Fate/Grand Order ゴッド・オブ・サンダー ~愛と雷の彼方へ~   作:ドレッジキング

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時系列は「パニッシャーが人類最後のマスターと~」の後なんで、アベンジャーズの面々とカルデアメンバーとの関係が変化しています。


第1話 カルデアの日常

パニッシャーのマイルームは、普段は厳しい表情を浮かべる彼の性格とは不釣り合いなほど和やかな雰囲気に包まれていた。部屋の中央に置かれた小さなテーブルを囲むように、パニッシャー、ガレス、トリスタン、そして立香の4人が座っている。彼らの手には何枚かのカードが握られており、テーブルの上にも裏向きのカードが置かれていた。

 

ババ抜きの真っ最中だった。

 

「さて、どのカードを引くべきか……」

 

トリスタンは真剣な面持ちで立香の手札を見つめていた。その赤い長髪が彼の繊細な指の動きに合わせて揺れる。彼は慎重にカードを選び、ゆっくりと引き抜いた。

 

「ふむ、これは……」

 

トリスタンの表情が僅かに曇る。どうやら引いたカードは望んでいたものではなかったようだ。しかし、彼はすぐに平静を取り戻し、微笑んだ。

 

「運命とは時に残酷なものですね」

 

彼の言葉に、立香は小さく笑みを浮かべた。

 

「そうだね、トリスタン。でも、それがゲームの面白さでもあると思う」

 

立香の言葉に、パニッシャーは無言で頷いた。彼の厳つい表情は少し和らいでいるように見えた。

 

次はガレスの番だった。彼女は金髪の短い髪を指で梳きながら、真剣な眼差しでパニッシャーの手札を見つめていた。

 

「えっと……これにしましょう」

 

ガレスは迷いながらもカードを引き、それを見て目を輝かせた。

 

「やった!ペアが揃いました!」

 

彼女の無邪気な喜びようは、周囲の空気をさらに和ませた。パニッシャーでさえ、口元が緩むのを抑えられないようだった。

 

「おめでとう、ガレス。だが、まだゲームは終わっていない」

 

パニッシャーの言葉に、ガレスは決意に満ちた表情を浮かべた。

 

「はい、パニッシャー殿。最後まで諦めずに戦います!」

 

その言葉に、立香は思わず吹き出してしまった。

 

「ガレス、これはただのカードゲームだよ」

 

立香の言葉に、ガレスは少し恥ずかしそうに頬を赤らめた。

 

「あ、はい。つい熱くなってしまって……」

 

パニッシャーは静かに立香の手札を見つめていた。彼の鋭い眼光は、まるで犯罪者を追い詰めるかのようだった。しかし、それはゲームに対する彼なりの真剣さの表れだったのだろう。

 

「……これだ」

 

パニッシャーは迷いなくカードを引き、無表情のまま自分の手札に加えた。

 

「おじさま、表情を変えないのがうまいね」

 

立香の言葉に、パニッシャーは僅かに眉を動かした。

 

「ポーカーフェイスは生き残るために必要なスキルだ」

 

その言葉に、トリスタンが静かに笑みを浮かべた。

 

「まさか、ババ抜きにまでそのスキルを活かすとは。さすがはパニッシャー殿」

 

和やかな空気の中、4人のババ抜きは続いていった。普段は厳しい表情を崩さないパニッシャーも、この時ばかりは心から楽しんでいるようだった。カルデアの日常に、小さな笑いが響いていた。

 

ババ抜きは単なる運任せのゲームではない。そこには戦略と駆け引き、そして何より幸運が必要不可欠だ。サーヴァントたちにとって、幸運値は彼らの能力を左右する重要な要素の一つである。

 

トリスタンとガレスは、その幸運値の低さゆえに苦戦を強いられていた。トリスタンの幸運値Eは、まるで不運の象徴のようだった。彼が引くカードは、ことごとく外れてしまう。

 

「また…ジョーカーですか」

 

トリスタンは溜息をつきながら、不運な引きを嘆いた。彼の表情には、諦めにも似た悲壮感が漂っていた。

 

一方、ガレスの幸運値Dは、わずかながらましな結果をもたらしていた。しかし、それでも十分とは言えない。

 

「あと少し…あと少しで揃うのに…」

 

ガレスは歯がゆそうに呟いた。彼女の手札は、いつも「もう少し」のところで止まってしまうのだった。

 

対照的に、立香とパニッシャーの幸運は目を見張るものがあった。立香は、まるで運に愛されているかのように、次々とペアを作っていく。

 

「わたし、また揃っちゃった」

 

