ありふれた(?)女神転生   作:はるまき

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2話目まで無事に即興投稿成功。
次話以降は不定期になると思います。


第2話:押入れの向こうは異界

「コンゴトモヨロシクだっちゃ、ダーリン!」

「ああ、コンゴトモヨロシク、ラム。」

 

実物の虎柄ビキニに包まれた健康ボディにムラムラしていたのを必死に隠していた以外は、懸念していたよりスムーズに契約にこぎつけられた。

スマホに入ってもらったラムのステータスは、

 

種族:鬼娘(雷神超劣化分霊)Lv10

電撃吸収 麻痺無効 酔い弱点

ジオ マハジオ 放電 魅惑の雷撃(弱体化中)

電撃プロレマ 道具の知恵(攻、癒)飛行

 

と、なっていた。

 

流石悪魔、情報生命体と言われるだけあって、実にラムらしいスキル構成である。

デバフ付き攻撃も便利だし、道具の知恵(攻、癒)で援護攻撃役としても優秀だ。

飛行できるのも、対人を考えると有利ってもんじゃないし、偵察にもアドバンスとなる。

因みにLv10って、大したことないと感じるかもしれないが、今の霊能界隈で言うと、大悪魔だからな?

玄さんなんかLv5で中堅どころと張り合ってるんだぜ。

 

ホクホクした気分で、一寸遠回りをしながら帰路に就いた。

 

青梅市。

東京の北西の境に位置するこの都市は、意外な程に妖怪譚が多い。

小豆洗いがここでの妖怪なんて、ちょっと意外な感じがするよね。

 

でも、ここで最もメジャーな妖怪と言えば。

そう。

雪女である。

 

"SUMMON DEVIL"

 

「私を呼び出したのは、あなた様でしょうか?」

 

まるで氷がそのまま髪と化したような、硬質で、なのに艶やかな白銀のポニーテイルの、白絹の着物を纏った美少女が、怜悧な眼差しを俺に向けながら顕現した。

 

「お嬢さん、お茶でも飲みに行きませんか?」

 

彼女、おユキさんが顕現した瞬間、俺の体は無意識的に動いていた。

散々親父から「紳士たれ」と叩き込まれていたのため、エレガントにおユキさんの手を取り…

 

「まあ、いきなりそんなことをするなんて、はしたないですわ。ブフ。」

 

Freeze!

 

「ひょおおおおおお!」

 

し、死ぬかと思った。

 

解凍後、おユキさんに謝り倒してなんとか契約は出来た。

いかんな、現世の俺、なかなかに煩悩塗れで行動直結だったようだ。

それとも、「諸星あたる」と言う言霊に引っ張られているのか?

親父に大分矯正されていたようだが、気をつけなきゃお縄についてしまうぞ。

 

「では、コンゴトモヨロシクお願いいたしますわ、サマナー。」

「ああ、コンゴトモヨロシク。」

 

スマホに入ってもらった後、ステ確認を行う。

うる星でのおユキさんの能力から、()()が期待できるからだ。

 

種族:雪女 Lv10

氷結無効

ブフ マハブフ といき 絶対零度(弱体化中)トラポート

氷結プロレマ

 

やったぜ!

 

そう、原作ではおユキさんは温泉にも入れるのだ。

その為火炎が弱点ではない、これは大きい。

そして。

ゲートによる瞬間移動ができる。

しかも、海王星から地球まで気軽に来れちゃうのである。

まあ、流石にトラポートにはそこまでの能力はなく、一度行った地点に転移できる、というものだが、非常に役に立つのは間違いない。

 

早速再びおユキさんを召喚して、自宅の裏に転移してもらった(サマナーと仲魔は情報を共有しているため可能なのだ)。

おかげで夕食前には帰ってこれた。

 

「ただいま、おふっ…母さん、お、父さん、いる?」

「ええ、書斎にいるんじゃない?決裁書類が終わらなかったて持ち帰ってたから。」

 

台所でお袋に聞いたのだが、やばいやばい、いきなり口調が変わったんじゃ怪しまれてしまう。

気をつけなくちゃな。

二階にある書斎の扉をノックする。

礼儀にはうるさいんだよ、親父。

 

「父さん、ちょっと話があるんだけど入ってもいいかな?」

「ん?的か。どうした、入りなさい。」

 

重厚で、それでいて品の良い執務机で書類の山と格闘していた親父が、ふう、と一息入れて顔を上げる。

 

「ああ、父さん。お…僕は、あの怪我でどうやら覚醒したみたいだ。」

「なに!?」

俺の言葉を聞いて、親父の顔が引き締まる。

 

