オリウマ娘はダイスと選択肢に導かれるようです   作:F.C.F.

36 / 83
ジュニア級 12月 朝日杯フューチュリティステークス

 

 


 

 

【投票結果】

 

差し

 

 


 

 

「今のサナリさんには、この2人と真っ向から潰しあうだけの力はありません」

 

孤独なゲートの中、サナリモリブデンは郷谷の言葉を思い出す。

ウマ娘にとっての絶対的な味方、トレーナーにより指摘される実力の不足。

しかしその事実に彼女の心が傷を負う事はない。

優しい夢よりも厳しい今を見て走ると決めたサナリモリブデンにとって、郷谷の率直さはただ喜ばしいものだった。

 

「よって、狙うのは漁夫の利、後方待機からの差し切りです。……ブリーズグライダーさんがマッキラさんを潰しにかかって共倒れに終わり、その隙を突いて躍り出る。サナリさんにわずかなりとも勝機があるとすれば、そのケースしかありません」

 

閉じていた目を開く。

わずかなりとも、という言葉は便利だとサナリモリブデンは噛み締めた。

例えそれが0.1%未満だとしても言及できてしまうのだからと。

 

(でも、十分)

 

だが元より無茶は承知の上での挑戦だ。

奇跡の上に奇跡を乗せるような望みの無さであっても、道筋が見えているならば。

 

(やる。走る。……大丈夫)

 

姿勢を落とし、蹄鉄を芝に食い込ませる。

自身に許される最大限の集中をもって、サナリモリブデンは鉄のゲートを睨みつけた。

 

(届かないものに手を伸ばすことには、慣れてる)

 

じりじりと、時が流れる。

そして。

 

『ジュニア級マイル王者の座をかけて、15人のウマ娘が鎬を削ります。阪神レース場メインレース、朝日杯フューチュリティステークス……今───』

 

 


 

 

【スタート判定】

 

難度:170

補正:集中力/+20%

参照:賢さ/261+52=313

 

結果:285(成功)

 

 


 

 

『───スタートしましたっ!』

 

サナリモリブデンは飛び出した。

出遅れは無し。

G1の大舞台で文句のない出足を決められた事に手応えを覚える。

 

しかし。

 

『13番マッキラ鋭いスタート! 1人ぽんと飛び出していきます。他はほぼ揃ったスタートですが6番エキサイトスタッフがちょっと遅れたか』

 

その好感触を塗り潰す背がそこにある。

栗色の毛をなびかせてただ1人、誰にも並ばずに駆けていく。

 

「……っ」

 

サナリモリブデンの脳裏に蘇るのは、未だ焼き付いて離れないあの6月の光景だ。

遥か遠く、どれほど手を伸ばしても指先さえかけられない絶対的な隔絶の象徴。

幾度となく悪夢として眺め続けた背中である。

 

 


 

 

【序盤フェイズ行動選択】

 

抑えて後方につける

 

難度:170

補正:なし

参照:賢さ/261

 

結果:214(成功)

 

 


 

 

追え。

逃がすな。

追いすがれ。

 

そう望む自身の脚を、サナリモリブデンは押しとどめた。

郷谷の言葉を思い返し、何度も繰り返し咀嚼する。

マッキラと潰しあえるだけの力は自分にないと、細胞の一片に至るまで理解を染み込ませる。

 

苦渋と悔しさに満ちたその行為は正しく報われた。

サナリモリブデンは緩やかに集団の形を取ろうとするバ群の中を泳ぎ、中団やや後方の位置にゆるりと収まる。

 

『1番人気マッキラ、当然今日も飛ばしていく。1人旅をさせるものかと続くのは9番シャバランケ、11番ファスターザンレイ、14番グレーシュシュ』

 

 


 

 

【序盤フェイズ行動選択/マッキラ】

 

何もかもを置き去りに加速する

 

【難度設定】

 

補正:危険回避/+15%

補正:逃げのコツ〇/+5%

参照:マッキラのパワー/330+66=396

 

結果:216

 

