ありふれた(?)女神転生   作:はるまき

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メガテンと言ったらこれは出しておきたいですよね。


第23話:彼女がスーツに着替えたら

カオス爺さん、やっぱ天才だわ。

爺さんs、マリアさん達みたいなアンドロイドを量産することを考えていたが、ネックなのはやはり素材と価格。

現在の異界で集められなくもないのだが、非常に手間がかかり、商業ベースに乗せようとすると、半年でようやく一体が完成し、値段は戦闘機5機分位になると試算された。

現実的ではない。

そこで、発想を変えて、人工霊魂まではいかない、スライムを変容させてコアとし、サポートに性能を振った人工知能を搭載させ、パワーアシスト機能を持ったスーツに、霊的アシストを合わせ待たせることにしたのだ。

そう、デモニカスーツに、自力で辿り着いちゃったのだ!

つまり、タルカジャ、スクカジャ、マカカジャが常時掛かり、万能以外に若干の耐性がある、アンドロイドに比べれば格は確かに落ちるが、十分すぎる怪物を開発したわけだ。

コアに悪魔を素材としたことからスーツ自体もLvが上がり、Lv20位まではサポートできるとの事。

ん、マリアさん達?

人工霊魂に成長限界はないって言ってたぜ?

スーツのアシストにより、10位上のLvの存在ともやり合えることが出来る、今の状況では神設計としか言えない性能。

動力源は、MAGバッテリーを分散配置し、補助としてMAG集積装置も搭載している。

生産性も、一日一体生産可能で、お値段も戦車1台分と格安である。

え、億単位が安い訳ないだろ!、って?

Lv30付近って、正直破壊力は戦術核兵器並みだからな?

それが戦車1台の値段でやり合えるかもしれないって格安だろ?

逆に言えば、ヤバい。

こんなもん軽々しく世に出しちまえば、糞メシアン共が嬉々として「神から与えられし物」認定を勝手にして、活用しまくるのが目に見えている。

詰まるところ、ウチだけでは絶対に手に負えない代物ってわけだ。

そろそろ、腹を括らにゃあならんか。

 

「親父、ちょっと話があるんだけど。」

日課の特訓に出ようとする親父を、玄関で呼び止めた。

「なんだ、的。急用じゃなければ、夜でもいいだろう?」

訝しげに、俺を見る親父。

「ああ、とても重要なことなんだ。これから変わるはずの世界について話がしたい。」

「お前、何を言って…?」

俺の言葉に疑問の声を上げかけた親父だが、俺の眼を見て、頷いてくれた。

「分かった、書斎で聞こうか。」

 

「親父、この光景、可笑しいと思わないか?」

書斎の窓から異界を眺めながら、俺は言う。

「神秘が薄れたはずの現代で、こんな数と種類の悪魔がどうして現出してきたのか。そして落魄したとはいえ、仲魔(ラム)達のような高位な悪魔が顕現したのか。」

「む、そう、だな。慣れてしまっていたが、確かに可笑しな事態だな。」

親父も徐々に状況に馴染んでしまっているが、当初は驚愕していたのだ、大妖の出現に。

「俺はな、親父。あの死にかけたとき、見たんだ。世界の壁が壊れて、神話の時代に戻った地獄の光景を。」

「なに!?」

「最初は俺も信じられなかったさ。でも、焦燥感が消えなかったんだ。だから俺は、俺なりの準備をしてきた。なあ、親父。最近の悪魔の出現状況、知ってるだろ?本当に、壁が、薄くなってきているんだよ…。」

「未来予知?、いや啓示なのか…?だから、此処までうまく事が運べた?」

流石に、ここがゲームで知ったような世界で、転生してその知識で動いてます、なんて言ったら正気を疑われかねないので、オカルトっぽく予知として知ったようにしたのだが、なまじ本当にそう言う能力者が居る世界なので、親父としても否定しきれないようだ。

「そして、カオス爺さん達がこの状況を食い止められるかもしれないものを作ってくれたんだ。でも、それは劇薬でもあって、逆に世界の壁を壊しかねないんだよ…。正直、どうすればいいのか分からなくなって…。」

ああ、そうだよ、中身は50過ぎたオッサンだけど、世界の危機の救い方なんかわかりゃしない。

がむしゃらにここまで来たけど、どうすりゃいいのか…!

