オリウマ娘はダイスと選択肢に導かれるようです 作:F.C.F.
【レース生成】
≪System≫
レースを生成します。
メイクデビューは開催地がランダム決定されます。
【メイクデビュー/芝1600メートル/左回り/東京レース場】
構成:スタート/序盤/中盤/終盤/スパート
天候:雨
状態:重
難度:55(ジュニア級6月の固定値/メイクデビュー倍率 x1.0)
【枠順】
1枠1番:サナリモリブデン
2枠2番:テイクオフプレーン
3枠3番:クロニクルオース
4枠4番:スローモーション
5枠5番:プレダトリス
6枠6番:タヴァティムサ
7枠7番:チューターサポート
8枠8番:アクアリバー
8枠9番:マッキラ
【ステータス補正適用】
バ場適性:芝D/スピード&パワー-20%
距離適性:マイルB/スタミナ&賢さ+10%
バ場状態:重/スタミナ&パワー-10%
スキル:適用スキルなし
状態:好調/ALL+5%
スピ:132-19=113
スタ:95+4=99
パワ:139-34=105
根性:126+6=132
賢さ:116+17=133
『あいにくの天気の東京レース場。午前中からの雨は未だ降り止む気配がありません。バ場状態は重の発表となっています』
出走ウマ娘9人の内、真っ先にゲートに収められたサナリモリブデンは静かに空を睨んでいた。
灰色の雲から降る雨。
雨足は強くはないものの長く続いたそれはバ場を酷く荒らしている。
「……っ」
ただでさえ走りにくい芝。
その上に雨でずぶぬれで土は緩み、滑りやすい。
ここを走るには普段よりもよほどパワーとスタミナを必要とするだろう。
サナリモリブデンにとってこれは酷い不運であった。
ただでさえ薄い勝機がさらに小さくなった事を意味する。
逃げに耐えうるスタミナ。
差しに賭けうるパワー。
そのどちらもが今の彼女からは失われている。
絶望的という言葉はこういう事を指すのだろうなと、サナリモリブデンは心中で噛み締めた。
『メイクデビューまでには降り止んでほしかったのですが、天候ばかりは仕方ありません。新人の子たちには厳しい洗礼となりますが、頑張ってほしいですね』
だが、今更な話だった。
元々初戦での勝利は目が薄いと承知での出走である。
『各ウマ娘、順調にゲートに収まっていきます。2番テイクオフプレーンは3番人気、王道の走りをする子です。2番人気、3番クロニクルオースは逃げウマ娘、今日のバ場で飛ばしていけるか。そして今日の注目株はこの子をおいて他にありません。1番人気、7番チューターサポート。1月の選抜レースで見せてくれた気持ちの良い末脚を今日も期待したいところ』
発表された人気にもそれは表れていた。
上位人気をアナウンスする実況がサナリモリブデンの名前を呼ぶことはない。
出走ウマ娘全9人中、9番人気。
それが今のサナリモリブデンに対する評価である。
選抜レースの結果と、今現在の体の仕上がりを見れば正当というほかない。
(そんなこと、どうでもいい)
その事実をただ、それがどうしたの一言で踏み潰してサナリモリブデンは身構えた。
ゲート内に吹き込む雨粒を顔に受けながら、瞬きもせずに前を見る。
『すべての夢はここから、この一歩から始まります。東京レース場第5レース、メイクデビュー。……今スタートしました!』
【スタート判定】
難度:55
参照:賢さ/133
判定:79(成功)
『各ウマ娘そろっての出足。出遅れはありません』
『この雨の中、みんなよく集中していましたね。素晴らしいですよ』
ゲートが開くと同時、サナリモリブデンは飛び出した。
完璧とは言えないまでも上々のスタート。
他に遅れることなく濡れた芝の上を駆け始める。
【序盤フェイズ行動選択】
行動:抑えて後方につける
難度:55
補正:なし
参照:賢さ/133
結果:67(成功)
『さぁまずはクロニクルオースがハナを取りにかかります。そこに外からマッキラが競りかけて、どうやらこの2人がレースを引っ張っていく形になるか』
サナリモリブデンはまず、速度を抑えるよう努めた。
選抜レースで試みた逃げではなく差しを選んだのだ。
スタミナとパワーのうち、より不安が大きいのはスタミナである。
ただでさえ不足があるというのにこのバ場では、先頭に立ってレースを進めてはとてももたない。
『前2人のすぐ後ろには4番スローモーションがするりと入った。その後ろにテイクオフプレーン、5番プレダトリス、6番タヴァティムサがほとんど差がなく続きます』
その位置取りは問題なく済まされる。
前へ出ようとするウマ娘につられず、大きく離されもせず、中団後方に陣取った。
