深夜、MACの事務所内に蠢く、3人の影。
暗視ゴーグルを着け、全身黒づくめの男たちは、滑るような身のこなしで足音も立てずに所長室を目指す。
それにしても、とリーダーは思う。
えらく警戒の厳しい場所だ、と。
この建物に入るために、周囲を警戒していた人員を釣り出す陽動部隊を5部隊も用意しなければならなかった上に、侵入したら侵入したでどこの軍事施設だと言わんばかりの警報や罠の山。
SASで腕利きで鳴らした自分たちで無ければ、もう既に露見していたであろう。
だが。
ここまで厳重にしている異界であれば。
次の世界の礎として神に捧げるに相応しいはず…!
内心の高揚を押し殺し、所長室の扉の蝶番部分に油を差し、音を立てないように開くと3人は身を低くして室内に滑り込み、周囲をすばやくチェック、人影が居ないこと確認して立ち上がる。
注目するは、壁沿いにある書架。
百戦錬磨の彼らの眼は、そこにある違和感を見逃さない。
書架の横の絨毯を捲ると、そこにはレールが露見した。
にやり、と覆面の下で笑うと、リーダーはハンドサインで指示を出す。
L85を構えるリーダーの前で書架を動かす部下達。
と、移動した後に現れる、黒い孔。
すると、リーダーの後ろに現れる、翼を持った騎士姿の
「よくやりましたね。神もそなたの献身をお喜びになるでしょう。」
「おお、
ざ、と膝まづく、黒づくめ達。
リーダーは、メシア教の中でもその素養(Lv8)を神により祝福され、
ああ、神に認められたと言う全能感と、神に全てを捧げる幸福!
さらに、
みよ、この威容、異界のボスがどんなものか知らぬが、一溜りもあるまい!
「さあ、征きましょうか、忠実なる子羊たちよ。」
さあ、異教徒たちを殲滅せん、いざ、レコンキスタへ!!
孔を潜り抜けると、彼らはローマの野外劇場のような舞台上にいた。
ただ、千人以上は居る、その観客は。
レギオンの、群れ。
「Oh my God…。」
「ムドムドムドムドムドムドムドムドムドムドムドムドムドムドムドムドムドムドムドムドムドムドムドムドムドムドムドムドムドムドムドムドムドムドムドムドムドムドムドムドムドムドムドムドムドムドムドムドムドムドムドムドムドムドムドムドムドムドムドムドムドムドムドムドムドムド」
ま~~~~~た、メシアンが侵入したと報告を受けた。
実はMACの事務所に繋げている異界への通路、態とあのままにしているんだ。
最初は、事務所の罠ももっとえぐくて、それこそ即死級でガチガチに固めてたんだけど、公安の後藤さんから注意されたんだよね。
あんまりにも固めすぎると、敵も本気で攻めてくるんで、少人数でこそ攻略できると判断する程度に抑えて、奥に引きずり込んで処理した方が効率がいいってね。
それで、事務所に入った敵は、監視カメラと連動したデビルアナライズで戦力を分析し、異界に侵入したところで弱点属性の悪魔を揃えてお出迎えをすることにしたわけだ。
あ、今回は糞メシアン共だったから即死級だったけど、米国なんかの所謂自由主義国の諜報関係者は生きて公安に引き渡すようにしてるよ、
共産圏は、場合によりけり。
居なくなった方が都合が良い場合もあるんだってさ。
まあ、引き渡すたびに後藤さんが良い顔をする事。
お隣寄り、って、されてた政治家さんが最近引退が多いのは、なんでなんだろうね~?
今のところ、メシアンの精鋭でも、Lv10行くか行かないかなので、それでラスダンに乗り込んだらこうなります、って現状でした。
他の所員達については別の機会に。