ありふれた(?)女神転生   作:はるまき

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メガテン世界には、厄ネタが必要ですよね。


第26話:新世紀開始?

今、世界の軍隊ではLABORへのパラダイムシフトが起きつつある。

何しろ、悪魔と相対するのに、戦車では相性が悪すぎる。

砲塔を回す速度より、相手の動きの方が早い。

おまけに悪魔が出現する場所に、戦車は入れない場合が多い。

だがLABORであれば、戦車砲サイズのマシンガンやショットガンで面制圧射撃が可能になるし、戦車に比べて場所を選ばない。

採用しない理由がない。

米英独仏は、多種多様な企業がライセンス生産を始めている。

中でもシャフトエンタープライズ社が頭一つ抜きんでいるようだ。

お隣の国は、独自開発したと謳うLABORを発表した。

なんで1か月もしないのに新機軸の機械が作れるんですかね?

ただし、頗る評判が悪い。

姿勢制御ソフトの出来が宜しくないのだ。

其の為、操縦が物凄く煩雑になり、射手と操縦者の複座式となっている。

まあ、日本の姿勢制御ソフトは、清麿製だからな。

キチンとブラックボックス化されており、無理に開けようとした場合プログラムはデリートされる。

ああ、買った傍から開けて、謝罪と賠償を要求してきた国もあるけどね。

今、このソフトを巡って水面下の暗闘が繰り広げられているとは、後藤さん情報。

爆釣、爆釣とほくそ笑んでいたね。

因みに、アフリカ諸国はやっすいお隣製を我慢して購入するか、円借款で日本製を買うか、らしい。

日本国内の工場は、フル稼働で嬉しい悲鳴を上げている。

しかし、頭が痛い情報だが、メシア教会製のLABORも出現している。

こちらはくそ天使によるオカルト技術により、直接覚醒者の脳にコードをぶち込んで機体の制御を行うため、他のLABORより挙動がスムーズだそうだ。

レンズからの情報も視神経に接続されているってよ。

何ともグロいエヴァ方式だな。

カオス曰く、「こんな無茶な接続なんかしたら1回の出撃で脳が焼き切れるわい」、だそうで、どうやら操縦者は使い捨てらしい。

まあ、メシアンなら喜んで身を捧げるんだろうけどな。

あと、機体はシャフト製品の癖が見られるとの事だが、シャフト側は公式には否定している。

何でかアフリカのテロ組織にもLABORが普及してきていて、そっちはお隣製が多い。

勿論、国家の関与は否定しているよ。

ロシア連邦は、まだごたごた続きでLABORの配備は遅れがち。

ただ、面積が広くて人口集積地が少ないため相対的に悪魔被害は少ない。

どこもLABORと言う新機軸に群がっている。

其の隙を縫って、ウチの異界では毎日五島陸将(昇進しました)の秘匿部隊がデモニカスーツのブラッシュアップに励んでいる。

やっぱり、現場の意見は重要だからね。

五島陸将、張り切りまくってるから、何か、物凄く進化しそうで怖いんですけど。

 

東京湾人工島計画、通称「バビロン計画」は、日本国内では高い注目があるけど、世界的に見てそこまでではない。

世界の耳目がLABORに集まっているからだ。

それを良いことに、カオス監修の霊的防御を最初から組み込んだ埋め立てを行っている。

無造作に基礎として投げ入れている土砂は、ウチの異界産の物だし、綿密な計算で埋め込まれる魔鉱石は、魔術陣を描くように設計されている。

効果は、少量ずつMAGを貯め、起動キーにより島の上空にマハムドバリオンを発動できると言うものだ。

まあ、クソ天使対策だな。

あ、建物内に被害が出ないようにしてあるよ、勿論。

現実的な侵入者対策としては、時代先取りの監視カメラによる警備システムを構築する計画だ。

勿論、悪魔も認識出来るぞ。

土地の造成が済んだら、そこで異界の入り口を移す。

最初は工事関係の建物に偽装して、後々は、ウチが主体の警備会社を設立して、その建屋の中に設置される予定だ。

 

そんな日々を送っていると、珍しい来訪者が、家に来た。

 

「…邪魔をする、諸星。」

苦虫を、㌧単位で噛み締めている表情で、玄関に佇む。面堂。

「…お、ほほほほ……。」

何時もの高笑いも力ない了子ちゃん。

「ん、どうしたん二人そろって、珍しいな?」

「…貴様に頭を下げるのは業腹だが、我々の関係者が迷惑を掛けることになった。」

面堂が、頭を下げながら重い口を開く。

うぇ!?

こいつが頭を下げるなんて、槍でも降ってこんよな?

「実はですね、あたる様。お父様とお母様が顕現なさいまして…。」

………何て?

「了子ちゃん、俺、耳が遠くなったのかな?ご両親が顕現したって言わなかった?」

ダラダラと汗を流しながら聞き返す、俺。

いや、だって、この二人の両親つったら、ねぇ!!!

「残念だが、本当だ、諸星。父神たる伊弉諾神と母神である伊弉冉神が、今異界に顕現されている。」

うそ~~~ん!!

この二柱が一緒に居たら、新世界創造(国生み)始まるやんけ!

 

慌てて面堂邸に駆けつけると、どこの米国の富豪宅だよって位にゴージャスになっていた。

玄関を開けると、ダンスでも踊れるんじゃないかって空間に、両側から二階に上がれる少し弧を描いた階段と、映画の中でしか見ないような空間の中心に、やや歳はいっているものの美男美女のカップルが佇んでいた。

「やあ、すまないね。本来ならこちらから出向くものだが、いきなり顔を出すとびっくりするだろうから終太郎に託を頼んだんだよ。」

「……。」

伊弉諾神がそう話す横で、伊弉冉神は、口元を扇子で隠しながら隣の執事の格好をしたイッポンダタラに何事か呟く。

「奥様は、子供たちが世話になった、と仰っておられます。」

「はは、ははは…。あの、現世との繋がりが薄くなってたはずのお二方がどうして顕現されたので?」

背中に冷や汗を掻きながら俺が伊弉諾神に聞くと、おや、と怪訝な顔をされた。

「それは、終太郎の契約者である君のお蔭だよ。」

え?

ぽかんとした俺に、伊弉諾神は続ける。

「霊的な儀式をしながら国生みをしているじゃないかね。それで我々に繋がったんだよ。」

…あ。

東京湾再開発!!

言われてみれば、あれ、国生みじゃん!!!

あまりの事に、がくり、と膝をついた俺に、

「まあ、そうは言っても現世への繋がりはまだまだ薄いんで、ホンの欠片しか来れていない。今の我々では新世界創造(国生み)なんて事は無理なので安心して欲しい。」

と、告げる伊弉諾神。

「……。」

「奥様は久しぶりに顕現できたので夫と共に現世を楽しませていただく、と仰っています。」

いや、今は、って何時か出来るかもしれないですよね!?

なんで終末を軟着陸しようとしてるのに、それを越えた世界転換ネタ抱えちゃってんの!!?

 

「こんな生活、もういやじゃあ~~~~~!!!!!」




今回顕現された二柱は、和魂の、超々劣化分霊体ですので、まだ安心です。
まだ。
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