翌日。日本の上空を、二機のモビルスーツが飛行していた。一機は全体を青で塗装され、疑似太陽炉を2基搭載したダブルドライヴ式の、ブレイヴ指揮官用試験機(クルーズポジション)。もう一機は銀色で塗装された指揮官用GN-XⅣだ。
パトリック
「はぁ……何で俺達だけで日本のデビルガンダムを相手にしなきゃならないんだろ……」
GN-XⅣのパイロット、パトリック・マネキン(旧姓コーラサワー)が愚痴を零した。
グラハム
「准尉、何か問題でも?」
ブレイヴのパイロットのグラハム・エーカーが尋ねる。
パトリック
「だって、俺達2人だけって明らかに人数不足でしょうが! 一体上の人達は何を考えてるのやら」
グラハム
「そのことについてだが、先ほど連絡があった。何でも、ソレスタルビーイングからあの少年と、シャッフル同盟からキング・オブ・ハートが向かっているらしい」
パトリック
「……俺達だけで向かわされた理由が今わかりましたよ。この面子なら部下がいなくても大丈夫ってことですもんね。むしろいたら足手まといになるか」
全てを悟ったらしく、パトリックは不満を出さなくなった。
パトリック
「あ、もしかして隣で飛んでるのが、ソレスタルビーイングの?」
グラハム
「どれ……間違いない。あれこそ少年が乗ったガンダム―――ダブルオーライザーだ」
ブレイヴとGN-XⅣの隣に、ダブルオーライザー(粒子貯蔵タンク型)が現れ併行する。
パトリック
「あれ? そういやあの機体、GNコンデンサなんスね……燃料とか足りるんですか?」
グラハム
「心配は無用だ。目的地である見滝原市の臨時駐在基地にいくつか予備の粒子がある。それでまかなうことができる筈だ」
パトリック
「へぇ~」
会話をしつつ、三機は順調に見滝原市に接近していた。
ドモン
「ふむ……ここが見滝原市か」
その頃、見滝原市の入り口付近ではドモン・カッシュが一足先に到着していた。
ドモン
「まずは臨時駐在基地に向かうのが良さそうだ。……ところで、アイツは元気でいるだろうか」
ある人物を思い浮かべ、ドモンは空を見上げた。
同時刻 別地点において
一誠
「これでも食らえ!!」
明久
「コイツで……どうだ!!」
ゾルダ
「はっ!」
マミ
「はっ! せやっ!!」
現在、マミ達は暗闇の魔女、ズライカとその使い魔と戦闘している。今回はまどかとさやかがいないので、一誠と明久は思う存分に暴れ回っている。と言っても、ズライカは夜に真価を発揮する魔女であり、今は真っ昼間なので弱体化しているが。
雄二
「そろそろ終わりそうか?」
明久
「多分。油断するつもりはないけど、今回の魔女は弱いね」
マミ
「それじゃあ、一気に……!?」
「決めましょう」と続けようとした時、周囲に異変が起きた。突然、大きな震動が発生したのだ。
一誠
「地震か!」
明久
「え、結界の中で地震ってあるの!?」
一誠
「いや、それは……わからないけど……」
ゾルダ
「そこまでにしとけ。何か……来るぞ!」
やがて、地面が割れてそこから巨大なロボットが現れた。赤い色が目立つ上半身と、多脚ユニットでできた下半身を持つそれは、胸部の装甲を展開しており、なんとズライカをそこに取り込んでしまった。
マミ
「魔女を取り込んだ!?」
一誠
「おいおいおいおい! これ、本格的にヤバイ相手だろ!?」
かつて地球人類を抹殺しようとした、悪魔の名を冠する機体。その名は―――デビルガンダムだ。
見滝原臨時駐在基地ではドモン、グラハム、パトリック、刹那が合流していた。
刹那
「久しぶりだな、ドモン・カッシュ」
ドモン
「お前こそな、刹那」
パトリック
「それで、デビルガンダムはどこにいるんだ?」
そう尋ねた時、グラハムの持つ端末に何かが反応した。
グラハム
「む…諸君、レーダーに反応があったぞ! 私がブレイヴで先導するから、ついて来てくれ!」
刹那
「了解した」
パトリック
「意外と早く見つかったな」
デビルガンダムを探知するレーダーを頼りに、モビルスーツ三機(ドモンは現地で呼び出すので生身でついて行った)は発進した。
パトリック
「……で、ここにいる訳か? どっから見ても建設中のビル群だけど」
レーダーが表す場所に着いたが、周りには何もなく、ドモンがビルの中に侵入して探すも今だ見つけられずにいた。
グラハム
「レーダーに故障はないのだが……」
刹那
「念のため、もう一度隈無く探すぞ」
パトリック
「はいはいっと」
そこで一旦、GN-XⅣが1つのビルに手をつくが―――
シュゥン!
