異界、また広がったぜ!
広さ的には、世田谷区に匹敵するのではないだろうか。
中央の鉱山も300mに達し、採掘量も増えてきている。
山裾の小屋は、一寸した倉庫の規模になった。
だが、鉱石の生産量も上がったのだが、消費量も、上がってしまった。
鏃である。
基本持ち運びしやすいように、使用する弓はボーガンである為、使用する鉄量は低いが、悪魔に当たると汚染されるので再利用は不可能である。
そして、牽制に使用されるため、毎回大量に鏃は消費される。
槍の場合、自分のMAGで包まれるため劣化速度は遅いが、2、3回出撃すれば修繕が必要になる。
結果、周辺の退魔組織が疲弊していく現状、MACがカバーする範囲が広がっているため、作っても作っても追いつかない事態となっているのだ。
通常であれば、悪魔のMAG消耗も急増することになり、不満も溜まるのであるが。
温泉マークの加入が、効いた。
泉質として、MP回復効果と、極々軽い解呪効果があったのだ。
親父の膝も、変身出来るまでは無かったが、杖なしで歩行できるまでは改善した。
これは、飲んでも浸かっても効果ががあるため、早速おユキさんが、動いた。
世田谷にある、自衛隊中央病院。
ここは、表だけでなく、霊障対策に関している自衛官達の、裏の治療も行っている。
自衛隊が対応できるのなら、退魔組織いらんのでは?、と思うかもしれないが、入隊してくるのは一般人である。
その中に偶々霊能を発現しているものを選抜しているのだが、宝くじに当たるレベルで毎年片手に余る程度しか確保できていないし、霊能の素養も低い。
必然、ヤタガラスとの連携必須となり、重大霊障事案にあたる事が多く、隊員の損耗も大きい。
単なる負傷であれば、ディア持ちを確保しているため何とかなるのだが、祟られると現状回復の手段が無かったのだ(イタリアには聖女と呼ばれる解呪が出来る女性が居るのだが、一自衛隊員の為に呼べるようなコネも予算も無い)。
そこに、「呪いを払うのに、効果がある。しかし、当組織の秘薬であるので、使用する際には守秘義務をお願いしたい」、とMACとして温泉水を売り込んだのだ。
半信半疑であった自衛隊側であるが、ヤタガラスからの「信用がおける組織である」、とのお墨付きに条件を承諾して、現代医療では説明不可能な昏睡患者に使用したところ、たちどころに目を開いて病室が上に下にの騒ぎになったのである。
現在、病院との協力下に、安全性や使用期限がどうなっているかを治験中で、判明次第購買契約を結ぶ方向だ。
政府が認定したとなると、他にも売りやすくなるし、政府と関係があると言う看板は、喧嘩を売ろうという連中にも牽制にはなるだろう。
え、温泉?
露天混浴だから水着着用です(MAC所員も利用するんよ)。
どんなだったか?
…天国だったぜ、ウヒヒ。
色白なおユキさんがほんのりと肌を染めている様とか、サクラさんのメリハリのある色っぽい肢体とか、弁天様の普段は見せない婀娜っぽい仕草とか、ラムのいつもは隠れている項の色気とか、しのぶの控えめだけど健康な水着姿とか、クラマ様のスレンダーだけどグラマラスなボディとか…。
さて、再び大阪から…では無く、和歌山にトラポートした。
四国に渡るため、和歌山港から南海フェリーに乗り込むためだ。
今回目的としているのは、豊穣神。
日本には数柱居る。
前3柱は、豊宇気毘売神の分け神であったりとほぼ同一視されている穀物神だが、後ろ2柱はなかなかえぐい伝承の神々だ。
保食神は、月夜見尊を口から吐き出した食べ物で饗応して激怒され斬られ、大宜都比売は、須佐之男命を尻から出した食材を調理して饗応して、やはり激怒され斬られている。
ま、普通は怒るわな。
でも、俺は何となくこの2柱、鳥に関連してんじゃねえの、って思ってる。
親鳥が雛に給餌するときは口移しだし、卵は総排泄孔、尻から出る。
後、古代の酒は口噛みで作ったって言うから、保食神はそっちからかも知れんが。
まあ、そんなロックな死に方をした2柱だが、世界中で類型の伝承がみられる、ある奇跡を起こしている。
死んだ自分の体から色々な穀物を生み出したのだ。
所謂、死と再生、食物起源神話である。
特に重要なのは、米と大豆。
異論は認めない。
違いは保食神は牛馬と蚕、大宜都比売は蚕のみを更に生み出しており、食を考えると保食神の方が良いのだが…。
口から吐き出された料理と、尻から出た食材を綺麗に洗って作った料理とでは、まだ後者の方が抵抗感少ないと思わねえ?
思わない奴は、卵食うな。
あ、体のどこからそれぞれ生み出されたのかは自分で調べな。
微っ妙~な気分にさせられるから。
と、言うわけで辿り着きました、徳島県名西郡神山町。
大宜都比売を祭る神社がある。
まずは、人除けして、と。
ぴ
「ぶも、ぶももお~~~~!!!!」
レイが怒りを露わに顕現する。
「わあってる!、これからお前の飯に関する仲魔を呼び出すんだよ!」
迫ってくる顔を押しのけながら、怒鳴り返す。
「ぶも?」
「ああ、だからレイは人型になっとけ!…それと、俺がおかしくなったら、遠慮なくど突いていいからな。」
ホント?、と聞いてくるレイに指示をする。
"SUMMON DEVIL"
「貴方が私を喚び出した、だ~りん?」
ゆるふわなP☆NK HOUSE(この頃は健在だ)系のロリータファッションを纏った、くるっとした肩までかかる赤毛の巻き毛の美少女が、顕現した。
”マリンカリン”
「おっ嬢さん、可愛いね!、お茶に…はぶっ!!」
へにゃ~ん、と彼女に寄ろうとしたところに、レイのど突きを受けて、正気に返る。
にっこにこ、と微笑む彼女だが…、そうか、食べ物は、尻から出る、か。
思わず、腰から下に視線が行ったの事に、彼女の形相が一変し、般若の体を様する。
「なんじゃ、われ!? ワシのどこを見腐っとるんじゃ?ああ?」
「レイ!出番じゃ!」
パチン!、と指を鳴らした合図に、レイが進み出る!
「飯。」
「あら、レイ様って仰るんですね、少し待ってて下さいね♡」
と、輝くような笑顔を見せて言うや否や、後ろに回して、瞬時に前に戻した両手には、山のような食材。
気が付けば、ファンシーなキッチンも出現している。
ちょっ!
大分MAG持ってかれてるんですけど!?
「はい、レイ様、あ~~~ん♡」
「はぐっ、はぐはぐっ!」
「次はこれです♡」
…うん、リア充爆発しろ、ってこういうときに使うんだな、って心から理解した。
「コンゴトモヨロシクね、だ~りん。」
「コンゴトモヨロシク、ランちゃん。」
ぴ
種族:地母神(大宜都比売劣化分霊)Lv10
魅了無効 呪殺無効 衝撃弱点
マリンカリン エナジードレイン ディア リカーム
料理(回復食材)の心得 キッチン召喚
…えぐいな!?
魅了からのエナジードレインのコンボが恐ろしいわ!
ボスでも嵌められたら落ちるぞ、これ。
と、言うか俺の天敵だよ(戦慄)。
しかし、これで異界内で米が出来るぜ!
俺は、更なる異界の発展に心を躍らせながら帰宅したのであった。
2桁の大台に乗りました。
エタらないよう頑張ります。