≪System≫

ライバルウマ娘の行動に対する抵抗判定は、通常とは異なる難度が適用されます。

この難度はライバルウマ娘の能力値を上限としたランダムな数値が設定されます。

 

【抵抗判定/モブウマ娘】

 

シャバランケ:成功率0%、失敗

ファスターザンレイ:成功率0%、失敗

グレーシュシュ:成功率0%、失敗

 

 


 

 

『しかしハナ争いは起こらない。序盤から後続を引き離してもはや見慣れた大逃げの態勢!』

 

サナリモリブデンが見つめる先で、マッキラはただ1人抜け出していく。

ターフを蹴り加速するその勢いは確かに頭ひとつ抜けていた。

9番、11番、14番。

G1に出走が叶うだけの実力を持つ、世代トップに位置するはずのウマ娘達がなすすべなく引きはがされていく。

 

 


 

 

【序盤フェイズ行動選択/ブリーズグライダー】

 

マッキラを追う

 

【難度設定】

 

補正:スプリントギア/+20%

参照:ブリーズグライダーのパワー/350+70=420

 

結果:171

 

【抵抗判定/マッキラ】

 

マッキラ:失敗

 

 


 

 

……否。

そこに1人だけ食らいつく姿がある。

 

『だが逃がさないともう1人飛び出したぞ、10番ブリーズグライダー。スプリンターの加速力! 今日こそはマッキラの背中に鈴がつくか』

 

最序盤から、ブリーズグライダーは作戦を捨てた。

ただの先行策でマッキラは破れない。

そう判断していた彼女は、3人が敗れたと見るや否や即座に飛び出していく。

 

選んだのは真っ向からの潰し合い。

己が自負する技術でもってこの稀代の大逃げウマ娘の心と脚を砕いて捨てると、ブリーズグライダーは決断した。

 

「……ふふ」

 

それを。

マッキラは微かに笑って受け入れる。

 

 


 

 

【序盤フェイズ終了処理】

 

消費:中速(4)/平静(0)

補正:差しA(-2)

消費:4-2=2%

 

結果:234-4=230

 

 


 

 

『バ群が2人に引っ張られていきます向こう正面。先頭はマッキラ、2バ身開いてブリーズグライダー。ぐんぐん速度を増していく。そこからまた2バ身後ろに続くシャバランケ、ファスターザンレイ、グレーシュシュはひと塊。その後ろサルサステップ、外にタイムティッキング、ほとんど差がなくスローモーション、アングーダ。少し外に外れて全体を眺めるようにブルータルラッシュ。今日は逃げを選ばなかったサナリモリブデンはここ、内ナルキッソスとほぼ横並び。少し開いてアウトスタンドギグ。最後尾はホルンリズムとエキサイトスタッフ。これで15人全員です』

 

バ群の中をサナリモリブデンはただ走る。

既に先頭を行くマッキラは視界の中から消え去った。

周囲のウマ娘達に遮られて、その背中すら見つけられない。

 

(でも、わかる事はある)

 

だが情報が全くないわけではない。

それは少し先を走るウマ娘達、先行集団からもたらされていた。

サルサステップ、タイムティッキング、スローモーション、アングーダ。

その誰もが速度を上げつつある。

 

マッキラが逃げ続けているのだろう。

いつものように、どこまでも大きくだ。

そして彼女が力尽きて落ちてくるなどとは、同じ戦法で4戦4勝している事からありえないと断言できる。

 

……勝利を目指すならば、ついていくしかないのだ。

マッキラが作り出す、超高速のレースの中を。

 

 


 

 

【中盤フェイズ行動選択】

 

加速して集団についていく

 

難度:170

補正:なし

参照:パワー/304

 

結果:295(成功)

 

 


 

 

『マッキラのハイペースに引かれるまま、各ウマ娘加速して3コーナーに入っていきます』

 

「はっ、は、っづ」

 

サナリモリブデンは周囲に合わせて加速した。

それだけで苦しいと思えるほどのハイペース。

これまでのレースとはわけが違った。

速度が、加速度が、そして。

 

