?」

 

浅倉

「隠し事? んだそりゃ?」

 

翔太郞

「やっぱ、何か知ってんのか?」

 

雄二

「最初に違和感持ったのは、お菓子の魔女戦だ。あの時お前は、出現して間もなかった魔女を脅威に捉えていた。おかしくねぇか? 何で戦ったこともない魔女のことを知ってるんだ?」

 

フィリップ

「彼に加えるが、先ほど君は「今回のさやか」と言っていた」

 

明久

「今回って何なんだろ? 前回とか前々回とかがあるのかな?」

 

フィリップ

「そのことは本人の口から聞くとしよう。言ってくれるね?」

 

ほむら

「…………」

 

言葉に詰まるほむらだったが、やがて意を決したように目を閉じると、再び開いた。

 

ほむら

「わかったわ。こうなった以上、全て話すわ。私が魔法少女になってから、ここに至るまでの全てを」

 

前置きしてから、彼女は訥々と話し始めた。

自分の特殊能力として時を止める力と一ヶ月だけ時を遡る力を持っており、それらを駆使して最初の時間枠で出会った大切な友達、鹿目まどかを救う為に彼女が魔法少女になるのを防ごうと何度も何度も「やり直している」こと。キュゥべぇの正体はインキュベーダーと呼ばれるもので、魔法少女が魔女に変化する際の莫大なエネルギーを使い、宇宙の終焉を防ごうとしていること。そして、間もなく最強の魔女であるワルプルギスの夜が見滝原市に訪れることを。

これらの話を聞いた全員は、皆一様に唖然としていた。

 

ドモン

「俺達と出会う前から、君は途方もない時間を繰り返してきたのか……」

 

グラハム

「何という執念……いや、これも彼女の鹿目まどかに対する愛と言っていいだろう」

 

マミ

「暁美さん……うぅ……!」

 

杏子

「そんな辛いこと、1人で抱え込んでたのか……」

 

まどか

「ほむらちゃんは……私の知らないところでずっと、私を助けようとしてくれてたんだね……ありがとう……」

 

ほむら

「まどか……!」

 

誰かに自分の抱えていた思いを知ってもらえた。それが今回のループで、初めて経験したほむらにとっての救いだった。

 

雄二

「こんなことが隠されてるとは思ってなかったぜ……」

 

フィリップ

「だがいくつか疑問が残る。これまでのループでミラーモンスターはいなかった筈だ。なのに何故、奴らは魔女と共に現れることがあるんだ?」

 

ほむら

「さすがの私でも、それはわからないわ」

 

キュゥべぇ

「ここからは僕が話をしよう」

 

そこへ、唐突にキュゥべぇが現れた。

 

キュゥべぇ

「おや、どうしたんだい? そんなに殺気立てて」

 

パトリック

「とぼけやがって。テメェの悪行は、全部聞いて知ってんだぞ!」

 

刹那

「貴様がやっていることは、命を愚弄する行為だ。たとえ宇宙を救う為といえ、許す訳にはいかない!」

 

翔太郞

「今回ばかりはハードボイルドで押し通せないな……感情的になっちまう……!」

 

杏子

「人の体を弄くりやがって! 知ってたら魔法少女になるんじゃなかったぜ!!」

 

北岡

「落ち着けって。俺だってコイツを殴り飛ばしてやりたいけど、話を聞いてからにしようよ」

 

拳を強く握りしめながら、あくまで冷静に言う。彼もキュゥべぇのしてきたことに我慢ならないのだ。

 

キュゥべぇ

「それじゃあ、話していこう。まずミラーモンスターと魔女だけど、これら2つは色々な面で似ている。人間を襲って食らうこと。特定の空間に隠れていること。そして、彼女達を倒す手段が1つはあることだ」

 

一誠

「改めて言われると、似ているところが多いな……」

 

明久

「むしろ元は同一の存在だったとか?」

 

キュゥべぇ

「ご名答だよ。魔女は魔法少女の魂が絶望に染まることで変化するけど、たまに上手くいかず変化しないときがある。そういった魂達は1つに集まり、やがて大きな鏡になった。そこから生まれたのがミラーモンスターさ」

 

アーシア

「え、ええっ!?」

 

ドモン

「何だと!?」

 

浅倉

「じゃあアイツ等も、元は魔法少女だったってことか……!?」

 

北岡

「なんてこった……」

 

フィリップ

「だとしたら、辻褄が合う。何故ミラーモンスターが魔女と同じ空間に現れ、共闘するのか……それは元が同じであるが故に、惹かれ合っていたんだ」

 

ミラーモンスターと魔女の関連性に驚く面々。キュゥべぇは更に続ける。

 

