オリウマ娘はダイスと選択肢に導かれるようです   作:F.C.F.

7 / 83
ジュニア級 3月イベント結果〜3月トレーニング選択

 

 

【投票結果】

 

逆に麦茶を布教する

 

 


 

 

考えた末に出た結論は明確なものだった。

 

(ない)

 

風呂上がりに炭酸?

論外だ。

火照った体には麦茶。

サナリモリブデンはもう何年も前からそう決めている。

いかに厚意であろうとも、他者の意見では曲げられない強いこだわりだ。

 

なのでそっと首を横に振る。

サナリモリブデンとて厚意を無碍にする後ろめたさはあるが、それはそれ。

無理なものは無理なのだ。

 

「ごめん。私、お風呂上がりに甘い炭酸は無理な方だから」

 

するとソーラーレイは驚きに目を見開く。

 

「へ? うっそ! これダメな子って実在したの?」

 

「……そこまで珍しい?」

 

「だってこんなに美味しいのに……」

 

確かめるように手元の炭酸をもうひと口。

グビリと味わい、ソーラーレイはやはり気持ち良さそうに息を吐いた。

 

「うん、やっぱわかんない。どう考えても最高じゃない」

 

そう言われても仕方がない。

一切嘘のない事実である以上、理解しにくくともしてもらうしかない。

 

「ま、しゃーないか。おっけ、そっちのも私が飲むわ。聞かないで買っちゃった方が悪いし、気にしないで」

 

ソーラーレイは手を差し出し、炭酸を受け取ろうとする。

ただ、それは良くないとサナリモリブデンは感じた。

折角の厚意を完全にふいにするのは良くないだろう。

 

「ううん、もらうにはもらっておく。お風呂上がりは麦茶って決めてるだけで、これも飲めないわけじゃないから。冷蔵庫に入れておいてそのうち飲む。ありがとう」

 

「そう? それならいいんだけど」

 

ソーラーレイはそれで手を引っ込めた。

特に気分を害した様子もなく、サナリモリブデンもホッとする。

 

「にしても、あんたって好み渋いのね。麦茶って……なんかお婆ちゃんくさいというか」

 

「む」

 

だが、続く言葉は聞き捨てならなかった。

ピクリと眉を震わせ、ほんの少し耳を絞る。

 

「……入浴後の麦茶の健康効果は立証されてる。汗をかいて失ったミネラルの補給にはピッタリ。糖分がないからカロリー計算も楽」

 

「へ? いやまぁそりゃそうでしょうけど……」

 

「香ばしい香りにはアロマテラピー効果もある。自律神経を落ち着かせてくれるから、お風呂上がりのリラックスタイムをより充実したものにしてくれる」

 

「え、あれ……あの、もしかしてなんか怒ってる?」

 

「怒ってない」

 

言いつつ、サナリモリブデンは自分の財布を取り出した。

数枚の硬貨を自動販売機に投入し、ボタンを2回連続で押す。

出てきたのは麦茶のペットボトル、2本だ。

そのうち片方を何やら気圧されている様子のソーラーレイに手渡す。

 

「あげる。炭酸のお礼」

 

「い、いやえっと、私カフェインとか苦手でさ……」

 

「麦茶の原料は一般に六条大麦。緑茶や紅茶みたいにお茶の葉っぱから作られてるわけじゃないからカフェインは入ってない。むしろカフェインはそっちの炭酸に含まれてる」

 

サナリモリブデンはさらに詰め寄る。

ずずいと顔を近付け、至近距離からソーラーレイを覗き込む。

 

「カフェインも糖分も、汗をかいた後には適さない。利尿作用が強すぎるからかえって水分を失うことになる。美味しいけど、今は良くない。その点、麦茶のカリウムにも利尿作用はあるけど弱いものだからそういった心配はしなくていい」

 

「ね、ねぇちょっと! やっぱアンタ怒ってるでしょ!?」

 

「怒ってない。私が言いたいのはお風呂上がりには麦茶が適しているという事だけ」

 

「絶対嘘でしょ! 目がガチすぎんのよ!」

 

だが実際嘘ではない。

サナリモリブデンは温厚な性質で、多少の事では怒りに囚われる事はない。

 

