ありふれた(?)女神転生   作:はるまき

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京都に近づいたら、あの方だと分かりますよね。


第9話:女になって出直せよ

「おらおら、足元がお留守になってんぞ!」

じゃらん!、と鎖が玄さんの足元に叩き付けられる。

「いぃやあ!」

それをバク転で躱す、玄さん。

「タイマン中に、悠長に背中向けるんじゃねえ!」

弁天様が、回転途中の玄さんの背中に、ヤクザキックを放つ。

 

どごん。

「うわああああっ!」

 

人体が立ててはいけない鈍い音を立てた玄さんが、水平に吹き飛んでいく。

 

「玄、避ける時は鋭く小さく、隙を見せるな!」

親父の檄が飛ぶ

 

「はい、所長!」

苦痛に顔を歪めながらも立ち上がる、玄さん。

 

いやあ、実にスポコンですな。

弁天様は最近、異界でのMACの特訓に、教官役として参加することが多い。

本人曰く、「体動かさないと、鈍ってしょうがねえ。」、とのことだが、特訓好きの親父が即決で教官として迎えてから、嬉々として玄さんを可愛がっている。

覚醒レベルが上昇してるから、玄さんも一般人からするとかなり頑丈なわけで、一時期の香港映画みたいにポンポン宙を舞うのが、最近の異界のお馴染みの光景になりつつある。

ケガしても、サクラさんお手製の傷薬で回復するので安心安全。

無限特訓コンボが炸裂している訳だ。

 

そう、異界産の薬草から、傷薬と解毒薬が出来るようになった。

効果的には体力を小回復出来る位と、弱毒状態を解除する程度だが、それでも業界値段は目の玉が飛び出るほどになるので、おユキさん的にもにっこりだ。

いずれ他の組織にも卸せるようになればいいが…、下手に売ると、大手の処から目を付けられるのでタイミングを見計らっているらしい。

しのぶも積極的に手伝っているそうなので、良いスキルが得られることを期待したい。

 

あ、桃井さん、ジャックランタンをついに悪魔トーク(お菓子の餌付け)で仲魔にする事に成功したんだぜ。

今はコンビネーションの特訓中だが、他の所員もやる気が上がっているらしい。

 

 

さて、俺は仲魔ゲットに行ってくるぜ!

 

「的、お前は後から別メニューだ。」

 

…ですよね~。

ちくせう。

 

さて、次の目的地に向かう間に昨今の状況について整理してみる。

今、世界各地では不可解な事件が頻発している。

一晩で村の住民が消えただとか、元気だった人が一晩で木乃伊化していただとか。

その不安を煽るように、メシア教が活動を先鋭化しているのが欧州とアメリカ大陸の状況なんだとか。

アフリカはもっと殺伐としており、メシア教による人狩りからの洗脳が報告されている。

まあ、人狩りについてはメシア教側は部族紛争であると主張しており、それがまた嘘でも無い所がアフリカの闇と言えようか。

え、お隣の国?

何もない、と大本営発表してるよ?

 

日本も不穏な影が濃くなってきている。

霊障事案に対処しているのは、政府系の退魔組織ヤタガラスと、ガイア連合と呼ばれている退魔組織の連合体だ。

ヤタガラスは歴史ある名家や寺社が協力しており、中々の精鋭揃いだが、如何せん政府下にあるため柔軟性に欠けるし、名家同士の確執や、予算の問題もあり、基本災害規模になりそうな霊障にしか対応出来ていない。

現状の日本の津々浦々で頻発する細かい霊障に対応しているのは、ガイア連合である。

連合と言っても、内実は玉石混交だ。

真っ当な寺院から、グレーを通り越して真っ黒な組織まで属している。

それらが自分の面子としのぎを掛けて除霊をしているのが、地方の現状だ。

一言でいえば、統制が取れていない。

じりじりと上がっているGPに伴う悪魔の格の上昇に、各組織が各自で動き、一致した対策を打ち出せていない。

実際、ウチもガイア連合に所属しているが、時には同じガイア連合のダークサマナーと遣り合っている始末である。

ようは、纏まりがないままに、ガイア連合は擂り潰されつつある。

一神教は、と言うと、あまり派手には除霊は行っていない。

日本にエクソシストが少ない上に、日本以外が忙しすぎて対応出来ていないのだ。

それらの隙を縫うように、じんわりとメシア教が勢力を拡大させてきている。

え?

んな怪しげな宗教に引っかかるわけないだろ、って?

オ〇ム真〇教なんてものがありましたよね、前世。

いや、あのキマッタ目をした人々、怖いなんてもんじゃなかったぜ…。

 

 

そんな暗い事を考えながら、目的地に着いた。

 

京都市左京区鞍馬本町。

 

いや、もう説明不要でしょ。

 

天狗、以上。

 

ラムを呼び出しながら、人除け香を焚く。

 

"SUMMON DEVIL"

 

「ワシを喚び出したのは、貴様か?」

頭の両脇に、小さなカラスの羽がある、ややきつめな顔立ちをした黒髪ショートの、艶めかしい黒皮ワンピースタイプのスーツに黒ブーツと言う美女が、顕現した。

 

「ええ、お美しいお嬢さん、わた…ちょわ!?」

「ええい、軽々しく触るで無い、軟弱者が!」

その手を取ろうとまたしても体が動いた俺に対し、手にした黒い羽扇を振りぬく!

”ザン”

 

目に見えぬ衝撃波を、直前で魔力を肌に感じてギリギリで避けた。

すると、美女は少し感心したかのように、ほう、と小さく唇を揺らした。

 

「ふむ、痴れ者ではあるが、鍛えがいはあるようじゃな。よかろう、契約して呉れよう。コンゴトモヨロシクの、サマナー。」

「コンゴトモヨロシク、クラマ様。」

 

種族:幻魔(クラマテング劣化分霊)Lv10

衝撃無効 雷撃弱点 魅了弱点

とんぼ蹴り ザン 風龍撃(劣化中)ハマ 

勝利の小息吹 眷属召喚(弱体化)

 

おお、ハマ覚えてたか、これは嬉しいぜ!

眷属召喚は、あれか、カラステングだな。

弱体中とあるから1体位だろうけど、限定版のサバトマみたいなものかな?

一応攻撃属性は殆ど揃ったな。

 

気持ちが爆上げになりながら、一寸大阪によって、温泉マーク(少彦名命)を召喚して帰宅したのであった。

え、温泉マークの扱いが雑過ぎるって?

レギュラー入れるつもりない(描写するつもりない)から良いだろ!

 

 

 




本文ではすっ飛ばしましたけど、少彦名命はビッグネームです。
医薬、まじない、酒造に長け、大国主命と国造りをしたとされる1柱です。
サクラさんの配役と迷ったんですが、男神で植物の種に乗るほど小さい、と言うのがどうしても馴染まなくて止めました。
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