「……っ、じゃ、まっ!」

 

「そっちが、だっての!」

 

サナリモリブデンと同時に加速したナルキッソスが、前を塞いでいるスローモーションとアングーダの中に割り込もうとする。

威圧、しかる後に接触すれすれの踏み込み。

それは残念ながら叶わず、弾き出されるようにナルキッソスは元の位置に戻ってくる。

スローモーションは安堵の息を吐き、視線を前に戻した。

 

「な、こいつ……っ」

 

そして、自身の失態を知り悪態を噛みしめる。

外の少し後ろを走っていたはずのブルータルラッシュがそこに居たためだ。

スローモーションのほんの少し前、すぐ隣。

最終コーナーで前を行くサルサステップとタイムティッキングがわずかでも膨らめばその隙を突いて前を目指せる絶好の位置だ。

かつ、スローモーションの進出を阻むにも都合が良い。

 

ブルータルラッシュはニヤリと横顔だけで頬を笑みに歪めてみせた。

よそ見をしていたスローモーションをあざ笑うかのように。

 

(この速度の中で───!)

 

一連の動きをただ見ているしかなかったサナリモリブデンは驚愕する。

彼女は見ているしかなかったが故に、見ていたのだ。

 

そもそものナルキッソスの行動はブルータルラッシュにつられての事だ。

この程度の速度では間に合わない、とでも言うかのように、ブルータルラッシュは分かりやすく焦りの表情を浮かべて加速していた。

それを見て、ナルキッソスはならば自分もと前に出たのだ。

結果、スローモーションとアングーダの集中は乱れ、ブルータルラッシュにつけいる隙を与えてしまった。

 

この状況を、ブルータルラッシュは恐らく狙って作ったのだ。

 

(これが、世代のトップ層。これが、G1)

 

レベルが違うとサナリモリブデンは理解した。

勝算はないと断言した郷谷の言葉がようやく、本当の意味で染み入ってくる。

 

 


 

 

【中盤フェイズ行動選択/ブリーズグライダー】

 

マッキラに仕掛ける

 

【難度設定】

 

補正:なし

参照:ブリーズグライダーのパワー/350

 

結果:35

 

【抵抗判定/マッキラ】

 

マッキラ:特大成功

 

 


 

 

一方、前では。

 

『マッキラは捕まらない、今日も捕まらない。世代トップのスプリンターでも無理なのか、今日も悠々1人旅だ!』

 

ブリーズグライダーは信じがたい光景を前に歯を食い縛っていた。

全力で駆けているはずだ。

満身の力を脚に注ぎ、加速しているはずなのだ。

にもかかわらず。

 

(スプリンターの私よりも、速い……!?)

 

距離が開く。

背が遠ざかる。

マッキラはただ1人、何もかもを置き去りに逃げていく。

 

 


 

 

【中盤フェイズ行動選択/マッキラ】

 

どこまでも加速して逃げ続ける

 

【難度設定】

 

補正:脱出術/+30%

補正:逃げのコツ〇/+5%

参照:マッキラのパワー/330+115=445

 

結果:207

 

【抵抗判定/ブリーズグライダー】

 

ブリーズグライダー:失敗

 

 


 

 

(そんな、わけが!)

 

気炎を吐くブリーズグライダー。

だが、現実は非情に突き付けられる。

 

『今年のジュニア級マイルではもはや見慣れた光景だ。マッキラが後続をどこまでも突き放していく。2番手ブリーズグライダーまでもう6バ身から7バ身は離れたか』

 

レースは速度を上げ続ける。

破滅を目指すようなペースはただただ、全てのウマ娘に苦境を強いていた。

 

 


 

 

【中盤フェイズ終了処理】

 

消費:高速(6)/平静(0)

補正:差しA(-2)

消費:6-2=4%

 

結果:230-9=221

 

 


 

 

『後続がようやく3コーナーを抜けたところで、マッキラだけがただ1人最終コーナーを曲がっていく。このウマ娘を止められる子はいないのか!?』

 

