暫くは次投稿無いと思います…。
突っ込みどころは多いと思いますが、ご勘弁くださいますようお願いします。
異界の鉱山から、鉱石以外に算出するものがある。
魔石である。
ゲームでは、回復アイテムであるのだが、爺sは別の可能性を見出した。
エネルギー源である。
MAGが凝縮して形成された魔石であるなら、取り出せるのではないか?
そうして出来たのがMAGバッテリーだ。
今はまだエネルギー変換効率が悪いので、マリアさん達アンドロイドをまともに動かそうとすると同じ体積位のバッテリーが必要なため、今も研究が進められている。
何が言いたいのかと言うと、終末後のエネルギー問題が解決する道筋が見えていたんで、手を付けていなかったことがあるんだ。
石油。
いや、服にしてもランちゃんの権能から生まれた蚕から取れる絹糸、軽くて肌触りも良く通気性に優れているのに、拳銃の弾も通さない上に、ムド防御効果が乗ってるんで、下手な石油製品はいらんし、終末後は車、飛行機、船舶が移動手段として有効なのか疑問だったのもあって、重要視していなかったんだよなぁ。
それに、ウチの異界、
今でもジャックランタンの悪戯でボヤ騒ぎが起きとるのに、正に火に油を注ぐのは勘弁だぜ。
って、思ってたんだが。
MACの応接室に、申し訳なさそうな顔の五島三佐と、高級そうなスーツを着たオッサンが居る。
貰った名刺には、通商産業大臣と肩書が記されている。
「いきなり訪問をしたことをまずはお詫びする。しかし、事は急を要する為、五島三佐に無理を言って連れてきてもらったのだ。」
大臣は、一寸頭を下げて見せ、続けた。
「君は、メシア教と言うのを知っているかね?」
「…ええ、良く知ってます。ウチにもちょっかい掛けてきてますし。」
ほんと、ゴキブリみたいに湧いてくるの、止めてもらえませんかね!
「そうか、ならば話は早い。かのカルト集団が、サウジアラビアの油田地帯に大怨霊を召喚して付近に人間が立ち入れないようになっている。」
は?
「一神教も、カルトとはいえ自分のところの1派がやらかした事でエクソシストの派遣を打診しているようだが、知っての通り地元宗教とは犬猿の仲。メンツやら権利やらでなかなか話が進んでおらんようだ。」
ちょ、一寸待って。
確か。
「え、とすみません、確か石油採掘施設って一回止めちゃうと…。」
「うむ、再開にどれほど時間が掛かるか分からない上、現状の産油量が維持できるかも不明だ。」
うわ、オイルショック再び、かよ!
「現在日本の石油備蓄量は約8か月。余裕があるように見えるが、先行きが不透明な中、心許ない。それを踏まえて、お尋ねする。君たちが開発しているエネルギー源は、どれ位有望だね?」
思わず握りしめた手が、汗ばむ。
流石、腐っても政府、どこから嗅ぎつけたのやら。
「…正直に申します。現状では、小さな村レベルが維持できるかどうか、だと思います。研究が進めば分かりませんが。」
「ふむ。それについては我々も協力できることが多いと思う。検討して欲しい。」
俺の答えにさほど落胆した様子を見せず、今後に楔を打ち込んでくる大臣。
上手いな。
でも、これは本命じゃなさそうだ。
「さて、諸星君。」
ほら来た。
「五島三佐から、君が極めて優秀な悪魔召喚者だと聞いている。石油に関する神様を召喚することは、可能だろうか?」
新潟県西蒲原郡弥彦村。
いま、ここにある神社は、緊迫した空気に包まれている。
爆破予告があり、実際に不審物が境内で見つかったのだ。
神社は規制線が引かれ、封鎖されていた。
そこに、対爆スーツを着て、耐爆容器を持った県警機動隊の爆弾処理班が到着し、境内に入っていった。
ふう、暑苦しいたらありゃしないな!
