ありふれた(?)女神転生   作:はるまき

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第4話:男だ!燃えろ!

早速異界の再編成に乗り出した。

と、言っても今までのボスを討伐して面堂に挿げ替えただけだが。

 

ボスと言っても、Lv5の餓鬼。

落魄しているとはいっても、ネームド神に敵うわけもなく。

 

「フハハハハ、この面堂終太郎の敵では無いわ!」

 

はい、キンクリキンクリ。

 

さて、これでこの異界には、あの悪魔が出現するようになるはずだ。

 

イッポンダタラ。

 

メガテンではこいつのレアドロップにお世話になった。

そう。

道返玉。

リカーム切れの時のお守りとして、序盤~中盤では携帯必須であった。

 

しかし、今までではそれを入手できる伝手が、無かった。

イッポンダタラが出現している異界の情報は全く無く、または秘匿されているかで、ごく稀に裏のオークションで流れてくることがあるようだが、落札価格は青天井で、ウチが入手できるはずも無かったのだ。

しかし、メガテン世界とレオ世界とが悪魔合体した現世、事故に備えることは急務であった。

故に、断腸の思いで、清水の舞台から飛び降りる気持ちで面堂(金山彦)を召喚したのだ!

これからはボスとして異界に縛り付けるから、顔を突き合わせることもそうそう無いだろうしな!!

…了子ちゃん来るかもな、と期待もしてたし(ぼそ)

 

親父に道返玉のことを話すと、このことは俺と親父だけの秘匿情報とすることになった。

まあ、いつかは漏れるにしても、今漏れたら、間違いなく大手に飲み込まれてしまう。

玄さんや、所員を鍛え上げ、俺の戦力の底上げが進むまでは封印だ。

 

「ふむ、これで玄に更なる特訓を課すことが出来そうだ。」

厳しい顔をしていた親父が、ふ、と満足そうに呟いた。

…ごめんよ玄さん、強く生きて欲しい。

 

ところで了子ちゃん、その黒子の方々なんですけど、アナライズ弾かれるんですが?

もしかして、オンギョウキとか言わないよね?

了子ちゃん?、了子ちゃん!?

 

ナレーション(天の声)

「一方其の頃MACは、夜間に頻発する不可解な女性連続惨殺事件を追っていた。」

 

「いや、参ったな。現場に残ったMAGの残滓から悪魔事件なのは間違いないが、手掛かりが少なすぎる。」

ぎし、とチェアの背に凭れかけながら、副所長の黒田がぼやく。

 

「共通しているのは、夜間の犯行であること、被害者は若い女性であること、何か槍状のもので貫かれていること。それ以外は場所も容姿も時間帯もバラバラ。」

青島も眉間を揉みながら続ける。

 

「パトロールしようにも、完全に運任せですからね…。」

いつもはクールな態度の赤石も、連日の夜のパトロールに疲労が隠せていない。

 

「弱音を吐くんじゃない、我々がやらなければ被害は増大するんだ。気合を入れ直していけ!」

「「「はい!」」」

弛緩した雰囲気が漂ったところに響いた弾の檄に、気持ちを建て直して立ち上がるMAC所員。

 

遅番の玄が仮眠室に向かおうとしたところに、同期の白土が近づいてきた。

 

「大鳳、すまないけれど洋子さんを自宅に送ってくれないか?早番で俺は出来ないけど、ほら、物騒だろ、今。」

拝みながら頼んでくる白土。

白土の婚約者の洋子もMACに所属しているが、霊能力は無く、完全に事務方である為、夜は当然自宅に帰ることになる。

「確かにな…、分かった、任せてくれ。」

気持ちよく引き受ける、玄。

途中参加の自分に、隔意なく接してくれる白土に協力するのは、吝かではない。

 

「すみませんね、大鳳さん。遅番もあるって言うのに白土さんったら!」

「いや、洋子さん、近頃は女性の一人歩きは危険です。それに近いしへっちゃらですよ!」

コツコツと、人気の途絶えた住宅街に二人分の靴音が響く。

世田谷は都会とは言え、大通りから離れると街路灯も少なくなり、薄暗い。

 

と。

角を曲がった先に、電球が切れかけているのか頼りなく点滅している街路灯の下に鬱蒼と佇む影があった。

 

「ん?」

違和感を感じて足を止める、玄達。

足を止めた二人に、ゆっくりと影は振り向いた。

 

妙に人間味に欠けた、爬虫類じみた顔。

そして。

真紅に光る、目。

 

「っ!!」

息を吞む二人の眼前で、それは怪光を放ち…変身(シフト)した。

 

やや薄汚れた緑の皮膚色の、まるで爬虫類が二足歩行しているかのようなシルエットをしており、頭部は、昆虫と爬虫類を掛け合わせたような不気味な風貌で、極めつけは両肩から生えている、湾曲した鋭利な角状突起。

 

ナレーション(天の声)

「狩居 清二(かりい せいじ)は快楽殺人者である。悪魔憑き(デビルシフター)としての力を使って、若い女性を嬲りながら殺すことを好んでいるのだ。」

 

「洋子さん、下がって!」

洋子を庇う様に前に飛び出した玄は、空手の演武のような動きを繰り出し、咆哮する。

 

「レオー!!!!」

 

獅子の瞳(レオリング)が赤い光を放つ時!

