ナザリック地下大墳墓 円形闘技場――
リーダーの戦士ヘッケラン、神官ロバーデイク、半森妖精でレンジャーのイミーナ、魔法使いの少女アルシェ。
そしてもう一人、頭に毛が三本しかない子ザルのような子供。
今まさに、墳墓に侵入した彼ら5人の処刑が行われようとしていた。
「さあ来るがいい。最後の慈悲をもって戦士として葬って――」
トコトコ……
ナザリック地下大墳墓の主、アインズ・ウール・ゴウンが戦闘前の口上を述べていたが、その途中、何を思ったか子ザルが壁の方に歩き始めた。
「どこに行く気だ? 私を倒さない限りここから逃げることは出来んぞ」
トコトコ……
「お、おい。少年?」
仲間ではなく、たまたま墳墓内で一緒になった少年だが、不用意な行動は慎むべきと、ヘッケランも声をかける。
だが、子ザルは意に介さずに、闘技場の端の方に行ってしまった。
「おい何をしている? そんなところを探っても脱出路などありはしない」
アインズが再び声をかけるが、相変わらず返事がない。
その子ザルの態度にナザリックのしもべたちが怒り始める。
そして子ザルはズボンをおろした。
ジョボジョボ
「え?」
一瞬、ロールプレイを忘れて素で疑問の声を上げるアインズ。
大きな音と共に水滴が飛び散る。
子ザルは闘技場の壁に向かって小便をしていた。
至高の四十一人によって創造されたナザリック地下大墳墓。
そんな偉大なる場所での放尿。
想像すら出来ない愚行にしもべたちは何が起こっているか分からず、言葉もなく行為を見つめるしか出来なかった。
そして出すものを出し切り、すっきりした顔をして戻ってくる子ザル。
「き、きき、きさっ……!」
あまりの怒りに咄嗟に言葉が出てこないアインズ。
「きさっ、貴様ぁあああああああ!! この俺がぁ!! 俺と仲間達が、共ににぃぃぃいいいいい!! 共にぃい作り上げた俺達の、俺達のナザリックに土足で――」
「ウッキーーー!!!!」
「ぐはあっ!?」
ドガアアアアアアアンッ!!!
「アインズ様!?」
またもや口上を無視する子ザル。
奇襲の高速頭突きが直撃したアインズは壁まで吹き飛んで行った。
そして闘技場の中央で仁王立ちする子ザルは周囲をぐるりと見まわし、叫ぶ。
「かかってきやがれ下等生物どもーーー!!! おれ様が直々に皆殺しにしてくれるわ!!!」
天下一のかぶき者、山田太郎の咆哮がナザリック地下大墳墓に響き渡った。
その後、大暴れする太郎のどさくさに紛れて何人かのワーカーは、奇跡的に大墳墓から脱出することが出来たとか何とか。
エルフの王国編でも始めようかと思ったら、何故か珍遊記だった。
【山田太郎】
「珍遊記」の主人公。
レベル:かぶき者
凶暴凶悪。殺した人間は数知れず。
オーバーロードの世界に混ざっていても十分にやっていける非道さを誇る。