~本作を読む前に~
本作において俺ガイル本編の内容は中学時代の出来事とさせていただきます。ただし、雪ノ下と八幡は付き合っておりません。
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「ここが高度育成高校......」
俺達をここまで運んできたバスから降り、これから三年間を過ごすことになる高度育成高等学校。その正門の前で俺の先を歩いていた女子二人の一方、由比ヶ浜 結衣は立ち止まるとそう呟いた。きっとこれからの学校生活に思いを馳せ、期待に胸を膨らませているのだろう。
「由比ヶ浜さん、ここにいると邪魔になるわ」
由比ヶ浜が歩を止めたことで彼女より数歩先へ進んだ雪ノ下 雪乃は振り返り、由比ヶ浜に先へ進むよう促す。
「えへへ~、ごめんごめん」
由比ヶ浜は軽やかな足取りで雪ノ下に追い付くと彼女の手を引いて正門へ向かっていく。
そんな二人を眺めながら後を追うように俺、比企谷 八幡はゆっくりと歩くのだった。
マイペースに進む俺と二人の距離はほぼ一定に保たれている。俺を置いていかない様に二人が合わせてくれているのだろう。
やがて新入生のクラス分けが掲示されている場所へとやって来た。新入生はまずここへ来て自分のクラスを確認するため混雑しているものの、掲示物を読めない程ではない。俺はAから順に自分の名前を探していく。
まず目に留まったの雪ノ下 雪乃。Aクラスに連なる中にその名はあった。
Aクラスの中に俺と由比ヶ浜の名は無かったので雪ノ下とは別のクラスになることが確定する。
B、C、Dとクラス名簿に目を通していくとBクラスに俺、Dクラスに由比ヶ浜の名が書かれていた。
「あちゃー、みんなクラス別れちゃったね······」
由比ヶ浜が苦笑しながら残念そうに言う。
「こればっかは仕方ないだろ」
「そうだけどさ~······」
俺の言葉にどこか不満気なようすを見せる由比ヶ浜。そんな彼女を雪ノ下がなだめる。
「確かにクラスが別れたのは残念だけど放課後は一緒にいられる。そのためにもまずはこの学校でも奉仕部を立ち上げるわ」
俺達は中学校で所属していた奉仕部をこの学校でも作ろうとしていた。これは俺達三人が高度育成高等学校に合格した時から決めていたことだ。
「放課後にどこかで話し合いましょう。待ち合わせはここでどうかしら?」
「良いんじゃないか?放課後にクラス分けなんて見に来るやつなんていないだろうしな」
もうここに用はないので俺達は人の波にのって移動を始める。玄関を潜ると俺達はそれぞれの教室へ向かうため一旦別れるのだった。