立香は少し申し訳なさそうに言った。彼女の幸運値は、サーヴァントたちを驚かせるほど高いものだった。

 

パニッシャーもまた、驚くべき幸運の持ち主だった。彼の冷静な判断力と相まって、その幸運は恐ろしいほどの威力を発揮する。

 

「…これで終わりだ」

 

パニッシャーは静かに言い、最後の一枚を捨てた。彼の勝利を示す行動だった。

 

トリスタンとガレスは、呆然とその光景を眺めていた。サーヴァントとしての彼らの能力は、このような些細なゲームにおいてさえ、如実に表れてしまうのだ。

 

「おじさま、トリスタン、ガレス。もう一回やる?」

 

立香の提案に、トリスタンとガレスは複雑な表情を浮かべた。彼らの幸運値が劇的に上昇するとは思えないが、それでも諦めずに挑戦する勇気はまだ残っていた。

 

「はい、もちろんです!」

「ええ、喜んで」

 

二人のサーヴァントは、苦笑いを浮かべながらも前向きに答えた。パニッシャーは無言で頷き、次のゲームの準備を始めた。カルデアの一室に、再び和やかな空気が流れ始めた。幸運の女神が微笑むかどうかは別として、この時間自体が、彼らにとってかけがえのない幸運だったのかもしれない。

 

 

 

 

********************************************************

 

 

 

カルデアの別のマイルームでは、異色の三人組が映画鑑賞に興じていた。ホークアイことクリント・バートン、妖艶な秘書コヤンスカヤ、そして少女アビゲイル・ウィリアムズ。彼らの前には、人類の存亡を賭けた戦いを描いたSF大作が映し出されている。

 

白紙化された地球では、かつての娯楽の多くが失われていた。そんな中、カルデアのコンピューターに保存された映像作品は、貴重な慰みとなっていた。それはまるで、失われた文明の遺産を掘り起こすかのような体験だった。

 

クリントは、かつてアビーが引き起こした事件で苦い経験をしていた。だが、それは少女の意思によるものではなく、彼女を媒介として働きかけた得体の知れない存在の仕業だったのだ。その真相を知った今、クリントはアビーに対する警戒心を解いていた。

 

「ったく、この映画のエイリアンは手ぬるいな。俺たちが実際に戦ってきた連中の方が遥かに厄介だったぜ」

 

クリントは、画面に映る異星人の侵略シーンを見ながら、少々退屈そうにコメントした。彼の経験した現実の戦いは、この手の映画の想像をはるかに超えていたのだ。

 

コヤンスカヤは、その言葉を聞いて優雅に微笑んだ。彼女の瞳には、何か計算するような光が宿っていた。

 

「ミスター・バートン、あなたの経験は私たちの想像を超えているようですね。でも、この映画にも人類の希望や団結が描かれていて、それはそれで素敵だと思いませんか?」

 

彼女の言葉には、どこか皮肉めいた響きがあった。人類の団結を語りながら、その瞳は冷たく光っている。それは、まるで人間を観察する科学者のような眼差しだった。

 

アビーは、二人の会話を聞きながら、静かに映画に見入っていた。彼女の表情には、何か深い思索の色が浮かんでいる。

 

「マスター……この映画の人たちも、きっと救われるんでしょうね」

 

アビーの言葉には、どこか切なさが滲んでいた。彼女の目には、画面の中の人類と、自分たちの置かれた状況が重なって見えているのかもしれない。

 

クリントは、アビーの言葉を聞いて、少し表情を和らげた。

 

「ああ、そうだな。映画の中の人類は必ず勝つさ。現実世界だって、俺たちが何とかするんだ」

 

彼の言葉には、ヒーローとしての自信と、アビーを安心させようとする優しさが混ざっていた。

 

コヤンスカヤは、その様子を見て、また微笑んだ。彼女の笑みには、何か計り知れない深い意味が隠されているようだった。

 

「素敵な言葉ですわ、ミスター・バートン。希望を持ち続けることは大切ですものね」

 

三者三様の思いを抱きながら、彼らは映画鑑賞を続けた。画面には人類の運命を賭けた壮大な戦いが映し出されているが、それぞれの胸の内には、現実世界の切迫した状況が重くのしかかっていた。

 

映画が佳境に差し掛かる中、ホークアイは少々退屈そうな表情を浮かべていた。画面に映し出される人類と異星人の壮絶な戦いは、彼にとってはもはや日常茶飯事と化していたのだろう。

 

「まったく、こういう話って飽きないもんだな。人類滅亡の危機だの、悪の種族との戦いだの。俺たちの日常みたいじゃないか」

 

