俺のヒーローアカデミア エネルギッシュ! 作:すぱーくしーど
広場に到着した俺と轟は、おぞましい光景を目の当たりにした。オールマイト用と言われた黒い化け物が、相澤先生の腕を枝のようにへし折っている。
「……っ!!!」
「抑えろ、エネ。ここで注意を引くな!」
「でも……!いや、わかった。本当に冷静だな、助かるよ」
「あぁ」
相澤先生が倒れている広場の奥、池の方で、様子を伺う緑谷達の姿が見えた。緑谷達が何か話しているが、もしかして相澤先生を助けるというのだろうか。
「やるのか、緑谷?」
「どうした?」
「ほら、池の方に緑谷達いるだろ?相澤先生を助けるんじゃないか?」
「現状、動きづらいな。化け物に、黒い霧、それにリーダー格の手野郎がいる。あいつの個性も分かってない状況じゃ動いたらやられる可能性が高い」
「それでも!!」
「よく考えろ!相澤先生がここまでやってる意味はなんなのか!俺たちが下手打ったら、先生の行動が無駄になっちまう!」
「そうだよな……。俺たちがやられたら、先生がここまで身体張った意味がなくなっちまう……。くそっ!!」
拳を握りしめていると、手野郎がいつのまにか緑谷の方にいて、蛙吹の顔に触れていた。緑谷達はかなり焦っている。あの手野郎……そんなにヤバい個性持ちなのか?
「……。手野郎は触れることが条件の個性に違いない……!」
「あぁ、それに相澤先生の肘を見ろ。崩れているような跡がある。化け物にそんな個性は確認できないから……おそらく、あの手野郎の個性は触れたものを崩す個性に違いないな」
「なら、蛙吹が……!!」
「いや、大丈夫だ。俺らの担任はただの先生じゃねぇ」
蛙吹の顔が崩れてしまうかと思ったが、実際はそんなことはなく、ボロボロになりながらも相澤先生が個性を使い、手野郎の個性を抹消していた。しかし、それも束の間、顔面を地面に叩きつけられて……
「!!!!」
「SMASH!!」
少しでも、先生が楽になれるように……。その願いを込めてエネルギーを先生へ放った。もちろん、攻撃ではなく譲渡の方だ。それに、緑谷も蛙吹を守るために攻撃したみたいだ。これは……やったか?
「おい、お前……」
「エネルギー譲渡だ。多少体力や傷に効くから……。せめて……」
「……わかった」
緑谷のパワーは凄いもので、砂煙でよくみえない。状況がわからない……!
砂煙が開くと、そこには、化け物に手を掴まれた緑谷と、手野郎に触れられる寸前の蛙吹と峰田の姿があった。
刹那、出入り口の扉が吹き飛ぶ。そこには、No.1ヒーロー、オールマイトの姿があった。
「もう大丈夫!!私が来た!」
手野郎が、オールマイトを睨んでいるような気がした。