高速のレース展開に喘ぐ中。

サナリモリブデンは決断を迫られていた。

コーナーであるが故に、見失っていたマッキラの背が今は見えている。

 

郷谷から告げられていた唯一の勝機はどうやら外れた。

ブリーズグライダーはマッキラを潰せず、大逃げを打つ栗毛は悠々と単独行を続けている。

こうなればもう、まともに戦っては目はなかった。

 

故に、選択肢に上るのはまともではない手段だ。

 

限界以上を振り絞って、その背を今追うべきか、否か。

こういう時はどうすると決めていたのだったかと、霞む思考の片隅を探る。

 

今追えばスタミナが尽きる。

末脚に賭けるためのチップが使い果たされる。

最終直線をまともに走ろうというのなら、ギリギリまで温存を選ぶべきだ。

 

では逆に、今追わなければ。

 

(───あぁ)

 

そこまでを思い出して、サナリモリブデンは自身の愚かさに呆れた。

温存という選択だけはありえない。

それは、己の決断を踏みにじる行為だった。

 

(叶わないとは、わかっているけれど)

 

今追わなければ、マッキラの背に手を届かせる手段そのものが消えて失せる。

勝負の前提にさえ上がれない。

つまりその選択は、勝利の放棄も同然だった。

 

(叶わなくていいなんて、思った事はない……!)

 

脚を振るう。

高速域を超えてその先へ。

 

 


 

 

 

【終盤フェイズ行動選択】

 

マッキラを追う

 

難度:170

補正:なし

参照:パワー/304

 

結果:297(成功)

 

 


 

 

「……っ!」

 

無謀な試みそのものだった。

これはもはやただの加速ではない。

3コーナー出口からのスパート。

阪神の直線473メートルと合わせ、800メートル近くを全力で駆け抜けようというのだ。

 

もつわけがない。

スタミナに優れるとは決して言えないサナリモリブデンにとって、これは敗北に突き進むだけの愚行に他ならない。

無様に垂れ落ちバ群に飲まれる未来は、この時点で既に確定したようなものだった。

 

(それでも……諦めることだけは、してやるもんか!)

 

だが。

それでも。

サナリモリブデンは脚を緩めようとはしない。

 

 


 

 

【終盤フェイズ行動選択/マッキラ】

 

どこまでもどこまでも逃げ続ける

 

【難度設定】

 

補正:逃げのコツ〇/+5%

参照:マッキラのスピード/380+19=399

 

結果:244

 

【抵抗判定/ブリーズグライダー】

 

ブリーズグライダー:成功

 

【抵抗判定/サナリモリブデン】

 

補正:なし

参照:スピード/332

 

結果:260(成功)

 

 


 

 

『いやまだだ、最終コーナーで後続が追い上げてくる。ブリーズグライダーがマッキラに差を詰める! さらに後ろからはサナリモリブデンもバ群を割ってやって来た!』

 

サナリモリブデンの全身が軋みを上げる。

限界はとうに超えた。

彼女自身、何故こうも走れているのかが分からない。

 

意地と根性。

言葉にしてしまえば陳腐極まりないそれらが、ただ彼女を突き動かしていた。

 

それをとどめる術を、周囲のウマ娘は持たなかった。

サナリモリブデンから噴き出す戦意に圧され、道が開く。

遠い遠い、遥か先の背中まで。

 

 


 

 

【終盤フェイズ行動選択/ブリーズグライダー】

 

サナリモリブデンの行き脚を止める

 

【難度設定】

 

補正:かく乱/+15%

参照:ブリーズグライダーの賢さ/300+45=345

 

結果:156

 

 


 

 

だが、その前に立ち塞がる者がある。

 

「……行かせない! せめて、この位置だけは……!」

 

ブリーズグライダーの動きが変わる。

マッキラを捉えるための走りから、後方を押しとどめるための走りへ。

 

「……!?」

 

サナリモリブデンが目を見開く。

それは彼女にとって予想の外の出来事だった。

マッキラを仕留めるには後ろに構っている余裕などないはずだと驚きを露わにする。

 

