ありふれた(?)女神転生   作:はるまき

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皆大好きあの人も出ます。


第14話:Drカオスの挑戦!

「おお、寅屋の羊羹ではないか!!10年ぶりかの!」

応接室のソファで、がっつく様に羊羹にかぶりつく、黒いインバネスコートを纏った背の高い老齢の白人男性。

その後ろには、毛先が跳ねた特徴的な赤毛のショートヘアで、アンテナが付いたヘアバンドをしている、眉一つ動かない無表情な翠眼の美女が佇んでいる。

 

…うん、ドクターカオスだわ。

 

「それで、ヨーロッパの魔王と名を馳せた貴方が、わがMACにどの様な用件で?」

羊羹を食べ終わって、カオスがお茶で一服したところを見計らって親父が尋ねた。

「なに、貴様らの所に、面白いものが転がり込んだようじゃの?」

にやり、と歯をむき出して笑う、カオス。

どこで、其の事を…!?

「…何の事ですかな?」

くかかかか、父親の方は流石じゃが、小僧の方は全然じゃの。顔に出とるわ。」

くそ、表情殺したつもりだったが、ダメダメじゃねえか、俺。

不穏な気配に、護衛として場に召喚していたラムとおユキさんが気色ばむ。

カオスの後ろの美女も、す、と両腕を上げる。

「止めい、マリア。安心せい、敵対しに来たわけではない。このワシ以外で人工霊魂を持った存在を生み出したのは2例目じゃ。魔導科学者として見逃せまい?」

ぎろ、と目をむき出して身を乗り出してくる。

「マリアと比較するだけでも、新しい技術が生まれるかもしれんのじゃ!協力してくれればそちらにも利益があるぞ?」

にたり、という笑みを浮かべて提案した。

あ~、成る程。

「借金返済の期限近いんだな、カオスの爺さん。」

「ぐはっ!!!」

ぼそり、と呟いた俺の言葉に、胸を押さえてひっくり返る、カオス。

「こここ小僧、何故それを知っておる!?」

「いえ・ここら辺の・金融機関では・既に・ブラックリスト入り・してるのは・有名です・ドクター。」

「げふぅ!」

がば、と身を起して訪ねてきたカオスに、悪気無くマリアが止めを刺した。

ぴくぴくしているカオスに、じっとりとした視線を送る、ラム達。

しかし、ボケが始まってるとはいえ、最高峰の魔導科学者は、終末を乗り切るためにぜひ確保しておきたいが…。

あ、学校のあの機能を使えば、行ける、か?

 

「お、おおおおお…!!」

カオスの手の中で、凄まじい勢いで編まれていく、本。

この「友引高校」の図書室では、校長先生(菅原道真)の権能により、知識を本に編集することが出来るのだ。

この話をしたとき、カオスは歓喜していた。

不完全な不老不死化により、徐々に老化しており、また脳の記憶容量も使い切ってしまったため、覚えるそばからところてん方式に抜け落ちてしまう状態になっていた。

書物として書き写そうにも膨大過ぎて、借金返済のバイトに明け暮れる身として時間が無い。

それが、解決するというのだ。

喜ばないはずは、無い。

オマケにこの本、検索機能付きで調べようとする事を考えて捲ると、その項目が表示される便利仕様。

さすが学問の神様、受験生に優しいぜ(ただし普通の受験生は異界には入れません)。

くかかかか、小僧!大層な借りが出来たな!しっかりと返すので期待しておれ!」

ば、とコートの裾をはためかせながが図書室から出ようとするカオスに、俺は声をかけた。

「待ちな、カオスの爺さん。」

「なんじゃ、小僧?まだなんか用があるのか?」

振り返るカオスの鼻先に、ビシっとカードを突き付ける。

「図書室からの本の()()()()には、図書カードへの記入が必要だぜ。」

そう、この図書室で作られた本の所有権は学校にあるのだ。

また、貸出期限もあるため、定期的にこの異界に来なければならない。

借りパク?

日本三大怨霊の校長先生(菅原道真)にそれやるの?

まあ、実際のところ定期的に図書室に来ないと消滅してしまうし、なにしろ此処では最新知識へのアップデートも出来るから、自発的に来るだろう。

「と言う事で、管理は任せたぜ、マリアさん。」

「イエス・ミスター諸星・お任せください。」

「小僧、何故ワシに言わん!?」

だって、信用できねえもん。

 

「おお、貴方がドクターカオス…!!」

くかかかか、そうかワシの研究を参考にしたのか!」

早速引き合わせたところ、盛り上がる爺さん達。

なんかあそこ、悪の組織感たっぷりなんですけど。

 

「ふむ、やはりネックは材料か。」

「ですな。私はメシア教が用意した聖遺物をなどを用いましたが、神秘の薄れた現代では中々…。」

二人は、人工霊魂のアンドロイドを再び作成しようとしているようだが、直ぐには実現できるものではなく、またその資金も無い。

だが、俺にはある程度すぐに実現出来るものに心当たりがあった。

「なあ、爺さん達、彼女達の眼は、オカルトを認識できてるんだろ?その機能だけをヘルメットに付加出来んのか?」

 

霊障被害が大きくなってきているのは、自衛隊などの国の防衛組織にオカルト存在を認識できる者がほとんどおらず、部隊規模で対応出来ないことによる。

その為、徐々に上がるGPに霊障の悪質さが上がるに対し、要所を守る事しかできず、地方への対処が間に合わなくなり、地方の退魔組織が疲弊していく。

悪魔は、認識さえすれば攻撃できる。

非覚醒者の攻撃はさほど効かないかもしれないが、数で対応すれば低級な悪魔を倒せる可能性もある。

 

「なるほどのう…、その程度の仕掛けであれば、非覚醒者のMAG量でも問題なさそうじゃ。」

頷きあう、爺さん達。

その日から理科室に籠ったのであった。

 

なんと、僅か三日で試作品を上げてきた。

非覚醒者のMACの事務員さんで確認したところ、おユキさんを認識出来たのである。

 

早速、自衛隊中央病院に出来た伝手で「こんなもの、ありますが」と、伺いを立てたところMACに担当者がやってきた。

 

「本官は、防衛庁技術研究本部特殊事案対策部隊所属の五島公夫三佐と申します!」

 

どうして…。

 




この五島さん、原作程過激思想ではありません。
ここの日本では原作程一神教はやらかしておらず、日本古来の退魔組織も存続してますから。

木村長門上重成様、誤字報告有難うございます。
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