※注意※
この話には以下の要素が含まれます。
・ご都合主義
・ほのぼの初心者
・実在するゲームの登場(エルデンリング履修推奨)
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きりたんが家に来るというトンデモイベントがあったものの、それが嫌かと問われればそうでもない。
寂しさを埋めてくれるのが何よりありがたく、ゲームの趣味も合う。きりたん本人はどうやら先日のスマブラのおかげでだいぶ打ち解けてくれたらしく、舐めるような態度はなりを潜め、素直ないい子となっていた。
だからこそまあ愛着は湧くもので。妹ができたみたいで嬉しかった俺は少しきりたんに対して甘くなってしまった。もちろん限度も弁えているしやり過ぎもしていない。だがお願いを結構な頻度で聞いてしまうのも事実だ。
「道彦さん。リモコン取ってください」
「そんぐらい自分で取りなさい」
「えー、めんどくさいです」
「くすぐりまでさーん、にーい」
「わ、わかりましたよ!自分で取ります!」
たまにお願いを通り越してワガママを言う時もあるが、そういう時はくすぐりをチラつかせることでなんとか手綱を手放せてはいないという状態だ。少し前にお仕置きでくすぐりまくったのがよほど堪えたのだろう。
「あ、そういえば道彦さん。女の子にくすぐりをするのはセクハラだって聞きましたよ!つまりもうその切り札は効果を発揮しません!」
「残念ながらそれが当てはまるのは中学生以上。小学生はまだ躾の対象なので大人しく笑い転げていればいいんです」
「くっ…!」
小学生ゆえか仕入れた知識をよく吟味せず使っては自分の首を締めていく。俺もそんな時があったなぁとしみじみしつつ、生意気にも反撃せんとしたきりたんへと近づく。
「さて、不発とはいえ一発は一発だ」
「ちょ、ちょっと待ってください。これはですねそうちょっとした出来心というか好奇心のなせる技というか」
「問答無用!」
「あ、ちょ、やっめってあはははは!待って、待ってくだあははははは!」
逃れようと床をゴロゴロ転がって移動するきりたん。しかし私の動体視力を舐めるな、転がって脇が上になる度に餅つきの合いの手の如くくすぐるのは朝飯前なのだよ。
「息が!あははははは!息がもちませっあははははは!」
「よいしょ、よいしょ……と、危ない」
「んにゃ、はひっ、ふぅ…ふぅ……」
まあゴロゴロ転がってたらやがて部屋の壁に辿り着く。激突する前に合いの手をやめて脇に手を指し持ち上げると、息も絶え絶えにきりたんはやっとこさ落ち着いた。
「道彦さんは鬼です。悪魔です。小学生相手に酷いです」
「そうは言っても、くすぐられるの分かってる癖に突っかかってくるのはどうかと思うけどな。もしかして、実は楽しんでる?」
「楽しんでないです!」
プンスカと頬を膨らませているきりたん。しかしどことなくやりきった感というか、少し口角が上がってるのは言わないでいてあげよう。
「口がニヤけてるけど」
「そんなことは!言わなくて!いいんです!」
我慢なんてできなかったわ。ウガーッと飛びついてくるきりたんを受け止めその場でクルクルと回る。言わば簡易型メリーゴーランド。
しかめっ面だったきりたんは抱えられて回るのが楽しいらしく、少しすれば楽しげな表情になっていく。
思えば、俺がガキの頃もじーさんにやってもらったなコレ。まあじーさんはコーヒーカップの如く最高速度のぶん回しだったが。いやーあれは怖かった。あのままぶん投げられてしまうんじゃないかってヒヤヒヤもんだったな。
まあ楽しげな様子ではあるが、明らかに子供にやるような事だ。流石に自分の状況を冷静に捉えたのか、きりたんは頭の包丁型髪飾りを取り外し振り回し始めた。
「もう怒りました。情状酌量の余地無し、ギルティです!」
「よく『情状酌量』なんて言葉知ってるな」
「ゲームが何の役にも立たないと思ったら大間違いですよ!」
ああ、確かにゲームって色んな知識つくよな。意外と使いどころがあるし……でもそうなると、大抵の人が文系の方に流れていっちゃうんだよなぁ。
活かす場が規模は小さくとも数はあるから、妙な自信がついてしまって思考が楽なそっちに傾いてしまうのだ。活躍する場は……強いて言うなら友達に披露するぐらいか?