キュゥべぇ

「このことを、神崎士郎と言う男が知ってね。彼は契約して力を得る魔法少女システムを独自に解析して、新たなライダーシステムを作り上げたんだ。そう、ミラーライダーをね」

 

マミ

「……それって、ミラーライダーと魔法少女が……同じ原理だと言うこと!?」

 

映司

「ずっと似てると思ってたけど、こんなに深く繋がってるなんて……」

 

北岡

(……このことは、他のみんなには黙っておいた方がいいな)

 

浅倉

(ああ。特に龍騎にはな。こんな業を背負うのは、アイツには辛すぎる)

 

浅倉と北岡が小声で話していた時、キュゥべぇはまどかに近づいた。

 

キュゥべぇ

「さてまどか。こんな状況で悪いけど、僕と契約してくれるかい?」

 

ほむら

「っ!! アンタ……!!」

 

反射的にハンドガンを構えるほむら。しかしキュゥべぇは意に介さない。

 

キュゥべぇ

「僕と契約すれば、美樹さやかを元に戻すことができるよ。悪い話じゃ―――」

 

まどか

「悪いけど、契約はしない。さやかちゃんにガイアメモリ差し込んだの、キュゥべぇなんでしょ?」

 

杏子

「何っ!?」

 

キュゥべぇ

「なんだ、知ってたのか」

 

まどか

「私だってこれくらいの予測はできるよ。……自分の目的の為に私の友達を利用して、その上で私に契約を迫って……どうしてそこまで私と契約したいの!?」

 

ほむら

「私もそこが気になっていた。何故貴方はまどかに最強の魔法少女としての資質があるってわかるの?」

 

ほむらの疑問に、キュゥべぇは無表情のまま答えた。

 

キュゥべぇ

「……魔法少女の潜在力はね、背負い込んだ因果の量で決まるんだ。一国の女王や救世主なら兎も角、ごく平和な人生だけを与えられてきたまどかに何故莫大な因果の糸が集中しているのか、ずっと不可解だった。でもようやくわかった。君が原因だったんだよ、暁美ほむら」

 

ほむら

「私が?」

 

キュゥべぇ

「君は同じ目的と理由で何度も時間軸を遡る内に、彼女の存在を中心軸に幾つもの平行世界を螺旋状に束ねてしまったんだろう。その結果、絡まる筈の無い平行世界の因果線が全て今のまどかの時間軸のまどかに繋がってしまった。とすれば、彼女の途方も無い魔力係数や、ガンダムや仮面ライダーが彼女の周囲に集まるのにも納得が行く」

 

ほむら

「それって……まさか……!」

 

何かに思い当たり、ほむらは全身をわなわなと震わせる。

 

キュゥべぇ

「お手柄だよ、ほむら! 君がまどかを最強の魔女にしたんだ!」

 

ほむら

「!!」

 

パァンッ!

 

苛立ちが限界を超え、ハンドガンを即座に放ちキュゥべぇを殺した。が、その死体は即座に現れた別のキュゥべぇが食べた。

 

キュゥべぇ

「無駄だって、君にはわかって「おい」」

 

一誠

「いい加減失せろ……テメェの姿なんか、二度と見たくねぇ」

 

翔太郞

「今度その口を開いてみろ。マキシマムドライブを全力で放ってやる」

 

映司

「お前は人の命を何だと思ってるんだ……!」

 

ドモン

「貴様は自分が悪だと気づいてない、最もドス黒い悪だ。さっさと俺達の前から消えろ」

 

凄まじい怒りのプレッシャーを受けたキュゥべぇは、無言で立ち去って行った。

 

パトリック

「やっといなくなったか……」

 

ティエリア

『リボンズ・アルマークを遥かに上回る悪意の持ち主だったな』

 

マミ

「それで……これからどうします?」

 

フィリップ

「まずは美樹さやかを救う。それが先決だ」

 

浅倉

「だが頼みのトランザムバーストはダメだったんだろ?」

 

ティエリア

『そのことはもう問題ではない』

 

刹那

「! クアンタが完成したのか?」

 

一筋の希望を見つけ、刹那が問う。

 

ティエリア

『武装面は一部未完成だが、それ以外のシステムはほぼ完璧だ。無論、こちらからもサポートをする』

 

杏子

「なんかよくわからねぇこと言ってるけど、さやかを助けられるんだな?」

 

ティエリア

『ああ。期待していてくれ』

 

その言葉に一同は安堵し、明日に備えて早めに寝ることにした。




魔法少女とミラーライダー。魔女とミラーモンスター。これを絡ませずに何を絡ませろという話です。
ちなみに、偽さやかの台詞はガオガイガーFINALにおけるケミカルボルトを打ち込まれた凱と戦極ハカイダーをイメージしています。
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