ありふれた(?)女神転生   作:はるまき

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この世界の公安には、まだ後藤喜一氏は在籍中です。


第20話:ESPERS LEGEND

MAGバッテリーについては、国との共同研究と言う形に落ち着いた。

エネルギー事業は、国家の根幹に関わるので、まあ仕方がない。

新たに、MACから独立事業として会社を立ち上げることにした。

形態としては、第3セクターであるが、実態はがっつり国の政策に食い込んでいる。

だもんで、公安から他国からの干渉除け兼、こちらの監視要員が送り込まれることになった。

窮屈にはなるけど、安全も担保されるんだ、しゃあないか。

新しいエネルギーとなると、既存勢力からの妨害や、情報を抜いて先に発表して権利を宣言しようとする国なんかもいるからなぁ。

 

「ダーリン、ぶちぶち言ってないで早く行くっちゃよ、人を待たせてるんだから。」

リビングでぶつくさ言っていた俺を、ラムが促す。

「わあ~ってるよ。…はあ、行くか。」

なんで男何かの為に出向かにゃならんのよ、と、内心で溢し乍ら、バブル崩壊で安く手に入れた下町の工場へ出向く。

木の葉を隠すなら、森の中って言うだろ?

周り、町工場だらけで、何かやってても目立たないんだわ。

表向きはスマホのバッテリー部品の下請け工場としていて、それらしい材料なんかが納入されても疑われにくくしている。

さらに、認識疎外の結界が掛けられていて、そうと認識していないと通り過ぎてしまうようになっている。

中に無断で侵入したら?

番犬ならぬ番悪魔の出番です。

因みに登記上の代表はお袋。

未成年に代表なんて出来るわけないだろ。

 

工場に入ると、事務所で待っていた、童顔イケメン(けっ)の男が、奇麗な敬礼をして見せた。

「警察庁公安部の、神名代 純です。よろしくお願いします。」

 

ん?

神名代 純?

どこかで…。

いやまさか?

 

「あ、あの、神名代さん、教師なお義姉さん、おられませんか?」

「!?、なんでそれを!!、あ、いや、僕が()()()()諸星さんなら、当然かもしれませんね…。確かに、教職免許を持った義姉がいます。」

 

アイエエエ!?、なんで、正義ぃ(ジャスティ)正義ぃ(ジャスティ)、なんで!!?

 

この世界、霊力を超能力と言う形で発現するものが居る。

除霊に使えなくも無いのだが、どちらかと言うと対人が得意分野となる。

テレパシー、クレアボヤンス、トラポートなど、実にスパイ向きの能力が多い。

そのカウンターとして公安にも超能力者が配備されているとは噂で聞いていたけど、まさか、(ジャスティ)とはね。

世界観、バグってない?

まあ、神名代さん、世界最高クラスの超能力者だそうで、大陸系の浸透は心配なさそうだな。

なにしろあっち、賄賂、ハニトラは当たり前で、戸籍どころか記憶まで捏造して潜り込んでくるらしい。

怖!

新しく雇った人たちは、当然神名代さんが()()()()()おり、問題ない。

新規エネルギー事業に関わるという事で、ガチガチの守秘義務を結んでいるが、それでも情熱が上回る人を()()()、との事。

いや、この人いたら人事完璧じゃね?

カオス爺さん達は、トラポートでここには出入りすることになっている。

魔石は、日本の山から見つかった鉱石で、放射線などは含まない新種のエネルギー結晶として発表する予定だ。

勿論退魔筋ではすぐに分かると思うが、量をある程度揃えることは、異界に鉱山持ってるウチ以外出来んと思うぞ。

それまでにダミーの鉱山も用意する事になっている。

採掘量の関係として、スマホのような小型家電のリチウムイオン電池に代わるものとして流通させる。

充電器もついているが、実際は電気ではなく周囲のMAGを効果的に集めて充填させる装置だ。

これで、日本全体の電気使用量の削減を図るのと、MAG濃度を出来るだけ減らしてGP上昇をなるべく抑えることも目指している。

塵も積もれば、で、かなり効果があるはずだ。

何故に日本政府がここまで力を入れているかと言うと、この間の中東でのメシアン共のテロの影響だ。

紆余曲折を経て、一神教が何とか抑え込んだのだが、初動が遅れに遅れたため被害が大きく現地が混乱し、反政府勢力の活動も活発化したため採掘の再開の目途がまだ立っていない。

更に、一神教のエクソシストにも甚大な被害が出たため、欧州の霊障被害も増加し、その隙間をメシア教が埋める形で勢力を伸長させたため、各地で混乱が生じている。

リチウムの主要産出国はオーストラリアである為、今のところ影響は少ないが、オーストラリアにもメシア教は浸透してきているため、エネルギー関係はなるべく内製化しておきたいというのが本音である。

いや、それでオカルトに頼るん?って思わなくも無いが、オカルトが実際にある世界ではこうなるのかなあ、と、隣でニコニコしながら浮かんでいるラムを眺めるのであった。

 

あれが、警護対象であり、監視対象か。

恐ろしいものだな。

 

神名代は、的たちが去ったあと、知らず入っていた体の力を緩めると、ふう、と嘆息した。

対象によっては、読みにくいことはあっても、今回のように全く読めないことは初めてであった。

その横にいた、美しい少女も、全く読めない、いや、読むことを躊躇させる異質さがあった。

あれが、悪魔と言う存在なのか。

正直、仕事で無ければ、同じ空間にいることが苦痛なほど、在り様が違い過ぎる。

それを、気軽に横に侍らせる、規格外。

これからの仕事を思うと、胃の辺りが重くなる神名代であった。




神名代さんは、霊的は目で無意識的に見ているため、悪魔の本質を覗き込む形になってます。
普通、発狂ものですよね、悪魔なんて覗いたら。

しかしジャスティ、この頃に姉萌えなんてジャンルやってたんですよねぇ。
時代先取ってましたね。
お義姉さん、星子さんも弱いながらも超能力者で、公安に属してます。
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