が、それはそれとしてサナリモリブデンは極めてこだわりが強いウマ娘だ。

一度決めた事は頑として曲げない。

そして、その決定に対する否定意見には真っ向から対決すると決めていた。

そんな彼女としては、麦茶を嗜む至高のひと時をババくさいなどと言われて黙っていられないのだ。

 

「飲めばわかる。麦茶はいいもの。特に私たちアスリートにとっては。甘さと刺激に目を取られて麦茶を遠ざけるなんてもったいない」

 

「わ、わかった、飲む! 飲むから!」

 

「ミュータンス菌の繁殖も抑えるから虫歯予防にも効果的……!」

 

「分かったって言ってんでしょお!」

 

そしてその圧力を前についにソーラーレイが折れる。

やけになったようにサナリモリブデンの手からボトルを受け取り、キャップを開けて口に運ぶ。

ごくりごくりと喉を鳴らして飲んだ後、ぷはっと息を吐きだした。

 

「……まぁ、うん。麦茶って味よね。サッパリしてて悪くないけど……その、私はやっぱ炭酸のほうがいいわ」

 

「うん。そこは個人の好み。ただ、麦茶も悪くないし、決してババくさくなんてない、優れた飲料。便秘と冷え性にも効く。おすすめ」

 

「アンタって麦茶業界の回し者かなんかなの?」

 

呆れた様子のソーラーレイ。

 

「はぁ……でもまぁたしかにこれからはそういうとこにも気をつけなきゃかぁ。甘いものの飲み過ぎで体のバランス崩して負けたーなんてお話にならないもんね」

 

だが一応主張に対する納得はしてくれたらしい。

別に嫌いではないようでチビチビとだが口をつけている様子もある。

サナリモリブデンとしても、ならヨシと頷ける落とし所だ。

 

「炭酸も別に悪いわけじゃない。甘さも刺激もストレスには効果的。ただ、お風呂上がりには麦茶の方が良いだけ。適材適所で楽しめばいいと思う」

 

「そっか。まぁそーね。それはそれとしてアンタが結構わけわかんないし面倒くさいヤツってのもわかったわ」

 

「とても心外」

 

「はいはい」

 

調子を戻したソーラーレイは抗議を軽く流し歩き始める。

そろそろ大浴場の利用者が増えてくる時間帯だ。

あまり廊下にとどまっていては邪魔になってしまう。

そのまま2人は解散し、それぞれの部屋に戻った。

 

「……そういえば言い忘れてたけど、麦茶には美容効果も認められてる。ライブのセンターで歌いたいならやっぱりオススメ」

 

「別れ際に蒸し返さなくてもいいでしょ!? アレは忘れなさいよ!」

 

最後に、そんなちょっとしたからかいを投げ掛けてからだったが。

 

 


 

 

【イベントリザルト】

 

友好:ソーラーレイの絆+5

成長:パワー+10/賢さ+5

獲得:スキルヒント/押し切り準備

 

押し切り準備/最終コーナーで先頭をわずかにキープしやすくなる<作戦・逃げ>

 

スピ:87

スタ:90

パワ:84 → 94

根性:126

賢さ:111 → 116

 

 


 

 

【3月トレーニング選択】

 

スピードトレーニング / スピード↑↑↑  パワー↑↑

スタミナトレーニング / スタミナ↑↑↑  根性↑↑

パワートレーニング  / パワー↑↑↑   スタミナ↑↑

根性トレーニング   / 根性↑↑↑    スピード↑  パワー↑

賢さトレーニング   / 賢さ↑↑↑    スピード↑  根性↑

 

適応訓練:芝     / 芝経験↑↑↑   スピード↑  パワー↑

適応訓練:ダート   / ダート経験↑↑↑ スタミナ↑  パワー↑

 


 

■ サナリモリブデン

 

【ステータス】

 

スピ:87

スタ:90

パワ:94

根性:126

賢さ:116

 

【適性】

 

芝:E(5/10)

ダ:F(0/10)

 

短距離:B(1/30)

マイル:B(0/30)

中距離:B(0/30)

長距離:B(0/30)

 

逃げ:A(1/50)

先行:B(0/30)

差し:A(0/50)

追込:C(0/20)

 


 

3月のトレーニング

  • スピードトレーニング
  • スタミナトレーニング
  • パワートレーニング
  • 根性トレーニング
  • 賢さトレーニング
  • 適応訓練:芝
  • 適応訓練:ダート
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。