『そこから1バ身開いて1番サナリモリブデン、外に1番人気の7番チューターサポート。最後尾に8番アクアリバー、これで9人全員です』
途中、サナリモリブデンは一瞬だけ隣に目をやった。
ウェーブがかった短い鹿毛のウマ娘。
チューターサポート。
このレースの1番人気にして、同期のウマ娘の中でも上位の実力を誇る注目株。
彼女はサナリモリブデンの視線に気付くことなく、悠々と走る。
顔や体に打ち付ける雨など気にもしていない。
【レース中ランダムイベント】
モブウマ娘の行動:マッキラが大きくペースを上げる
『先頭に目を戻しましょう。前に動きがありました。9番マッキラがクロニクルオースを離してぐんぐんと先に進みます。どうでしょうこの展開』
『重バ場でこの加速はちょっと負担が大きいですよ。かかっているかも知れませんね。一息つけるといいのですが』
『クロニクルオースはペースそのまま、マッキラだけが1人飛び出しています。このバ場で最後までもつのか』
サナリモリブデンは視線を戻した。
レースは動き続けている。
彼女の目からは雨にけぶって見えにくいが、先頭は大きく逃げ始めたようだ。
今のところ後続はそれにつられる気配はない。
ペースは一定のまま、東京レース場の向こう正面を1人と8人に分かれて駆けていく。
【序盤フェイズ終了処理】
消費:中速(4)/平静(0)
補正:差しA(-2)
消費:4-2=2
結果:スタミナ/99-1=98
(大きく逃げて、最後まで? マイルならありえる? このバ場では無理がある? 重バ場だからこそ残りかねない?)
サナリモリブデンはわずかに思考を回す。
しかし、それを瞬時に引っ込めた。
やるべき事はそれではない。
今ここで考えるのではなく、事前に定めた方策を思い出し実行する。
それが郷谷に教わった走り方だ。
(忘れるな。やってきたことをやるだけ。こういう時は、そう)
そうしてすぐに思い出し、実行する。
大逃げに対してサナリモリブデンがすべき事は無視だ。
というよりも、他にできることは何もない。
選択肢自体が存在しないのだ。
1人で逃がすものかと加速してはゴールまでに体力が尽きる。
サナリモリブデンに出来るのは、逃げるマッキラが逃げ切れないと信じて走る事だけ。
【中盤フェイズ行動選択】
周囲を観察する
難度:55
補正:なし
参照:賢さ/133
結果:123(大成功)
それよりも、とサナリモリブデンは自身の周囲を探った。
この場から先頭に対してできる事はなにもない。
むしろ注意すべきは周りのウマ娘たちの動きだ。
大逃げに対してどう出るか。
追うのか、留まるのか。
その出方次第では自身に大きく影響が出る可能性もある。
【レース中ランダムイベント】
モブウマ娘の行動:スローモーションが仕掛ける
『先頭マッキラ、6バ身7バ身とまだまだ離していく。ここで2番手が変わりました。スローモーションがクロニクルオースをかわして前に出た。マッキラを追っていきます』
『このままでは残されるという判断でしょうか』
『他の子はどうか、このまま2人を行かせるのか』
【レース中追加イベント】
他モブウマ娘の行動:スルー
『他に仕掛ける様子はありません。先頭マッキラ、4バ身開いてスローモーション、さらに3バ身開いてクロニクルオース。その後ろにテイクオフプレーン、プレダトリス、タヴァティムサ。落ち着いたままです。1番人気チューターサポートも動く気配がありません』
『このまま最後までもてば大波乱ですよ』
誰も動かない。
スローモーションがマッキラを追いかけているだけだ。
近くのウマ娘はサナリモリブデンと同様、前2人を無視して走ると決めたらしい。
ならばすべき事は何も変わらない。
レースは淡々と進み、向こう正面の直線を終えて3コーナーに入る。
内枠ゆえに得られた好位置を生かし、サナリモリブデンは最短の道を丁寧に曲がっていく。
【中盤フェイズ終了処理】
消費:中速(4)/平静(0)
補正:差しA(-2)
消費:4-2=2
結果:スタミナ/98-1=97
【終盤フェイズ行動選択】
直線に備えてルートを探す
難度:55
補正:観察大成功+15%
参照:賢さ/133+19=152
結果:78(成功)
ここまで来たならば、残りの取るべき手順は単純だ。
温存し続けたスタミナを脚に注ぎ込み、最終直線の末脚で先頭に躍り出るだけ。
幸い、体力の残量は考え得る限りの最大値を示している。
無用な消耗はここまで起きていない。
サナリモリブデンは目を凝らす。
どこに身を置くべきか。
先行集団4人、隣のチューターサポート、後方の1人。
その誰にも邪魔されずに走るにはどうすればいい?
