オリウマ娘はダイスと選択肢に導かれるようです 作:F.C.F.
【投票結果】
スタミナトレーニング
【友情トレーニング抽選】
失敗/通常トレーニング
スタミナトレーニング。
つまりは水泳だ。
今日も今日とてサナリモリブデンはプールを泳ぐ。
「まだ折り返しを少し過ぎたところです! 気を抜かない! バタ足が膝から先だけになっていますよ!」
「……!」
郷谷の指摘で動作は即時に修正される。
サナリモリブデンの脚が根元から力強く滑らかに動き、水をかき分けて推進力を生む。
疲労の蓄積されるトレーニング後半戦。
どうしても体が鈍り、サナリモリブデンが頭で思い描いた動きが手足に反映されなくなる。
自然、郷谷から飛ぶ修正の指示も多くなりがちだ。
「今度は腕が水に入る角度が甘くなりました! 叩きつけず、差し込むように!」
それにサナリモリブデンはただありがたいと諾々と従う。
レースとは過酷なものだ。
疲労困憊。
満身創痍。
そういった状態でなお適切に動けなければならない、といった場面は幾らでもあるだろう。
プールの中。
疲労を重ね重ね重ねて、その上で十全に体を駆動させるための能力を養っていく。
「よし! これが最後の50メートルですよ! 振り絞って!」
そして、その指示を受けてサナリモリブデンはラストスパートをかける。
ぐんっと加速。
力強いストロークで水を蹴る。
体の底、丹田の奥に残されていた最後のスタミナをかけらまで使い切って、それでも尚足りない分は根性で補う。
「───ッ!」
そうして、ゴールにたどり着いた。
サナリモリブデンはその場でプールの縁にしがみつき、荒い息を吐く。
全身が鉛のように重い。
しかし、それ以上に充実感に満たされ、効果の実感を得てサナリモリブデンは顔を上げる。
「はぁ、はぁ、っ、ふぅ……ん」
そして、握った拳をずいっと突き出した。
先に居るのは郷谷である。
「お疲れ様です、よく頑張りました。ナイスファイトでしたよ」
こちらも拳を突き出し、こつんと当たる。
互いを労い激励するこれは最近のサナリモリブデンのお気に入りだった。
水中で尻尾が振られ、水がゆるりとかき回される。
「では一旦上がって下さい。この辺りで休憩を挟みましょう。回復したら今日は最後に総仕上げですよ」
「ん、了解」
従順にサナリモリブデンは従い、プールから上がった。
渡されたタオルが水と汗を吸って重みを増していく。
その重量の分だけ、少しずつ、しかし確実にサナリモリブデンの体力は強化されていった。
【トレーニング判定】
結果:成功
【トレーニング結果】
成長:スタミナ+30/根性+20
【スキルボーナス/冬ウマ娘◎】
成長:スタミナ+10/根性+10
スピ:287
スタ:190 → 230
パワ:264
根性:211 → 241
賢さ:211
【ランダムイベント生成】
イベントキーワード:「砂浜」「地位」「豚骨ラーメン」
「いやいやいや、ラーメンは豚骨だって。あの体に悪いコッテリ感がないと物足りないだろ」
「それはアビーがバカ舌だからだよ? 鶏ガラ煮干しのさっぱりしながらも薫り高い味わい深さがなんでわからないのかな」
唐突に戦争が始まっていた。
ここはトレセン学園近くに店舗を構えるラーメン屋だ。
正確にはその店先である。
なかなかの人気店であって、開店前から行列が出来上がっていた。
トレーニングの無い休日、サナリモリブデンはここに食事を取りにやってきたのだ。
お目当てはごく普通の醤油チャーシューメン、ウマ盛り。
今日はちょっと重めに餃子と唐揚げも頼もうかなどと画策していたりもする。
開店の11時を10分後に控え、朝食を少なめにしたお腹具合もクライマックスといったところ。
「ん-わっかんない! ラーメンて味噌系ならなんでも美味しくない?」
「それだわー。バターとコーンも入ってれば全部最高っしょ」
「は? それだけはないよ、ないない。味噌が濁るじゃん」
「??? 味噌ラーメンのスープってもともと濁ってるくない?」
「なんだァ? てめェ……」
なのだが、前後でこうも戦争を起こされては落ち着いて楽しみにできるはずもない。
サナリモリブデンはそっとそれらをチラ見した。
コッテリ派のアビルダに、サッパリ派のセレンスパーク。
味噌保守正統派を名乗るトゥトゥヌイに、味噌トッピング許容派のタルッケ。
見事に見覚えのある面々だった。
麺だけに。
そんな下らない事を心の中で考え、うーん3点と自己評価するサナリモリブデン。
チームウェズンと共に居ると頭が緩くなるのが彼女の特徴である。
そんなサナリモリブデンだが、チームウェズンと鉢合わせたのはただの偶然だ。
道端でばったり出くわし、軽く挨拶しつつ進む方向が同じなため少々雑談をしながら歩いていたら、辿り着いた目的地が一緒だったのだ。
「というかコレ毎回やってるよね? なのになんでアビーは学習しないの? ラーメンは別々に行こうって何回も言ったじゃない……」
「バカお前、ウェズンは家族なんだから一緒に飯食うに決まってんだろ」
「いくら家族扱いでも言い争いのタネは減らそうよ……」
セレンスパークが深くため息を吐き、ぼやく。
なお、そういう常識人ぶった振る舞いの彼女だが、スープ戦争においてひときわ攻撃性が高かったのも彼女だ。
やっぱりこの人もウェズンなんだなぁとサナリモリブデンは納得する次第である。
「あー、そーいやサナリンは派閥どこ? やっぱ味噌?」
「チャーシュー大盛りなら味は問わない」
「第5の派閥来ちゃった……サナリちゃんの舌もアレなんて、もうダメだぁ……」
タルッケの問いにサナリモリブデンが答え、セレンスパークが更なる分裂の気配に天を仰ぐ。
だがサナリモリブデンに口論に加わる気はなかった。
そういった部分の攻撃性とは無縁なのが彼女である。
各々好きな物を好きなように味わえば良いという立場だ。
さて、そんな事をしている内に開店の時間がやってきた。
店員が入り口のカギを開けて顔を出し、客を店内に案内し始める。
と、そこで少々問題が生じた。
前に並んでいた客でテーブル席は既に埋まり、残るはカウンターが4席のみ。
このままでは5人全員が一度に入る事はできない。
別にそれで問題はないといえばないのだが。
サナリモリブデンの行動
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ウェズンを先に行かせて1人店外に残る
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5人で入れるように他の客を先に行かせる
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最後尾のトゥトゥヌイに手を振って店に入る