だが現実として立ちはだかる壁がそこにあった。

眼前のブリーズグライダーの体がぶれる。

ごく自然な動作で、内へ外へ、ほんのわずかだけ。

進路の妨害にはならない一歩未満のズレ。

それがサナリモリブデンの進むべき道の選択肢を狭めていく。

 

 


 

 

【抵抗判定/サナリモリブデン】

 

補正:冷静/+20%

参照:賢さ/261+52=313

 

結果:288(成功)

 

 


 

 

何故、などという敵手への疑問を一瞬で棄却する。

出来るか、などという無駄な自問を秒未満で切り捨てる。

 

やれ、と己に命じた時には、既に体は動いた後だった。

 

『サナリモリブデンがブリーズグライダーに並んだ! 2人がマッキラを追っていく! 残り4バ身、3バ身! 今日こそ捕まえられるのか!?』

 

ブリーズグライダーがかく乱のために外にずれた、一歩未満。

その空隙にサナリモリブデンは飛び込んだ。

内ラチギリギリ。

ともすれば柵に激突し惨事を引き起こしかねない無謀。

 

「な、バカげてる……!」

 

(通した……!)

 

それでも、成った。

驚愕、どころか戦慄に顔を歪めるブリーズグライダーに並び、サナリモリブデンは2番手に躍り出る。

 

 


 

 

【終盤フェイズ終了処理】

 

消費:超高速(9)/平静(0)

補正:差しA(-2)

消費:9-2=7%

 

結果:221-15=206

 

 


 

 

「……へぇ」

 

その様を、マッキラは見た。

正確には耳にした。

 

今、彼女の集中は極限の域にある。

それはサナリモリブデンが福島で到達したものと同等。

風の流れ、草の揺れ、それらひとつひとつが把握できるほどの拡大知覚。

これをもってすれば、足音のみで後方を確認するなどたやすい事だった。

 

(あは。こわいなぁ。サナちゃんって、こんなに怖い子だったんだ。……失敗した。揺さぶるならブリーズちゃんじゃなくてサナちゃんだったかぁ)

 

マッキラの肌が粟立つ。

不吉な予感が背筋を這い、敗北を妄想して臓腑が縮み上がる。

 

(あぁ、いやだ。いやだ。いや、いや、いや。負けるのなんていや。惨めなのはいや。私はもう二度と───)

 

そして。

 

(───負け犬なんかに戻らない!)

 

それこそが、マッキラを突き動かす衝動だった。

 

 


 

 

『っ! しかしマッキラ逃げる! また始まった、最終直線での再加速! 脚色が衰える気配は全くない!』

 

白熱する視界を睨みつけて、サナリモリブデンは絶望という物の色と形を理解した。

 

 


 

 

【スパート判定】

 

難度:170

補正:差しA/+10%

参照:スタミナ/206+20=226

 

結果:202(成功)

 

 


 

 

栗毛のウマ娘は遥か遠い。

 

 


 

 

【スパート判定】

 

【難度設定】

 

補正:逃げのコツ/+5%

補正:領域/Escape like a underdog./+30%

参照:マッキラのスピード/380+133=513

 

結果:455

 

【スパート判定/ブリーズグライダー】

 

ブリーズグライダー:成功率0%、失敗

 

補正:逃げのコツ/+5%

補正:領域/Escape like a underdog./+20%

参照:マッキラのパワー/330+82=412

 

結果:193

 

【スパート判定/ブリーズグライダー】

 

ブリーズグライダー:成功

 

 


 

 

それはまるで6月の焼き直し。

どれだけ振り絞ろうが、後ろ髪を掴む事さえ叶わない。

 

 


 

 

難度:455

補正:差しA/+10%

参照:スピード/332+33=365

 

結果:成功率0%、失敗

 

難度:193

補正:差しA/+10%

参照:パワー/304+30=334

 

結果:245(成功)

 

 


 

 

『ブリーズグライダー追いすがる! サナリモリブデンも落ちない! しかし、しかしマッキラだ! マッキラだ! マッキラがあまりにも強すぎる! 差は少しも縮まらない!』