(……見つけた)
冷静に観察を続けていたサナリモリブデンはそれを的確に発見する。
(このままでいい。内側が空く)
先行集団は濡れた芝を蹴立ててカーブを曲がる。
その体がほんの少しずつ外に流れているのをサナリモリブデンは見落とさなかった。
雨で弱まったグリップがバ体の勢いを受け止め切れていないのだろう。
今はまだわずかなもの。
だが、直線に向き直る頃には体ひとつねじ込む間隙が生まれるはずだとサナリモリブデンは確信する。
無いと思われていた勝機。
それが今、サナリモリブデンの前に開けた。
有り得る。
勝ち得る。
あと一歩、最後の最後、末脚さえ発揮しきれるならば。
目の前に現れたその事実が、サナリモリブデンの冷静な心を燃え上がらせようとする。
【レース中ランダムイベント】
モブウマ娘の行動:マッキラが更にペースを上げる
『先頭マッキラ、3コーナーから4コーナーへ。勢いはまだ落ちない。それどころかまだ加速する! マッキラの脚が止まりません!』
『これはもしかすると、もしかしてしまうんでしょうか?』
しかし、その希望をたやすく摘んでいくのがレースの世界なのだろうか。
先頭の背中が見えてこない。
サナリモリブデンの勝利に必要なピースのひとつ、マッキラのスタミナ切れがまだ起こらない。
雨の中、コーナーを駆けるサナリモリブデンの目にはもう先頭は上手く見えていない。
追いつかなければならない背まで何バ身あるのか、もはや判然としていなかった。
【終盤フェイズ終了処理】
消費:中速(4)/平静(0)
補正:差しA(-2)
消費:4-2=2
結果:スタミナ/97-1=96
【スパート判定】
難度:55
補正:差しA/+10%
参照:スタミナ/96+9=105
結果:49(失敗)
さらに。
「はっ、は、っ、ぁ」
息が乱れる。
脚が震え、アゴが上がろうとする。
四肢から力が抜け、速度が衰え始める。
やはり足りなかった。
当然の帰結だ。
スタミナの不足はどうしようもない壁としてサナリモリブデンの前に立ち塞がる。
【スパート判定】
難度:55
補正:スタミナ失敗/-30%
補正:差しA/+10%
参照:スピード/113-22=91
結果:86(成功)
難度:55
補正:スタミナ失敗/-30%
補正:差しA/+10%
参照:パワー/105-21=84
結果:60(成功)
(それがどうした。やると決めたんだ)
だというのに。
サナリモリブデンの瞳から闘志は消えない。
萎える手足に力が戻る。
白く明滅する視界は切り捨てた。
一呼吸ごとに生まれる苦しみは、耐えるとだけ決めて意識外に放り捨てる。
(なら、やれ!)
そうして、サナリモリブデンはその末脚を炸裂させた。
【追加判定/NPCマッキラ】
≪System≫
固定NPC以外が極端な展開を発生させた場合、追加で判定が行われます。
難度:55
補正:大逃げ/-20%
参照:スタミナ/140-28=112(ジュニア級6月の汎用NPC基準値)
結果:112(大成功)
『コーナー終わって最終直線、先頭変わらずマッキラのまま。まだ落ちない。まだ伸びる。なんという事でしょう、1人旅だ! スローモーション追いすがるが離されていく! 後ろからは最内サナリモリブデン、外からチューターサポートが上がっていくがどうやら届きそうにない、これはセーフティーリード!』
ゴール板までの直線は残り200メートルを切った。
サナリモリブデンは酸欠に喘ぐ脳で敗北を理解する。
勝利の目は完全に潰えた。
先頭を行くマッキラの背は遠く離れたまま、到底追いつける理由がない。
『1着は決まりでしょう、マッキラだ。これはマッキラ。間違いありません! 2着は3人の争い、チューターサポートとサナリモリブデンがスローモーションに襲い掛かる、が、サナリモリブデンはいっぱいか』
そして、最後の脚も絶えようとする。
精神ではどうしようもない肉体の限界だ。
もう彼女にはひとかけらの体力もない。
2着争いから1人零れ落ち、後続に飲まれようとする。
【スパート判定】
難度:55
補正:なし
参照:根性/132
結果:96(成功)
(知らない……! そんなもの、知るもんか……!)