パトリック
「おうわっ!?」
なんと、ビルの壁にGN-XⅣが吸い込まれるように消えてしまった。
グラハム
「……見たか少年?」
刹那
「ああ……はっきりと」
ドモン
「あそこが入り口らしいな。ようし、行くぞ!!」
生身の状態のドモンを筆頭に、それぞれはビル壁(より正確には、結界の入り口だが)に侵入した。
一方、デビルガンダムと戦っている方は激戦となっていた。ズライカが生み出す使い魔がDG細胞によって大幅に強化されてる他、デスアーミーまで出現したのだ。召喚獣等で立ち向かってはいるが、勝ち目は見えない。
一誠
「(くっ、このままじゃまずい!)明久! お前は金色の腕輪を使え! 俺は
明久
「3回しかないけど……背に腹は変えられないか!」
雄二
「お、おい! 明久の方はまだいいとして、イッセーの方は見られたらまずいんじゃないか!?」
一誠
「確かにそうだけど……このまま黙って死ぬよりはマシだ! 行くぞドライグ!!」
ドライグ
『おう!』
『Welsh Dragon Balance Breaker!!!!』
明久
「
各々の掛け声を叫ぶと同時に、一誠は赤い鎧を身に纏い、明久の見た目は召喚獣の服装と武装になっていた。
ゾルダ
「お、ソレが金色のう……ってイッセーはどうなってんだ!?」
マミ
「赤い鎧!? 召喚獣じゃないし……何なのアレ!?」
ギガキャノンを連発していたゾルダと隣にいるマミが驚く。
一誠
「説明は後だ! まずはコイツ等をどうにかする!」
ゾルダ
「っ、だな!」
マミ
「は、はい!」
気を取り直し、デスアーミーやデビルウラ(使い魔のこと)に対峙した―――時だった。
???
