ありふれた(?)女神転生   作:はるまき

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女神転生は、強い個が解決していくゲームですが、個が全ての事象にあたれるはずもありません。
地味だけど、底辺部分の底上げは必要ですよね。


第15話:しんめがみてんせい・に?

「ああ、これは良いものでありますな!」

制服の上からでもはち切れんばかりの筋肉が伺える五島三佐、うっきうっきしてます。

現在、ウチの事務所にて、非覚醒者の自衛隊員に桃井さんの仲魔のピクシーが認識できるかを試しており、全員が認識できたという報告を受けたところだ。

五島三佐?

もちろん覚醒者だよ。

それも。

霊能者の家系じゃない、一般家庭からの覚醒なくせに、その霊力は名家の上澄みにも達する位だと噂されているとか。

だからこそ、現状を憂いていた。

彼の所属する技術研究本部特殊事案対策部隊は、甚大な災害などに対応を試験検討する部隊と対外的にはされているが、霊障事案に備えて設立されたものだ。

だが、霊能組織の名家は自衛隊に入隊するはずも無いため、入隊した中から三流程度の才能でも搔き集め編成した隊なのだそうだ。

当然、今のGP増加による出現悪魔のLv上昇に着いていけるはずもなく、徐々にに擂り潰されていく現状に切歯扼腕しているばかりであったのが。

「貴方達のお蔭で、状況が変わりました。」

ニッコリと、幼児がひきつけを起こしそうな笑顔で五島三佐は述べる。

「中央病院に納入していただいたあの秘薬(温泉水)。あれのお蔭で現場復帰が出来る隊員が増えました。さらに、あれを飲むと疲労感も回復(MP回復)する。実に助かっております。そして。」

五島三佐は、ピクシーを認識出来て興奮している自衛隊員を眺める。

「悪魔を認識出来れば、出来る幅が広がります。直接相対する事が出来なくても、支援射撃や遅滞戦術。それだけでも、前線の負担は減るのです。…有難うございます。」

ば、と、五島三佐は惚れ惚れする様な敬礼をしてきた。

 

「それで、今後の装備品の納入などについてですが…。」

と、五島三佐に随行してきた事務官と思われる男性が口を開いた。

「ああ、その件に関しましては、こちらが担当になります。」

と、おユキさんを指し示す、親父。

「な…!悪魔が、商談をされるんですか!!」

「???????」

愕然とする五島三佐と、何言ってんだお前、な事務官。

がぽん、とヘルメットを被せると、

「んなあ!?」

と、仰け反って驚いている。

「うふふ、宜しくお願いいたしますね?」

俺の隣で、それはそれは奇麗な微笑みを、おユキさんは浮かべた。

 

後に、五島三佐は語る。

悪魔、怖い。

 

ヘルメットの生産に関しては、パテントをウチが持って、コア部品をブラックボックス化してノックダウン方式でスリーダイヤモンドの企業が請け負うことになった。

ブラックボックスを開けたら?

世界最高レベルの頭脳と日本最高級の怨霊がタッグを組んだ呪いが巻き散らかされますが、何か?

ああ、もちろん戦闘中の破損はノーカンだから安心してくれ!

利益?

カオスの爺さんがスキップして帰った、ってので察してくれ。

なにしろ部材にもウチの異界産の鉱石が使われてるからな。

 

大きな商談が纏まったのを祝して、異界の海岸でバーベキューを行った。

食材は、主にこの異界で採れたもの。

肉は、豚と兎が主体で、海産物と、野菜は結構種類が充実している。

あ、こらラム、タバスコぶっ掛けるのは、自分の取り皿だけにしろ!

竜之介ちゃん、マッカ稼ぎの屋台出さない!

あああ、サクラさんと錯乱坊に、レイとカオスの爺さん!

バーベキューは大食い大会じゃない!

弁天様も、コタツネコを対象としたマッカ賭け相撲場所、開催しないで!

こら、メガネ(塩土老翁)

得意の(役に立つかわからない)蘊蓄で悪魔焚きつけて、(ラムを奪うための反逆に)導くんじゃねえ!!!

 

ぜは~、ぜは~、と息を切らせていると、ラムがニコニコしながら上から覗き込んで来た。

「楽しいちゃね、ダーリン。」

その言葉に、周りを見渡すと。

 

赤井さんは、猫又にでれっでれになっているし。

青山さんは、ライジュウに纏わりつかれて「あば~!」になってるし。

桃井さんは、仲魔達にお菓子を与えるのに夢中だし。

北山さんは、普段顕現出来ないニケとまったり良い雰囲気だし。

親父は、玄さんを特訓している。

 

一神教が見たら、怒髪天を突くくらい怒り出すんじゃなかろうか。

でもなあ、人間にも、吐き気がするほど邪悪な奴がいるし、絶対に裏切らない人間も殆どいない。

要は、付き合い方なんだよなあ。

あそこでまったりとしているMAC所員の皆さんも、退魔組織に所属しているだけあって、死は常に覚悟している。

その上で、悪魔をパートナーとして戦いに赴く選択をした。

当然裏切りのリスクも承知で、その可能性を低くするためにコミュニケーションをすることで忠誠心を上げようとしているのだ。

一部趣味と実益を兼ねてる人も居るみたいだけど。

 

「そうだな。まだ満腹じゃないし、食うか!」

美味しそうに焼けた豚バラ串を取ると、齧り付く。

うん、俺の手が届く範囲だけでも、こんな風景が続いていけるようにしなきゃな。

一生懸命料理をタッパーに詰め込んでいるマリアさんから、武士の情けでそっと目を逸らしながら決意を新たにした。

 

 

「最近MAC、羽振りが良い様じゃねえか。」

「気に入らんな…。」

(シャブ)漬けした餓鬼どもを生贄(えさ)にして、悪魔を喚んで…。」

「やるか。」

 




作品内では描写してませんが、零君がまだ異界に耐えきれませんのでお袋さんは零君とお留守番です。
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