「ん、友達と言えば、きりたんは学校大丈夫なのか?」
「はい。ずん姉さまとイタコ姉さまが荷物を持ってきてくれたので」
「そうか……俺は明日から大学に行くけど、車で送って行こうか?」
「え、でも……流石にそこまで迷惑はかけられないですし」
「気にすんなって。流石に一週間徒歩で行かせる訳にも……あ、もしかしてバスで行っているのか?」
「あ、はい。友達と一緒に行っているんです」
バスは田舎だと、バス停の数や間隔は大きいものの主な移動手段としてよく利用される。運転手と仲がいいと、進路上にあることが条件で家の前で降ろしてくれたりするしな。幼稚園から小学校低学年までは、俺もよくバスで登校したものだ。
「なるほど、イタコさんが言ってた学校に伝えておくってのの中にバスの件とかもあったわけか」
「そうだと思います」
「そうかぁ……というか、きりたんにも友達っていたんだな」
「なっ……失礼な!私だって友達の1人や2人くらいいますよ!」
ゲームの強さで相手を測るきりたんに友達が……ゲームが余程上手い子なのだろうか。
「……別に、ゲームの強さで判別したりはしてませんよ」
「なんでバレたし」
「ふん!私ぐらいのゲーマーになると、表情やキャラの動きはもちろん、場に漂う空気で意図を汲み取るぐらい雑作もありません!」
「一種の境地に至ってないかそれ」
フンスフンスとドヤリ顔をしているきりたんを撫でてやりつつ、俺はこのぐらいのガキだった頃を思い出す。
あの頃は散々だったなぁ……上級生に目をつけられて、家に呼ばれてまで宿題やらされたりドリルで勉強させられてた。あの頃はオドオドしてて縮こまってたからそれが刺さったんだろうか、わからん。
「さて、話をするのも楽しいですがそろそろゲームの時間です」
「きりたんは常時ゲームの時間じゃないか?」
「はい。つまりこの時間が異常だったのです」
俺との話を『異常』で片付けてしまったきりたんは、恐らく家の物であろうPS4を取り出した。
「……わざわざ持ってくるとは。設定やらなんやら面倒じゃないか?」
「その辺りのスキルは完璧です。なんなら家の機器類は私が管理していると言っても過言ではありません。流石に維持費は姉さまに任せていますが」
そういいながら流れるようにコードを差し設定をしていくきりたん。あっという間にダウンロード時間へと移行し、この家に新たなPS4が根を張るのは時間の問題であった。
「はえー……ここまで手際がいいと感心するわ。俺でもこの倍以上は時間かけちまう」
「ふっ……こんなもので小学生に負けてしまうだなんて。恥ずかしくないんですか〜?」
「きりたん今日のオヤツ抜きな」
「え、あ、それはズルいじゃないですか!」
「いちいち煽るのもどうかと思うぞ俺は」
こちらとしては切るカードを結構揃えてある。きりたんに掻い潜ることはできないだろうさ。
「ぐぬぬ……どこか姉さまたちと同じような扱いをされている気がしますね。そんなに私を追い詰めたいんですか!」
「自分の首を絞めている自覚がおありでない?」
そんなじゃれ合いをしていると、どうやら諸々終わっていたようで。見覚えのあるタイトルと壮大な曲が流れ始めた。
「おっ……エルデンリング?」
「おや、このゲームを知っていたんですか」
「まあフロムゲーはだいたいな。きりたん死にゲーやるんだ」
「最近はどのゲームも刺激が少なくてですね。高難易度かつ、ストーリーを明言しない言わば考察ゲーは大好物なんです」
思えば、俺が東北家にお邪魔した時もきりたんはエルデンリングをやっていたな。ボスの大技の時に音量MAXにするという爆音事件が記憶に新しい。
「というわけで、私はこれからボスに挑みます。前回は中尾さんのせいで負けましたし」
「おいコラ」
未だに根に持ってたのかこの子。しかしエルデンリングかぁ……少しちょっかいかけてみるか。
「俺も久しぶりにエルデンリングやろうかな」
「おー、ちなみにどこまで進めたんです?」
「6エンディングは見たよ」
「なっ……!ま、まあ私は買ってもらったばかりですし?すぐに追い抜いてみせますよ!レベルは幾つですか!?」
「レベルは150で止めてるよ。対人のレベル帯は120か150だ」
「ひゃくごっ…!?ダークソウル3でも120辺りが適正でしたのに……」
「今作が色々とインフレし過ぎたんだよ」
ゲームを立ち上げている間にきりたんの画面を見てみれば、大斧を構え幻影の獅子を背負った筋肉モリモリの爺さんの姿が。
『最初の王ゴッドフレイ』。ラスボスの一歩前で戦う強ボス。フロム産のゲームでは珍しい純粋なパワータイプであり、理不尽要素の無い力のぶつかり合いを楽しめる。俺としてはずっと戦っていたいほど好きなボスだ。
ただやはり
「この…ダークソウルみたいに正直な攻撃なのに。ちゃんと見えてるのに絶妙に合わない!」
『褪せ人よ。よい、戦いであった』
「んああ負けたぁ!」
力強い斧の一撃で塵となるきりたんの操作キャラ。慣れないと回避タイミングが中々噛み合わないボスだからなぁ、仕方ないさ。
ロードを挟み、復活ポイントに戻ったきりたん。再戦を求めて道を行く……が、途中で邪魔が入った。
【 血の指 Godfrey に侵入されました! 】
「……はい?」
「enough, of this kingly folly……」(もう王の愚かさは充分だ……)
きりたんの前に現れる見覚えのある姿。獅子は背負っておらず、かなり小さくなっているが、それは確かに何度も敗北の苦汁を飲ませてきた相手。
「As the first Elden Lord, And upon my name as Godfrey!」(最初のエルデの王として、我が名はゴッドフレイ!)
ゴッドフレイ……の装備を着けた俺の登場である。
この後、対人戦に慣れていないきりたんをめちゃくちゃボコボコにした。別にさっきの煽りのお返しとか思ってない。俺嘘つかない。
お久しぶりです。いやはや、未完結の小説をいくつも作るもんじゃないですね()
今回といい前回といい、きりたんといえばゲームってイメージがあります。ゲームの描写はどれぐらいが程よいのか……もし良ければ感想などでアドバイスを送ってくださると嬉しいです。よろしければ評価もご一緒に!
ゆかりさん達側の話いる?
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その時その時の心情回
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たまに主人公などに対しての心情回
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このまま主人公視点のまま