ぎり、と奥歯を噛みしめて俯く俺の頭に、ぽん、と手を載せる、親父。

「的、正直私は、理解できたとは言えん。しかし、お前のこれまでの努力は知っている。信用するよ。それで、何が問題なんだ?」

ほっとした余り膝が砕けて暫く話すことが出来なかったが、デモニカスーツの話をすると、親父もそのヤバさに絶句していた。

そりゃそうだよな、気〇いに刃物どころか、核弾頭渡すことになるかもしれないんだから。

「流石に、私の手には余る。やはり、政府に話が出来る伝手が必要だな。」

やっぱり、そうなるか。

今までの貸しを一寸返してもらうしかないな。

その前に、あの方にもこっち側に来てもらうか。

暴走するのが怖いし。

 

 

五島三佐は、目の前の光景が現実なのか、二度目を擦り、フルパワーで頬を抓り確認した。

現実だった。

「装備のことで話がある」、と、MACの事務所に呼び出され、真剣な顔の的から「今から向かうところは、他言無用にお願いします。…多分言っても信用されないとは思いますが」と、トラポートで移動したのであった。

そこは。

百鬼夜行。

ある程度の実力はあると自負する自分であっても、秒とは持たないであろう魔境がそこに広がっていた。

「ここが、ウチの異界です。」

戦慄きながらその地獄を見ていると、的がさらりと爆弾発言を投げ込んでくる。

「な!…いや、この異常な異界があればこそ、これまでの装備類が開発できたのですね。しかし、何故本官に教えたのですか?」

その問いに、真剣な表情で的はこれまでの経緯を五島に話していった。

瀕死の際に、予知か啓示によりこの世界の終わりを見たこと。

それに対し、目覚めた悪魔召喚者(デビルサマナー)としての力を使い準備を進めたこと。

異常にスムーズに事が進み、異界の規模がこれほど大きくなったこと。

「多分、世界の壁が薄くなっていることと無関係じゃないと思うんです、そして。」

ドドル、カオスと言う協力者を得て未覚醒者でも戦える手段を模索し、弱い覚醒者でも戦えるようにしてきたこと。

「今、ウチは世界の危機を救う事にも、逆に滅ぼす事にも使える装備を開発してしまいました。」

苦悩に満ちた表情で五島を見る、的。

「僕は…、身近な人達を、延いては日本を護りたい。力を貸してくれませんか、五島三佐。」

響いた。

長年、護国の念と現実の狭間で怒りと、諦念とに苛悩まされていた五島の心に、それはもうものっ凄くぶっ刺さった。

がし、と、的の手を握る。

「的君、君の護国の念、この五島感服仕った!ぜひ、協力させて頂こう!」

熱い思いをたぎらせて、年少の同志への協力を誓ったのであった。

 

内容を聞いて盛大に顔を引き攣らせたのであるが。

 

「まずは、一歩か。」

応接室から出ていく五島三佐を見送りながら、独り言ちる。

五島三佐を引き入れるのは、当然リスクがある。

なんせ、カオスルートだからな。

でも、放っておいたら暴走するだろうし、どの道自分たちだけで出来ることは少ないのだから、色々飲み込みながら前に進むしかない。

 

 

と、おユキさんの手が、俺の頬に添えられる。

深い菫色の瞳が、俺の眼を絡めとる。

「あたる様、あなたは一人ではありませんわ。私たちも共に居ります。分かち合い、支え合って乗り越えてまいりましょう。」

そう言って、花が開くように、包み込むように微笑んだ。

「おユキさん…!」

俺は、添えられた手を両手で握りしめ、徐々に二人の距離が縮まり…。

 

「小僧、清麿めが、物凄い事をやりおったぞ!」

「なんか恨みでもあるんか、爺ぃ~~!!!!」




的君、今更カオスルート云々言ってますが、当の昔にカオスな状況になってますよね。
外から見ると、まんま万魔を統べる大魔王なんですが、本人にはその自覚がないという。

カオス製デモニカスーツのヤバい所は、Lvが10上を打倒できる可能性がある事です。
メガテン的には、神話的困難を乗り越えた、所謂Lv上限突破が起きる確率があるんですね。
ロバ位の才能しかない現世覚醒者が、未勝利サラブレット位まではいけるのは大きいですよね。
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