その当たり前の理屈を、サナリモリブデンはもう一度踏破した。
ただ前を睨む。
動くはずのない脚を前に出す。
倒れようとする体は気合だけで支えた。
「…………!!」
咆哮を上げる力さえ惜しみ、苦悶に顔を歪ませながら、サナリモリブデンは止まらない。
「なんで、そこまで……っ」
隣からかすかに漏れた声など、耳に入りもしなかった。
『いやまだだ、サナリモリブデン盛り返す。ここでマッキラ、1着でゴールイン! 2着争いは3人横並び、写真判定の結果待ちとなります。東京第5レースメイクデビュー、天候同様大波乱の展開となりました。7番人気マッキラ、まさかの大逃げ逃げ切り大勝利!』
『いやあ、素晴らしいレースでしたね。将来が楽しみなウマ娘がまた1人現れてくれました』
……レースが終わった。
理解し、サナリモリブデンはようやく脚を緩める。
今にも崩れ落ちそうな体に最後の無理を命じ、急に止まる事だけは避けながら掲示板に目を向けた。
1着、9番マッキラ。
着差は5バ身。
圧勝と断言して良い走りを見せつけた明るい髪色のウマ娘は、喜びを弾けさせて両手を掲げていた。
続く2着。
そこに表示されたのは。
『着順確定しました。2着は1番サナリモリブデン、3着チューターサポート、4着スローモーションの順』
『2着の子も良く頑張っていましたね。素晴らしい気迫でした。今後の走りに期待したいですね』
それを見届けて、サナリモリブデンはコースを後にする。
震える脚を引きずるように、けれど観衆に無様を見せられないと、2着にふさわしい控え目さで小さく手を振りながら。
「おかえりなさい、サナリさん」
地下バ道では郷谷がサナリモリブデンを出迎えた。
手には厚手の大きなタオルがある。
郷谷はそれを、びしょぬれのサナリモリブデンにそっと被せた。
「お疲れ様です。よく頑張りましたね。……最後まで諦めない、良い走りでした」
「……うん」
サナリモリブデンは呟くように返し、頭を拭き始める。
水を含んだ髪、耳の中。
それと、顔も。
「トレーナー」
「はい、なんですか?」
「足りない物は、よくわかった。明日からもお願い」
タオルから顔を上げないまま、サナリモリブデンは言う。
「次は勝つ。そう決めたから、勝ち方を教えて」
その言葉を聞き、郷谷は笑った。
「もちろん。私で良ければ、喜んで」
そうして郷谷は手を伸ばし、サナリモリブデンの頭を撫でた。
濡れたままの髪を優しく梳かして、寒さからだろうか小さく震える体を落ち着かせるようにポンポンと叩く。
「ですがその前にまず一休みです。雨は冷たかったでしょう? 温かい麦茶を用意してありますよ」
「うん」
「落ち着いたらライブもあります。始まる前に動画で復習もしておきましょうね」
「うん、ありがとう」
2人は連れ立って控室へと足を進める。
マッキラをセンターとするウイニングライブまで、あと30分ほど。
それだけの時間があれば、サナリモリブデンの体を拭い乾かすには十分だろう。
【レースリザルト】
着順:2着
【レース成長処理】
成長:ALL+10/ウマソウル+3
経験:芝経験+4/マイル経験+4/差し経験+4
獲得:スキルPt+40
スピ:132 → 142
スタ:95 → 105
パワ:139 → 149
根性:126 → 136
賢さ:116 → 126
馬魂:94 → 97
芝:D → C(1/20)
マ:B(4/30)
差:A(4/50)
スキルPt:160 → 200
■ サナリモリブデン
【基礎情報】
身長:164cm
体重:増減なし
体型:B77 W53 H78
毛色:芦毛
髪型:ショートポニー
耳飾:右耳(牡馬)
特徴:物静か/クール/囁き声〇/従順/温厚/鋼メンタル
【ステータス】
スピ:142
スタ:105
パワ:149
根性:136
賢さ:126
馬魂:97
【適性】
芝:C(1/20)
ダ:F(0/10)
短距離:B(1/30)
マイル:B(4/30)
中距離:B(0/30)
長距離:B(0/30)
逃げ:A(1/50)
先行:B(0/30)
差し:A(4/50)
追込:C(0/20)
【スキル】
冬ウマ娘○(冬のレースとトレーニングが少し得意になる)
冷静(かかりにくさが上がり、かかった時に少し落ち着きやすくなる)
【スキルヒント】
冬ウマ娘◎(冬のレースとトレーニングが得意になる)
押し切り準備(最終コーナーで先頭の時、先頭をわずかにキープしやすくなる)
展開窺い(レース中盤に後ろの方だとわずかに疲れにくくなり、視野がちょっと広がる)
スキルPt:200
【戦績】
通算成績:1戦0勝 [0-1-0-0]
ファン数:281人
評価点数:0
主な勝ちレース:なし