「その声は……イッセーなのか!」
一誠
「!? この声は、まさか……!」
響いて来た声に一誠が驚くと、次の瞬間にはデスアーミー達の幾つかが破壊されていった。よく見れば、1人の男性がパンチやキックなどで破壊しているのが見えた。
マミ
「えええええええ!? モビルスーツを生身で!?」
ゾルダ
「どんな体してんだよ……」
明久
「あの人は、もしかして……ガンダムファイト13大会優勝者―――」
一誠
「そう……ドモン・カッシュだ!!」
ドモン
「はぁああああああああああああああああ!!」
一通り破壊すると、ドモンは一誠の隣に降り立った。
ドモン
「久々だな、イッセー、ドライグ」
一誠
「はい、ドモンさん!」
ドライグ
『随分久しいな、キング・オブ・ハート。帰って来た目的は、やはりコイツか?』
ドモン
「そうだ! そしてここに来たのは、俺だけじゃないぞ!」
彼が言った瞬間、その後ろからGN-XⅣ、ブレイヴ、ダブルオーライザーが現れた。
パトリック
「ついに見つけたぜ! って何か変なのいないか?」
刹那
「詮索は後にしろ」
雄二
「あ、アレってブレイヴにGN-XⅣ!? しかも乗ってるのは、グラハム・エーカーとパトリック・コーラサワー!?」
マミ
「ダ、ダブルオーライザーまでいる! こんなところで会えるなんて!」
ゾルダ
「感動するのは後にしてくれ! まだ敵はわんさかいるんだ!」
明久
「イッセー! 早くどうにかしないと!」
焦る明久に、一誠も鎧の中で表情を引き締めた。
一誠
「そうだな。ドモンさん!」
ドモン
「わかっている。……ガンダァァァァァァァァァァァァァァムッ!!」
パチンッ
叫ぶと共に指を鳴らすと、どこからともなくゴッドガンダムが現れ、ドモンはそれに搭乗した。
パトリック
「……毎度思うが、どういう原理で呼んでるんだ?」
グラハム
「わからん……」
ドモン
「さあ、行くぞイッセー! 流派東方不敗の力を、今こそ見せる時だ!」
一誠
「はい!!」
戦意を高め、彼らはデビルガンダムに立ち向かう。
同時刻、見滝原学院高校の会議室では。
映司
「えっと……また会いましたね」
翔太郞
「ああ……」
オカルト研究部に呼ばれた翔太郞とフィリップ、生徒会執行部に呼ばれた映司はそれぞれ会議室に案内され、顔を合わせることになった。
フィリップ
「しかし、僕らだけではなく火野映司まで……どういうつもりなんだ?」
リアス
「それはこれから話すわ。……善吉」
善吉
「はい。それでは―――」
明久
「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!」
まずは明久が常人を超えた凄まじいスピードで接近し、多脚ユニットを木刀で切断していく。足下からの攻撃なので、デビルガンダムは中々反撃できない。
明久
(ここまでスピードが出るのか……凄いな)
内心驚きながら離脱する明久。次はブレイヴが構える。
グラハム
「見せてやろう、我がブレイヴの性能を!」
クルーズポジションに変形し、トライパニッシャーを放つと再変形して素早く離脱し今度はダブルオーライザーとGN-XⅣが前に出る。
刹那
「刹那・F・セイエイ! 目標を駆逐する!」
パトリック
「パトリック・コーラサワー! 行くぜ!」
刹那・パトリック
「「トランザム!!」」
ほぼ同時にトランザムを発動し、GN-XⅣはGNショートライフルを連射しながら、ダブルオーライザーはGNソードⅢを展開して急接近する。デビルガンダムは拡散粒子弾を放ってくるが、二機は難なく躱す。
パトリック
「おらおらぁぁぁぁああああああああ!」
刹那
「これで!」
GN-XⅣは角度を変えながらGNショートライフルを次々と撃ち込んでいき、その合間を縫ってダブルオーライザーが左手のGNビームサーベルで何度も斬りつけ、蹴りも食らわす。
パトリック
「だりゃああああああああああああ!!」
刹那
「ぬぁああああ!!」
締めに、両手にGNビームサーベルを持ったGN-XⅣがX字に、ダブルオーライザーがGNソードⅢで勢いよく切り裂いた。
ドモン
「とどめと行くぞ!」
一誠
「これで終わりだ!」
二機が離脱した隙に、ゴッドガンダム(ハイパーモード)と一誠で正面と背後を挟み撃ちにするように立つ。
