ありふれた(?)女神転生   作:はるまき

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タイトルと悪魔属性が微妙に一致してるような。


第8話:愛で殺したい

「ふひい、よ~やく到着だな!」

江の島付近からスタートして、学校に影響しないようトラポートで帰宅し、翌日はまたトラポートで戻ってMTBを走らせる、を繰り返し。

三日目にして和歌山県に着いた。

いや、転移系スキルがチートってホントだぜ!

新幹線で来てたら、高校生の小遣いなんて一瞬で消えちゃうからな。

 

んで、和歌山県西牟婁郡すさみ町周参見上戸川。

ここに呪殺系の大物妖怪の伝説が残っている。

 

牛鬼。

 

あまりにもメジャーで、山陰から四国が中心だが、全国に広く伝承が残り、漫画、アニメにもボスクラスでの登場が多い。

ここ、上戸川の牛鬼は滝壺に潜み、影を舐められると高熱を発し、数日のうちに死ぬと言い伝えられている、まさに呪殺系妖怪。

 

人払いをして、念のために破邪符をぺたりと額に貼って…。

くっ、呼び出したくは無いのだが…!!

 

ぴ。

 

「不吉じゃ。」

どどん、と顔に影を落としたドアップが、眼前に顕現する。

ぬわぁあ!毎度毎度心臓に悪い顕現は、やめーい!」

「あいかわらず肝が小さいのう、お主。そんな事じゃ、女子(おなご)にモテぬぞ?」

ぐぬ、ぬぬ、ムカつく、ムカつくが、呪殺無効なの、今は錯乱坊しか、居ない。

いざと言うときの身代わり(生贄)と考えて、我慢、我慢じゃ!!

それに、()()()の場合、無いとは思うがラムを見たら暴走する可能性捨てきれんからなぁ…(ぼそ)。

 

"SUMMON DEVIL"

 

「む。」

二本角の、上下一体型の虎柄スーツを身に着けた、スラリとした長身の物憂げな美青年が、顕現した。

その鼻先に、ビニール袋から取り出した物を、突きつける!

 

「ぶもおおお~~~!!!」

それを、カ、と、見開いた目で凝視したかと思うと、青年は3mはあろうかと言う牛頭の悪魔に変身した!

涎を口の端からダラダラと溢しながら、血走った目で詰め寄ってくる。

 

その手に、ぽん、と、吉〇家のつゆだく超特盛牛丼を載せてやりながら、怪物に問う。

「腹一杯食わせてやるから、俺と契約しろ!」

「!、ぶも、ぶもも!!」

言うや否や、物凄い勢いで頷くと、牛丼をがっつき始める、悪魔。

 

それを眺めながら、錯乱坊がやれやれといったように肩を竦めた。

「お主も悪党よの。何を、いつからという事を約束しらんのぅ?」

 

え、と愕然とした顔でこっちを見る悪魔。

 

「心配するな、約束は守る!コンゴトモヨロシク、レイ。」

 

 

「酷い奴じゃの、罰が当たるぞよ、なむ~。」

「うっせえ、ちゃんと予定はあるんだよ!」

ジト目で見てくる錯乱坊に答える、俺。

順番的には次の次となるが、目星は付けてある、と言うかその為にレイを先に喚んだんだから。

 

種族:妖獣(牛鬼)Lv10

呪殺反射 破魔弱点 魅了(食べ物)弱点(改善の余地なし)

ムド マハムド 毒ガスブレス 祟り 暴飲暴食

呪殺プロレマ

うむ、これでクソ天使対策が出来たな!

逆に確殺されるかもしれんが(白目)。

 

錯乱坊へのお供えとして地酒を購入(この頃はまだ緩くて、高校生がお酒を買っても止められはしない)した後、トラポートで帰宅したのであった。

 

ところで、どうも俺の悪魔使役は色々と可笑しいらしい。

親父曰く、普通のサマナーであれば何とか2体、凄腕で3体召喚出来るか出来ないかで、悪魔の忠誠心を時間を掛けて上げていくのが常道だそうだ。

こんなにポコポコ召喚して、更に忠誠心が高いのは、珍しいを超えて異常な事態なのだとか。

そりゃそうだよな、ゲームでも悪魔の忠誠度は重要だったし、召喚数も、確かにゲームでは倉庫的に並べられていたけれど、現実では、しっかりとMAGを与えないと反逆される確率が上がる。

異界からのMAG供給で、俺は楽出来ているけれど、現状の普通のサマナーなら、2体も持てばカツカツだろうな。

それでも数は居た方が対処しやすいので、無理して召喚して寿命を縮める、なんてこともあるようだ。

転生特典なんて、霊格の上昇位しか実感無かったんだが、これが俺のチート、って事かな。

 

リビングで親父と話していたところ、台所から夕食の準備が出来たとの声が聞こえてきた。

 

お、今日はカレーか。

 

配膳を手伝おうとしたが、顕現しているラムも手伝っていることもあり、狭苦しくなるから良い、と言われて席に着く、男衆。

 

「いただきます。」

 

さあ食うぞ!

 

「~~~~~~~~~~!!!!!!!!!」

 

一口匙を口に運んだ途端。

口の中に。

太陽が出現した。

 

口腔の粘膜を焼き尽くすかのような強烈な辛味に、言葉も無く悶える俺の前で、お袋とラムは美味しそうに匙を進めていた。

 

「お義母さま、どうだっちゃ?一寸甘かったかも知れないっちゃよ。」

「あら、ラムちゃん、良い感じよ?美味しいわ。」

 

…!

忘れて…いた。

お袋が激辛マニアだった事を!!

そうか、これラムが作ったのか!

いや、味は良いよ、良いんだけど、辛さが、辛さが~~!!

 

「もう、ダーリンったら、そんなに震えるほど美味しかったっちゃね?」

ニコニコしながら俺を見つめる、ラム。

 

「うむ、美味しいな。」

親父!?

平然と匙を進める親父…だが、口に含む直前、微妙に手が震えるるのを、俺は、見逃さなかった。

凄いな、親父。

これが紳士って奴か!

 

あ、もちろん零はお子ちゃまカレーだったぞ。

 

この日から、週に1回は激辛カレーが食卓に上るようになった諸星家であった。

 

…こんな生活、いやじゃあ~~!!

 




妖獣に分類するのは悩んだんですが、耐性で一致するのがこの分類だったもので。

主人公、全門耐性で激辛への耐性が上昇してるので悶絶してるだけで済んでます。
辛いのが大丈夫なのと、好きかどうかは別物なので、毎週はきついでしょうね。

思ったんですけど、ラムが麻婆豆腐作ったら、あの神父大満足なんじゃ?
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