「しかし的、お前に悪魔(ウルトラマン)が憑いたようには感じられんぞ?」

「うん、父さん。僕にはそっちの才能はなかったらしい。」

 

す、と懐からスマホを取り出す。

 

「僕は、デビルサマナーだ。」

 

ぴ、とアプリの召喚タブを押す。

 

「パパさんけ?うち、ラムだっちゃ!」

 

阿鼻叫喚になった。

まあ、当たり前の話だ。

いや、俺も舞い上がってたんだけど、今の霊能界隈の常識ではLv10悪魔は、国家滅亡クラスの脅威なんだよね。

それをつい先日まではクソ雑魚だった息子が行き成り召喚したもんだから。

親父は慌ててカプセル怪異を投げようとするわ。

何事かと駆けつけてきたお袋が気絶するわ。

しっちゃかめっちゃかになって。

 

「バカモン!!!」

 

絶賛正座でお説教タイムを受けてます。

 

「お前はいつも準備が足りん!このような大悪魔を何も備えがない状態で召喚することが、どれほど危険な事なのかわかっているのか!?」

 

うぅ、仰る通りです…。

改めて考えるまでも無いが、悪魔とは人とは違う存在である。

いくらうる星の情報で構成されたとしても、その身を現界に留めさせる為には、MAGを必要とする。

手っ取り早く獲得するには、人を食らえばいい。

それをさせないために、通常は結界などで悪魔を囲って交渉する。

それでも、術者の力量が足りなければ結界は破られ、命を落としてしまうことが少なからず起こっているのが現実だ。

今回俺は、供物と俺自身を「諸星あたる」に見立てることで、絶対に上手くいく、と言う根拠のない自信で突っ走ってしまった。

この業界では、最もしてはならないミスだ。

MACに於いて、覚醒した霊能者は少ない。

居ても、Lv1~2位で、とても怪異を調伏出来る実力は、無い。

しかし彼らは、文献の調査や周辺の聞き込み等で怪異の出来る限りの事前情報を引き出し、怪異に対して遠隔から破魔矢や符による属性攻撃を仕掛け、弱点を明らかにすることによって親父たちシフター(ウルトラマン)を支援しているのだ。

 

知っていたはずだ、親父たちが如何に事前準備を重視しているかを。

自身の不甲斐なさに、ギリ、と奥歯を噛み締める。

 

「だがな、的。」

ぽん、と親父の手が頭に置かれた。

え、と顔を上げると、親父は、深い、優しい目をして俺を見つめていた。

 

「お前が昔から自分に歯がゆい思いをしていたのを私は知っている。零の才能に打ちのめされていたのも知っている。だが、お前は今まで血反吐を吐いても諦めはしなかった。確かにお前がしたことは許しがたい失態だ。それを踏まえても、敢えて言おう。」

 

くしゃり、と俺の頭を撫でて、親父はフっと柔らかい笑みを浮かべた。

「よく頑張ったな、的。」

「とう…さん…。」

 

滲んでゆく視界。

そうか。

俺は、僕はこの人に認めてほしかったのか。

 

「とうさ…ごべ…あじが…。」

しゃくり上げながら親父の腕に顔を押し付けて号泣してしまった。

 

泣き止むまで親父は静かに俺を見守っていてくれた。

 

気恥ずかしさとともに親父とリビングに降りてきたら。

 

「へ~、小さい頃のダーリン、可愛いっちゃね。」

「でしょう、ラムちゃん。昔はママ、ママっていっつも後ろ付いて来てね!」

「なるほど、お母さま。ではこちらの写真は?」

「あ、おユキちゃん、そっちはね…」

なんか、俺の黒歴史の前で女子会やってた。

 

あの、お母さま?

とっても仲が宜しくなったのは良いのですが、顕現を続けていると、MAGの負担がですね?

え、心配させた罰、もう少しこのまま?

はい…

 

 

 

 

 




諸星的君の現時点でのスキル

全門耐性(万能にも精神(一部除く)にも耐性、この時点で固有スキルに近い。しかし成長限界、これ以上成長なし)魅了弱点(成長の余地なし)
突撃 暴れまくり うちまくり
三分の活線 獣の反応 俊足の覚え 食いしばり

いや、原作でもあたる君フィジカルモンスターなんですよね。
とても一人じゃ持てない大槌をぶんぶん振り回してたり、体育教師を完封したり、真剣白刃取りしたり。
とにかく死ににくい、と言うスキル構成です。
死ににくさはまだ成長します。 
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