高度育成高等学校奉仕部   作:碧河 蒼空

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お酒を持ち出すには······

 カフェを出た後に俺は雪ノ下、由比ヶ浜と別れた。

 女子と男子では揃えるべき日用品は異なるはずだし、男子に見られたくないものだってあるだろう。何より俺は日用品だけでなくマッカンも探さないといけない。お互いのためにも別行動をとるのは合理的な判断なのである。

 

 スーパーや文房具屋で日用品や学校文具を揃えた俺はコンビニに立ち寄っていた。

 

 必需品は全て前の二ヶ所で揃ったのだが、肝心のマックスコーヒーがスーパーだとペットボトルしか無かったのだ。ペットボトルでも構わないのだが、やはりマックスコーヒーは缶が至高。よってマッカンを探すべくコンビニにやって来た。

 

 コンビニに入ると俺は一直線に飲料コーナーへと向かうが、ここにもマッカンは置いていない。

 俺は溜め息を吐くとコンビニの商品ラインナップを確認するために店内を回り始めた。

 一言でコンビニといっても地域や客層、テナント条件によって品揃えが変わってくる。ここなら若年層や独り暮らし世帯向けの商品や学校文具は揃えられるはず。逆に高齢者向け商品やベビー用品は扱っていないだろう。

 

 ただ、店内を歩いているとアルコール飲料も扱っていることに気づいた。俺達学生は法律の定めにより購入できないことから学校敷地内で働く大人向けの商品であることが推察できる。

 しかし、アルコール飲料コーナーに立っていたのはどこからどう見ても制服を身に纏った女子だった。

 

 ······俺がアルコール飲料を手に取ったら評価が下がったりするのだろうか?

 そう思ってカメラを探すが、女子のいる位置はカメラの死角になっていた。

 過剰なまでのカメラを設置しているにも関わらず、そんな場所が存在することに違和感を覚えるが、これが意図したものなのか、ただのミスなのかは現段階で判断がつかない。

 

 まあ、アルコール飲料をレジに持っていったところで売ってはもらえないだろう。目の前の女子がここの商品を店の外に持ち出すには万引きくらいしか方法はない。······万引きかぁ。

 

 少女の手が動いたのを見た俺は歩き出した。

 

「······っ!?」

「あ、わりぃ」

 

 目の前の女子が取ろうとした商品に俺も手を伸ばし、彼女の手に触れる直前で手を止める。

 

「これ買うのか?」

「······そんなわけないでしょ」

 

 話しかけてみるといきなり睨まれた。だが俺は構うことなく続ける。

 

「だろうな。レジに持っていけば(・・・・・・・・・)そこで止められるだろうからな」

 

 俺は早速、この学校の影響を受けたのだろうか。口から出たのは言葉遊びだった。レジを通さずに外へ持ち出そうなんて考えていなければ何て事無い言葉である。

 “レジに持っていけば”の部分を僅かに強調して話す。

 

 女子生徒はムスっとして何も買わずにコンビニを後にした。 

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