クリントの言葉には、皮肉めいた響きが含まれていた。彼の経験してきた現実の戦いは、この手の映画の想像をはるかに超えていたのだ。

 

コヤンスカヤは、クリントの言葉を聞いて、優雅に微笑んだ。彼女の瞳には、何か計算するような光が宿っていた。

 

「ミスター・バートン、面白いご指摘ですわ。ところで、こんな言葉をご存知かしら?」

 

彼女は、まるで長年の友人に語りかけるかのような柔らかな口調で続けた。

 

「世間には、独創性を追い求めるあまり、王道を外してしまう物書きさんたちがいらっしゃるそうですわ。でも、そういった方々の作品って、往々にして先人が敢えて避けた轍を踏んでしまうものなのよね。王道の魅力が分からない人には、本当に面白い物語は紡げないんじゃないかしら?」

 

コヤンスカヤの言葉には、どこか皮肉めいた響きがあった。しかし、その表現は巧みに婉曲化されており、直接的な批判にはなっていなかった。アビーは、コヤンスカヤの言葉を聞いて、思わず笑みを浮かべた。少女の無邪気な笑顔は、この場の雰囲気を和らげる効果があった。

 

「コヤンスカヤさん、とっても面白いことを言うんですね。でも、本当にそうかもしれません。私も、昔から伝わる物語が大好きです」

 

アビーの言葉には、純真な少女らしい素直さが滲んでいた。

 

クリントは、二人のやりとりを聞きながら、微妙な表情を浮かべていた。コヤンスカヤに対する完全な信頼には至っていないものの、今は同じ陣営にいる仲間として接している。

 

「まあ、確かに王道ってのは、それなりの理由があって生き残ってきたんだろうな。でも、時々は型破りな奴らも必要だと思うぜ。そうでもしないと、俺たちみたいな変わり者ヒーローは生まれなかったかもしれないしな」

 

クリントの言葉には、自嘲気味な笑いが含まれていた。

 

コヤンスカヤは、クリントの言葉を聞いて、また微笑んだ。彼女の笑みには、何か計り知れない深い意味が隠されているようだった。

 

「そうですわね、ミスター・バートン。型破りな方々がいらっしゃるからこそ、世界は面白いのかもしれません。アビーさんもそう思いません?」

 

アビーは、コヤンスカヤの問いかけに、少し考え込むような仕草を見せた。

 

「うーん、難しいですね。でも、きっと両方大切なんだと思います。昔からの物語も、新しい物語も」

 

少女の言葉には、年齢以上の洞察力が感じられた。

 

三者三様の思いを抱きながら、彼らは映画鑑賞を続けた。画面には人類の運命を賭けた壮大な戦いが映し出されているが、その内容以上に、この奇妙な取り合わせの三人組の会話の方が、ある意味では興味深い展開を見せていた。

 

クリントは、ふと思いついたように言った。

 

「そういや、俺たちの戦いを映画化したら、どんな感じになるんだろうな。きっと、誰も信じないくらいぶっ飛んだ内容になりそうだ」

 

その言葉に、アビーは目を輝かせた。

 

「わたしも出られますか?きっと素敵な映画になると思います!」

 

コヤンスカヤは、そんな二人のやりとりを見て、優雅に笑った。

 

「まあ、素敵なアイデアですわ。でも、私たちの冒険は、まだ終わっていませんものね。結末を迎えるまでは、映画化は待った方がよさそうですわ」

 

三人は、それぞれの思いを胸に秘めながら、再び画面に視線を戻した。彼らの前には、まだ見ぬ冒険が待っているのだ。

 

 

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カルデアの食堂は、いつもの喧騒とは異なる静寂に包まれていた。その中心には、誰もが目を疑うような光景が広がっていた。パニッシャーことフランク・キャッスルが、あの天才レオナルド・ダ・ヴィンチを、まるで幼い娘でも抱くかのように抱きかかえていたのだ。

 

藤丸と立香は、まるで絵画を鑑賞するかのように、その光景を食い入るように見つめていた。アストルフォは、その可愛らしい顔に困惑の色を浮かべながら、首を傾げている。そして、パニッシャーと同じ世界から来たカマラ・カーンは、まるで目の前で UFO を目撃したかのように、口を半開きにしたまま固まっていた。

 

「ねえ、フランク。これって……どういう状況?」

 

藤丸が恐る恐る尋ねると、パニッシャーは珍しく赤面しながら答えた。

 

「ああ、これは……賭けに負けたんだ」

 

その言葉を聞いて、カマラはようやく我に返ったようだった。

 

「わたし、もしかして夢を見てるのかな?パニッシャーが誰かを優しく抱きかかえるなんて、現実じゃありえないよね?」

 