一誠
「俺のこの手が真っ赤に燃えるぅ!」
ドモン
「勝利を掴めと轟き叫ぶぅ!」
互いの両手に炎のエネルギーが溜まっていく。
一誠
「ばぁくねぇつ! ダブル!」
『JET!』
ドモン
「ゴッドォ!」
一誠・ドモン
「「フィンガァァァァァァァァァァァァアアアアアアアアアアアアアア!!」」
『BoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoost!!』
倍加した一誠の左手と、ゴッドガンダムの右手がデビルガンダムに深々と突き刺さる。
一誠・ドモン
「「ヒィィィト……エンドォ!!」」
最後にそう叫ぶと、デビルガンダムは木っ端微塵に吹き飛んだ。同時に結界も消滅した。
パトリック
「あれ? 消えちまった……」
グラハム
「ホログラムだったのか? それにしても……不思議な力を持つ者達がいるものだな」
刹那
「ああ……」
戦闘が終了したことを確認すると、ガンダムのパイロット達は機体から降りた。
翔太郞
「魔法少女に、魔女か……本当にいるんだな」
映司
「でも、善吉君達が言ったように、確かに怪しいところもありますよね」
フィリップ
「まさか、リアス・グレモリー他部活メンバーが全員悪魔だとは……興味深いが、深く突っ込むと危険な気がするよ」
善吉とリアスによる魔法少女や彼女達の種族の説明を受けた翔太郞達は顔を険しくさせていた。
フィリップ
「僕は主に検索して、時折街に出歩くとしよう」
翔太郞
「となると、主に出るのは俺と映司か」
映司
「よろしくお願いします、翔太郞さん」
翔太郞
「おう」
笑顔で握手を交わす2人。その時、リアスが持っている携帯が鳴った。
リアス
「失礼。もしもし……あ、イッセー? 何か用……なるほど、そういうことね」
ピッと切ると翔太郞達を再度見た。
リアス
「申し訳ないけど、私は用事ができたから失礼させてもらうわ」
フィリップ
「ああ、気をつけて」
そうして、リアスは部屋を出て行った。
マミ
「兵藤先輩……さっきのは何なんですか?」
一誠
「………………」
マミの問いに、一誠は黙ったままだ。
明久
(き、気まずいんだけど)
雄二
(我慢しろ)
北岡
「せめて説明の1つくらいしてくれないか? 色々と気になってしょうがないんだよねぇ」
???
「それなら私が説明するわ」
刹那
「っ!? 気配を感じなかった……何者だ!?」
突如現れた紅髪の女性に刹那が警戒するが、慌てて一誠が前に出る。
一誠
「心配要りません! 彼女は俺の……えと、恋人ですから……」
恥ずかしそうに説明する。聞いてた人達の内、マミは驚愕していた。
マミ
「嘘!? 兵藤先輩って、煩悩の塊だって噂なのに」
一誠
「……否定はできない」
明久・雄二・ドモン
「「「確かに」」」
パトリック
「恋人かぁ。俺と大佐みたいなラブラブ夫婦になってくれると嬉しいぜ」
グラハム
「そこは心配ないだろう。2人の愛はかなり深いものだからな」
北岡
「わかるのか?」
グラハム
「フッ…愛故の勘だ」
北岡
「?」
意味がよくわからない発言に北岡が困惑している時、頬を赤く染めていたリアスがコホンと咳払いした。
リアス
「私やイッセーが何者についてだけど、イッセーの家で話そうと思うわ。あそこなら広いし、落ち着いて話ができるから」
一誠
「だったら、まどか達も連れて来た方がいいな」
明久
「じゃあ僕が連絡するよ」
リアス
「それから、軍の人達にもできれば来てほしいです。貴方達の目的も話してもらえるとありがたいかと」
刹那
「構わない」
グラハム
「デビルガンダム掃討作戦は以前より明るみになっているからな。今更説明してもいいだろう」
パトリック
「上司がそう言うんなら、俺は異論はないぜ」
ドモン
「もちろん俺もついて行くぞ」
リアス
「では、皆私について来て」
こうして、その場にいた全員と連絡を受けたまどか達はイッセーの家へと向かうことになった。
キュゥべぇ
(偶然とはいえ、中々面白いものが見られたのは幸運だったな。アレの同型機がこの近くにいるといいんだけど)
まさかのイッセー+流派東方不敗。このことに関しては次回説明があります。