今回は、政府案件という事で、見届け人としての五島三佐と一緒に変装して現場に来ている。
ああ、ラムも一緒にいるけど見えないからいつもの格好だ。
「ねえ、ダーリン。石油の神様って日本にいたっちゃね。」
ん~、と伸びをした後聞いてくるラム。
まあ、資源が無い無い言ってるからあんまり知られてないけど、実は古代から日本でも石油が産出している。
ここ新潟でも産出しており、この神社の主神、伊夜比古大神が産業の神様だったことより、石油の神としても祭られるようになったようだ。
現在は枯れたようだが。
境内に置かれた不審物に近づき、蓋を開ける。
とたん香る、独特の臭気。
そう、不審物の中身は石油である。
そして、五島三佐と運び込んだ耐爆容器を開ける。
中にあるのは、一抱え程の黒曜石、を模した、MAGバッテリーである。
「これ、どうするっちゃ、ダーリン?」
「ん?、ああ、これを依り代にしてもらおうってね。」
ズボ、と手袋を外してCOMPを立ち上げる。
通常の召喚では、召喚者と契約してMAGのやり取りを行う。
だが、今回それをするのはヤバい。
契約者に、とてつもない利権が集中するのと、その人格によっては日本に不利益をもたらす可能性だってある。
そこで、特製の依り代を準備して、国家として管理してもらおうというわけだ。
「そんじゃ、一丁やってみましょうかね!」
"SUMMON DEVIL"
五島は、驚愕していた。
確かに自分は歴史ある霊能の家に生まれてはいない。
しかしながら、入隊この方散々怪異と向き合ってきた中で、いろんな霊能者と遭ってきた。
中には悪魔召喚者もいたが、こんな気軽に召喚をするものは、居ない、いや出来るわけがない。
最近は悪魔召喚アプリがあるが、あれにしたって何が出てくるか分からず、また素直に従ってくれるかも分からない、まさしく伸るか反るかのギャンブルである。
それを。
目的の悪魔を易々と引き当てて見せたばかりか、あっさりと依り代に降ろして見せた。
更に彼は、並みの霊能者であれば顕現させるだけでMAGを吸い尽くされ、一瞬で干からびかねない大妖を、東京からここまで顕現させ続けてケロッとしている。
護国の為に、彼との縁を切ってはならない。
決意を新たにする五島の前で、当の本人はへら、っと笑って手を振った。
「五島三佐、終わりましたよ。撤収しましょう!」
数日後、日本中をあるニュースが駆け巡った。
新潟県の国有林から新たな油田が発見され、調査の結果から国内需要の数%が賄える可能性があるとの情報に、報道機関は連日特集を組んだ。
高が数%と見做すなかれ、有事を考えると純国産が確保されることは産業にも国防にも重要なのだ。
隣の国が「我が国の固有の資源である」、と声明を出したが、またか、と相手にもされず、試掘塔が建てられる予定地に早速伊夜比古の神の小さな分社が建立された。
現在関係者以外立ち入り禁止との事で、逆にプレミア感が高まり、国民の注目度も高い。
「まあ、今は鹿児島に安置されてるんだけどね、ご神体。」
異界のリビングでラムらと寛ぎながらテレビの報道を見て呟く。
あ、テレビ、カオス爺さん謹製の異界でも動く奴だし、電波は異界の入り口から力業で線を引っ張ってきている。
「あん?、なんでんなとこに安置してんだ、諸星の旦那。」
バリ、と異界産の米で作った煎餅をかじりながら聞いてくる、弁天様。
「あそこの石油備蓄基地から、石油を運び出してその減少分を穴埋めするんだよ。日本の石油会社やガソリンスタンドの神棚に伊夜比古のお札を配ってるから、そこからの祈りでMAGが集められて実際には日本の需要を満たすくらいは産出出来そうだけど、んなことすりゃ世界から袋叩き似合うってんで足りない分だけを石油会社に融通するんだってよ。」
「はん、面倒くせえことすんだな。」
ふん、と鼻で笑うと、興味が無くなったのかまた煎餅にかぶりつく、弁天様。
まあ、ウチにも管理者として毎月料金が支払われてる。
いずれダミーの半官半民の石油会社が設立される予定で、ウチも一枚嚙ませてもらう予定だ。
おユキさんがまた艶々としてたよ。
現代でも、ロシア問題で露呈したように、石油関連が止まると一気に終末化します。
日本でエネルギーとして身近なの、水素位でしょうか。
原子力だって、ウラン鉱山日本にないですし。
太陽光?
日照が安定せず、土地も狭い日本では主力にはなれないと思います。
資源が無いって、つらいですよね。