カマラの言葉に、パニッシャーは眉をひそめた。しかし、その表情には普段の厳しさは見られず、どこか照れくさそうな雰囲気さえ漂っていた。

 

ダ・ヴィンチは、パニッシャーの腕の中でニヤニヤしながら、からかうように尋ねた。

 

「どう、パニッシャー君?私を抱っこできて嬉しいかい?」

 

パニッシャーは言葉に詰まったが、その表情は完全な拒絶というわけではなかった。むしろ、どこか懐かしさを感じているようにも見えた。

 

「まあ……悪くはない」

 

その言葉に、ダ・ヴィンチは満足げに微笑んだ。

 

アストルフォは、突然思いついたかのように声を上げた。

 

「あ!もしかして、これってボクも試せるの?パニッシャー、ボクも抱っこして!」

 

その言葉に、パニッシャーは思わず顔をしかめた。

 

「おい、待て。そういうわけじゃ……」

 

しかし、アストルフォの勢いは止まらなかった。

 

「えー、いいじゃない!ボクだって抱っこされたいよー!」

 

立香は、この状況の滑稽さに思わず笑みを浮かべた。

 

「おじさま、アストルフォの言う通りかもしれませんよ。公平を期すなら、みんなを抱っこしないと」

 

パニッシャーは困惑の表情を浮かべながらも、どこか楽しんでいるようにも見えた。

 

カマラは、まだ状況を完全に理解できていないようだった。

 

「わたし、これからパニッシャーのイメージを完全に修正しないといけないのかな……?」

 

この騒動の発端は、実はダ・ヴィンチの悪戯だった。彼女は、パニッシャーの硬直した態度を和らげるために、「もし次の実験が成功したら、あなたに抱っこしてもらう」という賭けを持ちかけたのだ。まさかパニッシャーが本当に応じるとは思っていなかったが、結果として食堂中の注目を集める珍事となってしまった。

 

藤丸は、この状況を楽しむように微笑んだ。

 

「フランク、正直に言って。本当は嫌じゃないんでしょう?」

 

パニッシャーは一瞬言葉に詰まったが、やがてごく小さな声で答えた。

 

「……そうかもしれない」

 

その言葉に、食堂にいた全員が思わず笑みを浮かべた。普段は厳しい表情しか見せないパニッシャーの、思いがけない一面を目にしたことで、カルデアの面々は彼をより身近に感じたようだった。

 

カマラは、まだ少し混乱しているようだったが、次第に状況を受け入れ始めていた。

 

「わたし、これからパニッシャーのことをもっと知りたくなっちゃった。こんな意外な一面があるなんて」

 

その言葉に、パニッシャーは軽く頷いた。彼の表情には、普段は見せない柔らかさが宿っていた。

 

10分後、カルデアの食堂では、パニッシャー、藤丸、立香、そしてダ・ヴィンチの4人が和やかに食事を楽しんでいた。しかし、その平和な空気の中にも、微妙な違和感が漂っていた。それは、名前の呼び方に関する問題だった。パニッシャーは箸を置くと、真剣な表情で切り出した。

 

「立香…いや、立香たち。俺は今まで藤丸のことを立香と呼んでいたが、これじゃあ紛らわしいな」

 

その言葉に、藤丸と立香は顔を見合わせた。確かに、同じ名前を持つ二人がいることで、会話に支障をきたすことがあった。

 

ダ・ヴィンチは興味深そうに二人を見つめながら言った。

 

「そうだね。藤丸君と立香ちゃんを区別するのは大事だよ。でも、『女の立香』なんて呼び方はちょっと…ね」

 

パニッシャーは腕を組み、深く考え込んだ。彼の表情には、この問題を真剣に解決しようという意志が見えた。

 

「お前たち二人に聞きたい。何か良い案はないか?」

 

藤丸は少し考えてから答えた。

 

「そうだなぁ。オレは『藤丸』でいいと思うんだ。立香はそのままで」

 

立香も頷きながら意見を述べた。

 

「わたしも賛成です。藤丸はそのままで、わたしは立香のままでいいと思います」

 

ダ・ヴィンチは満足げに微笑んだ。

 

「なるほど、それはいい案だね。シンプルで分かりやすい。パニッシャー君、どう思う?」

 

パニッシャーは少し考えてから、ゆっくりと頷いた。

 

「ああ、それで問題ない。藤丸と立香か。覚えておこう」

 

この決定に、4人全員が同意した瞬間、食堂の空気がさらに和やかになったように感じられた。

 

藤丸は嬉しそうに笑いながら言った。

 

