ありふれた(?)女神転生   作:はるまき

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第22話:ボーイ ミーツ ガール

高校2年生となった。

サウジの油田が漸く再開となり、これで安心だ。

ってなれば世の中楽だったんだが。

まず、中東各国での反政府組織の活動が収まっていない。

採掘しても、安全に港へ運ぶことが難しくなっている。

万事上手くいき、港から運び出せたとしても、紅海側はアフリカの混乱から海賊が跋扈しており、それを抑える余裕が国連に無い。

じゃあ、ペルシア湾から、て、なると、ここはまたイランとイラク間で緊張が高く、船舶の安全航行が保証されない状況だ。

現状、周囲の状況を見ながら船団などを組み、恐る恐る輸送している。

結果、今でも石油は足りていない。

足りないことで政情不安を呼び、小国間では石油の奪い合いが起きている。

因みにソビエトは、内戦までは起きなかったが、前世以上に細分化されてロシア連邦が成立しており、今でも週替わりで国境線が変更されているぞ。

また、一旦上がったGPは色んな影響をもたらしていた。

野良悪魔の出現、一般人の覚醒。

勿論覚醒する人間はごくわずかであったが、認識できる人が野良悪魔を実際に映像として捉えてしまい、ネットの海に拡散したんだ。

各国政府は、偽造だと表明していたが、事実として世界中で何物かに喰われたのが原因の不審死が増加しており、本物であると信じる人が増えてきている。

 

日本国内では、不安はありつつも重大な政情不安は起きていない。

石油を安定的に供給出来ていることが評価されている。

また、MAGバッテリーの発表も好意的にとらえられている。

お蔭で、ダミー鉱山に建立された金山彦を祭る神社への感謝の念から面堂へのMAGの還流も膨大となり、仲魔達のLvも上がったことで、新しい鉱石が得られるようになっている。

属性石である。

それぞれボスクラスの仲魔達が異界で暮らすことによって性質が異界になじんで行き、結晶化したものだ。

炎性石、雷性石、氷性石、風性石、闇性石、光性石。

残念ながら万能石は見つかっていない。

これを用いて爺さんs、属性弾を作り出すことに成功したんだぜ。

 

五島三佐の部隊と試験したところ、相手に与えるダメージは射手の覚醒レベルによることが分かった。

未覚醒者がヘルメットで相手を認識して撃った場合、Lv1~2程度を駆逐できる可能性があり、覚醒者は同Lv帯は駆逐可、Lv差が5程度であればダメージを与えることが出来、10も離れると怯ませることが出来る位になる。

因みにコストは馬鹿高い。

鉛には混ぜることが出来ず、鉛の芯を銀に混ぜた魔精石でコーティングしてるからな。

この属性弾による除霊の結果、自衛隊内に覚醒者が増えている。

才能はお察しだが、低Lv帯なら対応できる部隊が中隊レベルまで拡充されたのだ。

また、MAGバッテリーの研究応用から、MAGを吸収することで悪魔の動きを阻害するネットも生み出されている。

低級な霊団に投網のように被せて行動を阻害するのだが、中々に活躍しているらしい。

え、ラムたちに使うとどうなるって?

容量を一瞬で越えて破れるよ?

 

実は、ヘルメットについては米軍にも卸し始めている。

なんせ、銃絶対主義のお国ゆえ、悪魔が認識できるヘルメットについては需要がでかい。

今のところ国内優先なので、向こうからは矢のような催促であるが、材料の関係で現在のペース以上の生産は無理だ。

一応こういう材料があれば出来るよ、と素材について米国に秘密裏に伝えてあるが、中々条件の合致する異界は見つかっていないようだ。

一部裏に流れてメシアンやギャングなんかが入手したようだが、前述の材料の関係で量産は出来ないだろうし、ある程度この事態は予想していたので仕方ないと割り切った。

ただ、悪魔を認識できる人間が増えるという事は、それだけ世間にも広まるという事で、日本と米国では悪魔の存在が確実視されつつあり、それがまたメシア教の勢力強化に繋がって居ると言う。

 

ああ~、もう、何か、やってもやっても問題が起きる!

異界のリビングで頭を掻き毟る。

確かに日本はある程度落ち着いてるけど、メガテン的災害を思えば、足りてないよなぁ。

ふう、と溜息をついてソファに背中を預けると、ラムがキッチンから出てきた。

「まあまあダーリン、悩みすぎるのもいけないっちゃよ。」

そう言いながら、お盆にのせた皿の上にある、コーンに入ったシャーベットを渡してくる。

これは、最近出現したおユキさん系統のフード悪魔で、鳥型をしているが、嘴を捥ぐとコーンに入ったシャーベットになるのだ。

その名もまんま、シャーベット。

氷結耐性が付くので、自衛隊への隠れた人気商品である。

味も抜群だぞ。

しばし、脳休憩タイム。

「ねえ、ダーリン、他の国って都会で悪魔被害が多いっちゃよね?日本、あんまり都会での被害聞かないのは、なんでだっちゃ?」

ペロペロとシャーベットを舐めながら聞いてくる、ラム。

「あ~、うん、MAGバッテリー、周囲のMAGを集積するの話したよな?」

「うん、それで電気の消費を抑えて、石油消費も抑えようって話だったっちゃね?」

それは聞いた、と言う顔で続きを促す、ラム。

「ああ、一つ一つのバッテリーが集積するMAGはそれ程でも無いが、都会は人口が多い。そして、政府の主導で小型家電のバッテリーは、MAGバッテリーに切り替わってきているから・・・。」

「!、集積されるMAG量も多くなって、MAG濃度が下がる、ってわけっちゃね!」

そう、本来人の感情の揺らぎから生じるMAGは、都会でこそ多量に発生するのであるが。

MAGバッテリーのお蔭で、発生するそばから集積・消費され、逆説的に人気のない田舎の山奥に集積点が発生することになり、()()()()()()と誤魔化す事が出来ている。

「でもなあ、いくら日本が頑張っても、今のスピードでGP上昇したら、焼け石に水なんだよな…。」

ぐてり、とソファにへたり込む。

勘弁してくれよ~、前世で50年以上の経験があるからって、世界規模のトラブルなんて見たことも聞いたこともないんだって!

「ダーリン!大丈夫け?」

ゆさゆさ、と揺さぶられるのに、ふ、と顔を上げると、ラムのドアップ。

 

奇麗だな。

それに、いい匂い。

 

視線の中で、揺れる、ラムの眼差し。

間近で感じる、吐息。

 

少しづつ、近づいて。

 

「小僧!、閃いたぞ!!」

ドバン、とリビングの扉を開けて入ってくる、カオス。

 

「…何をしとるんじゃ、お主ら?」

天井に張り付いているラムと、腕立て伏せをしている俺らを、きょとんとした顔で聞いてくる、カオスであった。

 

「「うっさい~~~~~!!!」」




甘い雰囲気、作者には無理です…。

感想で頂きましたが、的君、もう日本最強を名乗っていい位です。
ただ、本人はメガテン脳で、こんなもんじゃ足りないと思っており、周囲の評価からずれています。
いや、ゲーム本編知ってたらいくら準備しても心配になりますよね?
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