私とゆかりは、巖戸台の学生寮に戻って、自分達の荷物を置いて、4階の部屋を目指す。桐条先輩から帰ったらすぐに来るように言われたからである。
4階の部屋に向かいながらゆかりと会話をしている。
「ゆかり、放課後、緊急に集まることなんて今まであったの?」
「ううん、緊急じゃなかったけど、呼び出しはあったかな。沈利が寮に来るときもね」
「そうだったのね」
私がここに来るときにも呼び出しはあったのか。もしかして私以外にもペルソナ使いを見つけたとか?その可能性は0ではないわよね。そんなことを考えながら私とゆかりは、話しながら4階の扉をノックしてから中へ入る。
「おかえり」
「待ってたぞ、紹介しとこう」
「え?」
「紹介!?なんの事ですか?」
私とゆかりは、先輩達の言葉が分からずポカーンとしていると、ドアの外から声が聞こえる。
「ちょっ、待って、おもっ!」
そう言ってドアを開けて入って来る人物。それは私とゆかりがとても知っている人物である。
「テヘヘへ。どうもッス」
「伊織君!?」
「えっ?順平!?なんであんたが、ここに?」
私達が驚いている中、真田先輩が話してくる。
「2ーF組の伊織順平だ。今日から、ここに住む」
「今日から、住むって…うそ!?なにかの間違いないでしょ!?」
「この前の晩、偶然見かけたんだ。目覚めて間もないようだが、彼にも間違いなく❝適性❞がある。事情は大体説明してあるが、俺達に力を貸すそうだ」
伊織君には、❝適性❞があると真田先輩が認めている以上私達はそれに従うしかないわね。真田先輩は私が特別課外活動部で活動年数が長いのだから。伊織君も真夜中にコンビニに行っていたようで、その中で棺桶と遭遇したみたい。つまり私が巖戸台駅で降りて巖戸台分寮にきた時みたいな景色ってことが想像出来るわね。彼曰くベソかいて泣いてたみたいで恥ずかしいみたい。
「でもまー、なんつーか、最初のうちは仕方がないんだってさ。記憶の混乱とか、アリガチらしいんだよね。キミ達、そういうの知ってた?」
「伊織君、私は意外に平気だったわ」
「またまーた、強がっちゃって。まあ、これペルソナ使いの常識だから。けどさ、正直言うと驚いたぜ?キミ達も❝そうだ❞って聞かされた時はさ。でも、知ってる顔が居てよかったよ。1人じゃ不安だったしな。ま、キミ達もオレっちが仲間んなってホントんとこ、嬉しいだろ?女の子達だけじゃ、怖いもんな?」
私とゆかりに伊織君はそんなことを、聞いてきた。伊織君の言う通りで、知らない人ばかりの中に入るのと知り合いがいてくれた方が良いに決まってるわね。まあ例外もあるのだが。ただ伊織君の後半のセリフは余計ね。まあ戦闘もあるし男子の力は必要かな。
「ま、まあね」
「宜しくな、沈利ッチ」
「よ、宜しくね、伊織君、頼りにしてるわ」
「おう、任せとけ!」
こうして、特別課外活動部に伊織順平君が加わった。私、ゆかり、伊織君と同級生が3人になって何とかなるかなと思うかな。
こうして、私達は一旦分かれて自室に戻り、23:00に玄関前に集合をすることになった。どうやら私、ゆかり、伊織君という戦力が揃ったため、あることを開始すると桐条先輩から言われた。真田先輩からも私達に見せたいものがあるとも言われた。
「先輩達はいったい何をするつもりなのかな?」
シャドウと戦うだけではなさそうのは、雰囲気で分かる。別に何かがある。私の直感がそういってる。
「気は引き締めた方が良さそうね」
私は、気を引き締めながら時間が来るのを待ったのだった。
沈利の恋人は、誰が良いですか?
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1ー真田明彦
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2ー荒垣真次郎
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3ー小田桐英利