「これで混乱も解消されるな。フランク、ありがとう。こういう細かいところにも気を配ってくれて」

 

パニッシャーは少し照れくさそうに咳払いをした。

 

「当然だ。チームの円滑な意思疎通は重要だからな」

 

立香は楽しそうに付け加えた。

 

「おじさま、これからは『藤丸』と『立香』って呼んでくださいね。間違えたら、わたしがちゃんと指摘しますから」

 

ダ・ヴィンチは興味深そうに4人を見つめていた。

 

「面白いね。同じ人物の別バージョンが存在するなんて、まるで並行世界の実験をしているみたいだ。これは貴重なデータになりそうだよ」

 

パニッシャーは眉をひそめた。

 

「ダ・ヴィンチ、彼らは実験台じゃない」

 

ダ・ヴィンチは軽く手を振った。

 

「もちろん、冗談だよ。でも、この状況は本当に興味深いんだ。二人の立香が協力して戦うなんて、誰が想像できただろう?」

 

4人は、それぞれの思いを胸に秘めながら、再び食事を楽しみ始めた。この些細な出来事が、彼らの絆をさらに深める一歩となったことは間違いなかった。カルデアの日常に、新たな調和が生まれた瞬間だった。

 

 

 

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カルデアのシミュレータールームは、今や神々の戦場と化していた。雷神ソー、太陽神ケツァル・コアトル、そして冥界の女神エレシュキガルの三者による模擬戦闘が繰り広げられていたのだ。ソーは、ムジョルニアを振り回しながら、豪快な笑みを浮かべていた。

 

「我が神力を受けてみよ!ミッドガルドの神々よ!」

 

その声と共に、巨大な雷が室内を駆け巡る。ケツァル・コアトルは、その攻撃を華麗に躱しながら応戦する。

 

「ヤー!これぞルチャリブレの真髄デース!」

 

一方、エレシュキガルは…完全に心が折れかけていた。

 

「ちょ、ちょっと待って!私、冥界の女神なのに、なんでこんな明るいところで戦わなきゃいけないの!?」

 

彼女は、ソーの雷を避けようとして慌てふためき、自分の長い髪に足を取られて転んでしまう。

 

「きゃっ!もう、髪が邪魔なのだわぁ!」

 

ケツァル・コアトルは、そんなエレシュキガルの姿を見て、クスクスと笑いながら言った。

 

「エレちゃん、そんなんじゃダメデース!もっとノリノリで戦うのデス!」

 

エレシュキガルは、何とか立ち上がると、涙目でソーを見上げた。

 

「ねえ、あなた。私、冥界に帰っていい?ここ、暑いし、明るいし、なんかもう全部イヤなのだわ…」

 

ソーは、そんなエレシュキガルの様子を見て、大きな笑い声を上げた。

 

「ハッハッハ!冥界の女神よ、汝の気概はどこへ行った?我との戦いをここで諦めるというのか?」

 

エレシュキガルは、小さく肩を震わせながら答えた。

 

「だって…だってぇ…あなたの筋肉、まぶしすぎるのよ!冥界じゃこんな眩しいものなんてないんだからぁ!」

 

ケツァル・コアトルは、そんなエレシュキガルの背中をポンポンと叩いた。

 

「マア、マア、エレちゃん。ここは私に任せて、少し休んでいるデス?」

 

エレシュキガルは、感謝の目でケツァル・コアトルを見つめた。

 

「ケツァルちゃん…ありがとう…私、あそこの隅っこで丸くなってるから…」

 

そう言うと、エレシュキガルは本当に部屋の隅に行き、膝を抱えて丸くなってしまった。その姿は、まるで捨て犬のようだった。

 

ソーは、そんなエレシュキガルの様子を見て、少し困惑した表情を浮かべた。

 

「我が力、あまりにも強すぎたか…?」

 

ケツァル・コアトルは、にこやかな笑顔を浮かべながら答えた。

 

「いえいえ、気にしないデス!エレちゃんは、ちょっと日光アレルギーなだけデース!」

 

そして、ケツァル・コアトルはソーに向き直ると、戦闘態勢を取った。

 

「さあ、続きをやるデス!私にも、あなたの筋肉の輝きを近くで拝ませてほしいデース!」

 

ソーは、再び豪快な笑みを浮かべた。

 

「よかろう!汝の勇気、褒めてつかわす!」

 

二柱の神の戦いが再開される中、エレシュキガルは隅っこで小さくなったまま、時折「お日様怖い…」「冥界に帰りたい…」とつぶやいていた。カルデアの日常は、今日も平和だった…のかもしれない。




全体的にほのぼのしてますねぇ(・∀・)ニヤニヤ
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