 

胸が焼けつくようだった。

呼吸すらすでに拷問のような苦痛を伴っている。

脚の感覚はとうに飛んだ。

 

サナリモリブデンは一体自分が何をしているのか半ば判然としていなかった。

今の彼女にわかるのはたったひとつ。

 

(やる)

 

まるでバカの一つ覚えだと、乖離した脳の一部が囁いた。

 

(やるんだ)

 

それに、構わないと本能が答えを返す。

 

(だって)

 

炉心に火が入る。

熱く、赤く、魂を燃料に。

 

(みていてくれるひとに、あきらめなんてみせられない)

 

記憶を刻む。

それがサナリモリブデンの中心だった。

なればこそ彼女は決して緩まない。

人々の記憶の中に残る自分を、いつだって最高の己にするために。

 

灼熱の炉に、鋼は投げ入れられる。

その打ち方は、今目にしたばかりだ。

 

(やろう。わたしも、あのとおいせなかみたいに)

 

鎚のごとく蹄鉄を芝に叩きつけ。

 

鋼が、打ち鳴らされる。

 

 


 

 

【ウマソウル判定】

 

参照:ウマソウル/100

 

成功率100% 判定を省略します

 

 


 

 

【スパート判定】

 

難度:170

補正:領域の萌芽/名称不定/+20%

参照:根性/241+48=289

 

結果:114(失敗)

 

 


 

 

(あぁ……)

 

そうして、サナリモリブデンはそこまでだった。

限界を超え、魂を振り絞り、しかし。

 

(とど、かなかった)

 

 

 

『マッキラだ! やはりマッキラ強かったゴールイン! 2着は3バ身離れてブリーズグライダー、3着サナリモリブデン! ジュニア級マイル王者はやはりこの子でした! マッキラ、堂々の5連勝! この子に勝てるウマ娘は果たして居るのでしょうか!』

 

 

 

ゴール板を駆け抜ける。

それ以上はもうもたない。

少しずつ速度を緩め、やがて足取りさえ覚束なくなる。

 

(……ぁ)

 

そうなればもう立っている事すら難しかった。

カクン、と膝から力が抜ける。

 

地面が硬いところじゃなく、芝で良かった。

サナリモリブデンはバカバカしくもそんな事を考えて───。

 

(……?)

 

「……本当に、わけ、わかんない。何なの、あなた……」

 

本当に倒れ伏す寸前に体を抱きとめられた。

見上げるのもおっくうな体に鞭打って、その誰かを確かめる。

 

「ぶ、りぃ、ず」

 

「はぁ……何も、言わなくて、いいから」

 

息の荒い、三つ編みのウマ娘。

ブリーズグライダーだ。

サナリモリブデンはその名前を呼ぼうとして、荒いどころか絶え絶えの様を見かねて止められる。

 

「肩……貸してあげるから。ゆっくり帰りましょ」

 

「ん……たす、かる」

 

自分よりもほんの少し背の低いブリーズグライダーに体を預け、サナリモリブデンは歩き出す。

脚を地につけてしっかりとだ。

それを見て、心配の目を送っていた観客が安堵の声を上げる。

声はやがて歓声に変わり、敗北しながらも見事な奮闘を見せた2人を称えた。

もちろん、それは勝者への称賛よりも遥かに小さなものではあったが。

 

「…………私、もうあなたたちと走るのはゴメンだわ」

 

「ん……」

 

「レース前にマッキラが言ってた事聞いてたでしょ。マイルに逃げてきたって話」

 

地下バ道での話だろう。

サナリモリブデンは当然覚えていた。

その詳細までは疲れ切った頭では思い出せなかったが、そのような事を話していたような記憶はある。

 

「あれ、図星だったんだけど……やめる。あなた見てたら諦めるのが癪に思えてきたし、それに……」

 

そこでブリーズグライダーは、心底うんざりした顔でサナリモリブデンを見た。

そして、苦々しい声色で言う。

 

