ダンジョンにビルダーがいるのは間違っているだろうか 作:サンバガラス
「あーーあ。今日も疲れた・・・じゃが丸くんを売るのも大変な仕事だよ」
と言って少女は地下室に入り、フカフカのソファーに倒れ込んだ。言わずともこの少女はベルの主神ヘスティアである。
「にしても凄いなベル君は」
そう言いながらヘスティアは部屋の周りを見た。木のダブルベッドや綺麗な暖炉、貴族の椅子、シャンデリア、本棚、その他の家具の数々。
「それに・・・」
ヘスティアは部屋から出て上に上がるとそこは綺麗な教会があった。さらに教会を出ると隣には大きな畑と牧場があった。
「1週間前じゃあ想像もつかなかったな・・・」
そう1週間前は教会がボロボロで、地下室も辛うじて生活出来るぐらいの物であり、教会の周りも瓦礫や崩れた建物だらけであった。どうしてこれが色々と変わったのか?それは1週間前の事である。
〜1週間前〜
「今日もしっかりと働いたよ。・・・お腹空いた」
バイト帰りのヘスティアが帰っていた時の事。
「・・・ん?何だこのいい匂いは?こっちからだ!!」
匂いを辿っていくと
「僕の家の隣に家が建っている?」
そこにはヘスティアが住んでいるボロボロの教会の隣にレンガで出来た立派な家があったのだ。ヘスティアは恐る恐る扉を叩いた。
「はーい。ちょっと待っててください」
「子供?」
そして扉を開けたのは白髪の少年であるベルだ。
「えっと、どちら様でしょうか?」
「・・・隣に住んでいる竈の女神ヘスティアだよ」
自己紹介していた。
「め、女神様!?な、何か悪い事をしてしまいましたか!?」
「い、いや、美味しそうな匂いに釣られて来ちゃっただけなんだよ。ごめ『グゥゥゥーーー』・・・・」
ヘスティアのお腹の音が響いた。
「お腹空いているのですか?良かったら一緒に食べますか?」
「い、良いのかい!?」
「ええ。食材はまだ沢山ありますし、それに一緒に食べた方が美味しいですから」
ベルの言った事にヘスティアは甘える事にした。部屋に入ったヘスティアはベルに案内され席に座った。
「豪華だね!!」
ヘスティアの目の前にはカジキステーキ、パンプキンスープ、野菜炒め、しゃけおにぎりが置かれていた。
「ほ、本当にいいんだね!?」
「ええ。食べましょう」
ベルはニッコリと笑顔で言った。
「「いただきます!!」」
ヘスティアはカジキステーキを食べ、笑顔を浮かべた。
「う〜〜んまぁ!!めちゃくちゃ美味しいじゃないか!!久しぶりにじゃが丸くん以外の物を食べたよ!!」
「喜んで頂いて何よりです。作った甲斐がありますよ」
ヘスティアが美味しく食べている様子をベルは優しく見ていた。そんなこんなでヘスティアとベルは食べ終わった。
「いーーや。食った食った」
「満足してくれましたか?」
「勿論さ!!」
ヘスティアはベルにサムズアップしていた。
「・・・それで今更何だけど君名前は?」
「そ、そういえばそうでしたね。改めまして僕はベル・クラネルです」
「成程ベル君だね!!」
こうしてお互いの名前を知る事が出来た。
「突然何だけどベル君は何でオラリオに来たんだい?」
いきなりヘスティアがベルに質問した。
「突然ですね。まあ、いつの間にかここに来てたんです」
「いつの間か?」
「来てたって言うより戻ったって言った方が正しいですね」
「戻った?」
ヘスティアはますます分からなくなってしまった。
「昔、僕はこの世界と違うアレフガルドと呼ばれる別世界に居たんですよ」
「・・・はぁ?」
完全に混乱したヘスティアにベルは丁寧に全部教えたのだった。
〜30分後〜
「えっと、つまり君はその精霊ルビスとやらにアレフガルドに呼ばれて世界を救った存在だって事でいいんだね?」
「はい。そしてからっぽ島で旅の扉を作ったんですが、何か不具合が生じてここに戻って来たんですよ」
「な、なるほどね。下界は未知が溢れていると聞いたけど、未知過ぎるな。それに精霊ルビス、アレフガルド、破壊神シドー、なんて聞いた事も無いけど、ベル君が嘘を付いてないから本当なんだな・・・」
ヘスティアはベルが本当の事を言って少し頭が痛くなった。
「まあ、取り敢えず何とかしてからっぽ島に戻る手段を探しつつ、ダンジョンを探索して行こうと考えて色んなファミリアの所に行ったんですけど、全部門前払いされて・・・」
ベルは少し暗い表情になってしまった。するとヘスティアはベルに言った。
「・・・なら僕のファミリアに入ってくれないかい?」
「・・・え?い、いいんですか!?」
「ちょうど僕もファミリアを作りたかったんだ。それに君を放っては置けなかったからね」
そう言ってヘスティアはベルに手を差し伸べた。
「改めて、ベル君。僕の眷属になってくれないか?」
そしてベルはヘスティアの手を優しく握った。
「・・・よろしくお願いします。神様」
「ああ!!今日から僕達は家族だ!!」
こうしてヘスティアファミリアが結成されたのだ。
「ならまずは新しい教会を建てますね」
「・・・え?」
そして夜中の建築が始まったのだ。