オリウマ娘はダイスと選択肢に導かれるようです   作:F.C.F.

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ジュニア級 5月イベント結果~5月トレーニング選択

 

 


 

 

【投票結果】

 

狸寝入りの猫

 

 


 

 

この4枚からどれか1つ。

そう言われたならとサナリモリブデンは指を伸ばして指し示した。

 

「これかな。猫」

 

それは猫の写真だ。

先述の通り塀の上。

日当たりの大変良いそこで丸くなり、一見のんびりと昼寝しているように見える。

 

が、それはあくまでぱっと見の印象だけだ。

よくよく注意して見れば耳がいわゆるイカ耳の形に伏せられ、周囲に警戒を払っていると分かる。

畳まれた脚にも力が入っていて、何かあれば即座に猛スピードで飛び退いてみせるだろう。

 

そのいかにも野良らしい姿にサナリモリブデンは好感をもった。

 

「いいよね。とてもかわいい」

 

もっとも、そもそもとして猫好きということもあったようだが。

椅子に座るペンギンアルバムの肩越しに手を伸ばし、机の上の写真に触れる。

猫の頭の部分をくすぐるように、サナリモリブデンは爪の先で撫でた。

 

「おー、サナリン猫好きなの?」

 

「うん。あったかくて、柔らかくて、好き。意外と優しいところとかも」

 

呟くようなサナリモリブデンの声がペンギンアルバムに届く。

写真を共に覗き込んでいる体勢の都合上、それは耳元に直接するりと入っていった。

 

「地元に野良が居たんだ。普段はおやつ持ってないと寄ってこないのに、寂しい気持ちの時はなんでか足元にまとわりついてくる子。懐かしい。写真の子と、少し柄が似てるかも」

 

「へー、いい子だ! いいなぁ……。この子は全然近寄らせてくれなかったんだよねー」

 

恨めし気な声を出して、ペンギンアルバムが写真の猫の額を弾く。

 

「ちゅーるの匂いにも見向きもしなくてさ。こーんな無防備に見えるのにちょっと近付いたら目パチッて開いて睨んでくるの。ぐぬぬ、可愛いのににくたらしい」

 

「生粋の野良なんだろうね」

 

「ちゅーるよりネズミとかの方が好きなのかなぁ」

 

「そうかも」

 

他愛もない会話が続く。

適当な感想に適当な予想を重ね、適当な相槌を返す。

ぼんやりとした目的のない時間だった。

 

サナリモリブデンの声は静かで、落ち着きに富む。

こういった空気を作るのは得意な部類の性質だ。

いわば曇った午後の薄明りの中で聞く弱い雨音のようなもの。

寮の部屋の中、耳元で囁かれるペンギンアルバムはだんだんと思考を緩くしていく。

 

「ネズミ、ネズミかぁ。……あれ、ネズミってそんな食べるほどいるかな」

 

「ネズミ捕りとか売ってるくらいだし居るところには居ると思う」

 

「あー、そっかそっか。言われてみればそうだわ。アレ実用品だもんねぇ」

 

空気がぼんやりとしているものだから、話もぼんやりと流れていく。

行くあてもオールもないボートのよう。

 

「そういえばネズミってチーズあんまり食べないんだって。サナリン知ってた?」

 

「え、知らない。そうなの?」

 

「においが強くてあんまり寄ってこないらしいよ。ネズミ捕りに使うならお米とかいいみたい。あとはヒマワリとかカボチャの種」

 

「……ハムスターっぽい」

 

「そりゃ仲間だもん」

 

「そっか」

 

「そうそう。……あれ? なんの話だっけ」

 

と、そこまで脱線したところでようやくペンギンアルバムがはたと気付いた。

確か何か意味のある会話をしていたはずだぞと記憶を探る。

 

「えっと……猫の話?」

 

「ちがうちがう、写真の話じゃん! ついついまったりしちゃった」

 

そして無事に復元に成功する。

頭のしゃっきりしたペンギンアルバムは引き出しから画鋲の箱を取り出し、写真の貼り付けを始めた。

 

コルクボード中央のスペースに狸寝入りの猫が鎮座する。

周囲には囲むようにマスキングテープが貼られ、それがリボンのように整形されて見た目が整う。

オマケとばかりにコピックで色とりどりに着色すれば、素人仕事とは思えない華やかな出来栄えだ。

サナリモリブデンの目には魔法のようにすら映る。

溜息しかでない、というやつだ。

 

「でーきたっ☆ ん-、どうこれ」

 

「120点」

 

「何点満点?」

 

「10点満点」

 

「いぇーい」

 

ご機嫌なペンギンアルバムと、感嘆し称賛するサナリモリブデン。

2人はスッと手を掲げ、パチンと打ち合わせた。

別にサナリモリブデンは見ていただけで何もしていないのだが、それはそれである。

 

「サナリンさ、その地元の子に構ってたんなら慣れてるでしょ? 今度この子に会いにいこうよ! 絶対懐かせてお腹撫でてやるって決めてるんだよね。手伝ってー!」

 

「ん。いいけど。でも結局猫の気分次第だと思うよ。私も警戒の解き方はよく知らないし」

 

「その時はその時でどっか遊びに行こ! 近くにお店色々あるしさ!」

 

「うん。じゃあそうしよっか」

 

「んへへ、決まりね!」

 

そういう事になり、2人は約束を取り付けた。

いかにも警戒心の強そうな野良を撫でられるかは正直怪しい。

だが友人と一緒なら成功しようが失敗に終わろうがきっと楽しいだろうと、サナリモリブデンは期待に頬を緩めるのだった。

 

 


 

 

【イベントリザルト】

 

友好:ペンギンアルバムの絆+5

獲得:スキルPt+40

獲得:スキルヒント/展開窺い

 

展開窺い/レース中盤に後ろの方だとわずかに疲れにくくなり、視野がちょっと広がる

 

スキルPt:120 → 160

 

 


 

 

【4月トレーニング選択】

 

スピードトレーニング / スピード↑↑↑  パワー↑↑

スタミナトレーニング / スタミナ↑↑↑  根性↑↑

パワートレーニング  / パワー↑↑↑   スタミナ↑↑

根性トレーニング   / 根性↑↑↑    スピード↑  パワー↑

賢さトレーニング   / 賢さ↑↑↑    スピード↑  根性↑

 

適応訓練:芝     / 芝経験↑↑↑   スピード↑  パワー↑

適応訓練:ダート   / ダート経験↑↑↑ スタミナ↑  パワー↑

 

 


 

 

■ サナリモリブデン

 

【ステータス】

 

スピ:112

スタ:95

パワ:119

根性:126

賢さ:116

 

馬魂:94

 

 

【適性】

 

芝:D(1/10)

ダ:F(0/10)

 

短距離:B(1/30)

マイル:B(0/30)

中距離:B(0/30)

長距離:B(0/30)

 

逃げ:A(1/50)

先行:B(0/30)

差し:A(0/50)

追込:C(0/20)

 

 


 

 

5月のトレーニング

  • スピードトレーニング
  • スタミナトレーニング
  • パワートレーニング
  • 根性トレーニング
  • 賢さトレーニング
  • 適応訓練:芝
  • 適応訓練:ダート
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