 

レオは顕現する!!

 

『イヤァーー!!』

赤き拳が、狩居の顔面を捕らえ、蹌めかせる。

 

見よ!

 

ヘラクレスオオカブトを連想させる3本角の冠を被ったような、アルカイックスマイルを浮かべた仏像を思わせる銀色のマスク。

真っ赤なボディに、銀色の襟飾りをし、中央にエメラルドの輝きの宝玉を纏う、異形。

 

これが、レオだ!

 

続けて蹴りを放とうとする、レオ。

 

しかし。

戦いの経験では、狩居に軍配が上がった。

 

”テトラカーン”

 

『!?』

 

 

自身の攻撃が反射され踏鞴を踏む、レオ。

 

”コロシの愉悦””突撃”

 

CRITICAL!

 

『ヘァ!!』

 

其の隙をつかれ、肩の槍に衝かれ、大きく跳ね飛ばされ、地に伏す、レオ。

 

ぎろり。

 

それを確認し、洋子に向ける、暗い愉悦に満ちた、眼差し。

 

「ひっ…!」

 

”メガトンプレス”

 

獲物に向かい飛翔する、狩居。

 

レオが手を伸ばすが、届かない、届くはずも、無い。

 

迫る洋子の、絶望に染まった、顔。

 

ああ、そうだ、その顔だ…!もっと怯えろ!!

 

「ぬあああああーーーー!!!」

”うちまくり”

 

「ふべらば!?」

 

冗談のような大槌をぶん回して乱入してきた何者かに、水平に吹っ飛ばされる、狩居。

 

 

「間に合ったぁ~~!!玄さん、洋子さんは俺に任せてくれ!じゃあ!!」

 

その闖入者は、息も付かせぬ怒涛の勢いで洋子を小脇に抱えると、ピューと言う擬音が相応しい速さで視界から消えていった。

 

何とも言えない空気が流れる現場。

敢えて表現するとすれば。

・・・

で、あろうか。

 

しかして、両者ともに、ハッとしてファイティングポーズを取った…ところで戦場にアラームが鳴り響く。

 

ピコーン、ピコーン。

 

ナレーション(天の声)

「レオが現界に顕現できる時間は2分40秒である。愚者が戦場に迷い込まないよう、簡易異界を形成するのにMAGを消費しているのだ。頑張れレオ、負けるなレオ!」

 

追い込まれたレオは、自身最大の技を選択する。

 

レオキック!

 

だが、焦りと共に放たれた未熟な技では。

 

”ぶちかまし”

 

熟練の技に敵うはず、なし。

 

レオは、倒れ伏した。

 

普通であれば、終わりであるが。

 

この簡易異界、チートである。

自身がやられたとき、相手のMAGを奪ってリカームするのだ。

狡い?原作(ウルトラマンシリーズ)見て言え。

 

「くっ!」

止めを刺そうとしたとき、急激にMAGを奪われて変身が解ける、狩居。

近づくサイレンの音に舌打ちをしながら、現場を去るのであった。

 

 

 

あっぶなかった~~~!

急激に膨れ上がった玄さんのMAGに泡食って駆けつけたら、洋子さんが、きっしょいトカゲモドキに踏みつぶされ掛けてた。

記憶って、突然繋がることあるんだね。

6話かって、思わず叫んじゃったわ。

 

取り合えず洋子さんだけ救出して、撤退した。

ん?、レオ手伝わないの、って?

…やだなぁ、レオは、追い込まれるほど覚醒するんだよ?

だから、次に来る親父の特訓は、俺は知らない、関りも持たない、無いったら、無いんだ!

 

逃げられませんでした。

 

ジープの代わりに、イッポンダタラ(サングラス)軍団の、ガンパレードマーチ(突撃行進歌)に見舞われました…。

 

え、レオの狩居再戦?

楽勝でしたよ、ハハ☆

 

 

 




昭和特捜の雰囲気って難しいですね。
一寸でも出せてたら幸いです。
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