「あなた、こわすぎ。もう二度とやりたくない」

 

「……とても、心外」

 

「正当な評価よ。あなたとやるくらいならソーラーレイと真っ向勝負の方がなんぼかマシだわ……」

 

なら仕方ないとサナリモリブデンは苦笑した。

本人としては本当に心外ではあったが、ライバルは多い方がソーラーレイは喜ぶだろう。

そのためなら怖いなどという評価を甘んじて受けても良いと納得する。

 

「…………ところで、私は短距離もやれる」

 

「絶対来ないで。それこそどんな事してでも逃げるからね」

 

ほんの少しばかりの仕返しを最後に投げかけはしたが。

 

 

 

 

 

そうして最後。

ターフを去る一瞬前に、サナリモリブデンは振り返った。

 

レース場を埋め尽くさんばかりの祝福の中に、栗毛のウマ娘が1人立つ。

つい先ほどまでは恐ろしい絶対強者だった彼女は、今はただの素朴な少女のようにはにかんでいた。

 

(次は)

 

サナリモリブデンはそれを目に焼き付けて視線を戻す。

 

(私が勝つ)

 

その瞳から、戦意の炎が消えることはなかった。

 

 


 

 

【レースリザルト】

 

着順:3着

 

 

【レース成長処理】

 

成長:ALL+10/ウマソウル+4

経験:芝経験+4/マイル経験+4/差し経験+4

獲得:スキルPt+40

 

経験:芝経験&マイル経験&差し経験+2(G1ボーナス)

獲得:スキルPt+20(G1ボーナス)

 

獲得:スキル/領域の萌芽

 

スピ:277 → 287

スタ:180 → 190

パワ:254 → 264

根性:201 → 211

賢さ:201 → 211

 

馬魂:100(MAX)

 

芝:C(17/20)

マ:B(20/30)

差:A(15/50)

 

スキルPt:90 → 150

 

 


 

 

■ サナリモリブデン

 

【基礎情報】

 

身長:164cm

体重:増減なし

体型:B77 W53 H78

毛色:芦毛

髪型:ショートポニー

耳飾:右耳(牡馬)

特徴:物静か/クール/囁き声〇/従順/温厚/鋼メンタル

 

【挿絵表示】

 

 

【ステータス】

 

スピ:287

スタ:190

パワ:264

根性:211

賢さ:211

 

馬魂:100(MAX)

 

 

【適性】

 

芝:C(17/20)

ダ:F(0/10)

 

短距離:B(1/30)

マイル:B(20/30)

中距離:B(0/30)

長距離:B(0/30)

 

逃げ:A(6/50)

先行:B(0/30)

差し:A(15/50)

追込:C(0/20)

 

 

【スキル】

 

領域の萌芽 (名称・効果不定。勝敗を分ける局面で奮い立つ)

 

冬ウマ娘◎ (冬のレースとトレーニングが得意になる)

冷静    (かかりにくさが上がり、かかった時に少し落ち着きやすくなる)

集中力   (スタートが得意になり、出遅れる時間がわずかに少なくなる)

 

 

【スキルヒント】

 

押し切り準備(最終コーナーで先頭の時、先頭をわずかにキープしやすくなる)

展開窺い  (レース中盤に後ろの方だとわずかに疲れにくくなり、視野がちょっと広がる)

ペースキープ(レース中盤に追い抜かれた時にかかりにくくなり、持久力が少し回復する)

トリック(前)(レース中盤に前の方にいると、後ろのウマ娘たちをわずかに動揺させる)

 

スキルPt:150

 

 

【交友関係】

 

ペンギンアルバム  絆30

ソーラーレイ    絆25

チューターサポート 絆10

チームウェズン   絆25

 

 

【戦績】

 

通算成績:4戦2勝 [2-1-1-0]

ファン数:1831 → 3631人

評価点数:900(オープンクラス)

 

主な勝ちレース:きんもくせい特別

 

 




※ 誓って言いますが全て不正なくダイス振ってます

※ 今回の描写カロリーは特に多かったので明日19日の更新も1回です
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。